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【発明の名称】 調理釜の取付構造
【発明者】 【氏名】桐山 券二

【氏名】中村 英夫

【要約】 【課題】釜から床にこぼれ落ちた煮炊物による汚れを除去し易くして厨房の衛生を向上させる。

【解決手段】床FLの左右に柱12,12を立設し、その天端間に桁11を架設する。この桁11から4本の架台18,18…を垂設し、隣り合う架台18,18の下端間に夫々釜体19を前後方向へ回動自在に載架する。また、右側の柱12及び桁11に沿って給水管31及び給湯管32並びにガス管34が配管されており、これらの給水管31及び給湯管32並びにガス管34は夫々所定の架台18の上端にて下方へ分岐又は折曲してその架台18に沿って垂下され、夫々所定の給水用蛇口26、給湯用蛇口27又はバーナ33へ接続している。更に、釜体19の直上には夫々フード17が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 桁から垂設された左右一対の架台の下端間に釜体を前後方向へ回動自在に載架し、且つ、釜体又はその周辺部へ至る各種配管又は配線類を前記桁及び架台に沿って配設したことを特徴とする調理釜の取付構造。
【請求項2】 前記桁に左右一対の架台を複数垂設することにより、複数個の釜体を並設し、且つ、前記桁の左右端部を床に立設した柱にて支承し、更に、前記各種配管又は配線類の上流を該柱に沿って配設した請求項1記載の調理釜の取付構造。
【請求項3】 左右方向に架け渡された主桁を前後に2本平行に架設し、この2本の主桁間に複数本の横桁を架設して、夫々の横桁から前記各架台を垂設し、且つ、前後の主桁と、左右一対の架台が垂設された左右の横桁とで囲まれた枡形の穴にフードを設けた請求項1又は2記載の調理釜の取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は学校給食や外食産業等に用いられる業務用調理釜に関するものであり、特に、その取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の一般的な調理釜1を示し、厨房の床FLに左右の架台2,2が立設され、この左右の架台2,2の上端間に釜体3が載架されている。右側の架台2にはハンドル4が設けられており、このハンドル4を回動すると釜体3が前後方向へ回動する。また、右側の架台2の右方には支柱5が立設され、該支柱5の先端に給水や給湯用の蛇口6が設けられている。この蛇口6へ至る給水や給湯用の配管(図示せず)は、支柱5の下端にて床FLから立ち上がり、該支柱5に支持されて前記蛇口6に接続している。更に、左側の架台2の外側に熱源を供給するためのガス管7が配管されている。図示は省略するが、このガス管7の上流側のガス管は左側の架台2の下端外方にて床FLから立ち上がり、該ガス管7に接続している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】調理釜の周辺は調理中や食罐に分ける時などに煮炊物がこぼれ落ちて汚れ易い。之を放置すると腐敗して食中毒を招くおそれがあるので、床を随時洗浄して清潔を保つ必要がある。しかし、前述した従来の一般的な調理釜1に於いては架台2,2の下端縁周辺等に付着した汚れは除去するのが困難で汚れが溜り易い。釜体の下方に引き出し式の樋を設けて釜口から流れ落ちて来た煮炊物をこの樋で受けるものもあるが(実開昭59−111628号等)、斯かる樋の出し入れ部には隅角部分が多く、且つ、奥まっているので、一旦汚れると洗浄しづらい。その上、暗くて湿りがちになり、菌が繁殖し易い。
【0004】また、架台を床に立設するのではなく、側壁から前方へ横設した調理釜もある。斯かる調理釜は床に接する部分が無いのでその点では洗浄し易くなるが、床と側壁との隅角部分が釜体や架台に被蔽されて奥まることとなり、根本的な解決策とはならない。また、架台が片持ち梁式になるので側壁躯体等との絡みで設置できない場合もある。更に、全ての作業を釜の前面一方向からしか行うことができず、一方で調理をし、その対面側で食罐に分ける等の両面使用ができないので、作業段取りに自由度が少なく、また、厨房のレイアウトも限定される。
【0005】そこで、釜から床にこぼれ落ちた煮炊物による汚れを除去し易くして衛生を向上させるために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するために提案されたものであり、桁から垂設された左右一対の架台の下端間に釜体を前後方向へ回動自在に載架し、且つ、釜体又はその周辺部へ至る各種配管又は配線類を前記桁及び架台に沿って配設した調理釜の取付構造を提供するものである。
【0007】また、前記桁に左右一対の架台を複数垂設することにより、複数個の釜体を並設し、且つ、前記桁の左右端部を床に立設した柱にて支承し、更に、前記各種配管又は配線類の上流を該柱に沿って配設した調理釜の取付構造を提供するものである。
【0008】更に、左右方向に架け渡された主桁を前後に2本平行に架設し、この2本の主桁間に複数本の横桁を架設して、夫々の横桁から前記各架台を垂設し、且つ、前後の主桁と、左右一対の架台が垂設された左右の横桁とで囲まれた枡形の穴にフードを設けた調理釜の取付構造を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1乃至図3に従って詳述する。図に於いて11は桁であり、該桁11は厨房の躯体とは別途に、該厨房の天井に沿ってその下方に架設されている。厨房の床FLには左右に柱12,12が立設され、該柱12,12の天端にて桁11の左右外枠部13,13が支承されている。この柱12,12も厨房の躯体を構成するものではなく、それとは別途に構築したものである。従って、既存の厨房内に後付けで設置することが可能である。
