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【発明の名称】 炊飯器
【発明者】 【氏名】金尾 修司

【要約】 【課題】蓋体開成時のブレーキ力のバラツキを少なくし、滑らかな開蓋動作行わせること。

【解決手段】炊飯器本体1の上面開口部を開閉自在に覆う蓋体3と、蓋体3に開閉自在に軸支する一対の支軸4と、炊飯器本体1の一端に蓋体3を開蓋付勢するねじりコイルばね7を内設するヒンジ部6と、ヒンジ部6に支軸4と枢支する軸受凹部5と、ねじりコイルばね7のコイル部7bを挟着する支持リブ6bを設け、ねじりコイルばね7のばね先端部7cと掛止するバネフック8を蓋体3に形成し、ヒンジ部6の開口背面を覆うヒンジカバー10と、ヒンジカバー10にばね先端部7cとコイル部7bに介在する可動アーム7dが摺動する傾斜面10aを有するスリットを形成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体開口部を蓋で開閉自在に覆うための支軸及び軸受部と、前記蓋体を開蓋付勢するねじりコイルばねと、前記蓋体の開成時に前記ねじりコイルばねの可動部が摺動する摺動部とを備え、前記ねじりコイルばねは、そのコイル部及び両端部の少なくとも一方向への動きが抑制されてなる炊飯器。
【請求項2】 ねじりコイルばねを配設するヒンジ部と、前記ヒンジ部の開口背面を覆うヒンジカバーとを備え、前記ヒンジカバーに、前記ねじりコイルばねの可動アームが摺動する傾斜面を有するスリットを配してなる請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】 ねじりコイルばねは、蓋体の開成直後に、スリットの傾斜面に可動アームが当接するように配設されてなる請求項2記載の炊飯器。
【請求項4】 スリットの傾斜面は、湾状に設けられてなる請求項2記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般家庭などで使用される炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の蓋体装置の構成は一般に、図9〜図12に示すような構成をしている。以下、その構成ついて図を参照しながら説明する。図9と図11において、11は上面を開口した炊飯器本体で、この炊飯器本体11の開口部は蓋体12で開閉自在に覆われている。蓋体12はヒンジ軸13を中心に回動し、またヒンジ軸13に挿入したねじりコイルばね14により開成方向に付勢されている。炊飯器本体11の一端にヒンジ軸13を保持するヒンジ部15を形成し、ヒンジ部15の開口背面にヒンジカバー16を挿着し覆っている。炊飯器本体11の上部前方には蓋体12の前方係止部17と係合するフックボタン18を設けている。このフックボタン18を操作することにより蓋体12の前方係止部17との係合が解除され、蓋体12はねじりコイルばね14の付勢力により開成するものである。
【0003】さらに、蓋体装置の詳細な構成について図10〜図12により説明する。蓋体12の後方には、ヒンジ軸13を両端で支持する軸支持部12aを形成し、また、軸支持部12aの中間部には下方に突出する減勢リブ12bを形成し、減勢リブ12bは蓋体12の開成動作に伴ってヒンジ軸13を中心に移動する。ヒンジ軸13と相対しているヒンジカバー16に減勢リブ12bが摺動するスリットを設け、スリットの幅は上方よりも下方を狭くした傾斜面16aを両面に形成している。蓋体12の開成状態が大きくなると減勢リブ12bがスリットの傾斜面16aに当接する構成になっている。そして、蓋体12の開成角度が大きくなるにしたがって減勢リブ12bと傾斜面16aとの接触面積が増大する。このように、蓋体12の開成角度が増大すると、その蓋体12の開成にブレーキ力が大きく加わる構成となっているので、開成方向に付勢しているねじりコイルばね14の付勢力が開成角度が大きくなるにしたがって弱められ、蓋体12の開成時の衝撃を弱めるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の構成では、減勢リブ12bをスリット幅が下方ほど狭くなっている傾斜面16aに当接させているため、開放状態の蓋体12に開方向の力が加わると、傾斜面16aに減勢リブ12bが食い込んでしまい蓋体12が固定状態となるばかりか、これを無理に閉めようとすると、楔着状態の減勢リブ12bの移動に伴ってヒンジカバー16が浮いて外れてしまうという問題点を有していた。
