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【発明の名称】 無煙ロースター
【発明者】 【氏名】小川 繁彦

【要約】 【課題】

【解決手段】無煙ロースター10においては、調理物載置面11を囲繞する周壁12が傾斜して立設され、この周壁12には、外気20を吸引するための上部吸引孔13と油煙19などを吸引するための下部吸引孔14が穿設されている。また、周壁12の上端には、周壁12の内周側へ突出した内縁部15を有する上部カバー16が着脱自在に載置され、調理物載置面11の下方には、肉類17を焼くための熱源となる燃焼部18が配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 調理物載置面を囲繞する周壁を傾斜させて立設し、この周壁に煙吸引孔を穿設したことを特徴とする無煙ロースター。
【請求項2】 前記周壁の縦断面形状が、略く字状である請求項1記載の無煙ロースター。
【請求項3】 前記周壁の上端に、前記周壁の内周側へ突出した内縁部を設けた請求項1,2記載の無煙ロースター。
【請求項4】 前記煙吸引孔が、上下異なる位置に穿設された上部吸引孔および下部吸引孔で構成された請求項1〜3記載の無煙ロースター。
【請求項5】 前記上部吸引孔の最小内径部が、前記下部吸引孔の最小内径部より小である請求項4記載の無煙ロースター。
【請求項6】 前記内縁部が前記周壁に対して着脱可能である請求項3〜5記載の無煙ロースター。
【請求項7】 前記周壁の平面形状が、円形または多角形である請求項1〜6記載の無煙ロースター。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テーブルなどに着席して肉類などを焼きながら食する、いわゆる焼肉料理を行う際に使用する無煙ロースターに関する。
【0002】
【従来の技術】テーブルなどに着席し、テーブルの中心付近に設置されたロースターで肉類や野菜類などを焼きながら食する焼肉料理は、一般家庭でも広く実施されているが、焼肉料理を専門とする飲食店も数多く開設されている。
【0003】このような焼肉料理専門店においては、従来より、肉類などを焼くときに発生する煙が室内に放散するのを防止する機能を備えた、いわゆる無煙ロースターが採用されている。
【0004】このような無煙ロースターは、例えば、図6に示すように、肉類61などを載置するロストル62を囲繞する周壁63が立設され、この周壁63には多数の煙吸引孔64が穿設されている。そして、肉類61などを焼くときに発生する油煙などを、これらの煙吸引孔64を通じて吸引することによって、室内への油煙放散を防止している。
【0005】このような無煙ロースターに関する発明として、例えば、特開平6−296557号公報あるいは特開平6−319650号公報などに開示されているものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図6に示すような、従来の無煙ロースター60は、肉類61などを載置するロストル61の周りに形成されている周壁63が垂直であるため、煙吸引孔64を通じて油煙などを吸引した場合、ロストル62に向かって流れ込む外気65は、ロストル62上で焼かれている肉類61などの表面に当たった後、水平方向に移動しながら煙吸引孔64に吸い込まれている。このため、外気65の水平移動によって肉類61の表面が乾燥しがちとなり、風味や食味の低下あるいは歯触りの悪化などが生じる。
【0007】すなわち、従来の無煙ロースター60の場合、図6に示すように、煙吸引孔64を通じての吸引によって、ロストル62の直上付近には、流れ込んだ外気65の水平気流が発生するため、これによって、焼いている途中の肉類61から出た肉汁や油分などが表面から奪われて乾燥してしまい、風味や食味の低下あるいは歯触りの悪化などが生じるのである。
【0008】このように、調理中の肉類などの表面が乾燥するという現象は、特開平6−296557号公報や特開平6−319650号公報などに開示されている無煙ロースターにおいても同様に生じる問題である。
【0009】そこで、本発明が解決しようとする課題は、調理中の肉類の表面が乾燥して風味や食味などの低下や歯触りの悪化が発生することのない無煙ロースターを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明の無煙ロースターは、調理物載置面を囲繞する周壁を傾斜させて立設し、この周壁に煙吸引孔を穿設したことを特徴とする。このような構成とすることにより、煙吸引孔を通じて油煙を吸引した場合に調理物載置面へ流れ込む外気は、傾斜して立設された周壁の煙吸引孔に向かって移動するため、調理物載置面の上方における水平気流の発生が抑制される。したがって、流れ込んだ外気が調理中の肉類などの表面に直接当たって肉汁や油分などを奪い去ることもなくなり、乾燥に起因する風味や食味の低下や歯触りの悪化などが発生しない。
【0011】ここで、前記周壁の縦断面形状を略く字状とすることができる。周壁をこのような縦断面形状とすることにより、水平気流の発生を抑制する機能が高まるため、調理中の肉類から発生した油煙や温かい空気などは、肉類の上方で一旦滞留した後、流れ込んだ外気とともに煙吸引孔へ吸引されるようになり、肉類などの表面の乾燥を防止する機能が向上するとともに、熱の放散が減少するため省エネルギ効果も生じる。
