| 【発明の名称】 |
ジャー炊飯器 |
| 【発明者】 |
【氏名】三宅 一也
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| 【要約】 |
【課題】使用時における消費電力の低減を図る。
【解決手段】鍋4の外側面の周囲に、材厚が部分的に減少する凹部17を形成する。凹部17により熱伝導部材たる鍋4の材厚が減少して、熱伝導の断面積が少なくなる。熱伝導量は熱伝導の断面積に比例して少なくなるので、凹部17より上側に移動する熱移動量は抑制される。よって、鍋4の加熱対象位置に凹部17を設定すれば、加熱対象部の加熱効率が向上し、使用時における消費電力の低減が図れる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フランジ部を上部に形成した有底筒状の鍋と、この鍋を加熱する加熱手段とを備え、前記鍋の外側面または内側面の周囲に材厚が部分的に減少する凹部を形成したことを特徴とするジャー炊飯器。 【請求項2】 前記凹部は、前記鍋の所定の最大炊飯量に見合う水位高さの近傍から上方の位置の周囲に形成したことを特徴とする請求項1記載のジャー炊飯器。 【請求項3】 フランジ部を上部に形成し、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選定した有底筒状の鍋と、この鍋を加熱する加熱手段とを備え、前記鍋の外側面の周囲に材厚が部分的に減少する凹部を形成すると共に、この凹部にステンレスなどの前記鍋の材料よりも熱伝導性の悪い材料から選定した部材を設けたことを特徴とするジャー炊飯器。 【請求項4】 フランジ部を上部に形成し、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選定した有底筒状の鍋と、この鍋の底面部と側面下部に接合される磁性金属材料から選定した発熱体と、この発熱体を発熱させて前記鍋を電磁誘導加熱する加熱手段とを備え、前記鍋の外側面であって前記発熱体の上方の周囲に材厚が部分的に減少する凹部を形成したことを特徴とするジャー炊飯器。 【請求項5】 前記凹部を複数形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のジャー炊飯器。 【請求項6】 鍋と、この鍋の上部開口部を覆う蓋体とを備え、前記蓋体の外殻の内面上部と内面側部に内面部材を設け、この内面部材により前記蓋体の外殻の内面側に空隙部を形成したことを特徴とするジャー炊飯器。 【請求項7】 鍋と、この鍋の上部開口部を覆う蓋体とを備え、前記鍋の上部開口部に対向する前記蓋体の下面部材を、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選定して形成し、この下面部材の鍋対向面の外周囲に材厚が部分的に減少する凹部を形成すると共に、前記凹部の内側に位置して、前記下面部材の蓋体内部側面に該下面部材を加熱する蓋加熱手段を設けたことを特徴とするジャー炊飯器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯と保温を行なうジャー炊飯器に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】従来、この種の特に電磁誘導加熱式のジャー炊飯器においては、鍋の外面に磁性金属材料からなる発熱体を接合しており、鍋収容部の外面に備えた加熱手段としての加熱コイルに所定の高周波電流を供給すると、発熱体にジュール熱が発生して、鍋を加熱する構成になっている。また、加熱コイルは、有底筒状の鍋の底部と側面下部および側面上部に対向する位置に備えてあり、鍋の全面を包むように加熱する構成になっている。そして、炊飯時には、加熱コイルの全部或いは加熱コイルを任意に使い分けて鍋を加熱し、加熱ムラを少なくして炊きムラの少ない炊飯を実現する。また、保温時には、任意の加熱コイルにより加熱量を適宜抑制して、鍋を所定の保温温度に加熱し、温度ムラの少ない保温を実現するように構成している。 【0003】鍋は、少なくとも炊飯時や保温時に所定のご飯が収容できる容積を有していればよい。しかし、実際にはこの最低限必要な容積よりも多めの容積で、鍋を形成している。