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【発明の名称】 誘導加熱式炊飯器
【発明者】 【氏名】別枝 篤司

【氏名】中川 博之

【要約】 【課題】表示パネルの下方に形成されるデッドスペースを有効利用でき、しかも冷却ファンを不要とする。

【解決手段】基板ホルダー7は、内鍋5の側方に位置する。基板ホルダー7は基板14と表示パネル16とを保持する。基板14は、内鍋5の側方の略垂直面内に位置し、内鍋5とは反対側の位置に電気回路部品13を実装されている。また、前記基板14には、表示パネル16の下方で、基板14の前方に形成される空間内に突出するヒートシンク15を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 誘導加熱コイルにより内鍋を誘導加熱するようにした誘導加熱式炊飯器において、内鍋の側方に位置する基板ホルダーと、該基板ホルダーに保持され、内鍋の側方の略垂直面内に位置し、内鍋とは反対側に電気回路部品を実装した基板と、前記基板ホルダーの上方に保持され、側方に向かって下方に傾斜する表示パネルと、前記基板に設けられ、前記表示パネルの下方で、基板の側方に形成される空間内に突出するヒートシンクと、を備えたことを特徴とする誘導加熱式炊飯器。
【請求項2】 前記基板ホルダーは、ヒートシンクの上方又は側方に電気回路部品が位置する場合、少なくとも該電気回路部品と、ヒートシンクとを遮断する遮熱リブを有することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱式炊飯器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導加熱式炊飯器、特に、基板に実装した電気回路部品の冷却を効率的に行うことにより冷却ファンを不要とすることのできる誘導加熱式炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】誘導加熱式炊飯器では、誘導加熱コイルへの通電制御等のための電気回路部品が設けられている。このような電気回路部品は、炊飯中に自己発熱し、炊飯熱の影響とも相俟って所定温度以上となって故障に至る恐れがある。そこで、従来では、冷却ファンを設けて強制的に前記電気回路部品の冷却を行うようにしていた(例えば、特開平7―327816号公報、特開平8―10148号公報参照)。
【0003】しかしながら、冷却ファンを設けると、炊飯器の大型化、炊飯中の騒音の発生、部品点数の増大、組付け工数の増加に伴うコストアップが避けられない。
【0004】一方、冷却ファンをなくした構造として、炊飯器本体の底面に設けた吸気孔と、側面上方部に設けた排気孔との間に形成される空気通路中に基板から突出させたヒートシンクを配設させるようにしたものが公知である(例えば、特開平7―136059号公報参照)。
【0005】しかしながら、ヒートシンクを前記空気通路中に配設するためには、電気回路部品を実装した基板を内鍋の下方側に位置させる必要がある。このため、炊飯器が高さ方向に大型化することは避けられない。
【0006】そこで、本発明は、冷却ファンが不要で、しかも表示パネルの下方に形成されるデッドスペースを有効利用できる誘導加熱式炊飯器を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するための手段として、誘導加熱コイルにより内鍋を誘導加熱するようにした誘導加熱式炊飯器において、内鍋の側方に位置する基板ホルダーと、該基板ホルダーに保持され、内鍋の側方の略垂直面内に位置し、内鍋とは反対側に電気回路部品を実装した基板と、前記基板ホルダーの上方に保持され、側方に向かって下方に傾斜する表示パネルと、前記基板に設けられ、前記表示パネルの下方で、基板の側方に形成される空間内に突出するヒートシンクと、を備えたものである。
【0008】この構成により、電気回路部品から発生した熱は、基板からヒートシンクを介して表示パネルの下方側の空気に伝えられる。また、基板の電気回路部品の実装面は内鍋側とは反対側に位置しているので、内鍋からの熱が直接電気回路部品に伝わることがなく、基板によって反射される。
【0009】前記構成の誘導加熱式炊飯器において、基板ホルダーは、ヒートシンクの上方又は側方に電気回路部品が位置する場合、少なくとも該電気回路部品と、ヒートシンクとを遮断する遮熱リブを有するのが好ましい。
