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【発明の名称】 電子レンジ炊飯器および電子レンジ炊飯方法
【発明者】 【氏名】並木 恒久

【氏名】平野 睦

【要約】 【課題】短時間でムレ臭のない良好な炊飯を得ることができる電子レンジ炊飯器と、炊飯方法を提供する。

【解決手段】含気した状態で密封し加圧加熱して一次炊飯と殺菌を行った含水量が50重量%〜65重量%である一次炊飯米包装体と、一次炊飯米100gに対して25g〜45gの添加水をプラスチックシートで形成した袋に内蔵した添加水包装体とを、誘電体で形成した、開口部の外周にフランジを配置した容器本体と、誘電体で形成した、外周にスカートを配置したフランジを設け、内周壁と外周のスカートの間隙に容器本体のフランジを着脱自在に嵌合した蓋体とからなる、炊飯容器に収納してなる、電子レンジ炊飯器であり、この炊飯器を用いた炊飯方法も含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 含気した状態で密封し加圧加熱して一次炊飯と殺菌を行った含水量が50重量%〜65重量%である一次炊飯米包装体と、一次炊飯米100gに対して25g〜45gの添加水をプラスチックシートで形成した袋に内蔵した添加水包装体とを、誘電体で形成した、開口部の外周にフランジを配置した容器本体と、誘電体で形成した、外周にスカートを配置したフランジを設け、内周壁と外周のスカートの間隙に容器本体のフランジを着脱自在に嵌合した蓋体とからなる、炊飯容器に収納してなる、電子レンジ炊飯器。
【請求項2】 一次炊飯と殺菌を行う加圧加熱処理が加圧マイクロ波処理である、請求項1に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項3】 一次炊飯と殺菌を行う加圧加熱処埋がレトルト加圧加熱処理である、請求項1に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項4】 含気した状態で密封した含気密封の含気率が30%〜35容積%である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項5】 含気密封で封入する気体が窒素ガスである、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項6】 加圧加熱殺菌した一次炊飯米のpHが約5である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項7】 一次炊飯米の含水量を調整する水として有機酸水溶液を用いてpHを調整した、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項8】 炊飯容器に収納する添加水包装体の水が調味料や出し汁である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項9】 炊飯容器に一次炊飯体包装米と水包装体に加えて、炊飯に添加する具を容器に充填した具包装体を収納した、請求項1ないし8のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項10】 炊飯容器が、蓋に水蒸気を抜く切込みや孔を設けた容器である、請求項1ないし9のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項11】 炊飯容器が、蓋の外周に設けた先端を外側に曲げて延長して指かけ抓みを形成したスカート部を容器本体の外周に設けたフランジ部と嵌合させて固定する容器である、請求項1ないし10のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項12】 炊飯容器が、蓋に蓋の外周よりやや中芯側にスカート部を配置し、スカート部より外周に平坦な外辺部を設け、蓋のスカート部を容器本体の開口に押し込み外辺部を容器の外周に設けたフランジに密着させて固定する容器である、請求項1ないし10のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項13】 炊飯容器が、容器本体の底中央に中空の半球状の外側に突出する突起を設け、底外周辺部に容器を自立させる脚部を設置した容器である、請求項1ないし12のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項14】 