| 【発明の名称】 |
炊飯器、及びその炊飯方法、並びに飯への食材混合方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】青木 稔
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| 【要約】 |
【課題】炊きむらのないふっくらとした飯を炊くことができ、連続して食材混合が可能な炊飯器を提供すること。
【解決手段】炊飯釜1を傾動自在に支持するとともに、自転可能に構成し、炊飯中途で、炊飯釜1を起立した初期状態から傾動させて自転させることにより炊飯釜1内の米及び水を攪拌し、その後、炊飯釜1の姿勢を初期状態に戻して加熱を継続し炊飯することとした。さらに、炊飯後、開口部12及びほぐし部材13を有する食材混合用蓋体10' に取り替えて炊飯釜1内に食材を混入し、次いで、炊飯釜1を炊飯時よりも深く傾動させ、かつ、自転させることにより飯と食材とを混合可能とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】炊飯釜(1) を傾動自在に支持するとともに、自転可能に構成したことを特徴とする炊飯器。 【請求項2】前記炊飯釜(1) は、同炊飯釜(1) の内部に伸延する攪拌部材(81)を有する攪拌機能付蓋体(8) を備えることを特徴とする請求項1記載の炊飯器。 【請求項3】炊飯中途で、炊飯釜(1) を起立した初期状態から傾動させて自転させることにより炊飯釜(1) 内の米及び水を攪拌し、その後、炊飯釜(1) の姿勢を初期状態に戻して加熱を継続し炊飯することを特徴とする炊飯方法。 【請求項4】炊飯中途で、炊飯釜(1) を起立した初期状態から傾動させて自転させることにより炊飯釜(1) 内の米及び水を攪拌し、その後、炊飯釜(1) の姿勢を初期状態に戻して炊飯を継続し、炊飯終了後、開口部(12)及びほぐし部材(13)を有する食材混合用蓋体(10') に取り替えて炊飯釜(1) 内に食材を混入し、次いで、炊飯釜(1) を炊飯時よりも深く傾動させ、かつ、自転させることにより飯と食材とを混合することを特徴とする飯への食材混合方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は炊飯器、及びその炊飯方法、並びに飯への食材混合方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、炊飯器は、こげにならず、ふっくらと美味しく炊くために様々な工夫改良がなされてきたが、米と水を収容可能な釜本体と、同釜本体を載置する加熱部と、前記釜本体を閉蓋する蓋体とからなるその基本構成は変わっていない。 【0003】また、近年では、寿司店や外食産業において、業務用の大型の炊飯器が用いられており、同時に、寿司用のシャリを作るために、炊き上げた飯をドラム内に投入して酢を加え、ドラム回転させながらほぐしてシャリ切りする酢合わせ機などの装置も用いられるようになった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、釜本体を加熱部により下方から加熱していく上記従来の構成では、未だ解決すべき課題が残されていた。 【0005】すなわち、釜本体の外部から加熱していく際に、釜本体内にはどうしても温度むらが生じ、飯全体を均一にふっくらと炊き上げることが困難であった。 【0006】特に、業務用等の大型の炊飯釜であればかかる温度むらが顕著になり、同じ釜内であっても、その中心部と加熱部に近い釜壁近傍とでは40℃近くの温度差を生じることが実験的に確かめられている。 【0007】このような状態で炊き上げた飯は美味しいものとはならず、また、かかる飯を上記した酢合わせ機を用いて寿司用のシャリとしても満足の得られるものとはならなかった。 【0008】しかも、炊飯機と酢合わせ機とを厨房などに併設するには広いスペースが必要となり、これでは厨房の有効作業スペースを狭めてしまうという問題があった。 【0009】本発明は、上記課題を解決することのできる炊飯釜、及びその炊飯方法、並びに飯と食材との混合方法を提供することを目的としている。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、炊飯釜を傾動自在に支持するとともに、自転可能に構成した。 