その理由は、鍋の上部開口を覆う蓋体を閉じたときに、蓋体の下面にご飯粒が付着しないようにするためと、使用者が規定量よりも多めの炊飯を行なった場合でも、実用上問題のないようにするためである。また、鍋の上部には、略水平方向に外側に延出したフランジ部が形成されている。このフランジ部は、蓋体と鍋とをシールするパッキンを当接させること、鍋を鍋収容部に出し入れする際に、鍋の上部を手で持つ必要があること、また、鍋の上部を鍋収容部の上部に載置して、鍋を吊設状態に収容できるようにすること、などの理由で設けられている。このように、規定量のご飯を収容する以外の箇所は、炊飯や保温の加熱には殆ど無関係な部分であるにも拘らず、実用上は必要不可欠な部分となっている。 【0004】また、この鍋の上端側面やフランジ部は、炊飯や保温の加熱対象ではないので、無用な加熱を無くすために、通常はその部分に対向して加熱手段である加熱コイルを設けていない。しかし、加熱コイルに対向した部分で発生した熱は、熱伝導により加熱を必要としない非加熱対象部にも伝達される。したがって、加熱の必要な加熱対象部の加熱効率を悪化させる要因となっている。特に、パッキンが当接するフランジ部は、構造上、鍋収容部の外方に位置しているため、外気との断熱性が悪く、蓋体と鍋収容部の上部との隙間にあって低温部に晒された状態にある。よって、ここから鍋の熱が放熱しやすい状況にあり、鍋の加熱効率を悪化させ、消費電力量を増大させる最大の要因となっている。 【0005】一方、従来のジャー炊飯器の蓋体内部には、グラスウールなどの断熱材を入れたり、蓋体の下面部材の上面を覆う断熱材を設けたり、あるいは、外蓋または外蓋カバーに多数の縦リブを設けて、独立した部屋に区画するなどの断熱構造が工夫されている。このなかで、近年では環境や健康面の問題より、粉や繊維が飛散しやすいグラスウールやその相当品の使用は見合わせる方向にあり、蓋体内部に断熱板を設けるのが主流になっている。しかし、こうした断熱構造は、蓋体の上側を形成する外蓋の上部側から外部への放熱を主に抑制するのものであった。そのため、保温中の蓋体の放射温度をサーモビューア(放射温度計)で測定してみると、蓋体の側面側からの放熱が多くあり、これが鍋の加熱効率を悪化させ、消費電力量を増大させる別の要因になっていた。 【0006】さらに、炊飯時や保温時には、蓋体下面を加熱して、この蓋体下面の結露を防ぎ、炊飯直後や保温中に蓋体を開けたときに露が流れ落ちない構成になっている。また、これは、保温中において、蓋体下面に付着した露がご飯の上面に滴下して、ベチャ付くのを防止するのにも重要である。このように蓋体下面を加熱することは、使用上および保温性能上、重要であるが、その分だけ消費電力量が多くなる欠点があり、加熱効率の向上が要求されていた。 【0007】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、使用時における消費電力の低減を図ることが可能なジャー炊飯器を提供することをその目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載のジャー炊飯器は、前記目的を達成するために、フランジ部を上部に形成した有底筒状の鍋と、この鍋を加熱する加熱手段とを備え、前記鍋の外側面または内側面の周囲に材厚が部分的に減少する凹部を形成したものである。 【0009】この請求項1の構成によれば、凹部により熱伝導部材たる鍋の材厚が減少して、熱伝導の断面積が少なくなるが、熱伝導量は熱伝導の断面積に比例して少なくなることから、凹部の下側にて加熱された熱が凹部より上側に移動する熱移動量は抑制される。したがって、凹部を形成する高さを任意に鍋の加熱対象位置に設定することにより、非加熱対象部への無用な熱移動を抑制して、加熱対象部の加熱効率を向上させ、炊飯や保温の使用時における消費電力の低減を図ることが可能になる。また、加熱の必要のない非加熱対象部への熱移動を抑制することで、加熱対象部の加熱ムラを少なくでき、炊飯時においては炊きムラの抑制が図れる。さらに、鍋の上部に形成したフランジ部への熱伝導量が低減することで、鍋のフランジ部を手で持ったときの熱さが低減する。 