炊飯容器が、容器本体の底中央と底外周辺部に外側に突出する中空の突起を設けた容器である、請求項1ないし13のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項15】 炊飯容器が、容器本体の底外周辺部に設けた中空の外側に突出する突起がリング状の突起の容器である、請求項1ないし14のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項16】 炊飯容器が、容器本体の底中央と周辺部に設けた外側に突出する中央の突起が半球状または円筒状または矩形状またはそれ等を組み合わせた形状の突起の容器である、請求項1ないし15のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項17】 炊飯容器が、底外周辺部に中空の外側に突出する突起が底外周辺部の同心円上で中心となす角度が60度〜120度の位置に等間隔で設けた複数個の中空で半球状または円筒状または矩形状またはそれ等の組み合わせた形状の外側に突出する突起の容器である、請求項1ないし15のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項18】 炊飯容器が、容器本体の底部を平らな面とした容器である、請求項1ないし12のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
【請求項19】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載された炊飯器の蓋をはずし内蔵された一次炊飯体、添加水、具等の包装体を開封してこれらを収納した炊飯容器にあけて蓋をして電子レンジにより加熱して二次炊飯することを特徴とする、電子レンジ炊飯方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗米や水を内蔵した電子レンジを用いて炊飯を行う電子レンジ炊飯器と、この炊飯器を用いて電子レンジで炊飯を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来炊飯は、米を洗って、水を含浸させてから、金属もしくは陶器の釜や鍋を用い、ガス、電気等の熱源により外部より加熱して行うのが普通に行われている方法である。これ等の炊飯は加熱を、徐々に行うことができ、初期は特に徐々に加熱し、中期は強く加熱し、後期は弱く加熱してむらす、という炊飯の良好な条件で行うことができるが、炊飯の準備に時間と手数がかかるという欠点があった。近年は炊事に長時間をかけることが難しくなり、一方急速な調理を行う電子レンジが普及したので電子レンジにより急速に炊飯を行うことが要求されてきた。誘電体製電子レンジ炊飯器も発売されているが、1合のお米を炊飯する工程は米を水洗後、20分以上の含水させ、その後電子レンジで10分の加熱、さらに10分から15分の蒸らし時間が必要で、通常電子レンジ炊飯の場合、40分から45分の時間が必要であると報告されている。
【0003】最近、時間と手間のかかる、洗米や含水工程を省略し、電子レンジで再加熱することによって短時間に簡単に食するレトルト米飯、無菌米飯等が昔及しているが、これらの完成米飯では「釜めし」や具を米飯にのせた「どんぶりめし」などは不可能である。すなわち、「釜めし」の特徴は米粒の表面と中心とで味の濃さが異なり、米粒の中心は味が薄く、米粒の表面の味は濃いことが釜めしの旨さである。また米飯に具をのせた「どんぶりめし」についても、具の味がごはん全体に均一ではなく、どんぶり内の場所により異なることが「どんぶりめし」の旨さである。レトルト米飯や無菌米飯では米粒及び場所による味の濃淡はできず、本来の「釜めし」及び「どんぶりめし」の旨さは得られない。そして、時間と手間のかかる、洗米したり水を含浸する工程も省略することが求められている。
【0004】電子レンジにより炊飯の初期のゆるやかな加熱を行うために、米と水を入れた容器の外側に外容器を設け、これに水を入れて容器と外容器の間に水の層を形成して急激な加熱を防止し、併せて保温することが提案された。(例えば特開平8−453号公報、特開平8−52069号公報)。しかしながらこのようなマイクロ波の遮断層を設けると炊飯中期の高い加熱が不充分となる傾向がみられる。また、容器本体の開口部に中蓋を被せその上に外蓋を被せて両者間に空隙を形成し中蓋の孔を通ってこの空隙に入った水蒸気を冷却して液化し容器本体に戻して容器内の急激な加熱を防止することが特開平6−141969号公報で提案されている。しかしながらこの炊飯器では中蓋が固定されているため米と中蓋の距離を調節することができず、少量の米を炊くときも多量の米を炊くときも中蓋の位置は変わらない。そのため米と中蓋の間に適切な空間を形成することができないので良好な飯が得られない傾向が大きい。
