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【発明の名称】 ウェットティッシュ加熱装置
【発明者】 【氏名】熊井 学

【氏名】松本 斉

【要約】 【課題】装置内部の保温性を高めて、加熱の際の消費電力を小さくすると共に、ウェットティッシュから蒸発した水分の装置外部への流出を防ぐことができるウェットティッシュ加熱装置を提供する。

【解決手段】ウェットティッシュ加熱装置30において、収納部40の上方を覆う上ケース32と、収納部40を有する下ケース34とを有し、上ケース32は、外蓋51と、収納部40の上面開口部を閉塞する内蓋53とからなる二重壁構造を成し、外蓋51は、外面が凹設して形成されると共にウェットティッシュを取り出す取り出し孔74が形成されている中蓋部72と、中蓋部72の上方を開閉可能に閉塞する取り出し口蓋63とを有し、内蓋53は、取り出し孔74と連通する開口部61を有していることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ウェットティッシュを1枚ずつ取り出し可能に収容したウェットティッシュ容器を収納する収納部と、該収納部内の前記ウェットティッシュ容器を加熱する発熱体とを備えたウェットティッシュ加熱装置において、前記収納部の上方を覆う上ケースと、前記収納部を有する下ケースとを有し、前記上ケースは、外蓋と、前記収納部の上面開口部を閉塞する内蓋とからなる二重壁構造を成し、前記外蓋は、外面が凹設して形成されると共にウェットティッシュを取り出す取り出し孔が形成されている中蓋部と、該中蓋部の上方を開閉可能に閉塞する取り出し口蓋とを有し、前記内蓋は、前記取り出し孔と連通する開口部を有していることを特徴とするウェットティッシュ加熱装置。
【請求項2】 前記収納部の上面開口部を囲むように、前記収納部の上端縁部に形成された第1の段差と、該第1の段差の内壁に略当接するように前記内蓋の収納部側から突出して、前記収納部の上面開口部を囲む第1の突部とを設けたことを特徴とする請求項1記載のウェットティッシュ加熱装置。
【請求項3】 前記中蓋部の取り出し孔を囲むように中蓋部に形成された第2の段差と、該第2の段差の内壁に略当接するように前記取り出し口蓋の収納部側から突出して、前記ウェットティッシュの取り出し孔を囲む第2の突部とを設けたことを特徴とする請求項1または2記載のウェットティッシュ加熱装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェットティッシュを加熱するウェットティッシュ加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ウェットティッシュは、薬液等が含浸されて常に濡れた状態にあるティッシュである。このウェットティッシュはおしぼり等と同様に、人体を拭くことに用いる場合が多く、使い捨てができることから病人や乳幼児のお尻を拭くといったことにも用いられている。かかるウェットティッシュは、ビニール等の袋であるウェットティッシュ容器内に1枚ずつ折り畳まれて収容されている。この単なる袋であるウェットティッシュ容器に収容されているウェットティッシュは、外気温の変化に伴って温度が変化する。特に、外気温の低下によって冷たくなったウェットティッシュを使用すると、ウェットティッシュが肌に触れた際のショック等によって病人や乳幼児に不快感を与え、眠っていた病人が起きてしまったり、乳幼児が急に泣きだしたりするといったことがあった。このため、特開平8−117137号公報に開示されているような、ウェットティッシュの加熱装置が提案されている。
【0003】以下、図17に、特開平8−117137号公報によるウェットティッシュ加熱装置について説明する。従来のウェットティッシュ加熱装置10は、ウェットティッシュ容器41を収容可能な収納箱11と、収納箱11の上面開口部分を覆う蓋体12より構成される。蓋体12内部の底面には、蓋体12の中央に形成された開口部13の周囲を囲んでウェットティッシュを加熱する発熱体14が設けられている。さらに、発熱体14の上方には断熱材15が載置されており、この断熱材15によって発熱体14のからの熱が蓋体12から逃げださないようにしている。開口部13の上面には取り出し口蓋16が設けられ、ウェットティッシュを取り出す際には取り出し口蓋16を開けて内部のウェットティッシュを取り出すようにしている。また、この取り出し口蓋16は、常時は閉じられており、ウェットティッシュに含浸している薬液の蒸発を防ぎ、保温性を保つことができる。また、収納箱11内部には、上記したウェットティッシュ容器41が載置される密着板17と、密着板17下面と収納箱11内底面との間で常に密着板17を上方に付勢するスプリング18とが設けられている。