【0010】また、本発明の請求項2記載のジャー炊飯器は、前記請求項1の構成に加えて、前記凹部は、前記鍋の所定の最大炊飯量に見合う水位高さの近傍から上方の位置の周囲に形成したことを特徴とする。 【0011】この請求項2の構成によれば、毎回の炊飯量に拘らず、米と水の無い部分への熱伝導量を凹部により抑制して、鍋内の米と水の有る部分だけを、常時効率良く加熱できる。したがって、消費電力の低減のみならず、沸騰までの時間を短縮できるなど、炊飯時間の短縮も図れる。さらに、前述の加熱ムラの効果と相俟って、炊飯時にあっては炊きムラの抑制を図れる。 【0012】また、本発明の請求項3記載のジャー炊飯器は、前記目的を達成するために、フランジ部を上部に形成し、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選定した有底筒状の鍋と、この鍋を加熱する加熱手段とを備え、前記鍋の外側面の周囲に材厚が部分的に減少する凹部を形成すると共に、この凹部にステンレスなどの前記鍋の材料よりも熱伝導性の悪い材料から選定した部材を設けたものである。 【0013】この請求項3の構成によれば、凹部により熱伝導部材たる鍋の材厚が減少して、熱伝導の断面積が少なくなるが、熱伝導量は熱伝導の断面積に比例して少なくなることから、凹部の下側にて加熱された熱が凹部より上側に移動する熱移動量は抑制される。したがって、凹部を形成する高さを任意に鍋の加熱対象位置に設定することにより、非加熱対象部への無用な熱移動を抑制して、加熱対象部の加熱効率を向上させ、炊飯や保温の使用時における消費電力の低減を図ることが可能になる。また、加熱の必要のない非加熱対象部への熱移動を抑制することで、加熱対象部の加熱ムラを少なくでき、炊飯時においては炊きムラの抑制が図れる。さらに、鍋の上部に形成したフランジ部への熱伝導量が低減することで、鍋のフランジ部を手で持ったときの熱さが低減する。 【0014】また、部材を通して鍋の非加熱対象部に熱が良好に伝導するようなことはなく、凹部を形成したことによる本来の効果を維持したままで、外観を向上させ、かつ強度的に低下するように見える不安を一掃できる。さらに、別部材を凹部に設けていることから、一目で凹部があり、その効果を有する鍋であることを判明でき、使用者がこの鍋を容易に選定できる。 【0015】また、本発明の請求項4記載のジャー炊飯器は、前記目的を達成するために、フランジ部を上部に形成し、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選定した有底筒状の鍋と、この鍋の底面部と側面下部に接合される磁性金属材料から選定した発熱体と、この発熱体を発熱させて前記鍋を電磁誘導加熱する加熱手段とを備え、前記鍋の外側面であって前記発熱体の上方の周囲に材厚が部分的に減少する凹部を形成したものである。 【0016】この請求項4の構成によれば、発熱体で発した熱が凹部より上側に移動することを抑制でき、発熱体全体を含む加熱対象部の加熱効率を向上させ、炊飯や保温の使用時における消費電力の低減を図ることが可能になる。また、加熱の必要のない非加熱対象部への熱移動を抑制することで、加熱対象部の加熱ムラを少なくでき、炊飯時においては炊きムラの抑制が図れる。さらに、鍋の上部に形成したフランジ部への熱伝導量が低減することで、鍋のフランジ部を手で持ったときの熱さが低減する。また、凹部を鍋の外側面に形成する際に、鍋に接合した発熱体ではなく、鍋を直接切削すればよいので、製造性が向上する。 【0017】また、本発明の請求項5記載のジャー炊飯器は、前記請求項1〜4のいずれか一つの構成において、前記凹部を複数形成したことを特徴とする。 【0018】この請求項5の構成によれば、凹部を形成したことによる効果が一層顕著になる。また、凹部を外側面に形成した場合は、凹部そのものが機能をデザインした斬新な美観を得ることが可能になる。 【0019】また、本発明の請求項6記載のジャー炊飯器は、前記目的を達成するために、鍋と、この鍋の上部開口部を覆う蓋体とを備え、前記蓋体の外殻の内面上部と内面側部に内面部材を設け、この内面部材により前記蓋体の外殻の内面側に空隙部を形成したものである。 【0020】この請求項6の構成によれば、蓋体の上面のみならず側面の断熱も、内面部材との間に形成した空隙部により行え、蓋体の断熱効果が高くなる。