【0010】この構成により、ヒートシンクから放出される熱が遮熱リブによって遮られ、直接電気回路部品に伝えられることがなく、より効果的に電気回路部品で発生する熱を除去することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0012】図1は、本発明に係る誘導加熱式炊飯器の特徴部分を示す部分断面図である。この誘導加熱式炊飯器では、炊飯器本体1内に内胴2及び保護枠3によって収容室4が形成されている。収容室4内には取出可能に内鍋5が収容されている。内鍋5は、保護枠3に保持した誘導加熱コイル6により誘導加熱可能となっている。
【0013】炊飯器本体1の前面側の空間には基板ホルダー7が配設されている。この基板ホルダー7は、図2に示すように、垂直壁部7aと、この垂直壁部7aの上端に形成される傾斜壁部7bとからなる。
【0014】垂直壁部7aの上方側には矩形孔8が穿設されている。垂直壁部7aの背面側には、前記矩形孔8の上縁及び側縁に沿って遮熱リブ9が突設され、両側縁から側壁10が延設されている。一方の側壁10(前記矩形孔8側)には、導風用の切欠き11が形成されている。
【0015】また、垂直壁部7aの背面には複数のボス部12が形成され、基板14がねじ止めされている。この基板14は、前面側に電気回路部品13(組立後の誘導加熱コイル6への設定通電量を調整するためのボリュームのみ図示)を実装され、その中央部には誘導加熱回路のIGBT用ヒートシンク15がねじ止めされている。ヒートシンク15は、複数の板状体を所定間隔で並設一体化した構成で、前記矩形孔8を介して垂直壁部7aの前面側に突出し、垂直壁部7aの前方空間に放熱可能となっている。
【0016】また、傾斜壁部7bには、表示パネル16が設けられている。表示パネル16は、スイッチや液晶パネルを有し、これらは炊飯器本体1の前方上部の傾斜面に視認可能になって露出している。表示パネル16を傾斜させて設けるのは、操作性及び視認性を考慮した結果である。
【0017】前記構成の誘導加熱式炊飯器では、誘導加熱コイル6による炊飯を開始すると、内鍋5が誘導加熱されて発熱する。その熱は、内鍋5内の被加熱物のみならず、内胴2や保護枠3を越えて炊飯器本体1の前面側にも伝わる。炊飯器本体1の前面側には、基板14の電気回路部品13を実装していない面が露出しているので、内鍋5からの熱は、この基板14によって反射され、電気回路部品13には伝わりにくい。
【0018】また、ヒートシンク15は、基板ホルダー7の垂直壁部7aに穿設した矩形孔8を介して前面側のデッドスペースまで延在している。しかも、基板14と垂直壁部7aの間では、ヒートシンク15は上方及び側方を遮熱リブ9で囲まれているため、上方空間には伝達されにくい。このため、ヒートシンク15が電気回路部品13を加熱することがない。また、ヒートシンク15の熱は、垂直壁部7aの前方空間及び導風用の切欠き11を介して基板14から側方に放熱される。
【0019】このように、前記誘導加熱式炊飯器によれば、ヒートシンク15によって発生した熱を表示パネル16の下方で、基板ホルダー7の前方に形成される空間に放熱することができる。しかも、内鍋5からの熱を基板14で反射させて電気回路部品13に至ることを有効に阻止する。また、遮熱リブ9によってヒートシンク15から電気回路部品13に伝達される熱をも遮ることができる。さらに、ヒートシンク15は、炊飯器本体1の前方のデッドスペースを有効利用して従来に比べて十分に冷却面積が大きくなっている。したがって、冷却ファンがなくても有効に誘導加熱回路を冷却可能である。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係る誘導加熱式炊飯器によれば、電気回路部品を基板の内鍋とは反対側の面に実装すると共に、ヒートシンクを表示パネルの下方で、基板の前方に形成される空間内に突出するように設けたので、効率的な電気回路部品の冷却が可能となり、従来必要であった冷却ファンが不要となると共に、表示パネルの下方に形成されるデッドスペースを有効に利用することができる。
【出願人】 【識別番号】000002473
【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外2名)
【公開番号】 特開平11−18927
【公開日】 平成11年(1999)1月26日
【出願番号】 特願平9−173901