| 【発明の名称】 |
穀物原料の蒸煮装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】森 章
【氏名】大松 佳也
【氏名】藤原 善也
【氏名】藤原 章夫
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| 【要約】 |
【課題】蒸煮装置の処理能力を高め、均一で良好な蒸煮処理を可能にする。
【解決手段】無端ベルト7に穀物原料を積載して蒸煮処理する装置において、蒸気噴射部1を穀物原料の堆積層3内に没入できる位置に配設してなり、蒸気噴射部1は多数の蒸気吹出口11を開孔したノズル2を穀物原料の搬送方向に延ばして、かつ搬送幅方向に複数の前記ノズル2を並設する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 無端ベルト上に穀物原料を積載して蒸煮処理する装置において、蒸気噴射部を穀物原料の堆積層内に没入できる位置に配設してなる穀物原料の蒸煮装置。 【請求項2】 多数の蒸気吹出口を開孔したノズルを穀物原料の搬送方向に延ばし、かつ搬送幅方向に複数の前記ノズルを並設して蒸気噴射部を構成してなる請求項1記載の穀物原料の蒸煮装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、米、麦、大豆等の穀物原料を蒸煮処理する装置に関する。 【0002】 【従来の技術】醸造産業等において、米、麦、大豆等の穀物原料(以下原料と略する)を大量に蒸煮処理する場合に使用される装置、すなわち蒸煮装置は、原料を装置内に一定量搬入した後にまとめて蒸煮処理するバッチ式と、原料を連続的に装置内へ搬入し、蒸煮処理しながら搬送して装置外へと搬出する連続式とに大別できる。連続式の代表的なものが、横型連続蒸煮装置である。 【0003】従来の横型連続蒸煮装置は、例えば実開平05-1423号、実開平01-178829号等に見られるように、通気性のあるコンベア上に原料を積載して略密閉の経路内を搬送し、コンベア下面に付設した蒸気室から蒸気を原料に送って蒸煮処理するもので、バッチ式に比べて単位時間当たりの処理能力を高くでき、大量の蒸煮処理を要する工場等で好まれて使用される。通常蒸気室は複数に分割され、蒸煮処理が進行する原料に対して部分的に異なる量の蒸気を送り出せるようになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来の蒸煮装置は、堆積した原料の表面の一面から蒸気を送り込んで対面から排出する態様であり、この蒸気の通過により原料を蒸煮処理する。当然、原料中を通過する蒸気は熱量を原料に奪われるため、蒸気を送り込む表面側の原料と蒸気を排出する対面側の原料とでは蒸煮具合に差が現れ、堆積層下層から上層に向けて低下する温度勾配が生じていた。このため、従来は蒸煮時間を長くしたり、堆積層厚を薄くするなどの対策を施していたが、いずれも処理能力を低下させることになり、とりわけ連続式の長所を阻害していた。 【0005】また、特に連続式横型蒸煮装置で顕著に見られる問題として、蒸気の通過経路が短絡し、原料の蒸しムラが発生する点が挙げられる。原料をコンベア等に堆積させると、外観上密に見えるが、蒸気を通過させるとどうしても抵抗の少ない部分に蒸気が集中し、場合によっては蒸気の通過経路が短絡して、蒸煮処理の程度に偏りが生じてしまうのである。上述の蒸気室の分割構造は、こうした蒸気の通過経路の短絡を抑制するために、蒸煮処理の進行に応じて変化する原料の通気抵抗を考慮して、部分的に送り出す蒸気の量を違えるものであるが、通気抵抗の高低は一様でないために、対策としては不十分である。このため、均一な蒸煮処理を確保するためにはやはり堆積層厚を薄くするしか方法がなく、特に長粒米(タイ米等)では処理能力の低下を招いていたのである。 【0006】以上から、従来の蒸煮装置、とりわけ連続式横型蒸煮装置における処理能力の低下を抑制、できれば処理能力を高める一方で、厚い堆積層にした場合でも均一で良好な蒸煮処理が可能なように、原料の堆積層に対する蒸気の供給方法について焦点を定めて検討を重ね、新たな蒸煮装置を開発することとした。 【0007】 【課題を解決するための手段】検討の結果開発したものが、無端ベルト上に穀物原料を積載して蒸煮処理する装置において、蒸気噴射部を穀物原料の堆積層内に没入できる位置に配設した穀物原料の蒸煮装置である。本発明は、連続して搬送される穀物原料の堆積層に、蒸気噴射部を没入させ、穀物原料内へ直接蒸気を送り込むことで、堆積層内における蒸煮具合の差を抑えつつ全体としての蒸煮時間を短縮し、蒸しムラを解消するものである。蒸気噴射部、特に蒸気を吹き出す蒸気吹出口の配置及び数にもよるが、穀物原料の堆積層をかなり厚くすることができ、単位時間当たりの処理量を大幅に増やすことができる。 【0008】蒸気噴射部は、多数の蒸気吹出口を開孔したノズルを穀物原料の搬送方向に延ばし、かつ搬送幅方向に複数の前記ノズルを並設する構成が好ましい。穀物原料の搬送方向にノズルを延ばすことにより、蒸気噴射部が穀物原料の搬送において抵抗となることを極力抑えることができる。また、通常穀物原料の堆積層は横幅が広くなることから、搬送幅方向にノズルを並設することにより、搬送幅方向における蒸しムラを解消できる。複数のノズルに対して個別に蒸気の供給をしてもよいが、現実的には、1本の蒸気供給パイプに対して各ノズルを中間パイプで連結する構成となる。この場合、ノズルは先端を先鋭にし、中間パイプはノズルとの連結下端を搬送元方向に、蒸気供給パイプとの接続上端を搬送先方向に配して傾斜させる構造が望ましい。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。