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【発明の名称】 レトルト食品加熱剤
【発明者】 【氏名】半田 春見

【氏名】武藤 清八

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 成分割合が粉体金属アルミニゥム55±30%、粉体生石灰45±30%から成り、該混合物100部に対して水を250〜350部添加することによって生じる半密封系内の水蒸気温度が80℃以上の状態を6分間以上持続することを特徴とするレトルト食品加熱剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として近年発展が目覚ましいレトルト食品を、火器のない場所にて安全に加熱して食することを目的とする食品加熱剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、加熱機能つきの日本酒を収容した容器などが存在した。また近年一般食品についても同様な機能つきの食品が出回っている。これらに用いられている加熱部は全て生石灰に注水して生ずる反応熱を利用したものである。
【0003】また最近、米国,ZESTOTHERM,INC.社(以下Z社と言う)が米国国軍用としてのみ販売しているといわれるマグネシム−鉄合金に注水して発熱させるものもある。
【0004】
【[発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法では以下のような問題点があった。上記生石灰による方法では、その発熱量の少なさからくる発熱剤料の増加である。その結果、容器が大きくなり、運搬、取扱いに不便があった。
【0005】また、Z社の製品の場合には、発熱剤料の量や発熱量の点では優れているが、独特の臭気があり一般向きではない。
【0006】そこでこの発明は、一般利用者のための食品を加熱することを目的とするために、臭気のない、比較的少量の剤料で高発熱量が得られる発熱剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、この発明では次のような技術的手段を講じている。すなわち、少量の剤料で、どこにでもある水を用い、発熱時に臭気を発しない、高発熱量を取り出すことのできる反応系の探索を行った。
【0008】金属類、特にマグネシウムとアルミニウムが鑛酸、ルイス酸または反応は弱いが有機酸の存在で水と反応し、多くは水素を放出しながら発熱反応をすることは古くからよく知られている。しかしこの際、そのほとんどが加熱された酸分子の一部が気化して鼻を突く臭気を発する。
【0009】これに対して公知ではあるが、アルミニウムとアルカリ化合物の反応は、酸との反応と比較すると酸ほどは一般に知られていない。それは、アルカリ水溶液の温度が高い場合でなければ反応が進まないためと考えられる。
【0010】アルミニウムとアルカリ化合物の反応を、系外から熱を加えずに起こさせるためには、系内に、常温の水と作用して、水温を、長くても30秒以内に、低くても60℃以上に上げる化合物の存在が必要である。この考えに基づいて実験を繰り返した結果、生石灰(分子式CaO)が適していることが確認された。すなわち生石灰の場合には、水との発熱反応で生成した消石灰(分子式Ca(OH))は上記アルカリ化合物であり、自らの発熱で得られた温度を糧として再びアルミニウムと発熱反応を起こすために、一つの化合物が2段階の発熱反応に加わることになり、その結果として剤料及びその嵩体積の少量化につながることを発見した。剤料の嵩体積は、Z社製品が35.7ml/20gに対して高い組成でも18.3ml/20gであった。また臭気は全く感じられなかった。
【0011】
【作用】上記のようにして選ばれたアルミニウム、生石灰及び水の反応は、当モル反応上はアルミニウム2分子(相当分子量54グラム)、生石灰1分子(相当分子量56グラム)及び水3分子(相当分子量54グラム)であり、重量比はほぼ3種同量である。しかし実験の結果では、生石灰の量はアルミニウムより約20%ほど少ない量が最も良好である。また水の量は、蒸発量が多いために、生石灰及びアルミニウムの混合量に対して約3倍の量が必要である。
【0012】
【実施例】この実施例は、本発明における実験の方法を、表1中の実施例2を例としてその発熱状態を説明するものである。各組成の使用量は、粉体アルミニウム10g(50%)、粉体生石灰10g(50%)、それに対する水の量は60gである。
【0013】
【表1】

【0014】予め、通気性ポリエチレン製不織布平袋(45mm×95mm、長尺方向片側切口、内袋と呼ぶ)とポリプロピレンフィルム製平袋(130mm×230mm、長尺方向片側切口、切口片面フィルム内側の切口に添って両面テープを張り、両面テープの片側はシリコン紙が付いたままとする。両面テープの切口反対寄りの10mmのところに蒸気抜け用に5mm径の穴を等間隔に4箇所明ける。これを外袋と呼ぶ)及びウエルダーを用意する。また容量100mlビーカーを2個用意し、1つのビーカーに粉体アルミニウムと生石灰の混合物を、もう1つのビーカーに水をそれぞれ所定量入れておく。
【0015】次いで、室温20℃に調整された部屋の実験台上で、内袋の中へ粉体アルミニウムと生石灰の混合物を入れ切口をシールする。この内袋を外袋にいれ、外袋の切口を上向とする。上部4箇所に明けられた穴の1つに100℃の温度計を差し込み、感知部がほぼ中央に来るように設定し、上部をテープで固定する。袋は上部両耳をダブルクリックでスタンドに吊って立てる。次いで水を上部より注入し、素早く両面テープを閉じ、温度測定に入る。
【0016】初温度20℃から30秒後は約35℃であるが、1分20秒後には蒸気通気口から盛んに蒸気を吹き出しながら80℃を越し、1分30秒では91℃となった。2分40秒で最高到達温度の94℃を示し、3分経過後93℃となった。その後少しづつ降下し、5分30秒では90℃を示した。6分後には89℃となり、6分30秒では83℃、7分後には76℃に降下した。この間臭気は感じられなかった。
【0017】組成を変えて、同様な手順で行った実施例1、3及びZ社製品比較実施例4を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】この発明の効果は、本発明の効果を表1中の実施例1の組成を例として説明するものである。
【0020】
【表1】
【0021】実施例と同じ材質の内袋(45mm×95mm)と外袋(130mm×230mm))を用い、粉体アルミニウム16g(80%)、粉体生石灰4g(20%)及び水50gを実施例と同様な操作で内袋に詰め、それを外袋にいれ、更にその上に市販の粥のレトルト食品(袋の大きさ30mm×100mm×150mm、重さ250g)を入れ、実施例と同様な操作で水を入れシールし,スタンドに立て掛けた。
【0022】7分30秒後、外袋から粥の入った袋を取り出し、切り開いて、中から容器に粥をあけ温度を測定した。平均温度は68℃であった。食するには十分な温度が得られた。
【出願人】 【識別番号】593137989
【氏名又は名称】開発工業有限会社
【識別番号】597077344
【氏名又は名称】有限会社武藤技研
【出願日】 平成9年(1997)11月18日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−146835
【公開日】 平成11年(1999)6月2日
【出願番号】 特願平9−356033