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【発明の名称】 電気湯沸し器用遠心ポンプ
【発明者】 【氏名】武智 和範

【氏名】国広 幸利

【氏名】宇治野 芳行

【氏名】三橋 秀穂

【要約】 【課題】モータをねじを使わずに固定し、組み立てが容易でしかもモータの交換が非常に簡単にできる電気湯沸し器用遠心ポンプを提供することを目的としている。

【解決手段】モ−タ支持部17端面から当接片20の内側までの寸法をモ−タ11の胴部の長さとほぼ同一にしてあり、モ−タ支持部17が出力軸側端面11aに当接片20が反出力軸側端面11bに当接してモ−タ11が長さ方向で支持され、ねじ等を使わずに固定することができる。また、分解する時には、ねじ19をはずしてケ−ス14を除けばモ−タ11を取り出すことができ、非常に容易に分解することができる電気湯沸し器用遠心ポンプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 モータと、前記モータの出力軸に固定され前記モータ外径よりも直径を小さくした駆動用磁石と、前記駆動用磁石と磁気結合されて回転するインペラと、前記モータと隔壁され前記インペラを内包するとともに前記モータの出力軸側端面に当接するモ−タ支持部を設けたケースと、前記モータを覆い前記ケースと締結されるモータホルダーとを備え、前記モータホルダーに前記モータの反出力側端面に当接する当接片を設け、前記モータ支持部端面から前記当接片までの寸法を前記モータの胴部の長さとほぼ同一にして前記モータを長さ方向で支持した電気湯沸し器用遠心ポンプ。
【請求項2】 モータホルダーの底の一部を切り欠いて当接片部を梁形状に形成し、当接片にモータの長さ方向への弾性力を持たせた請求項1記載の電気湯沸し器用遠心ポンプ。
【請求項3】 モータに取り付けられた電気接続用端子と、前記電気接続用端子に接続されるリード線とを備え、当接片はモータホルダーの底の一部を切り欠いて梁形状とするとともに、前記当接片を径方向に分断した請求項1記載の電気湯沸し器用遠心ポンプ。
【請求項4】 当接片を径方向に分断すをケース側に延長して前記当接片をL型に形成した請求項2記載の電気湯沸し器用遠心ポンプ。
【請求項5】 モータホルダーの当接片部の内径をモータ外周とほぼ同一にし、さらに前記当接片部から前記ケース側に向かってモータホルダーの内径を徐々に大きくした請求項1記載の電気湯沸し器用遠心ポンプ。
【請求項6】 モータ支持部の外側にモータ支持部よりも一段高くなったリブをモータ外周から隙間を空けて設け、前記隙間を駆動用磁石とモータ支持部内径との空間よりも小にした請求項1記載の電気湯沸し器用遠心ポンプ。
【請求項7】 モータホルダーに電気湯沸し器本体への取り付け部を設け、ケースを電気湯沸し器本体から浮かして取り付けた請求項1記載の電気湯沸し器用遠心ポンプ。
【請求項8】 当接片とモータの反出力側端面に互いに嵌合する凸部と凹部を設けるとともに、モータホルダーとケースに互いに嵌合するピンと孔を設け、前記凸部の高さを前記ピンの高さよりも高くした請求項1記載の電気湯沸し器用遠心ポンプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気湯沸し器等で使用される小型の遠心ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電気湯沸し器用遠心ポンプでは、図11に示すようにモータ1はモータホルダー2に設けた孔3を介してねじ4でモータホルダー2に固定されていた。また、5はモータ1の出力軸6に圧入により取り付けられた駆動用磁石で、駆動用磁石5はケース7に内包されたインペラ8を磁気結合するためにある程度の外径が必要であり、駆動用磁石5から見るとねじ4が隠れた状態になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の構成では、モータをはずすような状態が発生した場合には、駆動用磁石がねじを隠しているために、圧入された駆動用磁石を引き抜いてからねじをはずさなければならず、交換作業に手間がかかっていた。さらに、駆動用磁石を引き抜く時に出力軸を曲げてまい、モータが使用不能になってしまうということもあった。また、駆動用磁石が引き抜けない場合にはモータホルダーごと捨てなければならず、費用がかさむという課題も有していた。
【0004】本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、組み立てが容易でしかもモータの交換が非常に簡単にできる電気湯沸し器用遠心ポンプを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、ケースに設けたモータ支持部とモータホルダーの当接片によりモータを長さ方向で支持したものであり、組み立てが容易でしかもねじを使用せずにモータを保持しているためモータの交換が非常に簡単にできるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、ケースに設けたモータ支持部とモータホルダーの当接片によりモータを長さ方向で支持したものであり、組み立てが容易でしかもねじを使用せずにモータを保持しているためモータの交換が非常に簡単にできる。
