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【発明の名称】 遠心ポンプ
【発明者】 【氏名】小林 英明

【氏名】武智 和範

【氏名】三橋 秀穂

【氏名】井岡 巧

【要約】 【課題】遠心ポンプのケースと仕切り板の締着は、ねじ等でおこなわれていたが、水密性が不十分であったり、ねじ等の部品が必要であるといった課題があった。そこで、ケースと仕切り板を溶着することで、水密性が安定しまたねじ等の部品の不要な遠心ポンプを得ることを目的とする。

【解決手段】電動ポンプのケース14の溶着溝19と仕切り板24のリブ23を溶着し、また、溶着位置をインペラ15から比較的遠い位置にすることで、インペラ15の回転を妨げることのない溶着を実施することができる遠心ポンプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 モータと、前記モータの回転軸に固定された駆動磁石と、前記駆動磁石と磁気結合されて回転し前記駆動磁石側の底面中央に支点となる凸部を形成したインペラと、前記インペラを収納しフランジに溶着溝を設けたケースと、前記溶着溝に挿入されて溶着されるリブを有し前記ケースのモータ側開口部を塞ぐ樹脂製の仕切り板とを備え、前記リブの外周側の先端を前記溶着溝に当接させ溶着した遠心ポンプ。
【請求項2】 溶着溝底面の外周側に面取り形状の肉盛り部を設け、前記肉盛り部と仕切り板のリブ外周先端とを当接させて溶着した請求項1記載の遠心ポンプ。
【請求項3】 ケースの溶着溝を形成する内側壁と仕切り板底面との空間をケースと仕切り板との溶着代よりも大きくした請求項1記載の遠心ポンプ。
【請求項4】 ケースの溶着溝を形成する外側壁と仕切り板の溶着リブ外周との外側隙間を溶着溝を形成する内側壁と溶着リブ内周との内側隙間よりも小さくした請求項1記載の遠心ポンプ。
【請求項5】 ケースと仕切り板の溶着前に、前記インペラの凸部先端と前記仕切り板底面との間に隙間を設けた請求項1記載の遠心ポンプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気湯沸し器等で使用される遠心ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の遠心ポンプでは、図5に示すようにインペラ1はケース2に収納され、ケース2の開口部は耐摩耗性のあるステンレス等でできた仕切り板3で塞がれていた。そして、ケース2と仕切り板3とのシールは間にOリング4を挟み、これらをモータホルダー5に少なくとも3本以上のねじ6を用いて圧接固定することにより行うものが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の構成では、Oリング4の圧接状態によりシール性能が不足したりねじ6が必要であったりして、部品点数が多くなるという課題を有していた。
【0004】本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、樹脂製の仕切り板を溶着してシール性能の向上を図り、更に部品点数の削減を図ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の手段の一つは、モータと、前記モータの回転軸に固定された駆動磁石と、前記駆動磁石と磁気結合されて回転し前記駆動磁石側の底面中央に支点となる凸部を形成したインペラと、前記インペラを収納しフランジに溶着溝を設けたケースと、前記溶着溝に挿入されて溶着されるリブを有し前記ケースのモータ側開口部を塞ぐ樹脂製の仕切り板とを備え、前記リブの外周側の先端を前記溶着溝に当接させ溶着した遠心ポンプとすることにより、溶けた仕切り板のリブまたはケースの溶着溝の一部がインペラと接触することなく溶着することができ、またケースと仕切り板の締着部品のない簡便な構造の遠心ポンプを構成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、モータと、前記モータの回転軸に固定された駆動磁石と、前記駆動磁石と磁気結合されて回転し前記駆動磁石側の底面中央に支点となる凸部を形成したインペラと、前記インペラを収納しフランジに溶着溝を設けたケースと、前記溶着溝に挿入されて溶着されるリブを有し前記ケースのモータ側開口部を塞ぐ樹脂製の仕切り板とを備え、前記リブの外周側の先端を前記溶着溝に当接させ溶着した構成とすることにより、溶着部の位置を回転運動するインペラから比較的遠い位置にすることができ、溶着時の溶け残りがインペラに接触することなく溶着を完了することができる。