図1は本発明を適用した横型連続蒸煮装置の側面図、図2は蒸気噴射部1を構成するノズル2の拡大斜視図、図3は同ノズル2の図2中A−A断面図であり、図4は蒸煮処理中の堆積層3における蒸気の分布を表した図1中B−B断面図である。 【0010】本例の蒸煮装置は、図1に見られるように、原料の投入口4及び排出口5を設けた匡体6内を略密閉の経路とし、この匡体6内に原料の搬送路を構成するネットコンベア7(無端ベルト)を配している。搬送路にあたるネットコンベア7上面両側には搬送幅を画するガイド板8,8を摺接させ、同ネットコンベア7下面には複数に分割した蒸気室9を、同ネットコンベア7上方には蒸気排気口10を設けており、蒸気室9から送り出した蒸気は、ネットコンベア7を通過してネットコンベア7上の原料の堆積層3中を上昇し、蒸気排気口10から匡体6外へ排気される。この蒸気の通過により、原料は蒸煮処理されるのである。 【0011】本発明の特徴は、多数の蒸気吹出口11を開孔したノズル2を原料の堆積層3内に没入できる位置に配設している点にある。本例では、搬送方向に延びるノズル2を搬送幅方向に3本ずつ等間隔で並設した蒸気噴射部1を匡体6上方から吊り下げ、この蒸気噴射部6を蒸気室9に対応する恰好で3列並べている。各蒸気噴射部1のノズル2はそれぞれ屈曲した中間パイプ12で蒸気供給パイプ13に連結され、3本のノズル2へはほぼ同圧、同量の蒸気を供給できるようにしている。各蒸気供給パイプ13への蒸気の供給源(図示せず)は個別であってもよいし、1体の供給源から蒸気を分配してもよい。 【0012】蒸気噴射部1は、堆積層3内へ蒸気を直接放出できるものであれば、大きさ、形状は問わない。しかし、搬送する原料の抵抗(原料の搬送を妨たげるだけでなく、蒸気噴射部自身への過負荷となる)とならずに蒸気吹出口11を多数設ける構造として、図2に見られるように、多数の蒸気吹出口11を開孔した長尺なノズル2を搬送方向に延ばす態様が好ましい。本例では、中間パイプ12を搬送元方向に折り曲げたり、ノズル2先端を先鋭にするなど、搬送する原料に対する抵抗を更に低減できるようにしている。また、ノズル2後端には螺着したキャップ14を設け、ノズル2内を洗浄可能にしている。蒸気吹出口11についても、大きさ、形状又は数の制約はないが、本例では蒸気が上方へと移動していくことを前提とし、図2及び図3に見られるように、下向きの蒸気吹出口11,11を並べている。 【0013】ネットコンベア7上に積載した原料には、図4に見られるように、堆積層3下層へは蒸気室9から、そして堆積層3内部へはノズル2からそれぞれ蒸気が送り込まれる。本発明では、ノズル2からの蒸気の放出により、特に堆積層3中層から上層における蒸煮時間が短縮されることになり、堆積層3下層から上層にかけての温度勾配が緩和される。この結果、蒸気の通過経路の短絡が防止され、蒸しムラがなくなり、原料全体にほぼ均一な蒸気分布が得られるのである。こうした蒸気の放出は、ノズルの没入位置や数によって調節可能であり、堆積層が厚くなっても均一な蒸気分布が図れるので、従来より厚い堆積層でも良好な蒸煮処理が可能となり、単位時間当たりの処理量を増やすことができる。 【0014】短絡防止に着目すれば、これは原料の蒸煮処理に供されず排気される蒸気の量が減ることを意味するから、蒸気の無駄がなくなり、蒸煮処理に要する時間も短縮できるようになる。また、蒸しムラの解消は原料の堆積層の隅々にまで蒸気を行き渡らせることを意味する。こうした均一な蒸気分布は、蒸気噴射部を堆積層内に没入するという蒸気の放出位置の配置関係によるもので、原料の種類を問わずに可能であるから、従来蒸煮処理が難しかったタイ米や小米等も本発明の蒸煮装置で良好な蒸煮処理ができるようになる。このように、本発明の蒸煮装置は、処理効率の向上と、適用原料の拡大を実現するのである。 【0015】 【発明の効果】本発明により、原料の堆積層厚を問わず、蒸気の短絡防止や蒸しムラをなくした良好な蒸煮処理が実現でき、堆積層を厚くして蒸煮処理することで単位時間当たりの処理量を増やすことができる。また、蒸気の無駄がなくなることで、従来と同程度の大きさの蒸煮装置であれば、処理効率を高めることになるし、同程度の処理効率でよければ、蒸煮装置を小型化できることになる。更に、蒸煮処理できる原料の種類を増やすことで、蒸煮装置の稼働率を高めることができ、本発明は処理効率に対する蒸煮装置の製造コスト、運用コストを低廉にする効果が得られるのである。 【0016】蒸煮装置の小型化は、蒸煮装置に続く放冷装置との連続配置を可能とし、省スペース化及び作業効率の改善をもたらす。処理効率の改善により、蒸煮装置に必要なコンベア長が短縮される結果、従来の装置に比べた差分を放冷装置用のコンベアに割り当てることで、蒸煮装置に続いて放冷装置を配置できるようになるのである。そして、連続した蒸煮装置及び放冷装置の相乗効果は大幅な処理効率の改善をもたらし、高い経済効果を挙げるのである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000223931 【氏名又は名称】株式会社フジワラテクノアート
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月8日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】森 廣三郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−18946 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月26日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−182568 |
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