【0005】また、ブレーキ力は、減勢リブ12bの厚み寸法のバラツキ、スリットの傾斜面16a幅寸法のバラツキ等の要因により変化する。さらに、ねじりコイルばね14の付勢力のバラツキにより蓋体12の開成方向の力も変化する。その結果、蓋体12が急激に開き数回バウンドした後に停止したり、開成途中で停止するという問題点があった。
【0006】本発明は上記従来の課題を解決するもので、蓋体の開成時のブレーキ力が変化する寸法バラツキの要因を少なくし、安定した蓋体の開成動作を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、本体開口部を蓋で開閉自在に覆うための支軸及び軸受部と、前記蓋体を開蓋付勢するねじりコイルばねと、前記蓋体の開成時に前記ねじりコイルばねの可動部が摺動する摺動部とを備え、前記ねじりコイルばねは、そのコイル部及び両端部の少なくとも一方向への動きが抑制されてなるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1、2に記載の発明は、本体開口部を蓋で開閉自在に覆うための支軸及び軸受部と、前記蓋体を開蓋付勢するねじりコイルばねと、前記蓋体の開成時に前記ねじりコイルばねの可動部が摺動する摺動部とを備え、前記ねじりコイルばねは、そのコイル部及び両端部の少なくとも一方向への動きが抑制されてなることにより、ねじりコイルばねのコイル部の反発力によってブレーキ力を働かせることができ、ブレーキ力が安定し、開成時の衝撃もなくなるという作用を有する。
【0009】請求項3、4に記載の発明は、蓋体の開成直後にスリットの傾斜面に可動アームが当接するように構成したしたものであり、開成直後からブレーキ力を働かせ、開蓋付勢力が徐々に減勢することから、滑らかな動作で蓋体を開成することができるという作用を有する。
【0010】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の第1の実施例を図1〜図8を参照しながら説明する。図1〜図5において、1は上面を開口した炊飯器本体で、内部に内鍋2を着脱自在に収納している。3は炊飯器本体1の開口部を開閉自在に覆う蓋体で、この蓋体3に開閉自在に軸支する一対の支軸4を突設している。この支軸4と枢支する軸受凹部5を形成したヒンジ部6を炊飯器本体1の一端に設け、このヒンジ部6には支軸4を中心に蓋体3を開成方向に付勢するねじりコイルばね7を内設している。このねじりコイルばね7は、ばね下端部7aをヒンジ部6の係止穴6aへ挿入した後、コイル部7bの外形幅よりも狭い間隔の支持リブ6b間にコイル部7bを挟着し、上下面に配設した係止突部6cでコイル部7bがはみ出ないようにヒンジ部6に取付けている。このとき、ばね先端部7cとコイル部7bに介在する可動アーム7dをヒンジ部6の中央より突設させている。蓋体3内面にはばね先端部7cと掛止するバネフック8が突設している。
【0011】ここで、ヒンジ部6に蓋体3を取付けると、ばね先端部7cとバネフック8とが掛止し、前記ねじりコイルばね7は垂直方向への移動が規制され、支軸4とコイル部7bのセンターとが合致し支持され、支軸4を中心に蓋体3の回動が可能となる。蓋体3はその後部で支軸4により軸支され、前部を炊飯器本体1の上部前方側に設けたフックボタン9により係合している。このフックボタン9を操作すると係合が解除され、蓋体3はねじりコイルばね7の開成方向の付勢力により開成される。
