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【発明の名称】 コーヒーメーカ
【発明者】 【氏名】布川 秀之

【要約】 【課題】焙煎開始時に発生する水蒸気や臭気、発煙を防止できるコーヒーメーカを提供すること。

【解決手段】コーヒーの生豆を攪拌させながら焙煎する焙煎器5と、焙煎されたコーヒー豆を粉砕する粉砕部23と、給湯部28と、給湯部28より給湯される熱湯と粉砕されたコーヒー粉とからコーヒーを抽出する抽出部3と、抽出されたコーヒーを受けるデカンタ4とを備え、前記焙煎器の底部に第一の電熱ヒータ10と焙煎器内上部に第二の電熱ヒータ9を配設し、前記第二の電熱ヒータ9の加熱により活性化状態になる脱臭触媒15を設けたコーヒーメーカにおいて、焙煎を開始してから脱臭触媒15が所定温度に到達した後、第一の電熱ヒータ10へ通電するよう構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コーヒーの生豆を攪拌させながら焙煎する焙煎器と、焙煎されたコーヒー豆を粉砕する粉砕部と、給湯部と、給湯部より給湯される熱湯と粉砕されたコーヒー粉とからコーヒーを抽出する抽出部と、抽出されたコーヒーを受けるデカンタとを備え、前記焙煎器の底部に第一の電熱ヒータと焙煎器内上部に第二の電熱ヒータを配設し、前記第二の電熱ヒータの加熱により活性化状態になる脱臭触媒を設けたコーヒーメーカにおいて、焙煎を開始してから脱臭触媒が所定温度に到達した後、第一の電熱ヒータへ通電することを特徴とするコーヒーメーカ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コーヒー生豆の焙煎からコーヒーの抽出までを行えるコーヒーメーカの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、特願平9−84502号の出願において、コーヒーの生豆を攪拌させながら焙煎する焙煎器にて、焙煎器の底部に第一の電熱ヒータと焙煎器上部に第二の電熱ヒータを設け、前記焙煎器上部に備えられた排気口に隣接する位置に脱臭触媒を配設し、前記第二の電熱ヒータを前記脱臭触媒を活性化状態に加熱し得る位置に設けたコーヒーメーカを提供した。
【0003】上記のコーヒーメーカでは、焙煎器内が第一の電熱ヒータと第二の電熱ヒータにより均一な温度に加熱されるため、コーヒー生豆は包み込まれるように満遍なく加熱されることにより、豆の内部と表面の温度差が小さく、均一に焙煎され、さらに脱臭触媒は第二の電熱ヒータにより加熱されて活性化状態を呈するので、焙煎時に発生する臭気を有効に抑制できるといった効果を奏するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のコーヒーメーカでは、焙煎開始時において、第一の電熱ヒータと第二の電熱ヒータに同時に通電を開始するため、脱臭触媒が第二の電熱ヒータにて加熱されてから活性化状態に到達するまでの間も、第一の電熱ヒータではコーヒー生豆の焙煎が行われるので、このときに発生する臭気を脱臭触媒にて完全に抑制できないといった問題があった。
【0005】そこで、本発明はこのような現状に鑑み、黒焦げ状態や、過剰焙煎・焙煎不足の豆が生じることを防止し、さらに焙煎開始時に発生する水蒸気や臭気、発煙を防止できるコーヒーメーカーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】係る目的を達成するために本発明は、コーヒーの生豆を攪拌させながら焙煎する焙煎器と、焙煎されたコーヒー豆を粉砕する粉砕部と、給湯部と、給湯部より給湯される熱湯と粉砕されたコーヒー粉とからコーヒーを抽出する抽出部と、抽出されたコーヒーを受けるデカンタとを備え、前記焙煎器の底部に第一の電熱ヒータと焙煎器内上部に第二の電熱ヒータを配設し、前記第二の電熱ヒータの加熱により活性化状態になる脱臭触媒を設けたコーヒーメーカにおいて、焙煎を開始してから脱臭触媒が所定温度に到達した後、第一の電熱ヒータへ通電することを特徴とするコーヒーメーカに係わるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】係る構成とすれば、焙煎開始時においては、まず第二の電熱ヒータへ通電を行い、この第二の電熱ヒータの加熱により脱臭触媒が所定温度に到達してから第一の電熱ヒータに通電を行うようにしたので、焙煎開始時に発生する水蒸気や臭気、発煙等を活性化温度に到達している脱臭触媒にて効率よく抑制することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付した図面により説明する。図1は本実施例のコーヒーメーカの構成図であり、図2は焙煎器5の詳細を示す構成図である。また、図3は図2の矢印Vの方向で見た焙煎器5内部の構成図である。釜形をなす焙煎器5の内部には、回転軸6を中心に複数の発条7が延出する撹拌体8と、リング状をなす第二の電熱ヒータ9が設けられている。また、焙煎器5の底壁は、第一の電熱ヒータ10を加締めたプレート11で構成され、該プレート11の適所に第一温度センサ12が埋設されている。
【0009】尚、第一の電熱ヒータ10及び第二の電熱ヒータ9の発熱量は各々任意に設定可能であり、ここでは各々430W、160Wとしている。このように、第二の電熱ヒータ9の発熱量を抑えておくと、これだけでも豆の黒焦げを有効に防止でき、好都合である。
【0010】13は焙煎器5内壁に突設された第二温度センサ、蓋1には排気口14の上方に隣接して設けられた脱臭触媒15を配設してある。18はソレノイド16が開閉部材17を吸引したときに開口する落下口である。19は撹拌体8を回転駆動させるモータで、回転軸6とはここではバネ20を介して係合接続し、これにより撹拌体8からモータ19への熱伝導を軽減している。21は落下口18の直下に配置された保管部で、底部にファンを備えた冷却部22を備えている。保管部21の下部には臼式の粉砕部23が連通し、更にその下方の抽出部3は、ドリッパー24とフィルター25から構成されている。
【0011】デカンタ4は、保温ヒータ26を備えた保温基台27上に着脱自在に載置される。28は給湯部で、前出の保温ヒータ26の他、給湯パイプ29、水タンク2等から構成される。給湯パイプ29は、途中の一部が保温ヒータ26と隣接するように引き回されており、先端の出湯口30は抽出部3に向けて開口している。32は開閉部材17に形成されたスリット31から落下するチャフを収集するチャフ受けである。
【0012】次に上記した構成における動作を説明する。先ず、蓋1を持ち上げて所定量(例えば60g)のコーヒー生豆を焙煎器5内に投入する。そして、図示していない運転スイッチをONにすると、第二の電熱ヒータ9、並びにモータ19に通電が開始され、第二の電熱ヒータ9により加熱された脱臭触媒15が徐々に昇温する。そして、脱臭触媒15が所定温度に達した後、第一の電熱ヒータ10に通電を行う。
【0013】尚、本来であれば、サーミスタ等の温度検知器により測定した脱臭触媒15の温度が所定温度に達した後に第一の電熱ヒータ10に通電を行うように制御するのだが、本実施例では所定時間が経過した後、第一の電熱ヒータ10に通電を行うよう制御している。この所定時間とは第二の電熱ヒータ9の加熱により脱臭触媒15が活性化温度に達するまでの時間である。そして図5及び図6に示すタイミングチャートは、本発明と従来の制御における第一の電熱ヒータ10と第二の電熱ヒータ9の通電開始を示すのもである。
【0014】第一の電熱ヒータ10に通電が開始されると焙煎器5の底部が徐々に昇温し、コーヒー生豆は撹拌体8により撹拌されながら加熱される。そして、第一の電熱ヒータ10はプレート11に設けられた第一温度センサ12を速やかに昇温させる。
【0015】焙煎器5内の温度が上昇すると、コーヒー生豆は12〜13%程度の水分を含んでいるため、加熱されたコーヒー生豆から最初に蒸気が発生し、さらに温度が上昇すると、今度は蒸気と共に臭気を伴う煙が発生するようになる。このとき既に、脱臭触媒15は第二の電熱ヒータ9の放射熱を受けて活性化状態となっているので、排気口14から流出する水蒸気や臭気成分は、前記脱臭触媒15により酸化分解され無臭化される。
