| 【発明の名称】 |
液体容器の流量調整装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡崎 幸雄
【氏名】熊谷 浩志
|
| 【要約】 |
【課題】遠心ポンプを用いた液体容器において、流量調整を安価な手段により実現することである。
【解決手段】遠心ポンプ3の吐出流量が正転時と逆転時で大幅な差があるとの知見に基づき、遠心ポンプ3とその制御手段に正転させる多量スイッチ12と少量スイッチ13を設け、必要に応じてこれらのスイッチ12、13を使い分けて吐出流量を調整するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 遠心ポンプとその吐出流量の制御手段とから成り、上記遠心ポンプにより液体容器内の液体を外部に吐出させるようにした液体容器の流量調整装置において、上記の制御手段が上記遠心ポンプを正転又は逆転させるスイッチを有することを特徴とする液体容器の流量調整装置。 【請求項2】 上記の遠心ポンプの逆転時の吐出流量を標準吐出流量に設定した請求項1に記載の液体容器の流量調整装置。 【請求項3】 上記の制御手段に吐出流量の無段階調整装置を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体容器の流量調整装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、電気湯沸かし器等の液体容器の流量調整装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電気湯沸かし器等の液体容器において、内部の液体を外部に吐出させるために、遠心ポンプ等のインペラ式ポンプが用いられる。この場合、液の吐出流量がカップ等の受け容器の容量に比べて大き過ぎると液が躍ね返って周辺に飛び散ったり、或いは溢れたりする不都合が生じる。 【0003】このような不都合を解消するため、従来からポンプの吐出流量を受け容器の大きさに応じて変えるようにしたいくつかの流量調整装置が知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来から知られている流量調整装置として、複数のポンプ制御回路を設け、切替えスイッチにより複数の流量候補から好みの流量を選択するものがあるが、回路構成が複雑になり、コストアップの要因となる問題がある。 【0005】また、開閉弁機構や電圧昇降装置を設けることにより、無段階に流量を調節するようにしたものもあるが、部品点数が増し、コストアップの要因となる問題があるとともに、微量調整が困難である問題もあった。 【0006】そこで、この発明は簡単な装置により流量が調整できるようにすることを第1の目的とし、また微量調整ができるようにすることを第2の目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成するために、この発明は、遠心ポンプとその吐出流量の制御手段とから成り、上記遠心ポンプにより液体容器内の液体を外部に吐出させるようにした液体容器の流量調整装置において、上記の制御手段が上記遠心ポンプを正転又は逆転させるスイッチを有する構成としたものである(請求項1)。 【0008】上記の遠心ポンプの逆転時の吐出流量を標準吐出流量に設定した構成とすることができる(請求項2)。 【0009】また、前記の第2の目的を達成するために、上記の制御手段に吐出流量の無段階調整装置を付加した構成を採用した(請求項3)。 【0010】 【実施の形態】以下この発明を電気湯沸かし器に用いた第1の実施形態を図1から図4に基づいて説明する。 【0011】図1は電気湯沸かし器の概略を示すものであり、外装体1の内部に内容器2が収納され、その内容器2の底面に遠心ポンプ3の吸入口4を接続すると共に、その遠心ポンプ3の排出口5を液通路6に接続している。液通路6は、内容器2と外装体1との間を立上がり、外装体1の上部において吐出口7に連通している。 【0012】上記外装体1の操作表示部8には、図1(b)に示すような「ロック解除」の文字表示を施したロック解除スイッチ9、ロック解除ランプ11、「給湯」の共通の文字表示の下に「多量」の文字表示を施した多量スイッチ12、「少量」の文字表示を施した少量スイッチ13が設けられる。また、外装体1の内部には、給湯制御用のマイコン14及びポンプ駆動回路15を搭載した制御基板16が設けられる。 【0013】上記の操作表示部8、マイコン14、ポンプ駆動回路15及び遠心ポンプ3は、図1(c)のブロック図に示すようにこれらの相互間に信号伝送用のリード線が配線され、操作表示部8の前記各スイッチ9、12、13の操作に応じてマイコン14が作動され、マイコン14がポンプ駆動回路15を経てポンプ3を駆動制御する。これらの操作表示部8、マイコン14及びポンプ駆動回路15が「制御手段」を構成する。 【0014】上記の遠心ポンプ3は、図2(a)、(b)に示すように、モーター17にポンプケーシング18を取付け、そのポンプケーシング18の内部を隔壁19よりモーター側の駆動室20とポンプ室21とに区画している。駆動室20内には、モーター17の駆動軸22に連結されたマグネットホルダー23が収納されると共に、そのマグネットホルダー23に環状のマグネット24が隔壁19に接近した状態で保持される。 【0015】また、ポンプ室21の端面に前記の吸入口4が設けられ、その周壁に接線方向を向いた排出口5が設けられる(図2(b)参照)。ポンプ室21の内部には、隔壁19の軸受凹所25に挿通された回転軸26にマグネットホルダー27が設けられる。上記回転軸26と同心状にマグネットホルダー27に設けられた支持軸28が、ポンプ室21の入口に設けたアーム29により回転自在に支持される。 【0016】上記のマグネットホルダー27に環状のマグネット31が隔壁19に接近して保持される。このマグネット31と前記の駆動室20のマグネット24は相互に吸引力を及ぼす。 【0017】上記のマグネットホルダー27には、支持軸28のまわりに4枚のインペラ32が半径方向に設けられる。 