| 【発明の名称】 |
調理釜 |
| 【発明者】 |
【氏名】桐山 券二
【氏名】中村 英夫
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| 【要約】 |
【課題】攪拌装置付きの蒸気加熱調理釜に於いて、攪拌装置によって攪拌できる範囲を考慮し乍ら煮炊物のコゲつきを防止するとともに、コゲにくい煮炊物については調理時間を短縮して調理効率を高める。
【解決手段】調理釜10の釜本体30は釜底部32が半球状に形成され、攪拌装置17の攪拌羽根25がその半球の中心Pを中心にして略縦方向に回動することにより、ヘラ26が釜底部32の内周面を摺擦するように形成されている。また、ジャケット33の上縁は釜側部31の中間高さに位置しており、該ジャケット33内の釜側部31と釜底部32との境界部分高さに隔壁34が設けられることにより、上部ジャケット33Uと下部ジャケット33Lとに分離されている。そして、下部ジャケット33Lに蒸気導入管35の主路35aを配管するとともに、この主路43aから分岐した蒸気導入管35の支路35bを上部ジャケット33Uに配管し、且つ、該支路35bにバルブ37を介装してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 釜の外周にジャケットを設け、且つ、攪拌装置をセット及び解除自在に装備した調理釜に於いて、逆円錐状又は円筒状に形成された釜側部の下方に連続する釜底部を半球状に形成するとともに、攪拌装置の攪拌羽根が前記半球の略中心を回動中心にして略縦方向に回動することにより、攪拌羽根先端のヘラが釜底部の内周面を摺擦するように形成し、且つ、ジャケットの上縁を釜側部の中間高さに位置させるとともに、該ジャケット内の釜側部と釜底部との境界部分高さに隔壁を設けて、上部ジャケットと下部ジャケットとに分離し、更に、下部ジャケットに蒸気導入管の主路を配管するとともに、この主路から分岐した蒸気導入管の支路を上部ジャケットに配管し、且つ、該支路に開閉バルブを介装したことを特徴とする調理釜。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は学校給食や外食産業等の業務用調理に用いられる調理釜に関するものであり、特に、攪拌装置付きの蒸気加熱式調理釜に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の此種調理釜は釜底部の外周にジャケットが設けられており、このジャケット内に蒸気を充填することによって加熱調理を行う。調理には攪拌作業を必要とすることが多いが、多量の煮炊物を人力で攪拌するのは大変な重労働になるので、然るときは、備え付けの攪拌装置をセットして機械攪拌を行う。 【0003】攪拌装置の出力軸には攪拌羽根が取り付けられており、その攪拌羽根の先端にヘラが取り付けられている。そして、このヘラが釜底内周面に摺擦しながら回転し、煮炊物を攪拌する。攪拌が終了したときは、出力軸や攪拌羽根を取り外したり、攪拌装置全体を釜上方へ退避させる等して、セット状態を解除する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】釜内の煮炊物の表面高さよりもジャケットの上縁高さの方が上方に位置していると、煮炊物の表面周縁がコゲつき易い。この場合、充分に攪拌を行えばその表面周縁でのコゲつきは防止することができるが、攪拌によって上方へ飛散するものがあり、この飛散物が蒸気で強制加熱されている釜内周面に付着すると簡単にコゲてしまう。また、攪拌装置のヘラで掻くことのできる高さは限られており、それを超える部分については該ヘラによる攪拌は不可能となる。 【0005】一方、スープや味噌汁等のように、調理の内容によってはコゲが出来にくいものもあり、その場合、なるべく釜の広い範囲を蒸気で強制加熱できるようにすれば、調理時間を短縮することができ、効率的である。 【0006】そこで、攪拌装置によって攪拌できる範囲を考慮し乍ら煮炊物のコゲつきを防止するとともに、コゲにくい煮炊物については調理時間を短縮して調理効率を高めるために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するために提案されたものであり、釜の外周にジャケットを設け、且つ、攪拌装置をセット及び解除自在に装備した調理釜に於いて、逆円錐状又は円筒状に形成された釜側部の下方に連続する釜底部を半球状に形成するとともに、攪拌装置の攪拌羽根が前記半球の略中心を回動中心にして略縦方向に回動することにより、攪拌羽根先端のヘラが釜底部の内周面を摺擦するように形成し、且つ、ジャケットの上縁を釜側部の中間高さに位置させるとともに、該ジャケット内の釜側部と釜底部との境界部分高さに隔壁を設けて、上部ジャケットと下部ジャケットとに分離し、更に、下部ジャケットに蒸気導入管の主路を配管するとともに、この主路から分岐した蒸気導入管の支路を上部ジャケットに配管し、且つ、該支路に開閉バルブを介装した調理釜を提供するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1に従って詳述する。