| 【発明の名称】 |
可動式手摺り |
| 【発明者】 |
【氏名】板東 律子
【氏名】阿原 真
|
| 【要約】 |
【課題】可動式の手摺りをしっかりと握ることのできない者であっても、安全且つ確実に手摺りの揺動動作を行うことができるようにする。
【解決手段】起立状態から水平状態までの範囲で揺動できるように壁面等に取り付けられた可動式手摺りにおいて、手摺り本体4,8,17の先端側から取付基部3までの間に、腕を挿通してなお余裕のある大きさの開口部10a〜10c,15,16,18,19,20等を形成する。これらの開口部へ腕を通して腕全体を上げ下げすることにより、手摺り本体4,8,17を揺動させることができるため、手摺り本体4,8,17をしっかり握るだけの握力のない高齢者や身体障害者等であっても確実に手摺り本体4,8,17の揺動を行うことができ、安全且つ確実に行うことが可能である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】起立状態から水平状態までの範囲で揺動できるように壁面等に取り付けられた可動式手摺りにおいて、手摺り本体の先端側から取付基部までの間に開口部を形成して成り、該開口部は腕を挿通してなお余裕のある大きさであることを特徴とする可動式手摺り。 【請求項2】腕を挿通してなお余裕のある開口部が複数個形成されていることを特徴とする前記請求項1に記載の可動式手摺り。 【請求項3】前記開口部が手摺り本体の先端側に形成されたU字状のものであることを特徴とする請求項1に記載の可動式手摺り。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、医療施設,福祉施設,その他の公共施設や一般住宅等のトイレ又は浴室等に設置され、高齢者や身体障害者等の補助具として利用される可動式の手摺りに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来では、高齢者や身体障害者等がトイレを使用したり、浴室で入浴するに際し、手摺りを補助具として設置している。この補助具は、固定式のものと可動式のものとがあるが、手摺りが不要な介助者又は身体障害者等にとっては、前記固定式の手摺りでは邪魔になることがあり、また手摺りが必要な身体障害者等にとっては便座へ着座した状態から車イスへ移乗する場合に邪魔になることがあり、更にはスペース的にも問題があった。そのため、最近では可動式のものが多く設置されるようになってきており、使用しない状態では壁面へ密着させて退避させ、使用状態のときは水平状態にして使用者が凭れかかる等して使用者を補助することができるようにしている。 【0003】従来の可動式手摺りの一例を示せば、図3の通りである。この従来の可動式手摺り1は、壁面2に固定された取付基部3と、この取付基部3に対して起立状態(図3の実線で示す状態)から水平状態(図3の鎖線で示す状態)までの範囲を揺動自在とした手摺り本体4とから成る。手摺り本体4は、ステンレスやアルミ合金のパイプ又はPVC樹脂パイプ等を湾曲形成しており、手摺り本体4の先端側から取付基部3までの間の手摺りのパイプ自体で囲まれた領域はその全体が開口部5となっている。なお、図3において、6は便器である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このような可動式手摺り1では、これを使用者が使用しないとき又は介助者が居る場合には、手摺り1は邪魔になるので、図3の実線で示すように起立状態の位置へ揺動させてこの位置で固定しておくことが必要である。また使用時には、起立状態から同図の鎖線で示す水平状態の位置へ揺動させることが必要である。ところが、従来の可動式手摺り1では、これらの揺動操作を行う場合に、手摺り1をしっかりと握ることのできない高齢者や身体障害者の場合は、手摺り本体4が起立状態から、また揺動途中の状態から急激に倒れ込んで水平状態になる場合があり、頭部や上半身の一部と強く衝突したり、接触したりするので非常に危険であった。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、可動式の手摺りをしっかりと握ることのできない者であっても、安全且つ確実に手摺りの揺動動作を行うことのできる可動式手摺りを提供せんとするものである。 【0006】而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、起立状態から水平状態までの範囲で揺動できるように壁面等に取り付けられた可動式手摺りにおいて、手摺り本体の先端側から取付基部までの間に開口部を形成して成り、該開口部は腕を挿通してなお余裕のある大きさであることを特徴とする可動式手摺りである。開口部へ腕を通して腕全体を上げ下げすることにより、手摺り本体を揺動させることができるため、手摺り本体をしっかり握るだけの握力のない高齢者や身体障害者等であっても確実に手摺り本体の揺動を行うことができ、安全且つ確実に行うことが可能である。 【0007】また本発明が採用した請求項2の手段は、腕を挿通してなお余裕のある開口部が複数個形成されていることを特徴とする前記請求項1に記載の可動式手摺りである。使用者は、自分の体に適した位置の開口部へ腕を挿通して手摺り本体の揺動を行うことができるので、その操作が簡単である。 【0008】更に、本発明が採用した請求項3の手段は、前記開口部が手摺り本体の先端側に形成されたU字状のものであることを特徴とする請求項1に記載の可動式手摺りである。