よって、蓋体の側面側からの放熱を抑制して、使用時における消費電力の低減を図ることが可能になる。また、単一の内面部材により蓋体の外殻の内面上部と内面側部の断熱作用が同時に得られ、簡単な構造で実現できる。さらに、蓋体の側面に手を触れても、蓋体の側面の表面温度は低く、手で触れたときの熱さがさほど感じられないため、実用性が向上する。 【0021】また、本発明の請求項7記載のジャー炊飯器は、前記目的を達成するために、鍋と、この鍋の上部開口部を覆う蓋体とを備え、前記鍋の上部開口部に対向する前記蓋体の下面部材を、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選定して形成し、この下面部材の鍋対向面の外周囲に材厚が部分的に減少する凹部を形成すると共に、前記凹部の内側に位置して、前記下面部材の蓋体内部側面に該下面部材を加熱する蓋加熱手段を設けたものである。 【0022】この請求項7の構成によれば、蓋加熱手段で加熱された蓋体の下面部材の熱は、凹部よりも外側への熱伝導量が抑制され、凹部の内側に位置する下面部材の加熱対象部が効率良く加熱される。したがって、非加熱対象部への無用な熱移動を抑制して、加熱対象部の加熱効率を向上させ、使用時における消費電力の低減を図ることができる。また、蓋体を開けたときに、流れた露が溜まり、直接露が流れにくくなり、凹部に付着した露を容易に拭き取ることができて、清掃性が向上する。さらに、凹部は下面部材の鍋対向面側に形成されているので、凹部による加熱効率向上の効果が一目でわかる。 【0023】 【発明の実施形態】以下、本発明の炊飯と保温を兼用して行なうジャー炊飯器の一実施例について、図1〜図5を参照しながら説明する。ジャー炊飯器の全体断面図を示す図1において、1は器本体、2はこの器本体1の外殻をなす外枠で、外枠2の開口した底部下端には、底板3が嵌合し固定されている。また、外枠2の内部には、鍋4を着脱可能に収容する有底筒状の鍋収容部5が配設される。鍋収容部5の側面を構成する鍋収容壁6は、この鍋収容部5の上部を形成する外枠2と一体に形成される。外枠2の材料は、ポリプロピレンなどの電気絶縁物であり、外観が光沢を有し、しかも、電気用品取締法に定めるボールプレッシャー温度が140 ℃以上の材料から選定したものを使用している。一方、外枠2とは別部品であって、鍋収容部5の底部を形成するコイルベース7は、例えばポリエチレンテレフタレートにガラス繊維を含有した材料などの電気絶縁物からなり、難燃性を有し、電気用品取締法に定める電気絶縁物の使用温度の上限が120 ℃以上の材料から選定したものを使用している。そして、炊飯時において米や水などの被炊飯物を収容し、保温時においてご飯などの被保温物を収容する前記鍋4が、鍋収容部5の内部に挿脱自在に収容される。 【0024】鍋4は、例えばアルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選定した材料を主材料として、鍋本体11を形成している。なお、鍋本体11に選定される熱伝導性の良い材料としては、その他に、マグネシウム合金や銅合金などもある。但し、経済性や製造性を考慮すると、安価に入手でき、しかも比較的硬度の低い(柔らかい)アルミニウムが好ましい。鍋本体11は、ダイキャストや溶湯鍛造製法により形成され、成形時において、鍋本体11の後述する底面部15および側面下部16Aの外側面に、フェライト系ステンレスなどの磁性金属材料から選定した材料を所定の皿形状に成形した発熱体12を接合してある。 【0025】鍋4は上面を開口した有底筒状をなし、その最上部には、水平方向外側に延出したフランジ部13が形成される。このフランジ部13は、鍋4を鍋収容部5に出し入れする際に、手で持てる形状になっている。そして、フランジ部13の下面を鍋収容部5の上端部に載置することにより、鍋収容部5の内部にて鍋4を吊設状態に収容する構成となっている。このとき、鍋4の外面と鍋収容部5の内面との間には、1mm以上6mm以下(これ以降、以上,以下を単に〜と表記する。)程度の隙間14が形成される。これにより、断熱空間として鍋4の保温性を高め、保温時の消費電力の低減を図る構成になっている。 