【0011】また、請求項2記載の本発明では、前記炊飯釜は、同炊飯釜の内部に伸延する攪拌部材を有する蓋体を備えることとした。 【0012】また、請求項3記載の本発明では、炊飯中途で、炊飯釜を起立した初期状態から傾動させて自転させることにより炊飯釜内の米及び水を攪拌し、その後、炊飯釜の姿勢を初期状態に戻して加熱を継続し炊飯することとした。 【0013】さらに、請求項4記載の本発明では、炊飯中途で、炊飯釜を起立した初期状態から傾動させて自転させることにより炊飯釜内の米及び水を攪拌し、その後、炊飯釜の姿勢を初期状態に戻して炊飯を継続し、炊飯終了後、開口部及びほぐし部材を有する食材混合用蓋体に取り替えて炊飯釜内に食材を混入し、次いで、炊飯釜を炊飯時よりも深く傾動させ、かつ、自転させることにより飯と食材とを混合することとした。 【0014】 【発明の実施の形態】この発明は、炊飯釜を傾動自在に支持するとともに、自転可能に構成したものである。 【0015】炊飯釜を傾動自在、かつ、自転可能に構成するために、例えば、以下の構成からなる反転機構により炊飯釜を支持するとよい。 【0016】すなわち、炊飯釜を略球状に形成し、その中心を含む平面で切断した切断周縁上、いわゆる赤道上に、外側面にラックを形成した鍔部を設ける一方、断面コ字状に形成し、前記鍔部を摺動自在に嵌入可能としたリング状枠体を支持アームで揺動自在に支持するとともに、同リング状枠体の一部を切欠して、枠体内部のラックに噛合するようにピニオンを配設し、同ピニオンを駆動モータと連動連結して反転機構を構成するものである。 【0017】かかる構成とすることにより、炊飯釜を傾動可能とするとともに、自転可能とすることができる。したがって、炊飯釜を傾動させた状態で自転させれば、炊飯釜内部の米と水を適宜攪拌することができる。 【0018】また、前記炊飯釜に、同炊飯釜の内部に伸延する攪拌部材を有する蓋体を装着して、同炊飯釜を傾動させた状態で自転させれば、米と水を攪拌効果をより高めることができる。 【0019】なお、前記炊飯釜の加熱手段としては、通常のヒータを用いたり、あるいは、炊飯釜を磁性体若しくはアルミニウムと鉄との複層体で形成するとともに、同炊飯釜を載置する釜載置部に、交番磁界を発生するコイルを設けた電磁誘導加熱方式とすることができる。 【0020】以下、かかる炊飯器を用いての炊飯方法について説明する。 【0021】先ず、炊飯釜に所定量の米と水を収容して炊飯を開始するが、その炊飯中途、米がアルファデンプン化直前の約60℃となった状態で、炊飯釜を起立した初期状態から約30°傾動させ、その状態で自転させる。回転は1〜2回転でよい。 【0022】この自転により、炊飯釜内の米と水は釜内壁に沿って上方へ移動するとともに自重により落下して結果的に攪拌された状態となり、開蓋することなく米と水の攪拌を行って釜内の温度むらを解消することができる。そして、その後、炊飯釜の姿勢を初期状態に戻して加熱を継続し炊飯する。 【0023】かかる炊飯方法により、大型の炊飯釜であっても、炊きむらのないふっくらとした美味しい飯を炊き上げることができる。 【0024】また、このときに、攪拌部材を取付けた蓋で閉蓋しておけば、上記攪拌作用をより促進することができるので、米がアルファデンプン化し始めた自転で攪拌することもできる。 【0025】ところで、本炊飯器を用いれば、炊飯から炊き上げた飯への食材混合を連続して行うことができる。 【0026】例えば食材を酢として、寿司用のシャリを作る場合、炊飯終了後、開口部及びほぐし部材を有する食材混合用蓋体に取り替えて炊飯釜内に食材である酢を混入し、次いで、炊飯釜を炊飯時よりも深く、例えば60〜80°に傾動させ、かつ、その状態で自転させるものである。 【0027】この場合、炊飯釜内での飯の落下量が多く、その際にほぐし部材により十分にほぐされ、いわゆるシャリ切りが行われて良好に酢合わせが行え、美味しいシャリを作ることができる。 【0028】このように、一台の炊飯器で、美味しく飯を炊き上げるとともに、この飯に、他の食材を混合することが連続して行える。 【0029】なお、食材としては特に酢に限るものではなく、他の調味料類、あるいは具となる食材などでも構わない。 【0030】 【実施例】 (第1実施例)以下、図面に基づき本発明の第1実施例を説明する。 