【0012】10はヒンジ部6の開口背面を覆うヒンジカバーで、前記可動アーム7dが摺動する傾斜面10aを設けたスリットを形成している。摺動面10aはコイル部7b側に傾斜しており、蓋体3の開成角度が大きくなるにしたがって可動アーム7dは摺動面10aに沿ってコイル部7b側へ移動し、コイル部7bが圧縮されることで、コイル部7bの反発力が増大してブレーキ力が大きく加わる構成になっいるので、開成方向の付勢力は開成角度が大きくなるにしたがって弱められ、蓋体3の開成時の衝撃を弱めることができる。
【0013】なお、ばね先端部7cとバネフック8の掛止状態は図6のように、略L形または略U形に折曲げたばね先端部7cを略円形のバネフック8と案内リブ3a間でスライド可能にし、蓋体3開成時にコイル部7bが湾曲状に圧縮するように構成して、ブレーキ力を働かせている。
【0014】また、図7と図8のように、略円形のバネフックを可動アーム7d側(図7)およびコイル部7b側に配置(図8)し、これに掛止する略U形に折曲げたばね先端部7cを、バネフック8に沿って作動させ、蓋体3開成時にコイル部7bが並行圧縮移動するように構成して、上記図6よりも強いブレーキ力が働くようにしている。
【0015】(実施例2)次に、本発明の第2の実施例を図4を参照しながら説明する。ねじりコイルばね7の可動アーム7dが摺動するヒンジカバー10の傾斜面10aを、蓋閉状態の可動アーム7d近くのヒンジカバー10のスリット入口より下方へ形成して、開蓋付勢力が徐々に減勢するようにしている。
【0016】以上のように構成された炊飯器の蓋体装置の組立手順についてに説明する。まず炊飯器本体1のヒンジ部6に設けた係止穴6aにねじりコイルばね7のばね下端部7aを挿入し、コイル部7bを支持リブ6b間に挟着して、ねじりコイルばね7をヒンジ部6に取付ける。次にヒンジ部6の軸受凹部5外面と蓋体3の支軸4内面とを合わせて蓋体3を挿着すると、支軸4と軸受凹部5が枢支し、同時にばね先端部7cとバネフック8が掛止して取付けられ、最後にヒンジカバー10を挿着することで簡単に組立が完了する。
【0017】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によれば、本体開口部を蓋で開閉自在に覆うための支軸及び軸受部と、前記蓋体を開蓋付勢するねじりコイルばねと、前記蓋体の開成時に前記ねじりコイルばねの可動部が摺動する摺動部とを備え、前記ねじりコイルばねは、そのコイル部及び両端部の少なくとも一方向への動きが抑制されてなることにより、蓋体装置に必要な部品はねじりコイルばねのみで構成でき、ねじりコイルばねにヒンジ軸などの金属部品を使用していないため、蓋体の開閉時に発生する金属材が擦れる音がなくなり、音防止用のグリースの塗布も廃止できるなど製造コストの低減が図れ、品質が向上し高い信頼性を得ることができるとともに、摺動部にコイルばねの可動部が摺動するため、コイル部が圧縮されことで生じる反発力によりブレーキ力を働かせることができ、蓋体開成時のブレーキ力を変化させるものはコイル部の反発力だけとなり、ブレーキ力が変化する要因が少なく、安定した蓋体の開成動作を得ることができる。
【0018】また、請求項2に記載の発明によれば、ヒンジカバーの傾斜面に沿って摺動する可動アームの移動で、コイル部が圧縮されことで生じる反発力によりブレーキ力を働かせていることから、簡易な構成で請求項1の効果を得ることができる。
【0019】また、請求項3記載の発明によれば、蓋閉状態の可動アーム近くより可動アームが摺動する傾斜面を設けていることから、開蓋付勢力を徐々に減勢することができるため、蓋体の開成直後からブレーキ力を作用させても途中で止まることなく、滑らかな動作で蓋体を開成することができる。
【0020】また、請求項4記載の発明によれば、傾斜面が湾状であることにより、全開直前にブレーキが働くように付勢され、使用性を更に高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−197014
【公開日】 平成11年(1999)7月27日
【出願番号】 特願平10−7277