【0018】上記の遠心ポンプ3は、モーター17を正転させると、図2(b)の矢印Aで示す方向に、インペラ32で押された液体が排出口5の部分で周壁の接線方向に押し出され、排出される。逆に、モーター17を逆転させると、図2(b)の矢印Bで示す方向にインペラ32が回転する。この場合は、インペラ32で押された液体の移動方向は前記の接線方向とは逆の方向となるので正転の場合に比べて排出口5からの排出される液量は少なくなる。 【0019】実験の結果によると、直径25mm、4枚羽根のインペラを使用し、駆動電圧11V、揚程340mmの遠心ポンプを用いた場合、10秒間当たりの排出量は正転の場合360ccであったのに対し、逆転の場合は210ccであった。 【0020】なお、遠心ポンプ3は、従来は専ら正転させて使用されており、逆転させて使用する例は未だかつてないことであるが、この出願の発明者らは、上記のように遠心ポンプ3は正転時と逆転時とで吐出流量に大幅な差があることを見出し、この発明に想到したものである。 【0021】図3は上記マイコン14のフローチャートであり、次にこのフローチャートに基づきマイコン14による遠心ポンプ3の制御方法を説明する。 【0022】給湯に際し、使用者がロック解除スイッチ9をONにすると(ステップ1)、給湯のロック解除を行うと共に、ロック解除ランプ11を点灯させる(ステップ2)。使用者がその必要に応じて多量スイッチ12をONにすると(ステップ3)、遠心ポンプ3が正転すると共に、安全タイマーがリセットされる(ステップ4)。安全タイマーはマイコン14内に内蔵されたタイマーであり、不用意な操作や、誤ってロック解除スイッチ9に触れた場合などに、意図しない熱湯の吐出を防止するために設けられたものである。例えば、ステップ2でロックが解除されたのち、多量スイッチ12も少量スイッチ13もOFFの場合に安全タイマーが計時を開始し(ステップ8)、10秒を経過すると(ステップ9)、ロック解除状態がリセットされ、給湯がロックされる(ステップ10)。 【0023】遠心ポンプ3の正転により所望量の液体が吐出されたのち、多量スイッチ12がOFFになると、遠心ポンプ3の正転が終了する(ステップ5)。このとき少量スイッチ13はOFFである(ステップ6)ので、安全タイマーがスタートして計時が行われる(ステップ8)。10秒間が経過すると(ステップ9)、給湯ロックが行われると共に、ロック解除ランプ11が消灯され(ステップ10)、フローが終了する。この場合の安全タイマーによる10秒間の計時は、遠心ポンプ3の正転終了後、10秒間はロック解除状態を保持し、その間に多量スイッチ12又は少量スイッチ13が再操作されるとそれに応じて遠心ポンプ3を再起動できるようにするものである。 【0024】また、ロック解除後、少量スイッチ13がON(ステップ6)になると、遠心ポンプ3が逆転されると共に安全タイマーがリセットされ(ステップ7)、少量スイッチ13がOFFになると遠心ポンプ3の逆転が終了されると共に、前記と同様に安全タイマーがスタートして計時が行われ(ステップ8)、以下前記と同様に処理が行われてフローが終了する。 【0025】図4に示すように、前記の少量スイッチ13に代えて、「普通」の文字表示を施した普通スイッチ13’を設けるようにしてもよい。この普通スイッチ13’は前記の少量スイッチ13と同様に、これを操作するとポンプ3が逆転するようになっているが、この場合は、ポンプ3の逆転時の流量を標準の吐出流量となるようポンプ3の回転数、羽根形状、パワー等の仕様を予め設定しておく。このように設定しておくことにより、普通スイッチ13’を操作すると、標準の吐出流量が得られ、多量スイッチ12を操作するとポンプ3を正転して標準吐出流量より多量の吐出流量が得られる。 【0026】次に、図5に示した第2実施形態は、前記実施形態のポンプ駆動回路15と遠心ポンプ3の間に無段階調整装置33を介在したものである。この場合の無段階調整装置33は可変抵抗器34により構成され、外装体1の適宜位置に設けたハンドル35を操作することにより抵抗値を連続的に変化させ、遠心ポンプ3に加えられる電圧を無段階に変化させる。 【0027】この場合、前述の多量スイッチ12、少量スイッチ13又は普通スイッチ13’を操作したうえで、遠心ポンプ3に加えられる電圧を無段階調整装置13により変化させると、吐出流量を最大流量から最小流量まで幅広く調整することができる。 【0028】図6(a)〜(c)は第3実施形態を示す。この場合は無段階調整装置33’を機械的な構造で実現したものであり、液通路6の途中にコック36を設け、外装体1に設けたハンドル37によりコック36を操作し、そのコック36の開閉度合により吐出量を無段階に変化させる。この場合の遠心ポンプ3の制御は第1実施形態の場合と同様であり、多量スイッチ12、少量スイッチ13又は普通スイッチ13’を選択し、更にコック36によって流量を調整することにより、前記の第2実施形態の場合と同様に幅広い流量調整が可能となる。 【0029】 【発明の効果】以上のように、この発明は遠心ポンプが正転時と逆転時とで吐出流量に大幅な差があることを見出し、その正逆転を使用者が任意に選択できるようにしたものであるから、簡単な構成で吐出流量を変化させることができ、逆転を選択すると吐出流量が減少するので飛び散り等の不都合を無くすることができる(請求項1)。 【0030】また、逆転時の吐出流量を標準吐出流量に設定しておくと(請求項2)、正転時に標準吐出流量より大きい吐出流量が得られるので、料理の下ごしらえ等、短時間で多量の湯を供給したい場合に便利である。 【0031】また、無段階調整装置と組合せて用いることにより(請求項3)、正転時、逆転時の吐出流量を幅広く無段階に調整することができ、特に逆転時には微少量の流量調整ができ、使用性が向上する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002473 【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−9475 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−168643 |
|