【0031】図1に第1実施例に係る炊飯器Aを示しており、炊飯器Aの炊飯釜1は、磁性体若しくはアルミニウムと鉄との複層体で略球状に形成されており、図2に示すように、同炊飯釜1を交番磁界を発生するコイル20を設けた釜載置部2に載置して電磁誘導加熱方式により炊飯可能としている。10は炊飯釜1の上部開口11に設けた蓋体である。 【0032】本実施例に係る炊飯器Aは、前記炊飯釜1を傾動自在に支持するとともに、自転可能に構成したことに特徴があり、本実施例では、以下の構成からなる反転機構Bを具備している。 【0033】すなわち、反転機構Bは、図1及び図2に示すように、略球状に形成した炊飯釜1の中心を含む平面で切断した切断周縁上、いわゆる赤道上に、外側面にラック30を形成した鍔部3を設ける一方、同鍔部3を、断面コ字状に形成したリング状枠体4に摺動自在に嵌入可能し(図1)、同リング状枠体4を支持アーム6,6で揺動自在に支持している。なお、支持アーム6,6 は、別途図示しない可動機枠に連動連結され、伸縮自在、かつ揺動自在としている。5は支持アーム6とリング状枠体4とを連結したピンである。 【0034】そして、リング状枠体4の一部を切欠して、切欠部31を形成し、同切欠部31を介して前記リング状枠体4内のラック30に噛合するようにピニオン32を配設し、同ピニオン32を駆動モータMに連動連結している。 【0035】かかる構成の反転機構Bを具備することにより、炊飯器Aは、炊飯釜1を傾動可能とするとともに、自転可能とすることができ、炊きむらのない美味しい飯R'を作ることができ、しかも、この炊飯器Aを用いて、連続的に他の食材と飯R'とを混合することが可能となる。 【0036】以下、本炊飯器Aを用いて炊飯し、そのまま連続して炊き上げた飯と酢とを合わせて寿司用のシャリを作る行程を説明する。 【0037】図2に示すように、炊飯釜1中に、所定量の米Rと水Wとを収容し、電磁誘導加熱方式により炊飯を開始する。このとき、炊飯釜1内においては、釜壁近傍はいち早く温度上昇するが、中心部付近は温度上昇が遅れて比較的低温状態となっている。 【0038】そこで、炊飯中途で米Rがアルファデンプ化する直前、すなわち、いち早く温度上昇した個所において米Rや水Wが約60℃となったとき、支持アーム6,6 を上昇させて、図3に示すように、炊飯釜1を釜載置部2から浮かすとともに、支持アーム6,6 を30°傾斜させた状態で炊飯釜1を駆動モータMにより自転させる。 【0039】このときの回転は1〜2回転でよい。 【0040】炊飯釜1が自転すると、米Rはその回転につれて、炊飯釜1の内部で回転上昇し、やがて自重により落下するので、結果的に攪拌された状態となる。 【0041】したがって、開蓋することなく米Rと水Wの攪拌が行え、炊飯釜1内における温度むらがなくなり、ふっくらとした美味しい飯R'を炊くことができる。 【0042】さらに、飯R'が炊き上がった後、図4に示すように、炊飯時に使用していた蓋体10を、中央に開口部12を形成するとともに、長手状のほぐし部材13を連設した食材混合用蓋体10' と取り替え、酢Sを炊飯釜1内に注ぐ。なお、酢Sは、蓋体10を食材混合用蓋体10' と取り替える前に入れても構わない。 【0043】その後、図5に示すように、炊飯釜1を略水平状態まで傾動させて自転させ、飯R'が炊飯釜1の内壁とともに上昇し、自重により落下する動作の繰り返しを利用して、ほぐし部材13,13 により攪拌、いわゆるシャリ切りして酢と合わせる。 【0044】なお、このときに、炊飯釜1の上部開口11から別途ブロワ装置などにより送風して飯R'をさますことが好ましい。 【0045】十分酢合わせが行われた後、図6に示すように、炊飯釜1をさらに傾動させて食材混合用蓋体10' の開口部12を下向きとし、飯R'を寿司桶7に移す。このときに、炊飯釜1の自転は継続させていても停止させていてもいずれでも構わない。 【0046】なお、上記した一連の行程は、図示しない温度センサやタイマ、さらに前記した機枠や反転機構Bと電気的に接続した制御装置により自動制御されれるように構成することが好ましく、炊き上げ量に応じて炊飯時間を自動設定したり、あるいは、上記した炊飯酢合わせ連続モード、炊飯のみの炊飯モード、酢合わせだけを行う酢合わせモードなどを選択設定可能としておくとよい。 【0047】このように、本実施例では、炊飯と酢合わせとを1台の炊飯器Aで連続して行うことができるので作業がきわめて能率的となる。