【0007】また、請求項2記載の発明は、当接片を梁形状としモータの長さ方向への弾性力を持たせたことにより、モータの長さが少々ばらついてもモータを確実に保持することができる。
【0008】さらに、請求項3記載の発明は、当接片を径方向に分断したこことにより、モータにリード線等が付いていてもモータの取り外しが可能である。また、リード線をモータに先に付けてから組み込むこともできる。
【0009】また、請求項4記載の発明は、当接片をL型にしたことにより、当接片に力が加わった場合にL型にした部分全体がたわみ、反出力側端面に当接した部分のみがたわむ場合に比べ変形等を防止できる。
【0010】そして、請求項5記載の発明は、モータホルダーの当接片部の内径をモータ外周とほぼ同一にしそこからケース側に向かって内径を徐々に大きくしたことにより、組み立て時には径の大きな部分からモータを容易に挿入でき、当接片に当たる部分まで挿入すると内径とモータ外周とがほぼ同一のためモータをきっちりと保持できる。
【0011】さらに、請求項6記載の発明は、モータ支持部より一段高くなったリブとモータ外周との隙間を駆動用磁石とモータ支持部内径との空間よりも小にしたことにより、例えばポンプを落下してモータに径方向の力が加わったような場合でもリブとモータとが先に当り駆動用磁石とモータ支持部内径とが当たらず出力軸を変形させてしまうといったことがない。
【0012】また、請求項7記載の発明は、モータホルダーに電気湯沸し器本体への取り付け部を設けケースを本体から浮かしたことにより、本体からケースのシール部に伝わる熱を少なくしシール性能を安定させることができる。また、ケースに本体の取り付け部といった余分な部分がないためケースを組み立てる際に邪魔にならない。
【0013】そして、請求項8記載の発明は、モータ嵌合用の凸部の高さをケース嵌合用のピンの高さよりも高くしたことにより、モータの取り付け方向をまちがえた場合にはピンと孔とが嵌合せずに不安定になるためにまちがいに気がつきまちがえたまま組まれるといったことがない。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0015】(実施例1)図1および図2において、11はモータで、モータ11の出力軸12にはモータ外径よりも直径を小さくした駆動用磁石13が圧入されている。14は超音波溶着等により隔壁14aと一体化したケースで、ケース14内には駆動用磁石13と隔壁14aを介して磁気結合されたインペラ15が収納されている。16はインペラ15を支持する軸で、軸16はケース14に半固定されている。また、ケース14には吸い込み口14bと吐き出し口14cが設けられインペラ15の回転により湯が吸い込まれて吐き出される。隔壁14aにはモータ11の出力軸側端面11aに当接し、駆動用磁石13の直径よりも内径を大きくした円筒形のモータ支持部17が設けられている。
【0016】また、モータ11はモータホルダー18で覆われ、モータホルダー18はケース14とねじ19により締結されている。20はモータホルダー18に設けたモータ11の反出力軸側端面11bに当接する当接片である。モータ支持部17端面から当接片20の内側までの寸法は、モータ11の胴部の長さとほぼ同一にしてあり、モータホルダー18とケース14をねじ19により締結するとモータ11が長さ方向で支持され固定される。
【0017】21は底にヒータを備えた電気湯沸かし器本体の容器で、通電すると容器21内で湯が沸かされる。22は容器21のヒータからの熱を遮る遮熱板で、遮熱板22には前述したポンプが取り付けられている。吸い込み口14bは容器21の底に設けられたパイプ21bとパッキン23を介して連通されており、モータ11に通電すると容器21内の湯をケース14内に吸い込み、出口24側に向かって吐き出すようになっている。
【0018】前述した構成において、モータ11を組み込む時には、まずモータホルダー18の中にモータ11を入れ、ケース14をかぶせてねじ19でモータホルダー18とケース14を締結する。すると、モータ支持部17端面から当接片20の内側までの寸法をモータ11の胴部の長さとほぼ同一にしてあるため、モータ支持部17が出力軸側端面11aに当接片20が反出力軸側端面11bに当接してモータ11が長さ方向で支持され、ねじ等を使わずに固定することができる。また、分解する時には、ねじ19をはずしてケース14を除けばモータ11を取り出すことができ、非常に容易に分解することができる。
【0019】(実施例2)図3では、モータホルダー18の底18aの一部を切り欠いて当接片20を筒部18bから独立させ梁形状とし、当接片20に弾性力を持たせてある。従って、モータ11の長さがばらついて長くなっても当接片20がたわむことで、無理な力が加わることなく組み込むことができる。また、逆にモータ11の長さが短い場合には当接片20の弾性力でモータ11をモータ支持部17に押し付け、がたつきがないように組み込むことができる。
【0020】(実施例3)図4では、反出力軸側端面11bに二つの電気接続用端子25が当接片20を挟むようにして取り付けられ、電気接続用端子25にはリード線26がはんだ付け等により固定されている。そして、当接片20は梁形状にされた中央部で分断されている。従って、一旦組んだリード線26付きのモータ11を取り出す場合でも、リード線26の固定をはずすことなく、当接片20の分断された部分にリード線26を通すことで分解が可能である。また、モータ11にリード線26を先に付けた場合でも、当接片20の分断された部分にリード線26を通すことで組み立てが可能である。