【0026】ここで、図2に基づき、鍋4の全体形状を詳述する。鍋4は、中心部にあってテーブル面などの載置面に載置される略水平な底面部15と、この底面部15の外周部より立上がり、上方に向かうに従がい鍋4の直径が徐々に大きくなるように形成した曲線状の縦断面を有する側面部16と、側面部16の最上部に形成される前記フランジ部13とにより構成される。さらに、側面部16は、底面部15と共にその外側面に前記発熱体12を接合した側面下部16Aと、この側面下部16Aの上方にあって、発熱体12を接合していない側面中間部16Bと、この側面中間部16Bの上方にあって、同じく発熱体12を接合していない側面上部16Cとにより構成される。鍋4の外側面には、鍋4に最大炊飯量のご飯を収容した状態で略最上部となる位置の近傍周囲に、材厚が他の側面部16よりも部分的に減少する凹部17を形成してある。 【0027】鍋4の各部の材厚は、次の通りである。底面部15の材厚Aは、発熱体12を含んで4.0 〜7.0 mm(発熱体12の材厚Bは、0.3 〜1.0 mm)に形成される。また、側面下部16Aの材厚Cは、発熱体12を含んで3.5 〜6.5 mm,側面中間部16Bの材厚Dは2.5 〜6.0 mm,側面上部16Cの凹部17を除く部分の材厚Eは2.0 〜5.0 mm,凹部17の部分の材厚Fは1.0 〜3.0 mm,フランジ部13の材厚Gは2.0 〜4.0 mmに形成される。さらに、凹部17の幅Hは、1.0 〜5.0 mmに形成される。 【0028】前記凹部17は、図2に示すように、鍋収容部5側に対向した鍋4の外側面ではなく、被炊飯物や非保温物を収容する鍋4の内側面の周囲に形成してもよい。その変形例を図3に示す。但し、鍋4の内側面に形成する場合は、ご飯が入り込んで取りにくくなることを防止するために、凹部17の表面を可及的に滑らかにするのが好ましい。特に、図3に示すように、凹部17を半円状に凹ませると、ご飯が取りやすくなる。 【0029】また、凹部17は、ジャー炊飯器に設定された所定の最大量の炊飯時に、米と水とを入れた状態での水位高さWの近傍から上方の位置の周囲に形成してもよい。この所定の最大炊飯量に見合う水位高さWは、鍋4の内側面に形成した水位線(図示せず)の最上部の目盛位置に相当する。すなわち、その製品に許容される最大量の生米を鍋4に入れ、水加減の目安となる水位線の最上部の目盛位置にまで水を投入したときに、その水位高さWの近傍から上方に位置して、鍋4の外側面若しくは内側面に凹部17を形成すればよい。 【0030】鍋4の外側面の周囲に凹部17を形成した場合、この凹部17には、鍋4の材料よりも熱伝導性の悪い、例えばステンレスのワイヤーなどの材料を嵌合させて、外観性を高める構成にしてもよい。その変形例を図4に示す。ここでいうステンレスワイヤー18が、熱伝導性の悪い部材に相当する。また、図5の変形例に示すように、凹部17を鍋4の外側面に複数形成してもよい。この場合、複数の凹部17をを鍋4の内側面に形成してもよく、また、鍋4の外側面の周囲に複数の凹部17を形成した場合には、各凹部17に前記ステンレスワイヤー18を設けてもよい。最下部に位置する凹部17は、少なくとも鍋4の所定の最大炊飯量に見合う水位高さの近傍から上方の位置の周囲に形成する。 【0031】鍋4の内側面には、図示しないがPFA樹脂あるいはPTFE樹脂をコーティングし、非粘着性を高めるように構成している。但し、必ずしも鍋4の内側面にコーティング層を形成しなくてもよく、表面が硬く腐食しにくいステンレスやチタン板を、鍋4の内側面に接合した構成でもよい。また、鍋4の外面に中空ガラスビーズを含有したポリエーテルサルフォンなどの、耐熱性に優れ、非粘着性を有する塗料から選定した塗料にてコーティングを施すと、中空ガラスビーズの断熱作用により、鍋4の保温性が高まり、保温時における消費電力量の低減効果が得られる。なお、凹部17は必ずしも鍋4の全周にある必要は無く、部分的に凹部17の無い部分があってもよい。 【0032】再度図1に戻り説明すると、21はコイルベース7の底部中央に設けられた鍋温度検出手段たる鍋温度センサである。この鍋温度センサ21は、図示しないコイルスプリングにより、鍋4の底面部15の外側面に弾性的に押圧接触しており、鍋4ひいては鍋4内の被炊飯物または被保温物の温度を常時検出することで、炊飯時や保温時における加熱を制御するようになっている。 