【0005】炊飯においては米に必要な水を含浸させること、米と水の量、炊く米の量と炊飯器の大きさの関係等が重要である。米を炊く方法には炊乾し法、湯取り法等があるが、現在は炊乾しが普通に行われている。炊乾しには釜と重い蓋が必要である。つまり蓋と水を加えた米との間に適切な炊飯空間が存在し、この間に水蒸気が満ち、適当な圧力が加えられ水蒸気が蓋で冷却されて釜中に還流し温度を調節することにより良好な炊乾しが行われる。このため大きな釜で少量の米を炊くと適切な炊飯空間が形成されないので良好な炊飯を行うことができない。炊飯空間はこのように炊飯時に加える圧力に重大な関係があり、炊いた米飯の柔らかさに影響を与える。本発明の炊飯容器は中蓋を移動させることで炊飯空間を調節することが出来るので適切な柔らかさの米飯を炊くことが出来る。さらに電子レンジで炊飯する場合は加圧加熱殺菌により発生したムレ臭の発生を防止する必要がある。
【0006】本発明者は、すでに特願平8−273880号、特願平9−91269号、特願平9−91270号の発明をした。これ等の発明はムレ臭の発生を防止した良好な炊飯を得る優れた効果を奏するが、炊飯時間を短くするとわずかではあるが炊飯に不均一な部分が発生する傾向がみられた。電子レンジによる炊飯時間をさらに短くする要求に応え炊飯に不均一部分の発生を除去するために本発明がなされた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は電子レンジによる炊飯時間を5分以内の短い時間とした良好な炊飯を得ることのできる電子レンジ用炊飯器とこの炊飯器を用いた炊飯方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、「1. 含気した状態で密封し加圧加熱して一次炊飯と殺菌を行った含水量が50重量%〜65重量%である一次炊飯米包装体と、一次炊飯米100gに対して25g〜45gの添加水をプラスチックシートで形成した袋に内蔵した添加水包装体とを、誘電体で形成した、開口部の外周にフランジを配置した容器本体と、誘電体で形成した、外周にスカートを配置したフランジを設け、内周壁と外周のスカートの間隙に容器本体のフランジを着脱自在に嵌合した蓋体とからなる、炊飯容器に収納してなる、電子レンジ炊飯器。
2. 一次炊飯と殺菌を行う加圧加熱処理が加圧マイクロ波処理である、1項に記載された電子レンジ炊飯器。
3. 一次炊飯と殺菌を行う加圧加熱処理がレトルト加圧加熱処理である、1項に記載された電子レンジ炊飯器。
4. 含気した状態で密封した含気密封の含気率が30%〜35容積%である、1項ないし3項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
5. 含気密封で封入する気体が窒素ガスである、1項ないし4項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
6. 加圧加熱殺菌した一次炊飯米のpHが約5である、1項ないし5項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
7. 一次炊飯米の含水量を調整する水として有機酸水溶液を用いてpHを調整した、1項ないし6項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
8. 炊飯容器に収納する添加水包装体の水が調味料や出し汁である、1項ないし7項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
9. 炊飯容器に一次炊飯米包装体と水包装体に加えて、炊飯に添加する具を容器に充填した具包装体を収納した、1項ないし8項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
10. 炊飯容器が、蓋に水蒸気を抜く切込みや孔を設けた容器である、1項ないし9項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
11. 炊飯容器が、蓋の外周に設けた先端を外側に曲げて延長して指かけ抓みを形成したスカート部を容器本体の外周に設けたフランジ部と嵌合させて固定する容器である、1項ないし10項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