【0012】また、前記周壁の上端に、周壁の内周側へ突出した内縁部を設けた構造とすることができる。このような構造とすることにより、調理物載置面の上方の開口部分の面積が少なくなるため、煙吸引孔を通じて吸引する場合、外気を吸引する力が相対的に増大して、油煙などを吸引する力が向上する。
【0013】さらに、前記煙吸引孔を、上下異なる位置に穿設された上部煙吸引孔および下部煙吸引孔で構成することができる。このような構成とすることにより、肉類などから発生した油煙などは下部吸引孔を通じて吸引され、上方から流れ込んだ外気は上部吸引孔を通じて吸引されるようになるため、温かい空気が肉類などをドーム状に覆った状態となり、肉類などの表面の乾燥を防止する機能がさらに向上する。
【0014】この場合、上部吸引孔の最小内径部を、下部吸引孔の最小内径部より小とすることができる。このような構造とすることにより、上部吸引孔の吸引力が下部吸引孔の吸引力より高まり、上方から流れ込んだ外気は速やかに上部吸引孔を通じて吸引されるようになるため、肉類などの表面の乾燥防止機能を低下させることなく、油煙などの吸引能力を高めることができる。
【0015】またさらに、周壁の上端に設けた内縁部を周壁に対して着脱可能な構造とすることができる。このような構造とすることにより、必要に応じて、周壁から内縁部を取り外すことができるようになるため、清掃を行う場合、作業性が向上するとともに、隅々まで清潔にすることができる。さらに、周壁と内縁部とを別々に製作して組み立てる方式を採用することができるようになるため、製作が容易となる。
【0016】ここで、無煙ロースターの周壁の平面形状を、円形または多角形とすることができる。このような形状とすることにより、周壁の方向性をなくすことができるため、実際に焼肉などを行う場合、着席位置による格差を解消することができる。また、周壁の平面形状を円形とすることにより、汚れなどが溜まりやすい角部分がなくなるため、清掃が容易となり、清潔な状態を維持することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は第1実施形態の無煙ロースターを示す斜視図、図2は図1の無煙ロースターの分解斜視図、図3は図1の無煙ロースターの縦断面図、図4は一部拡大縦断面図である。
【0018】本実施形態の無煙ロースター10においては、調理物載置面11を囲繞する周壁12が傾斜状に立設され、この周壁12には、油煙19などを吸引するための下部吸引孔14および外気20を吸引するための上部吸引孔13が穿設されている。また、周壁12の上端には、周壁12の内周側へ突出した内縁部15を有する上部カバー16が着脱自在に載置されている。そして、調理物載置面11の下方には、食材としての肉類17を焼くための熱源となる燃焼部18が配置されている。
【0019】無煙ロースター10を用いて肉類17を焼いた場合、肉類17から発生した油煙19などは下部吸引孔14を通じて吸引され、上方から調理物載置面11に向かって流れ込んだ外気20は上部吸引孔13を通じて吸引されるため、流れ込んだ外気20が調理中の肉類17などに直接当たって乾燥させることがなく、美味しい焼肉料理を提供することができる。
【0020】すなわち、無煙ロースター10では、周壁12の上下異なる位置に、上部煙吸引孔13および下部煙吸引孔14が穿設されているため、類材17などから発生した油煙19などは下部吸引孔13を通じて吸引され、上方から流れ込んだ外気20は上部吸引孔13を通じて吸引されるが、これによって、燃焼部18で加熱された温かい空気が肉類17などをドーム状に覆った状態となるため、肉類17の肉汁や油分などが外気20によって奪い去られることがなく、乾燥に起因する風味や食味の低下や歯触りの悪化などが発生しない。
【0021】また、無煙ロースター10の場合、上部吸引孔13の最小内径部21を、下部吸引孔14の最小内径部22より小としているため、上部吸引孔13の吸引力が下部吸引孔14の吸引力より強く、上方から流れ込んだ外気20は速やかに上部吸引孔13を通じて吸引される結果、油煙19などの放散が防止される。したがって、無煙ロースター10は、肉類17などの乾燥防止機能に優れているとともに、油煙19などの放散防止能力も高い。
【0022】さらに、本実施形態の無煙ロースター10では、周壁12の上端に、内縁部15を有する上部カバー16が載置され、調理物載置面11の上方の開口部分の面積が小さくなっているため、外気20を吸引する力が大であり、肉類17などから発生した油煙19などを外気20とともに効率的に吸引することができる。
【0023】この場合、内縁部15を有する上部カバー16は、周壁12に着脱自在であるため、必要に応じて、周壁12から上部カバー16を取り外すことができる。したがって、清掃などを行う場合の作業性が向上するとともに、隅々まで清潔にすることができる。さらに、内縁部15を有する上部カバー16と周壁12とを別々に製作して組み立てる方式を採用しているため、製作も容易である。
【0024】さらに、無煙ロースター10では、周壁12の平面形状を円形とすることにより周壁12の方向性をなくしているため、実際に焼肉料理を行う場合、着席位置による格差がない。また、周壁12の平面形状を円形とすることにより、汚れなどが溜まりやすい角部分がなくなるため、清掃が容易となり、清潔な状態を維持することができる。なお、周壁12の平面形状としては、円形のほかに多角形も採用することができる。
