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【発明の名称】 加熱調理装置
【発明者】 【氏名】栗原 正和

【要約】 【課題】食品重量に係わらず最適に調理することができる加熱調理装置を提供する。

【解決手段】バスケット5に投入された食品の重量を測定する重量測定器8を設ける。制御装置9は、重量測定器8で測定した食品の初期重量に対して調理中の食品の重量が所定の割合まで減少した場合に、昇降装置6によりバスケット5を上昇させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に液体を収納する加熱容器と、この加熱容器に出し入れされる食品収納用のバスケットと、このバスケットを上下に駆動させる昇降装置とを備えた加熱調理装置において、前記昇降装置を制御する制御装置を設け、この制御装置は、前記バスケットに投入された食品重量を測定する測定手段を備え、この測定手段により測定された食品の初期重量と調理中の食品の重量を比較し、当該調理中の食品重量が前記初期重量に対して所定の割合まで減少した場合に、調理終了と判断し、前記昇降装置により前記バスケットを上昇させることを特徴とする加熱調理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バスケット内に収納した食品を加熱容器内の液体(油等)で加熱調理するようにした加熱調理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種加熱調理装置は、例えば特開平5−253079号公報(A47J37/12)に示されている。当該公報には、油槽(以下、加熱容器と称す)と、該加熱容器に出し入れされる食品材料収納用のバスケットとを含む簡易加熱調理装置において、上記加熱容器の一側で上下方向にのびた案内部と、該案内部に沿ってスライド可能なスライド部材と、該スライド部材を上下方向に駆動させる昇降装置とを有し、上記スライド部材に上記バスケットを結合させる結合手段を備えたものが開示されている。
【0003】そして、食品を加熱容器の中で加熱(調理)している間に食品から加熱容器内の油の上面に発生する水蒸気中の水分を検出することにより、食品の揚げ上がり(調理終了)を検出し、食品からの水分が一定値以下になったことを検出した時点で調理終了を検出する構成とされていた。しかしながら、係る食品の調理終了検出装置は高価なものであると共に、食品の調理終了検出装置の検出器に油が付着してしまい誤動作の可能性もあった。
【0004】そこで、一般的には食品の種類によって予め時間を設定しておき、その設定時間により食品を調理する方法が採られている。この場合、加熱容器の中に食品を入れると、入れた食品の温度によって加熱容器内の油の温度が低くなるので、これを考慮して異なる食品の調理完成時間がそれぞれ最適になるように設定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、係る構成によると予め決められた量の食品を調理する場合には、予め設定された時間で行えば最適に調理することができるが、食品の量が多い場合は、入れた食品の温度によって加熱容器内の油の温度が大きく低下すると共に、食品の量が少ない場合にはそれほどは低下しない。
【0006】そのため、より多い食品を予め設定された時間で調理すると加熱容器内の油の温度の低下によって、食品の調理不足が発生してしまうと共に、少ない場合は逆に調理し過ぎてしまう問題があり、実際には作業者の熟練と経験に頼らなければならなかった。
【0007】本発明は、係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、作業者の熟練や経験に頼らず、食品の量に係わらず最適に調理することができる加熱調理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の加熱調理装置は、内部に液体を収納する加熱容器と、この加熱容器に出し入れされる食品収納用のバスケットと、このバスケットを上下に駆動させる昇降装置とを備えたものであって、昇降装置を制御する制御装置を設け、この制御装置は、バスケットに投入された食品重量を測定する測定手段を備え、この測定手段により測定された食品の初期重量と調理中の食品の重量を比較し、当該調理中の食品重量が初期重量に対して所定の割合まで減少した場合に、調理終了と判断し、昇降装置によりバスケットを上昇させるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を具備する加熱調理装置の実施例としてのフライヤー1の側面図、図2はフライヤー1の平面図、図3はフライヤー1の背面図、図4は昇降装置6の斜視図である。
【0010】1はポテト、天麩羅材料、コロッケ等の食品を調理するフライヤーで、このフライヤー1は上面が開口し、内部に油等の液体を入れる加熱容器2(所謂油槽)と、この加熱容器2を取り付けた外装体3と、前記加熱容器2内の底部に設けられたシーズヒータ等の電気ヒータ4と、この電気ヒータ4の上方に位置すると共に、前記加熱容器2の油内に浸漬され、調理する食品を収納するバスケット5と、このバスケット5を上下方向に昇降させ、前記外装体3の背面に取り付けられる昇降装置6とよりなるものである。
【0011】また、このフライヤー1に設けられる昇降装置6は左右に二つ設けられており、バスケット5も左右に二つ設けられている。そして、これら各バスケット5、5はそれぞれ単独で昇降させることができる。このため、外装体3の前面には操作・設定用のメニュースイッチ7が一つのバスケット5に対して5個、左右で10個設けられている。尚、図中9は制御装置であり、この制御装置9には昇降装置6を制御するための制御基板19が接続されている。
【0012】また、フライヤー1には例えばバスケット5と食品重量の合計からバスケット5内に投入された食品重量を測定する重量測定器8が取り付けられ、この重量測定器8の出力は前記制御装置9に接続されている。この重量測定器8は、例えばバスケット5内の食品の重量(バスケット5自体の重量含む)により、後述するアーム17に加わる力に基づいて当該食品重量を測定するものである。
【0013】制御装置9は、フライヤー1で調理を行なう以前の食品の重量と、調理を完成した後の重量との比によって昇降装置6の昇降を制御する。この場合、バスケット5に投入された食品の重量(加熱容器2内の油で調理する前の食品の重量)と、調理中の食品の重量(油にに浸漬された食品の重量。但し、浮力を考慮して補正する。)を重量測定器8で測定し、これらの比率によって後述する如く制御するものである。
