トップ :: A 生活必需品 :: A47 家具;家庭用品または家庭用設備;コ−ヒ−ひき;香辛料ひき;真空掃除機一般




【発明の名称】 加熱調理容器の取手
【発明者】 【氏名】高橋 康夫

【要約】 【課題】加熱調理容器の取手は、金属製の取手本体をゴム材の被覆部で被覆すると、長期間の使用により被覆部の端部がめくれる等の問題があった。

【解決手段】調理容器本体12に一端が固着される金属製の取手本体14の中間部領域に複数の貫通孔18を設け、中間部領域の両端に複数の小孔19を設け、中間部領域に被覆部15をモールドする型に取手本体14の中間部領域をインサートしてゴム系材質よりなる被覆部15を取手本体14と共に型成型することにより、表裏の被覆部15を貫通孔18及び小孔19を通して連結して加熱調理容器Bの取手13を構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 底壁の周縁に側壁が立設され、内部に被調理物の収容空間が形成される調理容器本体の側壁に取手の一端が固着され、発熱体により底板が加熱されて被調理物を加熱調理する加熱調理容器において、上記取手は、金属製の長い板材の中間部領域に複数の貫通孔を設け、上記中間部領域の両端に上記板材の長手直角方向に並列される複数の小孔を設けた取手本体と、上記板材と共にモールド成型され、上記貫通孔及び小孔を埋めると共に上記中間部領域の全面を被覆するゴム系材質の被覆部とにより構成されることを特徴とする加熱調理容器の取手。
【請求項2】 上記被覆部はシリコンゴム或いはネオプレンゴム等のゴム系材質であることを特徴とする請求項1記載の加熱調理容器の取手。
【請求項3】 上記被覆部は、抗菌剤が配合されたゴム系材質であることを特徴とする請求項1又は2記載の加熱調理容器の取手。
【請求項4】 上記板材は熱伝導率が低いステンレス材であることを特徴とする請求項1又は2記載の加熱調理容器の取手。
【請求項5】 上記板材のモールド成型される表面は、ブラスト加工などにより表面粗さが粗いことを特徴とする請求項1,2又は4記載の加熱調理容器の取手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フライパンや鍋などの加熱調理容器に設けられる取手に関する。
【0002】
【従来の技術】フライパンや鍋などの加熱調理容器は、図3に示すように、金属製の調理容器本体1と金属製の取手2により構成され、調理容器本体1は、底壁1aの周縁に側壁1bが立設されて内部に被調理物の収容する空間が形成される。取手2は、調理容器本体1をハンドリングするために、一端が側壁1bに固着されるものである。
【0003】調理容器本体に入れた被調理物を煮炊きするとき、底壁1aが発熱体に加熱され、底壁1aの熱が煮汁などを介して被調理物に伝達され、被調理物が加熱調理されると共に、底壁1aの熱が側壁1bを経由して取手2に伝達されて高温になるので、調理中の取手2を把持することができなくなる。取手2を把持できるようにするには、金属製の取手2が高温にならないように冷却する方法と、取手2の表面を熱伝導度の低い材質で被覆する方法がある。
【0004】図3に示す加熱調理容器Aは、取手冷却方式の一例であり、金属製の取手2の付け根部に多数の透孔3を設け、この透孔3内を流通する空気により取手2の付け根部を空冷し、取手2を把持できるようにしている(実公昭40−34837号公報参照)。
【0005】図4〜図6は、取手被覆方式の従来例であり、図4の加熱調理容器A1 は、調理容器本体4の側壁4bに取手5の一端が鋲6により固着され、取手5の把持部分を石炭酸樹脂製の防熱把持部7で被覆したものである(図5の断面図参照)。図6の加熱調理容器A2 は、調理容器本体8の側壁8bに、金属材より成る中空の取手9の一端を鋲6により固着し、取手9の内部に断熱材10を挿入し、取手9の外面及び他端をゴム材から成る把手カバー11で被覆するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図3に示す取手空冷方式の加熱調理容器Aでは、透孔3内を流通する空気だけでは空冷効果が充分ではなく、取手2が把持し難い温度に上昇する問題がある。図4,図5の加熱調理容器A1 は、取手5の温度が防熱把持部7により断熱されるので、防熱把持部7の表面温度は把持し易い温度に保たれるが、防熱把持部7が固いために、防熱把持部7を把持する指先が滑って加熱された取手5などに触れて火傷を負う危険性と、長期間使用しているうちに石炭酸樹脂製の防熱把持部7と取手5の間にがたが生じる欠点がある。