【0010】桁11は平面視梯子状に形成されている。即ち、左右方向に架け渡された主桁14,14を前後(図2に於いて上下)に2本平行に架設し、この2本の主桁14,14間に4本の横桁15,15…を一定間隔置きに架設してある。そして、主桁14,14の左右端部間を前記左右外枠部13,13にて橋絡してある。また、主桁14,14と横桁15,15…とで囲まれた3個の枡形の穴16,16,16の上部には夫々フード17,17,17が設けられている。
【0011】而して、夫々の横桁15から架台18が垂設され、左右に隣り合う2本の架台18,18同士が夫々対になって、その下端間に釜体19が載架されている。これにより3個の釜体19,19,19が左右一列に並設されている。釜体19の左右両側には回動軸20,20が設けられ、該回動軸20,20が前記架台18,18に枢着されることにより、釜体19は前後方向へ回動自在に形成されている。また、右側の回動軸20にはウォームギア21が嵌着され、このウォームギア21に水平前後方向へ配設されたウォーム22が噛合するとともに、該ウォーム22の両端にハンドル23,23が取り付けられている。従って、釜体19の前面側からだけでなく、背面側からでもハンドル23の操作により釜体19を回動させることができる。
【0012】各釜体19の左方の架台18には夫々蓋24が枢着されており、該蓋24を倒回すれば釜口を塞ぐことができる。この蓋24についても釜体19の前後両面から開閉操作することができるように、その前後両側に取手25,25が設けられている。また、各釜体19の右方の架台18には夫々給水用蛇口26及び給湯用蛇口27が前後に配設されている。更に、釜体19は内釜28と外釜29との二重構造になっており、外釜29の下部には燃焼室30が垂設されている。
【0013】前記給水用蛇口26及び給湯用蛇口27へ至る給水管31及び給湯管32、並びに前記燃焼室30のバーナ33へ至るガス管34は、共に右側の柱12の下端にて床FLから鉛直に立ち上がり、該柱12の内腔に配管されて該柱12の天端から突出した後、水平に折曲して桁11に沿って配管されている。そして、所定の架台18の上端で下方へ分岐又は折曲して、該架台18に沿って鉛直に垂下され、夫々所定の給水管31、給湯管32又はバーナ33へ接続している。ここで、ガス管34は各釜体19の左側の回動軸20の内腔を介してその釜体19の左下外側部伝いに燃焼室30まで降下し、該燃焼室30内のバーナ33へ至っている。また、ガス管34が架台18から前記回動軸20の内腔へ連通する部分には自在ジョイント35を介装してある。
【0014】而して、釜体19,19,19の下方周辺の床FLは調理中や食罐に分ける時などに煮炊物がこぼれ落ちて汚れ易いため、終業する前にバケツで水を掛けてスクレーパーで掃く等して洗浄を行う。しかるに、架台18は床FLに立設されるのではなく、上方の桁11から垂設されており、給水管31や給湯管32及びガス管34はこの桁11及び架台18に沿って上方から配管されているので、洗浄の対象となる釜体19,19,19の下方周辺の床FLには洗浄の障害になる物体や汚れの溜り易い隅角部や奥まった箇所が存在しない。
【0015】従って、床FLの汚れを極めて簡単に、且つ、万遍なく除去することができる。また、床面が全体的に露出して影になる部分が少ないので、漏らしてもすぐに乾き、菌が繁殖しにくい。更に、釜体19の直上にはフード17が位置しているので、煮炊による湯気を効率的に排出することができ、厨房内の湿度上昇を抑えることができる。斯くして、厨房の衛生を可及的に向上させることができる。
【0016】洗浄に使用された排水は図3に示す排水枡36にスクレーパーで集められ排出される。排水に混入している大きめの固形物は前記排水枡36に蓋着された金網37に捕獲されるので、別途生ゴミとして処分する。また、小さめの固形物や流動物は排水と共に排水枡36から下水へ排出される。
【0017】尚、ここではガス燃焼式の調理釜を用いて説明したが、本発明は之に限定されるものではなく、蒸気や電気その他のあらゆる熱源で加熱される調理釜に適用される。蒸気で加熱する方式の場合は蒸気管を桁や架台に沿って配管し、電気で加熱する方式の場合は電源コードを桁や架台に沿って配線する。また、電気を熱源にしない調理釜であっても、電源コードを桁や架台に沿って配線し、付属の制御機器や攪拌装置等の電源に用いることもある。更に、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、架台が上方の桁から垂設されており、各種配管又は配線類がこの桁や架台に沿って配設されているので、釜体周辺の床に洗浄の障害になる物体や汚れの溜まり易い隅角部や奥まった箇所が存在しない。
【0019】従って、釜から床にこぼれ落ちた煮炊物による汚れを極めて簡単に、且つ、万遍なく除去することができる。また、床面が全体的に露出して影になる部分が少ないので洗浄水を掛けて漏らしてもすぐに乾き、菌が繁殖しにくい。更に、請求項3記載の発明に於いては、釜体の直上にフードが位置することとなり、煮炊による湯気を効率的に排出することができるので、厨房内の湿度上昇を抑制することができる。斯くして、厨房の衛生を可及的に向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】592190497
【氏名又は名称】桐山工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】林 孝吉
【公開番号】 特開平11−9451
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−170719