【0007】本発明の請求項2記載の発明は、溶着溝底面の外周側に面取り形状の肉盛り部を設け、前記肉盛り部と仕切り板のリブ外周先端とを当接させて溶着した構成とすることにより、溶着部の位置を回転運動するインペラから比較的遠い位置にすることができるとともに肉盛り部が確実にリブに当接してより確実な溶着が得られ、さらに溶着時の溶け残りがインペラに接触することなく溶着を完了することができる。
【0008】本発明の請求項3記載の発明は、ケースの溶着溝を形成する内側壁と仕切り板底面との空間をケースと仕切り板との溶着代よりも大きくした構成とすることにより、溶着量にばらつきが発生してもケースと仕切り板は確実に溶着されるとともに、一方内側壁と仕切り板底面は接触することなく確実な溶着を実施することができる。
【0009】また、請求項4記載の発明によれば、ケースの溶着溝を形成する外側壁と仕切り板の溶着リブ外周との外側隙間を溶着溝を形成する内側壁と溶着リブ内周との内側隙間よりも小さくしたことにより、溶着時にケースと仕切り板に偏心が発生しても必然的に溶着はケース外側壁と仕切り板との溶着となり、ケース内側壁と仕切り板が溶着されることはなく、溶けたケースまたは仕切り板の一部がケース内部に侵入してインペラに当たることはない。つまり、溶着溝の内側壁と仕切り板の溶着リブの内周は当接することなく、従って、溶けることはなく確実な溶着ができる。
【0010】また、請求項5記載の発明によれば、ケースと仕切り板の溶着前に、インペラの凸部先端と仕切り板底面との間に隙間を設けたことにより、溶着後にインペラが円滑に回転するとともに、溶着方法によっては溶着時の衝撃で凸部先端が仕切り板に衝突して破損することを防止することができ、溶着後にインペラが円滑に回転する構成となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0012】(実施例1)以下、本発明の実施例について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1と図2において、11はモータで、モータ11の回転軸12には駆動磁石13が固着されている。ケース14内には駆動磁石13と磁気結合されたインペラ15が収納されており、ケース14内に設けたボス16に挿入された軸17により軸支されている。インペラ15は自身が磁性を有するか、または磁石(図示せず)を内蔵する。また、ケース14のフランジ18には、溶着溝19が環状に設けられている。溶着溝19の任意の断面は内周壁20と外周壁21および平坦な底面22とで構成されている。溶着溝19と相対する位置に溶着溝19に嵌入するリブ23を備えた樹脂製の仕切り板24がケース14の開口部を塞いでいる。リブ23は外周面25と内周面26と先端面27とで構成され、先端面27の外周面25寄りには溶融リブ28が設けてある。
【0013】内周壁20端と仕切り板24との距離は、リブ23の先端面27と溶着溝19の底面22との距離よりも常に大きくしてある。従って、溶着時に溶融リブ28が溶けて先端面27と底面22とが接近または接触しても、内周壁20と仕切り板24とは接触することもなく、当然溶けることもない。
【0014】溶着溝19にリブ23が嵌入するとき、外周壁21と外周面25との距離と、内周壁20と内周面26との距離の関係は、内周壁20と内周面26との距離が外周壁21と外周面25との距離の2倍以上になるようにしてある。溶着時にケース14と仕切り板24とが偏心しても、リブ23と溶着溝19の嵌合においては、常に外周壁21と外周面25とが先に接触し、内周壁20と内周面26とが接触することはない。従って、内周壁20と内周面26が溶けることもない。
【0015】29はインペラ15の底面中央に設けた凸部である。この構成ではインペラ15が駆動磁石13と磁気結合され吸引されているため、モータ11により駆動磁石13が回転すると、インペラ15は駆動磁石13に追従して回転する。凸部29はインペラ15と駆動磁石13の磁気結合力により仕切り板24に圧接された状態で回転する。