図は調理釜10を示し、該調理釜10の架台11は底盤12と左辺部の側壁13と右辺部のコラム14とから成り、側壁13とコラム14との間に釜体15が前後方向へ回動自在に載架されている。即ち、釜体15の左右両側には回動軸16L,16Rが突設されており、前記側壁13の上部に左側の回動軸16Lが枢着されて支承されるとともに、前記コラム14に右側の回動軸16Rが枢着されて支承されている。 【0009】図示は省略するが、コラム14内には釜体15を回動するための駆動部が収納されており、該駆動部の出力がギア機構を介して右側の回動軸16Rへ伝達されることによって、釜体15が前後方向へ回動する。また、コラム14の上部には攪拌装置17の下面中央基端寄り部分に垂設されたブラケット18が枢支されており、且つ、攪拌装置17の内部基端部近傍に起伏用モータ19が収納されるとともに、該起伏用モータ19の出力軸に横設されたアーム20の先端とコラム14の中段右端部とがレバー21にて連結されている。従って、起伏用モータ19を駆動すれば、四節回転機構によって攪拌装置17がブラケット18の枢支点18aを中心に起伏動作を行い、攪拌装置17を水平に倒回させるとセット状態となり、図のように起こすと解除状態となる。 【0010】攪拌装置17の内部には攪拌モータ22が収納されるとともに、攪拌装置17の下面先端近傍には攪拌軸23が垂設され、該攪拌軸23の下端にギアヘッド24が垂設されている。そして、該ギアヘッド24の両側に攪拌羽根25,25が取り付けられ、該攪拌羽根25,25の先端にヘラ26,26が取り付けられている。 【0011】詳細な図示は省略するが、攪拌軸23は外部から視認される外筒の中に内筒が挿通されている。また、ギアヘッド24の内部には上方に小径のベベルギアが配設されるとともに、左右には大径のベベルギアが対向して配設され、上方のベベルギアに左右のベベルギアが夫々噛合している。更に、上方のベベルギアは前記内筒の下端に嵌着されるとともに、左右のベベルギアの中心軸27,27はギアヘッド24の両側から外部へ突出し、その突出部分に夫々攪拌羽根25,25が横設されている。この中心軸27,27は水平ではなく、外側へ至るに従って若干斜め下方へ斜設されている。 【0012】そして、攪拌装置17の本体を倒して丁度水平にすると、攪拌軸23は正姿状態の釜体15の中心線に沿って鉛直に垂下されてセットされることとなり、このセット状態で攪拌モータ22を駆動すると、ギア機構を介して前記外筒とその下端のギアヘッド24とが回転(公転)するとともに、それと一定の回転比によって内筒も同時回転し、ギアヘッド24内の3個のベベルギアの噛み合いによって攪拌羽根25,25が回転(自転)する。即ち、該攪拌羽根25,25は鉛直軸回りに公転し乍ら略縦方向に自転することとなる。 【0013】尚、コラム14の前面上部には斯かる攪拌操作や前述した釜体15の回動操作を行うための操作パネル28が設けられている。また、符号29は釜口に蓋装された蓋であり、攪拌操作の際はこの蓋29を開口しておくことは言うまでもない。 【0014】而して、釜体15の釜本体30は釜側部31とその下方の釜底部32とが一体成型されるとともに、釜側部31は逆円錐状に形成され、之に連続する釜底部32は半球状に形成されている。そして、前記攪拌装置17をセット状態にすると、ギアヘッド24の中心が前記釜底部32を構成する半球の丁度中心Pに位置することとなる。また、ギアヘッド24の中心からヘラ26,26までのストロークは前記半球の半径に合わせてある。 【0015】従って、攪拌羽根25,25を回転(公転及び自転)させると、その先端のヘラ26,26が上方から縦回転して釜内へ入り込み、丁度釜側部31と釜底部32との境界で釜内周面に当接し、その後、釜底部32の内周面に摺擦し乍ら釜底を横断して、再び釜側部31と釜底部32との境界で釜内周面から解離し、立ち上がっていく。 【0016】前述した如く、中心軸27は外側へ至るに従って若干斜め下方へ斜設されているので、上方から見るとヘラ26の軌跡は楕円を描くように自転し乍ら釜中心回りに公転し、且つ、釜内での各楕円軌跡は釜底中心を回り込むようにして折り返していく。また、2本の攪拌羽根25,25は相互に干渉しないように、一方の攪拌羽根25のヘラ26が釜底中心を回り込んで折り返した直後に、他方の攪拌羽根25のヘラ26が前記一方のヘラ26とすれ違い乍ら反対側から釜底中心を回り込んで折り返すように構成されている。斯くして、煮炊物は万遍なく充分に攪拌されることとなる。 【0017】而して、釜本体30の外周にはジャケット33が被装されている。