【0025】次に、図5を参照して本発明の第2実施形態について説明する。図5は第2実施形態の無煙ロースターを示す斜視図である。
【0026】本実施形態の無煙ロースター30の場合、調理物載置面31を囲繞するように縦断面が略く字状をした周壁32が立設され、この周壁32には、上部吸引孔33および下部吸引孔34が穿設されている。また、調理物載置面31の下方には、肉類35を焼くための熱源となる燃焼部40が配置されている。
【0027】無煙ロースター30を用いて肉類35を焼いた場合、肉類35から発生した油煙36などは下部吸引孔34を通じて吸引され、上方から調理物載置面31に向かって流れ込んだ外気37は上部吸引孔33を通じて吸引されるため、流れ込んだ外気37が調理中の肉類35などに直接当たることがない。
【0028】すなわち、上部吸引孔33の最小内径部38は下部吸引孔34の最小内径部39より小であるため、上部吸引孔33の吸引力は下部吸引孔34の吸引力より大であり、上方から流れ込んだ外気37は速やかに上部吸引孔33に吸引され、外気37が肉類35などに直接当たることがない。
【0029】したがって、調理物載置面31で調理中の肉類35から発生した肉汁や油分などが外気37によって奪われることがなく、風味、食味、歯触りなどが良好な、美味しい焼肉料理を提供することができる。
【0030】また、本実施形態の無煙ロースター30では、周壁32の縦断面形状が略く字状であるため、流れ込んだ外気37が肉類35に直接当たるような水平気流が発生しない。すなわち、調理中の肉類35から発生した油煙36や温かい空気などは、肉類35の上方で一旦滞留した後、上部吸引孔33へ吸引される外気37の流れに伴って移動し、下部吸引孔34を通じて吸引される。
【0031】したがって、調理中の肉類35は温かい空気で覆われた状態となり、表面の肉汁や油分などが外気37によって奪われることがなく、このことによっても、風味や食味の低下、歯触りの悪化などが防止される。また、無煙ロースター30の場合、温かい空気が肉類35などの上方に滞留することによって熱の放散が抑制されるため、省エネルギ効果も生じる。
【0032】
【発明の効果】本発明により、以下の効果を奏することができる。
【0033】(1)調理物載置面を囲繞する周壁を傾斜させて立設し、この周壁に煙吸引孔を穿設することにより、上方から流れ込む外気は、傾斜状に立設された周壁の煙吸引孔に向かって移動し、調理物載置面の直上における水平気流の発生が抑制されるため、流れ込んだ外気が調理中の肉類などに直接当たって肉汁や油分などを奪い去ることがなくなり、乾燥に起因する風味や食味の低下や歯触りの悪化などが発生しない。
【0034】(2)周壁の縦断面形状を略く字状とすることにより、水平気流の発生を抑制する機能が高まるため、調理中の肉類から発生した油煙や温かい空気などは、肉類の上方で一旦滞留した後、流れ込んだ外気とともに煙吸引孔へ吸引されるようになり、肉類などの乾燥防止機能が向上するとともに、熱放散が減少するため省エネルギ効果も生じる。
【0035】(3)周壁の上端に、周壁の内周側へ突出した内縁部を設けることによって、調理物載置面の上方の開口部分の面積が少なくなるため、外気を吸引する力が相対的に増大し、油煙などの吸引機能が向上する。
【0036】(4)煙吸引孔を、上下異なる位置に穿設された上部煙吸引孔および下部煙吸引孔で構成することにより、肉類などから発生した油煙などは下部吸引孔を通じて吸引され、上方から流れ込んだ外気は上部吸引孔を通じて吸引されるようになるため、温かい空気が肉類などをドーム状に覆った状態となり、肉類の乾燥を防止する機能がさらに向上する。
【0037】(5)上部吸引孔の最小内径部を、下部吸引孔の最小内径部より小とすることにより、上部吸引孔の吸引力が下部吸引孔の吸引力より高まり、上方から流れ込んだ外気は速やかに上部吸引孔を通じて吸引されるようになるため、肉類などの乾燥防止機能が低下することなく、油煙などの吸引能力が高まる。
【0038】(6)内縁部を周壁に対して着脱可能な構造とすることにより、必要に応じて、周壁から内縁部を取り外すことができるようになるため、清掃を行う場合、作業性が向上するとともに、隅々まで清潔にすることができる。また、周壁と内縁部とを別々に製作して組み立てる方式を採用することができるようになるため、製作が容易となる。
【0039】(7)周壁の平面形状を、円形または多角形とすることにより、周壁の方向性をなくすことができるため、実際に焼肉などを行う場合、着席位置による格差を解消することができる。また、周壁の平面形状を円形とすることにより、汚れなどが溜まりやすい角部分がなくなるため、清掃が容易となり、清潔な状態を維持することができる。
【出願人】 【識別番号】398019811
【氏名又は名称】有限会社プラザ厨機
【出願日】 平成10年(1998)3月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
【公開番号】 特開平11−267037
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平10−72113