腕を挿通せずとも、U字状部へ押し当てて揺動させることもでき、便利である。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。なお、従来の場合と同一符号は同一部材である。図1は本発明の第1の実施の形態に係る可動式手摺り7をトイレ室の壁面2へ設置した場合の斜視図である。同図に示す如く、この可動式手摺り7は、壁面2へ取り付けられて固定された取付基部3に対して起立状態から水平状態までの範囲で揺動自在に取り付けられ、起立状態と水平状態とにおいてその姿勢を固定することができるようになった手摺り本体8を有している。この手摺り本体8の揺動に関する機能自体は、従来の場合と同じである。 【0010】而して、本実施の形態に係る手摺り本体8は、ステンレス,アルミ合金,PVC樹脂等の材料から成り、板状のものを水平状に延出させて先端側で下側へ向けて湾曲形成し、所定寸法下がったところで折り返して再び水平状になるようにし、取付基部3まで戻るようにしたものである。そして、上下の板状間を縦板9で連結し、この縦板9の先端側から取付基部3までのあいだに3つの開口部10a〜10cを形成している。開口部10a〜10cは、手摺り本体8の先端寄りに形成されており、使用者が服を着たままの状態で腕を挿通してもなお余裕のある大きさに設定されている。 【0011】このように構成された可動式の手摺り7は、これを使用者が使用しないとき又は介助者が居る場合には、邪魔になるので起立状態の位置へ揺動させてこの位置で固定しておくことが必要である。また使用時には、起立状態から水平状態の位置へ揺動させてこの位置で固定することが必要である。この可動式手摺り7では、このような操作に際し、その操作をする者が、手摺り本体8をしっかり握ることのできない高齢者や身体障害者であっても、前記手摺り本体8の開口部10a〜10cのうちの自分の体格に応じた高さのものを選択してこれに自らの腕を挿通し、腕の全体を通じて手摺り本体8の上げ下げを行えばよい。 【0012】従って、手摺り本体8をしっかり握ることのできない握力不足の高齢者や身体障害者であっても確実に手摺り本体8の上げ下げを行うことが可能であり、安全である。つまり、手摺り本体8の上げ下げ操作に際し、使用者の腕が手摺り本体8の開口部10a〜10cのうちのいずれか1つから決して外れることがなく、その結果、手摺り本体8が起立した姿勢の状態から、また揺動途中の状態から急激に倒れ込むことがなくなり、極めて安全である。 【0013】図2の図(A)〜図(C)は、本発明の第2〜第4の実施の形態に係る可動式手摺り11〜13を示すものである。図(A)に示す可動式手摺り11は、図3に示す従来の可動式手摺り1の手摺り本体4に、開口部5を区画する支柱14をボルト又は溶接等により取り付け、開口部5に腕を挿通してなお余裕のある大きさの開口部15を形成するようにしたものである。また同図の図(B)に示す可動式手摺り12は、図(A)に示す手摺り11の開口部5を区画する支柱14を2本設け、腕を挿通してなお余裕のなる大きさの開口部15,16を形成した場合を示すものである。更に、同図の図(C)に示す可動式手摺り13は、上下2本の手摺り本体17の途中を2か所で連結し、先端側にU字状開口部18を形成し、中間部に腕を挿通してなお余裕のある大きさの開口部19,20を形成したものである。このU字状開口部18の場合は、該U字状開口部18へ腕を押し当てて手摺り本体17の揺動を行うことが可能である。その他の構成並びに作用効果は、前述した第1の実施の形態の場合と同じである。 【0014】 【発明の効果】以上説明したように本発明にあっては、起立状態から水平状態までの範囲で揺動できるように壁面等に取り付けられた可動式手摺りにおいて、手摺り本体の先端側から取付基部までの間に、腕を挿通してなお余裕のある大きさの開口部を形成したから、開口部へ腕を通して腕全体を上げ下げすることにより、手摺り本体を揺動させることができるため、手摺り本体をしっかり握るだけの握力のない高齢者や身体障害者等であっても確実に手摺り本体の揺動を行うことができ、安全且つ確実に行うことが可能である。 【0015】また本発明にあっては、腕を挿通してなお余裕のある開口部を複数個形成したから、使用者は、自分の体に適した位置の開口部へ腕を挿通して手摺り本体の揺動を行うことができ、その操作が簡単である。 【0016】更に、本発明にあっては、手摺り本体の先端側に形成されたU字状の開口部により、腕を押し当てて手摺り本体を揺動させることが可能であり、腕を挿通せずともよく、その操作が簡単であり、且つ便利である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000479 【氏名又は名称】株式会社イナックス
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月7日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】内田 敏彦
|
| 【公開番号】 |
特開平11−104042 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月20日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−274025 |
|