【0021】(実施例4)図5では、モータホルダー18の筒部18bを切り欠いて当接片20をL型に形成している。従って、当接片20に無理な力が加わった場合にL型にした部分全体がたわみ、反出力側端面11bに当接した部分のみがたわむ場合に比べ変形等を防止できる。
【0022】(実施例5)図6では、モータホルダー18の当接片20側の内径をモータ外周とほぼ同一にしそこからケース14側に向かって内径を徐々に大きくしてある。従って、組み立て時には径の大きな部分からモータ11を容易に挿入でき、当接片20に当たる部分まで挿入すると当接片20側の内径とモータ11外周とがほぼ同一のためがたつきなくモータ11をきっちりと保持できる。
【0023】(実施例6)図7では、モータ支持部17より一段高くなったリブ27をケース14に対してモータ11の位置を調整できるようにモータ11外周から隙間28を空けて設けてある。そして、隙間28は駆動用磁石13とモータ支持部17内径との空間29よりも小にしてある。従って、例えばポンプを落下してモータ11に径方向の力が加わったような場合でもリブ27とモータ11とが先に当り駆動用磁石13とモータ支持部17内径とが当たらず出力軸12を変形させてしまうといったことがない。
【0024】(実施例7)図8および図9では、モータホルダー18に遮熱板22への取り付け部30を設け、ケース14をモータホルダー18よりも小さくして遮熱板22から浮かして取り付けてある。従って、湯沸し時に高温になる遮熱板22からケース14のシール部に伝わる熱を少なくしてシール部分の劣化を防ぎ、シール性能を安定させることができる。また、ケース14に遮熱板22の取り付け部といった余分な部分がないためケース14を組み立てて溶着する際に邪魔なものがなく溶着を安定させることができる。
【0025】(実施例8)図10では、当接片20のモータ11側に凸部31が設けられ、凸部31は反出力軸側端面11bに設けた凹部32と嵌合するようになっている。また、モータホルダー18のケース14側端面にはピン33が設けられ、ピン33はケース14に設けた孔34と嵌合するようになっている。そして、凸部31の高さはピン33の高さよりも高くしてあり、モータの取り付け方向をまちがえた場合には反出力側端面11bがピン33に乗り上げ、その結果ピン33と孔34とが嵌合せずに不安定になってまちがいに気がつき、まちがえたまま組まれるといったことがない。
【0026】
【発明の効果】以上前記実施例の説明から明かなように、請求項1記載の発明によれば、ケースに設けたモータ支持部とモータホルダーの当接片によりモータを長さ方向で支持したことにより、組み立てが容易でしかもねじを使用せずにモータを保持しているためモータの交換が非常に簡単にできるものである。
【0027】また、請求項2記載の発明によれば、当接片を梁形状としモータの長さ方向への弾性力を持たせたことにより、モータの長さが少々ばらついてもモータを確実に保持することができる。
【0028】さらに、請求項3記載の発明によれば、当接片を径方向に分断したこことにより、モータにリード線等が付いていてもモータの取り外しが可能である。また、リード線をモータに先に付けてから組み込むこともできる。
【0029】そして、請求項4記載の発明によれば、当接片をL型にしたことにより、当接片に力が加わった場合にL型にした部分全体がたわみ、反出力側端面に当接した部分のみがたわむ場合に比べ変形等を防止できる。
【0030】また、請求項5記載の発明によれば、モータホルダーの当接片部の内径をモータ外周とほぼ同一にしそこからケース側に向かって内径を徐々に大きくしたことにより、組み立て時には径の大きな部分からモータを容易に挿入でき、当接片に当たる部分まで挿入すると内径とモータ外周とがほぼ同一のためモータをきっちりと保持できる。
【0031】さらに、請求項6記載の発明によれば、モータ支持部より一段高くなったリブとモータ外周との隙間を駆動用磁石とモータ支持部内径との空間よりも小にしたことにより、例えばポンプを落下してモータに径方向の力が加わったような場合でもリブとモータとが先に当り駆動用磁石とモータ支持部内径とが当たらず出力軸を変形させてしまうといったことがない。
【0032】そして、請求項7記載の発明によれば、モータホルダーに電気湯沸し器本体への取り付け部を設けケースを本体から浮かしたことにより、本体からケースのシール部に伝わる熱を少なくしシール性能を安定させることができる。また、ケースに本体の取り付け部といった余分な部分がないためケースを組み立てる際に邪魔にならない。
【0033】また、請求項8記載の発明によれば、モータ嵌合用の凸部の高さをケース嵌合用のピンの高さよりも高くしたことにより、モータの取り付け方向をまちがえた場合にはピンと孔とが嵌合せずに不安定になるためにまちがいに気がつきまちがえたまま組まれるといったことがない。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−18948
【公開日】 平成11年(1999)1月26日
【出願番号】 特願平9−176732