【0004】密着板17上に載置させられたウェットティッシュ容器41は、スプリング18の付勢力によって常に上方に付勢されて蓋体12の底面に接することとなる。このため、ウェットティッシュ容器41内の最上方に存するウェットティッシュが最もよく加熱され、最先取り出し順位のウェットティッシュを重点的に加熱することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のウェットティッシュ加熱装置では、蓋体や取り出し口付近での保温性が悪く、電源の投入から所定温度に達するまでの加熱時間が長くなってしまうので消費電力が大きいといった課題があった。また、ウェットティッシュから蒸発した水分が、取り出し口蓋と蓋体との間や、蓋体と収納箱との間から装置外部へ流出しやすく、装置内部のウェットティッシュが乾燥してしまうといった課題があった。
【0006】したがって、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、装置内部の保温性を高めて、加熱の際の消費電力を小さくし、さらに、ウェットティッシュから蒸発した水分の装置外部への流出を防ぐことができるウェットティッシュ加熱装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために次の構成を備える。本発明に係るウェットティッシュ加熱装置によれば、ウェットティッシュを1枚ずつ取り出し可能に収容したウェットティッシュ容器を収納する収納部と、該収納部内の前記ウェットティッシュ容器を加熱する発熱体とを備えたウェットティッシュ加熱装置において、前記収納部の上方を覆う上ケースと、前記収納部を有する下ケースとを有し、前記上ケースは、外蓋と、前記収納部の上面開口部を閉塞する内蓋とからなる二重壁構造をなし、前記外蓋は、外面が凹設して形成されると共にウェットティッシュを取り出す取り出し孔が形成されている中蓋部と、該中蓋部の上方を開閉可能に閉塞する取り出し口蓋とを有し、前記内蓋は、前記取り出し孔と連通する開口部を有していることを特徴としている。この構成を採用することによって、装置内の保温性を向上させて加熱時間を短縮し、消費電力を小さくすることができる。また、前記収納部の上面開口部を囲むように、前記収納部の上端縁部に形成された第1の段差と、該第1の段差の内壁に略当接するように前記内蓋の収納部側から突出して、前記収納部の上面開口部を囲む第1の突部とを設けたことによって、収納部内の気密性が高まり、ウェットティッシュから水分が蒸発しても水分が外部へ流出することを妨げ、ウェットティッシュの乾燥を防ぐことができる。さらに、前記中蓋部の取り出し孔を囲むように中蓋部に形成された第2の段差と、該第2の段差の内壁に略当接するように前記取り出し口蓋の収納部側から突出して、前記ウェットティッシュの取り出し孔を囲む第2の突部とを設けたことによって、ウェットティッシュの取り出し口部分においても気密性を高めることができ、ウェットティッシュから水分が蒸発しても水分が外部へ流出することを妨げ、ウェットティッシュの乾燥を防ぐことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るウェットティッシュ加熱装置の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図4に、本発明に係るウェットティッシュ加熱装置の外観と内部構造について示す。ウェットティッシュ加熱装置30は、ウェットティッシュ容器41を収納して加熱する下ケース34と、下ケース34の上面開口部を覆って下ケースを閉塞する上ケース32とから形成されている。下ケース34の外壁面には、持ち運びの際に使用する把手36が設けられている。把手36は、上方に向けて回動自在に設けられており、持ち運びの際には把手36を上方に回動させて持ち運び、ウェットティッシュの取り出しの際には、取り出しの邪魔にならないように下方に回動させる。また、下ケース34には脚部35と電源スイッチ33が設けられている。電源スイッチ33には、電源がONになると点灯する電源表示ランプ68が設けられている。