【0014】また、10は加熱容器2内の油を排油するための排油バルブ、11は手動にてバスケット5を上下動させるハンドル、12は油の温度を調整するサーモスタット、13はフライヤー1を支持する台脚、図2の14は機器の動作を示すランプである。
【0015】フライヤー1の背面に設けられた昇降装置6は、円筒状の駆動モータ15と、この駆動モータ15にて上下方向にギヤ駆動されるロッド16と、このロッド16の上端に設けられ、前記バスケット5を引っかけるアーム17とよりなるものである。尚、バスケット5の端部には、アーム17に引っかけるフック18が設けられている。
【0016】そして、この駆動モータ15は、図3に示す如く、横置きで上下の位置関係となるように設けられており、これにより昇降装置6の小型化が図られている。また、昇降装置6の駆動部20は図4に示す如く、ロッド16のフライヤー1側にラックギヤ21が形成されており、このラックギヤ21に駆動部20内に設けられた図示しない歯車が嵌合するものである。また、22はリミットスイッチであり、このリミットスイッチ22には上限スイッチ22Aと下限スイッチ22Bが設けられている。
【0017】そして、上限スイッチ22A及び下限スイッチ22Bにロッド16に設けられたドグ23、23が当接して押すことにより昇降装置6の上昇動作、若しくは下降動作を停止するものである。尚、24は昇降装置6のカバーである。
【0018】以上の構成で次ぎに図5のフローチャートを参照してフライヤー1の動作を説明する。尚、フライヤー1の電源は入れられてONしているものとする。
【0019】ステップS1で制御装置9は昇降装置6(リフト)を上昇させることによりバスケット5を上昇させ、ステップS2で昇降装置6の上限スイッチ22Aが押されたか否か判断する。そして、押されていなければステップS1で上昇を継続する。
【0020】バスケット5が所定の上限位置まで上昇され、ステップS3でドグ23により上限スイッチ22Aが押されると、制御装置9はステップS3で昇降装置6を停止する。次に、ステップS4でメニュースイッチ7の操作を待つ。
【0021】加熱容器2から引き上げられたバスケット5内に食品が投入され、ステップS4で所定のメニュースイッチ7は押されると、制御装置9はステップS5で重量測定器8により前述の如く食品の初期重量を測定し、記憶する。
【0022】次に、ステップS6にて昇降装置6を下降させることによりバスケット5を下降させ、ステップS7で昇降装置6の下限スイッチ22Bが押されたか否か判断する。そして、押されていなければステップS6で降下を継続する。
【0023】バスケット5が所定の下限位置まで降下され、加熱容器2内の油にバスケット5及びそれに投入された食品を浸漬すると、ドグ23により下限スイッチ22Bが押されるので、制御装置9はステップS7からステップS8に進んで昇降装置6を停止する。
【0024】これによって、食品の調理が開始されるものであるが、制御装置9は係る調理中、ステップS9で記憶した初期重量の10%に現在の食品の重量が達したか否かを判断している。
【0025】ここで、フライヤー1で調理する前の食品は通常大量の水分を含んでおり、油で調理すると熱されて食品内の水分は蒸発してしまうのは周知の通りである。即ち、フライヤー1で調理する前の食品は重く、フライヤー1で調理した後の食品の重量は減少する。この場合、ある食品においては当該食品を最適に調理した場合、例えばフライヤー1で調理する前の食品の重量と、調理した後の重量は実験結果で約10%の減少であったものとする。
【0026】制御装置9はバスケット5内の食品を調理している最中、重量測定器8で測定している食品重量が、前記初期重量から10%減少した値に達した場合、制御装置9は食品の調理終了と判断して、ステップS9からステップS10に進む。ステップS10で制御装置9はバスケット5を上昇させ、ステップS11に進んで上限スイッチ22Aが押されたか否かを判断し、押されたらステップS3に戻ってバスケット5の上昇を停止する。以後これを繰り返す。
【0027】このように、バスケット5に投入された食品の重量を測定する重量測定器8を設け、制御装置9はこの重量測定器8で測定した食品の初期重量(油で調理する以前の重量)と調理中の食品の重量を比較して、調理中の食品重量が初期重量に対して10%減少した場合、調理終了と判断して昇降装置6によりバスケット5を上昇させている。これにより、従来のように予め設定された調理時間で食品を調理する場合に比較して、食品の量に係わらず、良好な調理を行なうことが可能になる。
【0028】また、制御装置9は食品を油で調理する以前の初期重量と調理中の食品の重量を比較して調理を完成させているので、熟練した料理人でなくとも、臨時職員、アルバイト等でも、常に一定の品質で揚げ物を作ることが可能となる。また、加熱容器2内の油の中に浸漬されたバスケット5は調理が完全に完成してから上昇するため、調理している時間に安心して他の仕事を行なうことができ、時間を有効に利用することができる。
【0029】尚、実施例では食品を油で揚げるフライヤーについて説明したが、それに限らず、種々の加熱調理装置に本発明は有効である。
【0030】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、内部に液体を収納する加熱容器と、この加熱容器に出し入れされる食品収納用のバスケットと、このバスケットを上下に駆動させる昇降装置とを備えた加熱調理装置において、昇降装置を制御する制御装置を設け、この制御装置は、バスケットに投入された食品重量を測定する測定手段を有し、この測定手段により測定された食品の初期重量と調理中の食品の重量を比較し、当該調理中の食品重量が初期重量に対して所定の割合まで減少した場合に、調理終了と判断して昇降装置によりバスケットを上昇させるよう構成したので、予め設定された調理時間で食品を調理する場合に比較して、食品の量に係わらず、均一且つ良好な加熱調理を実行することができるようになるものである。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安富 耕二 (外1名)
【公開番号】 特開平11−267042
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平10−75726