12. 炊飯容器が、蓋に蓋の外周よりやや中芯側にスカート部を配置し、スカート部より外周に平坦な外辺部を設け、蓋のスカート部を容器本体の開口に押し込み外辺部を容器の外周に設けたフランジに密着させて固定する容器である、1項ないし10項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
13. 炊飯容器が、容器本体の底中央に中空の半球状の外側に突出する突起を設け、底外周辺部に容器を自立させる脚部を設置した容器である、1項ないし12項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
14. 炊飯容器が、容器本体の底中央と底外周辺部に外側に突出する中空の突起を設けた容器である、1項ないし13項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
15. 炊飯容器が、容器本体の底外周辺部に設けた中空の外側に突出する突起がリング状の突起の容器である、1項ないし14項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
16. 炊飯容器が、容器本体の底中央と周辺部に設けた外側に突出する中央の突起が半球状または円筒状または矩形状またはそれ等を組み合わせた形状の突起の容器である、1項ないし15項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
17. 炊飯容器が、底外周辺部に中空の外側に突出する突起が底外周辺部の同心円上で中心となす角度が60度〜120度の位置に等間隔で設けた複数個の中空で半球状または円筒状または矩形状またはそれ等の組み合わせた形状の外側に突出する突起の容器である、1項ないし15項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
18. 炊飯容器が、容器本体の底部を平らな面とした容器である、1項ないし12項のいずれか1項に記載された電子レンジ炊飯器。
19. 1項ないし7項のいずれか1項に記載された炊飯器の蓋をはずし内蔵された一次炊飯体、添加水、具等の包装体を開封してこれらを収納した炊飯容器にあけて蓋をして電子レンジにより加熱して二次炊飯することを特徴とする、電子レンジ炊飯方法。」
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は電子レンジ炊飯器に内蔵する米は予め洗米し、水を含浸させ一次炊飯した米である。洗米と含水に時間や手数がかかったのでは短時間で炊飯を行うことができないからである。本発明は、洗米し、含水した米をプラスチックシートで形成した袋に充填し、加圧加熱処理を行うが、この処理は殺菌だけでなく、完全な炊飯ではないが米が50重量%〜65重量%まで炊飯された一次炊飯米となるまで加圧加熱処理を行う。加圧加熱処理としては2.45GHzの周波数を持つマイクロ波による加圧加熱処理と加圧蒸気や加圧熱水を用いるレトルト加圧加熱処理を使用することができる。マイクロ波加熱処理の場合、プラスチック容器に米と、水が全量吸水した時、含水量が50wt%から65wt%になるように水を注入し、密封し、金属製チャンバー内に米水充填プラスチック密封容器を導入し、5〜15kwのマイクロ波を発振できる電源を用い、マイクロ波を導入する。内容物の温度が110℃〜140℃になるようにマイクロ波の出力又は照射時間を調節し、加圧加熱処理を行う。110℃より低いと殺菌処理が十分でなく、140℃以上では蒸気圧が非常に高くなり、処理装置が高価になる。レトルト加圧加熱処理の場合はプラスチック容器と米に、水が全量吸水した時、含水量が50wt%から65wt%に成るように水を注入し、密封し、レトルト釜に米水充填プラスチック密封容器を導入し、加圧蒸気または加圧熱水により110℃10分〜140℃30秒の加圧加熱処理を行う。110℃より低いと殺菌処理が十分でなく、140℃以上では蒸気圧が非常に高くなり、処理装置が高価になる。このようにして米の一次炊飯と殺菌処理を行う。
【0010】このような一次炊飯を行うのは食事の際、電子レンジで炊飯を行うと、米からの炊飯では短時間の炊飯では多少芯が残る傾向があり、炊飯時間を長くしなければならないので予め一次炊飯しておくのである。しかしながらこの加圧加熱処理で完全炊飯を行い、食する時に加温したのでは炊飯にムレ臭が発生するので避けなければならない。ムレ臭の発生を防ぐためには添加水を加えて、この液体状態の水の存在下で電子レンジで完全に二次炊飯することが必要である。また一次炊飯しておくと、味つけ飯とする場合調味料等が一次炊飯された米の中心部には浸透しないで表面に存在する効果がある。味つけ飯は濃厚なうま味が飯粒の表面に存在することが食味を向上させ、芯部に浸透したうま味成分はあまり食味に貢献しない。