【0009】下ケース34は嵌合部31において内ケース34aと外ケース34bとに分離可能である。内ケース34aは、ウェットティッシュ容器41を収納するための凹部である収納部40と、収納部40上端から外側に延びる上端縁部と、上端縁部から下方に向かって延びる外壁部とを有し、外壁部下端縁に嵌合部31が形成されている。外ケース34bは、収納部40の底面側と収納部40の外壁面下部外方を覆い、その上端縁が嵌合部31に形成され、嵌合部31、31により、内ケース34aと外ケース34bが分離可能に嵌合される。収納部40の底面から下方に向けてネジ穴を有する突部43aが設けられ、外ケース34bの突部43bとの間をネジ止めすることで内ケース34aと外ケース34bとが固定される。このように、下ケース34は二重壁構造になっているので断熱効果が高く、また外ケース34bを取り外すことにより収納部40の外壁面があらわになり発熱体の組み込み等を容易に行える。なお、下ケースを二重壁構造に設けなくともよい。
【0010】収納部40は、ウェットティッシュ容器41を収納可能な大きさに形成されているが、ウェットティッシュ容器41にはウェットティッシュを製造する各メーカーにより様々な大きさのものが存在しているため、それらメーカーの中でも最も大きなウェットティッシュ容器41の大きさに合わせて収納部40の大きさが設定されている。収納部40は、PP,PE,PC,PS,AS,PVC等による合成樹脂で形成されている。なお、内ケース34aにおいて収納部40の部分は分離可能に設けてもよい。この場合は、収納部40の材質は、他の部分とは違う材質である金属の鉄、銅、SUS、アルミニウム等を用いてもよく、またこれらの金属表面にフッ素コーティング、ビニールコーティング、メッキ、アルマイト処理等を施したものであってもよい。
【0011】図5の収納部40の平面図に示すように、収納部40の内壁面には収納部内方に突出する支持突部の一例として突条45が設けられている。この突条45は、収納部40の内壁面全面に所定間隔をおいて複数本設けられている。このため、ウェットティッシュ容器41を収納部40内に収納しても、ウェットティッシュ容器41は収納部40の内壁面には直接接触せずに突条45によって保持されて収納される。また、突条45に図示しないスリットを形成すれば、隣り合う突条間の熱のこもりを防ぐことができる。
【0012】収納部40の外壁面および外底面には、発熱体の一例としての箔ヒーター44が接着剤または接着テープ等によって取り付けられている。なお、箔ヒーター44は収納部40の外壁面および外底面の内どちらか一方にのみに設けてもよい。ここで、図6〜図7に基づいて箔ヒーター44について説明する。箔ヒーター44は、コードヒーター46をアルミ箔48の表面に貼り付けて、アルミ箔48の外部に導出したコードヒーター46の端部に電源接続端子50を設けたものである。また、箔ヒーター44は、図6に示すように2枚のアルミ箔48でコードヒーター46を挟むようにして形成したものであってもよい。このような箔ヒーター44は、コードヒーター46で生じた熱をアルミ箔48に均一に伝えるので伝熱面積が大きくなり、温度のムラが少なく、収納部40を効率よく加熱できる。また、接着剤や接着テープ等で貼るだけで簡単に固定することができる。また、図8〜図9に、収納部40の外壁面のみに取り付けられる箔ヒーターの実施例を示す。箔ヒーター104は、収納部40の底面に対応する中央部105が開口されて成り、収納部40の外壁面のみに取り付け可能なように形成される。この箔ヒーター104は、両面接着テープ102の接着体102aの一方の表面上にコードヒーター46を貼り付け、さらにその上からアルミ箔48を貼り付けてコードヒーター46を覆ったものである。箔ヒーター104を収納部40に取り付けるには、まず両面接着テープ102の表面紙102bを取り去り、次いで中央部105の四隅に位置する小幅部106を折り曲げて、露出した接着体102aの他方の表面を収納部40の外壁面に貼り付けることによって行われる。
【0013】収納部40内に収納されたウェットティッシュ容器41は突条45により支持されているので、箔ヒーター44によって加熱された収納部40との接触による熱伝導では加熱されず、隣り合う突条45、45間に存する空気からの熱伝導や、収納部40の内壁面からの輻射熱によって行われる。ウェットティッシュ容器41が、空気からの熱伝導や内壁面からの輻射熱によって加熱されることで、接触による熱伝導での部分的な加熱を防ぐことができ、ウェットティッシュの部分的な乾燥や、過熱による変色等を防ぐことができる。特に、空気が加熱されることで対流が起き、ウェットティッシュ全体が均一に加熱される。なお、このような突条は設けなくともよい。