【0033】22は、コイルベース7の外面に設けられた加熱手段たる加熱コイルである。この加熱コイル22は、炊飯と保温にて兼用して鍋4を電磁誘導加熱するものであり、発熱体12に対向する状態で、鍋4の底面部15と側面下部16Aに対向する位置に設けられる。なお、鍋4の底面部15のみ、あるいは、鍋4の側面部16の複数箇所に対向する状態に、加熱コイル22を設けてもよい。前記鍋収容壁6の外方には、1〜9mmの隙間、好ましくは1〜5mmの隙間を有する側面空間23を介在して、胴断熱壁24が設けられる。この胴断熱壁24は、前記鍋収容壁6と同様に外枠2と一体に形成され、その材厚は0.8 〜3.0 mmに形成される。したがって、鍋収容壁6や胴断熱壁24は、外枠2と同一材料にて、プラスチックの射出成形時に同時に形成される合理的な製造性を有する構成となっている。 【0034】前記加熱コイル22は、鍋4を電磁誘導加熱するものであるが、それ以外の方式で鍋4を加熱してもよい。例えばシーズヒータやアルミ熱板ヒータ、あるいはハロゲンランプヒータなどの他の加熱手段にて、鍋4を加熱するものに応用しても何等差支えない。また、保温時に鍋収容部5の側面に備えた電熱ヒータや、電磁誘導加熱用の加熱コイルで、鍋4の側面を加熱して保温するものであってもよい。加熱コイル22により、発熱体12を発熱させて鍋4を電磁誘導加熱する構成では、鍋4の外側面であって発熱体12の上方の周囲に材厚が部分的に減少する凹部17を形成する。 【0035】コイルベース7の外方には、1〜9mmの隙間、好ましくは1〜5mmの隙間を有する底面空間25を介在して、コイルカバー26が設けられる。但し、前記加熱コイル22を配置した箇所は、加熱コイル22の厚さ以上の隙間を有する底面空間25が形成されている。コイルカバー26の材料は、コイルベース7と同様に、ポリエチレンテレフタレートにガラス繊維を含有した材料などの電気絶縁物であって、難燃性を有し、電気用品取締法に定める電気絶縁物の使用温度の上限が120 ℃以上の材料から選定したものを使用している。また、コイルカバー26の材厚は、1.2 〜3.5 mmに形成される。そして、コイルカバー26にてコイルベース7の底部を覆うと、鍋収容壁6の下端にある隙間が略遮蔽され、鍋収容部5の外底面と外側面に、各々側面空間23と底面空間25が連通して形成される構成になっている。なお、この側面空間23と底面空間25は、完全に密閉された空間であることが望ましいが、各部材の嵌合部や、加熱コイル22のリード線(図示せず)の引出口や、鍋温度センサ21を装着する部分など、多少の隙間があっても構わない。また、加熱コイル22は螺旋状をなし、コイルベース7の外面にシリコーン接着剤などにて部分的に接着固定され、コイルカバー26にてさらに下方から覆って落下しない構造になっている。したがって、加熱コイル22は、コイルベース7とコイルカバー26との隙間すなわち底面空間25に配置される構成となる。また、落下防止や振動防止のためには、加熱コイル22を設けた部分のコイルベース7とコイルカバー26との隙間は、形成しないことが好ましい。これにより、鍋収容部5の外面の断熱作用が得られ、保温時における消費電力の低減効果を得ることができる。なお、27はコイルカバー26の外側にあって、加熱コイル22からの磁束の漏れを防止するフェライト部材である。 【0036】外枠2内には、鍋収容部5の下方に位置して加熱基板31が設けられる。この加熱基板31は、いずれも前記加熱コイル22の制御回路を構成する加熱基板ユニット32と、発熱部品であって加熱コイル22の駆動用のスイッチング素子33が搭載される。加熱基板ユニット32は、インバータ回路などを備え、加熱コイル21に所定の高周波電流を供給するものである。そして、この高周波電流の供給により、加熱コイル21に磁界が発生することで、鍋4の発熱体12を電磁誘導加熱にて発熱させて、鍋4を加熱する構成は、従来周知の電磁誘導加熱式のジャー保温釜と同一である。また、高周波電流を発生させるスイッチング素子33と加熱基板31の間には、下方に向けて多数のフィン34を形成した放熱板35が、熱的に密着した状態で取り付けられる。