【0011】一次炊飯米の含水量が50重量%以下では炊飯後、米飯に芯が残り、65重量%以上では炊飯に必要な水量となり液体状態の水を加えることができないのでムレ臭が残るため好ましくない。一次炊飯米が含水量50重量%〜65重量%であることが必要であるが、この含水量では完全な炊飯となるための水が不足するため一次炊飯100gに対し25g〜45gの添加水を加えることが必要でありこの液体状態の水の存在によりムレ臭の発生を防止することができる。
【0012】この加熱洗米、含水した米をプラスチック袋に充填し注水して含気状態で密封し、加圧加熱して一次炊飯と殺菌を行う。こうして長期の保存に耐えることができる。含気状態で密封するのは、含気せずに加熱加圧殺菌処理を行うと、米粒同志が密着し、団子状態になり、米飯の外観が損なわれるからであり、気体としては窒素が好ましく、含気率は30%〜35容積%である。
【0013】本発明で電子レンジ炊飯器に洗米の他に添加水を内蔵するのは、炊飯時に米に含浸された水の他に液体状態の水を存在させ、加圧加熱時に発生したムレ臭を除去するためである。米に炊飯に充分な量の水を含浸させ、十分な量の水を含ませ液体状態の水のない状態で電子レンジで炊飯すると、加圧加熱処理で発生したムレ臭が除去できない。また一度炊いた飯を包装して、電子レンジで加温してもあるいはα−米を電子レンジで炊いてもムレ臭がが発生する。しかしながら、洗米に液体状態の水を存在させて電子レンジで炊飯を行うとムレ臭は発生しない。本発明者はムレ臭の原因物質が沸騰する水蒸気により水蒸気蒸溜されて外部に放出されるためと考える。水蒸気蒸溜により高沸点の物質も水蒸気の温度で溜出されるからである。
【0014】加圧加熱処理した一次炊飯米のpHは約5であることが好ましい。含気密封後加圧加熱殺菌を行うと米が褐色に着色する傾向が大きいのでこれを防止するためにpHを約5に調節することが有効である。pHの調整は含気密封時に注入する水に酒石酸、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸を加えるのが好適である。炊飯容器に収納する添加水は一次炊飯100gに対し25g〜45gが好ましいが新米、古米等使用する米により調節する。
【0015】本発明はこの添加水として調味料を含んだ液や出し汁等を使用することを含む。このような液を用いることにより簡単に味をつけた飯を炊くことができる。この他、味をつけたまたは味をつけない、野菜類、魚、肉、具等の具を容器に充填して炊飯容器に一緒に内蔵することもできる。
【0016】次に炊飯容器について説明する。本発明で使用する電子レンジ用炊飯容器は本体も蓋体も誘電体で形成しなければならない。金属等の導電体はマイクロ波を遮断するので電子レンジ加熱用の容器には使用することができない。容器は中空円筒形容器が取扱上最も好ましいが楕円筒や角筒または椀型であってもよく、開口部にフランジを設けると形状維持性と蓋支持性も良好となる。容器本体は開口部の外周にフランジが配置されている。フランジの外周にスカート部を設けるとフランジの剛性が向上し、蓋の着脱が容易となる効果が奏される。またこのスカート部に外方に突出する突起を配置すると蓋の内壁とスカート部の接触面積が小さくなり摩擦抵抗が減るので蓋の着脱がさらに良好となる。
【0017】電子レンジ加熱において、マイクロ波は内容物に吸収され減衰しながら侵入するため容器中央部より容器壁部に近い内容物の方が急激に加熱される。炊飯容器は米が容器の底部に堆積して存在しているので容器の中央部まで急速に加熱することが望ましい。そこで容器の底中央に外側に突出する中空突起を設けるとマイクロ波は突起の周囲から侵入するので突起内に充填された内容物に集中するため容器の内容物は底中央から加熱され、均一な加熱が行える。突起の形状は球状、円筒状、矩形状そしてそれ等の複合形がよく、突起のサイズは球状の場合、直径が8mm以上40mm以下、矩形状の場合、1辺が8mm以上40mm以下であることが望ましい。突起のサイズが8mm未満の場合、マイクロ波集中効果が小さく、また40mmより大きい場合突起内の加熱点が分散し、加熱効果が低下する。