【0016】そして、第一温度センサ12が焙煎に好適な所定温度を検出すると、これ以降は所定温度を維持するために第一の電熱ヒータ10への通電量が制御される。一方、第二温度センサ13が所定温度を検出したときは、同様に第二の電熱ヒータ9も通電量が制御されるようになる。なお、通電量の制御については、従来周知のオン・オフ制御、位相制御等適宜の方式を採用できる。
【0017】第一の電熱ヒータ10及び第二の電熱ヒータ9の通電量を制御することによって、焙煎器5全体が理想的な焙煎温度に維持される。この場合、コーヒー生豆は特定方向から過度な放射熱を受けたり、焙煎器5の温度がばらつく従来器と違って、包み込まれるように満遍なく加熱される。従って、コーヒー生豆は内部と表面の温度差が小さく、且つ中央の割れ目から熱が内部にも浸透するため、内側が膨張してはぜることとなり、均一に焙煎される。さらに、係る如くヒータの発熱が焙煎に効率良く利用されるため、焙煎時間も短くて済む。
【0018】また、焙煎していく過程で、コーヒー豆からチャフが剥がれる。チャフは、これを除去せずに後述するコーヒーの抽出を行うと風味を悪くするので、焙煎中にスリット31から自然落下させ、開閉部材17の傾斜面を介してチャフ受け32に回収されるようになっている。
【0019】コーヒー豆の水分が2〜3%程度になって焙煎が完了すると、第一の電熱ヒータ10及び第二の電熱ヒータ9の通電が停止し、これと同時にソレノイド16に通電する。ソレノイド16に通電がなされると図4に示すように開閉部材17が回動し、落下口18が開口する。従って、コーヒー豆は撹拌体8の撹拌により落下口18を介して保管部21に落下する(矢印方向)。コーヒー豆の保管部21への排出が完了すると、モータ19とソレノイド16への通電が停止し、その一方で冷却部22のファンが所定時間動作する。冷却部22は高温のコーヒー豆を強制的に冷却し、これによって炭化の進行やコーヒーの香りが劣化することを防止する。
【0020】保管部21に一時保管されたコーヒー豆は、使用者からのコーヒー抽出の要求があれば粉砕部23に供給されて粉砕されるが、ここで図示していない操作パネルに配設された複数のスイッチにより抽出するコーヒーの杯数を選択できるようになっている。前記スイッチが押されると、粉砕部23によってコーヒー豆が粉砕され、コーヒー粉が抽出部3に供給される。
【0021】コーヒー粉が抽出部3に貯まると、保温ヒータ26に通電がなされる。保温ヒータ26は保温基台27を加熱してデカンタ4を温める一方、隣接する給湯パイプ29内の水を加熱する。
【0022】給湯パイプ29内の水は加熱され、ついには気泡と蒸気を発生して体積が大きくなり、出湯口30から熱湯として吐出する。この熱湯の吐出により抽出部3はコーヒーを抽出し、抽出されたコーヒーはデカンタ4に滴下する。そうして水タンク2の水が無くなると保温基台27の温度が上昇するので、この温度を適宜のセンサにより検出すれば、抽出運転の完了を知ることができる。また抽出運転完了検知後、保温ヒータ26にて最適温度に保温制御される。
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように本発明のコーヒーメーカは、焙煎開始時においては、まず第二の電熱ヒータへ通電を行い、この第二の電熱ヒータの加熱により脱臭触媒が所定温度に到達してから、第一の電熱ヒータに通電を行うようにしたので、焙煎開始時に発生する水蒸気や臭気、発煙等を活性化状態に到達している脱臭触媒にて効率よく抑制することができ、極めて高い脱臭効果が得られる実用性に優れたコーヒーメーカとなる。
【出願人】 【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)6月2日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−342079
【公開日】 平成11年(1999)12月14日
【出願番号】 特願平10−170706