【0014】箔ヒーター44の接続回路図を図10に示す。まず、電源コードの先端に取り付けられているプラグ60によって家庭用電源からAC100Vが入力される。このプラグ60の後段には、電流ヒューズ62が接続されている。電流ヒューズ62が接続されていることによって制御部に過電流が流れ込まないようにして、回路の保護を図ることができる。また、電流ヒューズの代わりに温度ヒューズを接続すれば発熱体の異常発熱等を感知して回路を遮断できる。電流ヒューズ62の後段には、電源スイッチ33が接続されて箔ヒーター44への電源のON−OFFを行う。この電源スイッチ33の後段には、保護抵抗66と直列に接続された電源表示ランプ68が設けられている。電源表示ランプ68が設けられていることによって、電源が入っているかどうかを確認することができる。電源表示ランプ68の後段には、箔ヒーター44と直列にバイメタル等による制御スイッチ70が接続されている。制御スイッチ70は箔ヒーター44の表面に直接取り付けられているが、この箔ヒーター44の温度が所定温度になると、制御スイッチ70内の接点が開き、箔ヒーター44の温度が所定温度以上に上昇しないように調節することができる。また、制御スイッチ70は、収納部40の表面に取り付けて収納部40の温度を感知してもよい。制御スイッチ70によって電流が遮断された後、箔ヒーター44の温度が所定温度まで低下すると、制御スイッチ70の接点は閉じ、再び箔ヒーター44に電流が供給される。このため、常に適温でウェットティッシュを加熱することができる。また、制御スイッチ70の後段に、箔ヒーター44が適温になったら点灯する適温表示ランプ(図示せず)を接続してもよい。なお、上記電源表示や適温表示はランプに限られることはなく、LEDや液晶表示によって行われても好適である。
【0015】次いで、上ケース32について、図11に基づいて説明する。上ケース32は、外蓋51と、下ケース34の上面開口部を閉塞する内蓋53とから成る二重壁構造に形成されている。これら外蓋51と内蓋53との間には断熱空間55が形成されるので、この断熱空間55が装置内部と外部との断熱をして装置内の保温性が向上する。また、外蓋51と内蓋53とは、ネジ穴を有する突部90a、90bとの間をネジ止めすることによって固定されている。内蓋53には、収納部40の上端縁部に形成されている第1の段差94の内壁に略当接し、収納部40の上面を囲む第1の突部57が、下方に向けて設けられている。また、段差94を設けず、収納部40の上端縁部の平面部40aに突部57の先端部が略当接しても、収納部40の内壁面に突部57が略当接してもよい。このように、収納部40の開口部の外周を突部57で囲んでいるので収納部40の気密性が高まり、ウェットティッシュから水分が蒸発しても、水分が外部へ流出することを妨げ、ウェットティッシュの乾燥を防ぐことができる。
【0016】内蓋53の略中央部には、開口部61が設けられている。外蓋51の中央部は凹設されて中蓋部72に形成されており、この中蓋部72によって内蓋53の開口部61が閉塞されている。中蓋部72にはウェットティッシュが取り出される取り出し孔74が設けられており、この取り出し孔74は、保温性や水分の蒸発を考慮に入れて可及的に小さく形成されている。中蓋部72は、中央部が段差96および第2の段差97によって下方に向けて2段階に凹んだ形状を有している。中蓋部72の上方には、外蓋51の外表面と面一に形成される取り出し口蓋63が設けられている。また、取り出し口蓋63の下面には、中蓋部72の段差97の内壁に当接し、取り出し孔74を囲む第2の突部73が、下方に向けて設けられている。このように、取り出し孔74の外周を突部73と段差97で囲んでいるので、取り出し孔74から水分が蒸発しても、水分の外部への流出を妨げ、ウェットティッシュの乾燥を防ぐことができる。また、中蓋部72と取り出し口蓋63との間にも断熱空間75が形成されるので、さらに断熱効果を高めることができる。