【0018】容器の底中央に外側に突出する突起を設けると容器の自立性が失われるので脚部を設ける必要があるが、最も簡単で有効な脚部は底の周縁にスカートを配置しこれにより自立する容器である。この他、底の周辺部にも外に突出する中空の突起を設けるとこれがマイクロ波による集中加熱点となるとともに自立脚としても作用する利点がある。容器の底周縁に設ける中空の突起は底中央に設ける突起と同様な球状、円筒状、矩形状そしてそれ等の複合形でもよく、中空の突起を周辺部に同心円上で中心となす角が60度〜120度の位置に等間隔で配置すると加熱の均一性と自立性が良好となる。
【0019】蓋は外周部にフランジを配設し、フランジの外周に下方に垂下するスカートを設け、スカートの先端を外方に曲げて延長して蓋を容器本体からはずすときに指をかける指かけ抓みを形成する。蓋のフランジの内周側の壁の上方部近傍を容器本体のフランジ内周壁と密着する密着壁とし、この密着壁とフランジとスカートとにより、容器本体のフランジと嵌合して蓋を被蓋する。蓋はまた容器本体のフランジ内周壁と密着する密着壁を除いた平らな蓋であってもよく、スカート部を容器本体のフランジ外周と嵌合させることにより被蓋してもよい。また蓋の外周より中芯外にスカート部を配置し、このスカート部を容器本体の開口に押し込みスカート部の外周に設けた外辺部を容器フランジ表面に密着させて被蓋してもよい。この場合はスカート部の先端に指かけ抓みを形成させる必要はない。
【0020】蓋を容器本体に被蓋したとき、蓋と米の間には炊飯空間が形成される。蓋には水蒸気が外部に放散される孔が設けられている。蓋のスカートの先端に形成した指かけ抓みは、電子レンジによる炊飯により蓋も加熱されるので蓋をはずすのが意外に難しいので、非常に有効である。さらに延長して外側に曲げられた抓みは蓋をするときのガイドテーパーとしても作用する。
【0021】本発明で使用する炊飯容器本体と蓋とからなる炊飯容器は100℃〜105℃程度の耐熱性が要求されるので使用される構成材料としてはポリプロピレン、ポリメチルペンテン、PET、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の耐熱性合成樹脂が適している。
【0022】本発明の電子レンジ炊飯方法は、プラスチック袋の夫々充填した一次炊飯米、添加水、場合によってはさらに具を内蔵した電子レンジ炊飯容器の蓋をはずし、炊飯容器内の袋を取り出して開封し内容物を容器内にあけて蓋をし、電子レンジで加熱すれば蒸気は米と蓋の間の空間で凝縮して容器内に還流し、初期の急激な加熱を防ぎゆるやかな加熱が行われる。一部の蒸気は蓋側面の孔より外部に放出され、ムレ臭の原因物質も放出され良好な炊飯が得られる。
【0023】
【実施例】本発明で使用する炊飯器を図面について説明する。図1は本発明で使用する炊飯容器の断面を示す説明図で、1は蓋であって外周縁にフランジ2を有し、フランジの外周にスカート3が設置されている。蓋は容器本体の開口部外周に設けたフランジと着脱自在に嵌合して被蓋される。4は容器本体であって、底部に外方に突出する突起が設けられている。この突起にマイクロ波が集中するので加熱むらがなくなる。5は蓋と容器本体で形成される炊飯空間であって、炊飯時には米と蓋の間に空間が形成され、水蒸気が凝縮して水となったり、加圧が行われる。勿論平らな底面の容器本体も使用できる。流通時にはこの空間に包装した米と包装した水が収納される。
【0024】図2は本発明で使用される炊飯容器の蓋と容器本体の結合部を示す拡大図である。6は容器本体の開口部外周縁に設けたフランジであり、その外周には下方に垂下するスカート7が配置されている。また容器のスカートに外方突起8を設けこの突起と蓋のスカートを当接させるとスカートの摩擦が少なくなるので蓋の着脱が容易となる。2は蓋のフランジである。このフランジの外周縁にはスカート3が設けられており、スカートの先端は外方に曲げて延長し指かけ抓み9を形成する。蓋のフランジを容器本体のフランジに密着させ蓋のスカートを容器本体のスカートに接触させて着脱自在に嵌合させると蓋のフランジの内方の周壁10は容器本体のフランジの内方の周壁15に接触しなくても外蓋は安定して被蓋されるので、蓋の内周壁10は必ずしも必要ではない。また、蓋にフランジより中心側にスカートを設けこれを容器本体の開口部に押し込み蓋のフランジを容器本体のフランジに密着させて被蓋すると外周のスカートは不要となる。
【0025】図3は容器本体の底部を説明するもので開口部は省略されている。容器本体の底中央部に外側に突出する突起11を設け、底周縁にスカート12を配設した容器本体を示す。この突起の内容物にマイクロ波が集中するのでこの部分が急激に加熱され内容物の中央部が加熱されるので加熱むらがなくなる。またスカートにより自立性が与えられる。