該ジャケット33は釜底部32の外周全体を覆うとともに、その上縁は釜側部31の中間高さまで達している。そして、該ジャケット33内には丁度釜側部31と釜底部32との境界部分に当る高さに隔壁34が設けられ、該隔壁34によって上部ジャケット33Uと下部ジャケット33Lとに分離されている。 【0018】また、ボイラ(図示せず)からコラム16内へ配管された蒸気導入管35が、ロータリジョイント36を介して右側の回動軸16Rの中腔部へ入り、該回動軸16Rの側部にて下方と前方との二手に分岐している。そして、下方へ分岐した主路35aは下部ジャケット33L内へ入り込み、釜底部32の下部近傍まで配管されてその端部が開口されている。一方、前方へ分岐した支路35bは途中にバルブ37が介装された後、上部ジャケット33Uに接続されてその内腔へ連通している。 【0019】尚、下部ジャケット33Lの側部には調理の目安にするための温度計38が設けられるとともに、最下部には排水栓39が垂設され、この排水栓39を開閉操作するためのレバー40が下部ジャケット33Lの前部中央に沿って配設されている。また、該排水栓39の左隣にはドレン41が垂設され、該ドレン41の開閉バルブ用操作杆42が前記レバー40と略平行に配設されている。 【0020】更に、ドレン41の上端部には蒸気導出管43の主路43aが接続されるとともに、該蒸気導出管43の主路43aはジャケット33の左側部伝いに上昇して、左側の回動軸16Lの下側部から該回動軸16Lの中腔部へ合流している。該回動軸16Lの中腔部は上部ジャケット33Uの内腔へ連通しており、この連通箇所から前記主路43aとの合流箇所までの部分は蒸気導出管43の支路43bを構成する。そして、合流後の蒸気導出管43は回動軸16Lの外端部のロータリジョイント44を介して調理釜10の外方へ延出され、ボイラへ還流する。 【0021】而して、炊物や炒物等の固形物を主体とする調理では、蒸気導入管35のメインバルブ45を開くとともに、前記バルブ37を閉じ、下部ジャケット33Lにのみ蒸気が充填されるようにする。これにより、釜底部32は強制加熱されるのに対し、釜側部31は熱伝導によって加熱される。従って、釜側部31の内周面に食材が付着していても簡単にコゲることはない。また、釜底部32内の食材については攪拌装置17のヘラ26で掻くことができるのでコゲることはない。 【0022】一方、スープや味噌汁等の液体を主体とする調理ではこのようなコゲつきの心配は殆どない。もともと液体は固形物よりもコゲにくく、また、人力でも容易に攪拌して熱の偏りを分散することができるからである。そこで、釜本体30の略満水量近くまで此種液体を主体とする煮炊物を入れ、前記メインバルブ45を開口するとともにバルブ37をも開口して、下部ジャケット33Lだけでなく上部ジャケット33Uにも蒸気を充填する。これにより釜底部32に加えて釜側部31の下半分も強制加熱される。従って、煮炊物は釜内周面に接する部分の略全域から熱を受け取ることとなり、釜底部32だけを強制加熱した場合よりも早く加熱される。斯くして、より多量の煮炊物をより短時間に調理することができる。 【0023】尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、炊物や炒物等のコゲ易い煮炊物の調理に於いては釜底部だけを強制加熱し、一方、スープや味噌汁等のコゲにくい煮炊物の調理に於いては釜側部をも強制加熱するように、調理内容に応じて強制加熱する範囲を調節することができる。 【0025】攪拌装置のヘラは釜側部と釜底部との境界で釜内周面に当接し、釜底部内周面全体に亘って摺擦するように構成されているので、コゲ易い煮炊物であってもこの攪拌装置を用いることにより釜底部に於けるコゲつきを防止することができる。また、このようなコゲ易い煮炊物が釜側部に付着しても、釜側部は強制加熱されていないので簡単にコゲることはない。 【0026】一方、コゲにくい煮炊物の場合は釜内周面に接する部分の略全域から熱を受け取ることとなり、釜底部だけを強制加熱した場合よりも早く加熱される。斯くして、より多量の煮炊物をより短時間に調理することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592190497 【氏名又は名称】桐山工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】林 孝吉
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| 【公開番号】 |
特開平11−9450 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−172220 |
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