しかも、食材混合装置などを別途設置する必要がないので、厨房などの作業空間を狭めることがなく、作業空間の有効利用を図ることができる。 【0048】(第2実施例)他の実施例として、図7に示すように、炊飯時に用いた蓋体10に代えて、攪拌部材81を連設した攪拌機能付蓋体8を用いることもできる。 【0049】かかる攪拌機能付蓋体8を用いれば、図8に示す炊飯中途で行う米Rの攪拌をより効果的に行える。また、攪拌効果が高いので、この場合の攪拌を開始するタイミングとしては、米Rがアルファデンプン化し始める70℃の温度となった時点で炊飯釜1を45°傾斜させて自転させるとよい。その後の酢合わせでは、第1実施例同様に、食材混合用蓋体10' と取り替えて行う。 【0050】(第3実施例)さらに他の実施例として、図9に示す中蓋付攪拌用蓋体9を用いることもできる。図中、90は中蓋、91は攪拌部材、92は中蓋90を嵌着した開口部である。 【0051】上述した第1、第2実施例では、酢合わせ時にはいずれも食材混合用蓋体10'と取り替える必要があったが、この中蓋付攪拌用蓋体9を用いれば、炊飯から酢合わせまで蓋を取り替えなくてよい。 【0052】すなわち、炊飯時は、中蓋90を取付けた状態で炊飯釜1を閉蓋しておき、酢合わせ行程に移行した場合は、図10に示すように、中蓋90を取り外して開口部92から酢Sを注ぎ、そのまま図11に示すようにシャリ切りを行い、酢合わせ終了後の飯R'の排出も図12に示すように、中蓋付攪拌用蓋体9の開口部92から行うようにする。 【0053】以上、実施の形態及び各実施例を通して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施の形態や各実施例に限定されるものではなく、炊飯釜1を傾動自在に支持するとともに、自転可能に構成したものであれば本発明の目的を達成できるものである。また、食材混合用蓋体10' のほぐし部材13や、攪拌機能付蓋体8の攪拌部材81、中蓋付攪拌用蓋体9の攪拌部材91等の数は適宜設定可能である。 【0054】 【発明の効果】本発明では以下の効果を奏する。 【0055】■請求項1記載の本発明では、炊飯釜を傾動自在に支持するとともに、自転可能に構成したので、炊飯中途で開蓋することなく米や水の攪拌を行え、炊飯時の釜内の温度むらを解消してふっくらとした美味しい飯を炊くことができる。 【0056】■請求項2記載の本発明では、前記炊飯釜は、同炊飯釜の内部に伸延する攪拌部材を有する蓋体を備えることとしたことにより、上記■の攪拌効果をより高めることができる。 【0057】■請求項3記載の本発明では、炊飯中途で、炊飯釜を起立した初期状態から傾動させて自転させることにより炊飯釜内の米及び水を攪拌し、その後、炊飯釜の姿勢を初期状態に戻して加熱を継続し炊飯することとしたので、炊飯時の釜内の温度むらを解消してふっくらとした美味しい飯を炊くことができる。 【0058】■請求項4記載の本発明では、炊飯中途で、炊飯釜を起立した初期状態から傾動させて自転させることにより炊飯釜内の米及び水を攪拌し、その後、炊飯釜の姿勢を初期状態に戻して炊飯を継続し、炊飯終了後、開口部及びほぐし部材を有する食材混合用蓋体に取り替えて炊飯釜内に食材を混入し、次いで、炊飯釜を炊飯時よりも深く傾動させ、かつ、自転させることにより飯と食材とを混合することとしたので、炊飯から飯への食材混合を一つの炊飯釜で連続して行え、作業効率が著しく向上する。しかも、炊飯器の他に食材混合装置などを別途設置する必要がないので、厨房などの作業空間を狭めることがなく、その有効利用を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000236746 【氏名又は名称】不二精機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松尾 憲一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−28155 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−186094 |
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