【0016】溶着時には、図3のようにケース14のボス16に軸17を挿入し、インペラ15を軸17にセットしてから仕切り板24のリブ23をケース14の溶着溝19に嵌入し、仕切り板24のリブ23の反対側から用着用のホーン30を当てて溶着するのが一般的である。このとき、インペラ15の凸部29と仕切り板24との間に隙間を設けることで、溶着による振動や衝撃によりインペラ15と仕切り板24が衝突して破損しないようにしてある。実験的には、インペラ15の質量をグラムで表した数字Mに対して隙間をミリメートルで表そうとすると、5をMで除した値が隙間を表す数字となる。
【0017】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例について、図面を参照しながら説明する。モータ11、回転軸12、駆動磁石13、ケース14、インペラ15、ボス16、軸17、フランジ18、リブ23、仕切り板24、外周面25、内周面26、先端面27、溶融リブ28、凸部29は第1の実施例と同一の形状でありまた同一の機能である。図4では、溶着溝40は内周壁41と外周壁42と底面43とで構成され、外周壁42と底面43との間には面取り形状をした傾斜面で構成された肉盛り部44が設けてある。ケース14と仕切り板24との溶着において、リブ23の先端面27が溝40に嵌入されてやがて溶着されるときに、肉盛り部44はリブ23の溶融リブ28と当接しやがて溶融リブ28と肉盛り部44とが溶けて溶着されることになる。
【0018】以上のように、本実施例によれば、肉盛り部44と溶融リブ28が必ず先に当接するために、確実にかつ溶着箇所が正確になり品質の高いポンプを得ることができる。
【0019】なお、第2の実施例で、リブ23の先端面27には溶融リブ28を設けて肉盛り部44と溶着するようにしているが、溶融リブ28は必ずしも必要ではなく、肉盛り部44と先端面27とだけでも溶着は十分に行える。
【0020】
【発明の効果】上記実施例から明かなように、請求項1記載の発明によれば、モータと、前記モータの回転軸に固定された駆動磁石と、前記駆動磁石と磁気結合されて回転し前記駆動磁石側の底面中央に支点となる凸部を形成したインペラと、前記インペラを収納しフランジに溶着溝を設けたケースと、前記溶着溝に挿入されて溶着されるリブを有し前記ケースのモータ側開口部を塞ぐ樹脂製の仕切り板とを備え、前記リブの外周側の先端を前記溶着溝に当接させ溶着したことにより、溶着位置がインペラから遠いために溶着時に溶けた仕切り板のリブまたはケースの溶着溝の一部がインペラと接触することなく簡単に溶着することができ、またケースと仕切り板の締着部品のない簡便な構造の遠心ポンプを構成することができる。
【0021】また、請求項2記載の発明によれば、溶着溝底面の外周側に面取り形状の肉盛り部を設け、前記肉盛り部と前記仕切り板のリブ外周先端とを当接させて溶着したことにより、溶着位置と回転運動するインペラとの距離を十分に設けることができ、溶着時に溶け出したケースや仕切り板の一部がインペラに当たることがなく溶着を簡単に行うことができる。
【0022】また、請求項3記載の発明によれば、ケースの溶着溝を形成する内側壁と前記仕切り板底面との空間を前記ケースと仕切り板との溶着代よりも大きくしたことにより、溶着代が十分に溶けてケースと仕切り板が融合してもケースの内側壁と仕切り板の底面は当たることなく、目的の溶着のみを確実に行うことができる。
【0023】また、請求項4記載の発明によれば、ケースの溶着溝を形成する外側壁と前記仕切り板の溶着リブ外周との外側隙間を前記溶着溝を形成する内側壁と溶着リブ内周との内側隙間よりも小さくしたことにより、溶着時にケースと仕切り板に偏心が発生しても必然的に溶着はケース外側壁と仕切り板との溶着となり、ケース内側壁と仕切り板が溶着されることはなく、溶けたケースまたは仕切り板の一部がケース内部に侵入してインペラに当たることはない。つまり、溶着溝の内側壁と仕切り板の溶着リブの内周は当接することなく、従って、溶けることはなく確実な溶着ができる。
【0024】また、請求項5記載の発明によれば、ケースと前記仕切り板の溶着前に、前記インペラの凸部先端と前記仕切り板底面との間に隙間を設けたことにより、溶着後にインペラが円滑に回転するとともに、溶着方法によっては溶着時の衝撃で凸部先端が仕切り板に衝突して破損することを防止することができ、溶着後にインペラが円滑に回転する構成となる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−9455
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−168238