【0007】図6の加熱調理容器A2 では、把手カバー11の表面が把持し易い温度に保たれ、把手カバー11がゴム製であるために指先が滑り難い利点があるものの、把手カバー11が柔らかいために、長期間使用しているうちに把手カバー11の端部にめくれが生じ易く、把手カバー11と取手9の間にゆるみが生じ易くなるなど耐久性に問題がある。本発明はかかる課題を解決することを目的とし、上記のゴム製利点を生かしながら、長期間使用に耐え得る耐久性のあるの被覆部を備えた加熱調理容器の取手を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、底壁の周縁に側壁が立設され、内部に被調理物の収容空間が形成される調理容器本体の側壁に取手の一端が固着され、発熱体により底板が加熱されて被調理物を加熱調理する加熱調理容器において、上記取手は、金属製の長い板材の中間部領域に複数の貫通孔を設け、上記中間部領域の両端に上記板材の長手直角方向に並列される複数の小孔を設けた取手本体と、上記板材と共にモールド成型され、上記貫通孔及び小孔を埋めると共に上記中間部領域の全面を被覆するゴム系材質の被覆部とにより加熱調理容器の取手を構成した。このような構成により、ゴム系材質の被覆部の表裏両面は、複数の貫通孔により強固に連結され、特に、被覆部の両端部の表裏両面は複数の小孔により強固に連結されるので、ゴム系材質に生じ易いめくれの問題が解消する。
【0009】上記被覆部はシリコンゴム或いはネオプレンゴム等のゴム系材質とすることができ、更に、ゴム系材質の被覆部に、抗菌剤を配合することにより、調理人の手の衛生を保つようにすることができる。又、上記板材の材質を、熱伝導率が低いステンレス材にすると、被覆部の受ける熱量が減少する上で効果がある。上記板材のモールド成型される表面をブラスト加工などにより表面粗さを粗くすると、ゴム系材質の被覆部と取手との固着が更に強固になるので、被覆部の耐久性が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について図面を参照して説明すると、図1は加熱調理容器Bの要部を示す平面図であり、図2は図1の縦断面図である。図1,図2の加熱調理容器Bはフライパンの場合を示すが、鍋などの加熱調理容器であってもよい。加熱調理容器Bの調理容器本体12は、底壁12aの周縁に側壁12bが立設され、内部に被調理物の収容空間が形成される。
【0011】取手13は、熱伝導率の低いステンレス板材より加工される取手本体14と、取手本体14の把持部分を被覆する被覆部15とにより構成され、取手本体14の一端(図2において左端)に屈曲形成される取り付け部14aが調理容器本体12の側壁12bに鋲16により固着され、取手本体14の他端に吊り下げ用孔17が設けられる。
【0012】取手本体14には、後工程で被覆部15によって被覆される中間部領域に、複数の貫通孔18が、取手本体14の長手方向に配列して設けられ、中間部領域の両端部には、取手本体14の長手方向に対して直角方向に配列される複数の小孔19が設けられ、取手本体14の中間部領域の表面をサンドブラスト加工などにより表面粗さを粗くしておく。以上のように加工された取手本体14は、被覆部15をモールド成型する型の中にインサートされ、被覆部15と共に型成型される。
【0013】被覆部15は、シリコンゴム或いはネオプレンゴム等のゴム系材質であり、調理人の衛生を高める目的からゴム系材質に抗菌剤を配合することができる。型成型された被覆部15の表裏両面は、複数の貫通孔18及び複数の小孔19により強固に連結されているので、取手本体14に強固に固着される。特に、被覆部15の両端部は複数の小孔19により連結されているので、加熱調理容器Bを長期間使用しても、柔らかい被覆部15の端部がめくれる(取手本体14から剥離する)虞はない。これが本発明の大きな特徴の一つである。
【0014】被覆部16はゴム系材質であるため柔らかく且つ滑り摩擦係数が大きいので、被覆部15を把持し易く、且つ、調理中に被覆部15を把持した手が滑って高温部分に触れて火傷する危険が防止される。これが本発明のもう一つの大きな特徴である。
【0015】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(1) 被覆部は、取手に設けた複数の貫通孔及び複数の小孔により表裏両面が強固に連結されているので固着力が大きく、特に、被覆部の端部はめくれを防止されるので、被覆部をゴム系の材質としても長期間の使用に耐えることができ、取手本体の被覆部分の表面をブラスト加工等により粗くした場合には、被覆部の固着力が更に増加する。
(2) 被覆部をゴム系の材質とすることができるので、被覆部が柔らかくて把持し易く、且つ滑り摩擦係数が大きいので調理中に被覆部を把持した手が滑って高温部分に触れて火傷する危険が防止され、安全性が高い。
(3) 被覆部に抗菌剤を配合することにより、調理人の手を衛生に保持することができる。
【出願人】 【識別番号】000112738
【氏名又は名称】フジマル工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外1名)
【公開番号】 特開平11−128082
【公開日】 平成11年(1999)5月18日
【出願番号】 特願平9−292886