【0026】図4は底中央部に設けた外側に突出する中空の突起11と底の外周縁部の同心円上で中心となす角度が60度の位置に等間隔で設けた6個の外側に突出する突起13を配設した容器本体を示す。また図5は突起の設けられた底を示す。これ等の突起はその内容物にマイクロ波が集中するのでこの部分が急激に加熱され内容物の中央部が加熱されるので加熱むらがなくなる。また7個の突起が自立性を与えるが、底中心側となす角が60度の位置で且つ同心円上に等間隔で並ぶ6個の突起は自立性が非常に優れている。
【0027】図6は底中央に設けた外側に突出する中空の突起11と底の外周縁の同心円上で中心となす角が120度の位置に等間隔で設けた3個の外側に突出する中空の突起14を配設した容器本体を示す。図8は突起を設けた底を示す。4個の突起が自立性を与えるが、底中心となす角度が120度の位置で且つ同心円上に等間隔で並ぶ3個の突起は自立性が優れている。
【0028】実施例1米を洗って、室温で3時間水に浸漬し含水させる。この米をポリプロピレンシートで形成した袋に77g充填し、63gの水を注入し窒素を35%含気させて密封し、115℃で40分加圧加熱して一次炊飯と殺菌を行う。この一次炊飯米の含水量は61.5wt%であった。ポリプロピレンシートで形成した袋に充填した添加水40gと上記の殺菌された140gの重量の一次炊飯米を充填した袋とを、図1に示されるポリプロピレン製の炊飯器に内蔵し電子レンジ炊飯器とした。なお容器は口径110mmで、底径89mm、高さ77.4mm、でありフランジ径は125mmである、炊飯容器の底部は自立性と加熱むらをなくすため外側に突出する半球状の突起が配設されている。外蓋は直径133mmである。フランジは10mm、スカートは長さ6mmであり、指かけ抓みは0.7mmである。この炊飯器の蓋をあけ、内蔵した袋を開封して内容物を容器にあけ、松下電器株式会社製、電子レンジNE−M340で500W、5分加熱で炊飯を行ったところ良好な軟らか目炊飯が得られた。
【0029】実施例2底形状が底の中央に直径14mmの中空半球状で外側に突出した突起を有し、さらに底の外周縁に高さ8mmのスカートが配されているほかは実施例1と同様な容器本体を使用し、実施例1と同様にして炊飯したところ良好な炊飯が得られた。
【0030】実施例3底中央および底外周辺部の同心円上の中心となす角が60度の位置6ヶ所に直径14mmの中空半球状で外側に突出する突起を設けた以外は実施例1と同様な容器を使用し、実施例1と同様にして炊飯したところ、良好で硬めの炊飯が得られた。
【0031】実施例4底中央および底の外周辺部の同心円上の中心となす角が120度の位置3ヶ所に直径14mmの中空半球状で外側に突出する突起を設けた以外は実施例1と同様な容器を使用し、実施例1と同様にして炊飯したところ、良好で軟らか目の炊飯が得られた。
実施例5添加水を鰹節とコブから取った出し汁にミリンと醤油を加えた調味液に代えた他は実施例1と同様にして味つけ飯を得た。
実施例6調味液と一次炊飯米の他に味つけした椎茸、ニンジン、油揚をポリプロピレン製袋に充填した具を加えた他は実施例5と同様にして五目飯が炊飯された。
実施例7調味液と一次炊飯米の他に鶏肉と野菜を卵でとじた具をポリプロピレン製袋に充填した具を加えた他は実施例5と同様にして、親子どんぶりが炊飯された。
【0032】比較例1洗米80gと水48gを含気密封し加熱殺菌処理し、含水処理を行わない他は実施例1と同様にした。得られた飯はかなり硬く芯があり不良であった。含水量が非常に不足していると考えられる。
比較例2洗米80gを水に含浸し、炊飯に必要な量の水を米に含水し、この米を用いて液体状態の水を存在させずに図2の容器で炊飯したところ、ムレ臭が発生した。
【0033】
【発明の効果】本発明により、一次炊飯米と必要な添加水が夫々袋に入れて組み合わされて電子レンジ用容器に内蔵されているので、この袋を開封して電子レンジにより加熱すれば短時間でムレ臭のない良好な炊飯が得られ、他の器具は必要なく、洗米や含水時間も不要である効果が奏される。
【出願人】 【識別番号】393018613
【氏名又は名称】岸本 昭
【出願日】 平成9年(1997)6月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀夫
【公開番号】 特開平11−18941
【公開日】 平成11年(1999)1月26日
【出願番号】 特願平9−207015