【0017】取り出し口蓋63について説明する。取り出し口蓋63は上面からみて長円状に形成されており、その一方の長辺において、回動軸67により中蓋部72の内側に回動自在に取り付けられている。取り出し口蓋63の他方の長辺には、取り出し口蓋63の上方への回動を係止するためのロック機構71が設けられている。ロック機構71は、取り出し口蓋63に設けられた係合凹部98に係合する係合爪99と、係合爪を係合凹部から解除する方向へ回動させる押しボタン100とから形成されている。係合爪99は、図示しないスプリングにより、図4上で右端側が時計回転方向に付勢されている。また、取り出し口蓋63には、ねじりコイルバネ65によって回動軸67を中心軸として上方へ回動するように付勢されている。このため、押しボタン100を押して係合爪99を係合凹部98から解除するとねじりコイルバネ65の付勢力によって取り出し口蓋63が開くことができる。なお、取り出し口蓋63の他の開閉機構としては、取り出し口蓋63が外蓋51と一体に形成され、外蓋51との接続部の樹脂の弾力性によって常時上方に付勢するようにしてもよい。また、取り出し口蓋63を着脱自在に設けてもよい。
【0018】次に、上述した突条以外に、ウェットティッシュ容器と収納部の内壁面とを隔離する隔離体の他の実施例を図12に示す。上記実施例で説明した部材と同一の部材については、同じ符号を付して説明は省略する。収納部40の内底面には、上方に向けて突出する支持突部54が複数本立設されている。これら複数本の支持突部54のうち、収納部40の内壁面近くに存する支持突部54aは、他の支持突部54よりも高さが高くなるように形成されている。このため、ウェットティッシュ容器41の側面を支持突部54aで押さえるようにすることができ、内壁面に支持突部を設けなくても収納部40の内壁面とウェットティッシュ容器41とを隔離することができる。また、隔離体としては、収納部40の内底面に載置される簀の子状部材であってもよい(図示せず)。さらに、収納部40の上面開口側を閉塞する蓋体である内蓋53にウェットティッシュ容器41を貼り付けて、ウェットティッシュ容器41が収納部40の内壁面および内底面と接触しないように収納してもよい(図示せず)。
【0019】また、隔離体は、ウェットティッシュ容器を収納部内に吊り下げて支える吊り下げ部材であってもよい。図13に、吊り下げ部材の一例としての籠体80を示す。籠体80は、側面および底面が網状部材で囲まれ、その上面の開口側からウェットティッシュ容器41を収容可能に設けられている。また、籠体80は、収納部40の内底面に接触しないように吊り下げられ、さらに、収納部40の容積よりも小さく形成されて収納部40の内壁面に接触しないように設けられている。籠体80の上端縁部は、外方に突出して収納部40の上端縁部に設置される枠状の支持部82となっている。このように、支持部82によって支持された籠体80は収納部40の内底面および内壁面に接触しないので、加熱された収納部40との接触による熱伝導では加熱されず、ウェットティッシュ容器41の加熱は、空気からの熱伝導や、収納部40の内壁面からの輻射熱によって行われる。ウェットティッシュ容器41が、空気からの熱伝導や内壁面からの輻射熱によって加熱されることで、接触による熱伝導での部分的な加熱を防ぐことができ、ウェットティッシュの部分的な乾燥や、過熱による変色等を防ぐことができる。特に、空気が加熱されることで対流が起き、ウェットティッシュ容器全体が均一に加熱される。吊り下げ部材としては、上述した籠体に限られることはなく、ウェットティッシュ容器を収納部の内壁面に接触しないようにウェットティッシュ容器を収納部内に吊り下げることができる帯状部材であってもよい(図示せず)。なお、上述してきた隔離体については、設けなくても好適である。
【0020】発熱体の他の実施例を図14〜図15に示す。上記実施例で説明した部材と同一の部材については、同じ符号を付して説明は省略する。発熱体として、上述した箔ヒーター44の他に、コードヒーター46を収納部40の外壁面に巻き付けて用いてもよい。この場合、コードヒーター46のずれ防止機構として、収納部40の外壁面に突起部49を形成し、コードヒーター46を突起部49に引っ掛けて収納部40の外壁面に巻き付けるようにすると好適である。また、コードヒーター46を収納部40の底面に設ける場合には、収納部40の底面に下方に向けて突出するピン52を複数本形成し、ピン52、52間にコードヒーター46をかけわたすとよい。さらに、発熱体の他の例としてマイカヒーター、PTCヒーター等であってもよい(図示せず)。マイカヒーター、PTCヒーターの収納部40への取り付けは、箔ヒーター44と同様に接着剤または接着テープ等により行うことができる。PTCヒーターは、温度が高くなるとそれ自身の抵抗値が上がるため、温度制御用に上述した制御スイッチをPTCヒーターに接続しなくても、所定温度以上に温度上昇しないように自ら温度制御が可能である。
【0021】また、マイコンを用いることによって、温度制御やその他の制御が容易に行える。マイコン制御のブロック図を図16に示す。マイコン81には、収納部40内に設けられて収納部内の温度を測定するサーミスター等から成る温度センサー87、収納部40内に設けられて収納部内の湿度を測定する湿度センサー88、ウェットティッシュ容器41から引き出されているウェットティッシュに触れるように設けられているリードスイッチ86、液晶、LED、ランプ等から成る表示部92、発熱体85への電流を制御する制御回路84、温度設定等の操作を行うことができる操作部82が接続されている。マイコン81は、予め記憶されている収納部40内の適温値(所定の温度幅に設定される)と、温度センサー87から入力される計測値とを比較して、計測値の方が適温値よりも低いと判断した場合には制御回路84に発熱体85にさらに電流を流しつづけるように制御信号を出力し、計測値の方が適温値よりも高いとした場合には、制御回路84への制御信号の出力を停止して発熱体85の加熱を停止させることができる。また、記憶されている適温値は操作部79からの操作によって変更可能であると便利である。
【0022】マイコン81は、予め記憶されている収納部40内の好適な湿度値(所定の湿度幅に設定される)と、湿度センサー88から入力される計測値とを比較して収納部40内が乾燥していないかどうか判断することができる。マイコン81は、収納部40内が乾燥していると判断したら、表示部92に表示信号を出力して乾燥している旨を表示させる。また、ウェットティッシュを1枚取り出すと、取り出す毎にリードスイッチ86が1回振れるので、マイコン81はリードスイッチ86からのウェットティッシュ取り出し信号をカウントしておけば、予め記憶させておいたウェットティッシュ容器内のウェットティッシュ総枚数と取り出し信号のカウント値とを比較して、ウェットティッシュの残量を計算することができる。計算したウェットティッシュの残量は、表示部92に表示信号を出力することによって表示することができる。ウェットティッシュ取り出しの計測には、リードスイッチ以外にも光センサーを用いて計測を行ってもよい。また、ウェットティッシュ容器の底面に当接するような重量センサー(図示せず)を設けて、ウェットティッシュ容器の重量を計測することによって、ウェットティッシュの残量を計算するようにしてもよい。
【0023】さらに、取り出し口蓋63のロック機構71の係合爪99と係合凹部98間に接点を設けてこの接点からの信号をマイコン81に入力させてもよい(図示せず)。マイコン81は、ロック機構71からの接点信号によって一定時間以上取り出し口蓋63が開いていると判断したら、表示部92に表示信号を出力して取り出し口蓋が開いている旨を表示させることができる。なお、上述してきたように各種センサーからの計測結果を表示部92で表示する以外にも、図示しないブザー等を設けて警告音を発生させるようにしてもよい。
【0024】以上、本発明の好適な実施の形態について種々述べてきたが、本発明は上述する実施の形態に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0025】
【発明の効果】本発明に係るウェットティッシュ加熱装置によれば、上ケースを二重壁構造に形成したことによって、装置内の保温性を向上させて加熱時間を短縮し、消費電力を小さくすることができる。また、収納部の上端縁部に形成された第1の段差の内壁に当接し、収納部の上面開口部を囲む第1の突部を設けたことによって、収納部内の気密性が高まり、ウェットティッシュから水分が蒸発しても水分が外部へ流出することを妨げ、ウェットティッシュの乾燥を防ぐことができる。さらに、中蓋部に形成された第2の段差の内壁に当接し、ウェットティッシュの取り出し孔を囲む第2の突部を設けたことによって、ウェットティッシュの取り出し口部分においても気密性を高めることができ、ウェットティッシュから水分が蒸発しても水分が外部へ流出することを妨げ、ウェットティッシュの乾燥を防ぐことができる。
【出願人】 【識別番号】390008497
【氏名又は名称】日本電熱株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月3日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 隆夫 (外1名)
【公開番号】 特開平11−18987
【公開日】 平成11年(1999)1月26日
【出願番号】 特願平9−178473