この放熱板35は、前記スイッチング素子33を冷却する放熱器に相当し、スイッチング素子33からの熱により加熱されている。そして、放熱板35により鍋収容部5の下側を保温する作用が得られ、保温時における消費電力の低減効果が得られるようになっている。また、フィン34の下端は底板3に形成した通気口36に対向しており、ここで外気との熱循環を行なうように構成している。 【0037】37は、外枠2の前部内側に設けられた基板である。この基板37には、電源回路を形成する電源ユニット38が、下方に向けて設けられると共に、後述するLCDやLEDなどの表示手段と、各種スイッチからなる操作手段とを備えた表示操作ユニット39が、外枠2の前面に装着された操作パネル40に対向して設けられる。なお、41は外枠2の後部内側に設けられたコードリールである。 【0038】51は、鍋4の上部開口部を直接覆う蓋体である。蓋体51は、その上面部と側面部の外殻を外蓋52で形成している。この外蓋52は、例えばポリプロピレンなどの耐蒸気性に優れ、外観が光沢を有し、しかも、電気用品取締法に定めるボールプレッシャー温度が140 ℃以上の材料から選定したものを使用している。また、外蓋52の内面上部52Aと内面側部52Bには、50〜100 μm程度の厚さを有するアルミ箔からなる内部部材たる外蓋遮熱板53を設ける。内部部材としてアルミ箔を用いた理由は、外蓋52の内面形状に沿わせるための塑性変形が容易であることと、蓋体51の重量軽減のためにあるが、特に限定する必要はない。例えば、プラスチック部材を所定形状に成形してもよい。また、外蓋52の内面側と外蓋遮熱板53との間には、空隙部54が形成される。この空隙部54は、全体が均一に確保されるのが理想である。しかし、外蓋遮熱板53が変形したり、特にアルミ箔の場合は皺を生じるため、部分的に外蓋遮熱板53が外蓋52の内面に接触してもよい。逆に、空隙部54が大きすぎると、この空隙部54による十分な断熱作用が得られないので、空隙部54を10mm未満に形成するのが好ましい。 【0039】蓋体51は、前記外蓋52の他に、蓋体51の下側外周部にあって、鍋4の上部開口部に対向しない部分を形成するポリプロピレンなどのプラスチック樹脂材料からなる外蓋カバー55と、外蓋カバー55の中央部側にあって、蓋体51の下面の鍋4の上部開口部に対向する部分を形成する下面部材56とを備えている。また、下面部材56の上面すなわち蓋体51の内部側の面(蓋体内部側面)には、下面部材56を加熱するために、後述する蒸気口57の外周囲に備えたコード状ヒータなどからなる蓋加熱手段たる蓋ヒータ58が取付け固定される。 【0040】蓋体51の下面部材56は、蓋ヒータ58の加熱による温度ムラ低減のために、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選択され、これをダイキャストや溶湯鍛造製法により任意の形状に成形している。こうした成形方法であれば、板材料をプレス加工するものに比べて、下面部材56の材厚を任意に設計できる利点がある。下面部材56の外周部には、図示しないねじを介して外蓋カバー55に取付け固定されるフランジ状の固定部61が形成されると共に、それ以外の鍋4の上部開口部側に向いた部分には、中央に孔62を設けた基部63が形成される。下面部材56の鍋4に対向する下面(鍋対向面)の外周囲には、下面部材56を前記方法で成形する際に、材厚が他の基部63の部分よりも部分的に減少した凹部64が同時に形成される。また、前記蓋ヒータ58は、この凹部64よりも内側に配置される。下面部材56の材厚は2〜5mmであり、凹部64の部分の材厚はその近傍の材厚よりも薄い1〜2mm程度、好ましくは1〜1.5 mmにする。なお、下面部材56を前記方法にて成形する際に、凹部64を同時に設けず、後で切削加工により形成してもよい。但し、同時に凹部64を設けたほうが、下面部材56を形成する際の工程数が減って、製造上好ましい。 【0041】その他に、下面部材56は、基部63の鍋4に対向しない上面外周に、円環状の溝65が形成される。また、下面部材56の温度を検出する蓋温度検出手段としての蓋温度センサ66が、溝65の内側に位置して、蓋ヒータ58と同じ基部63の上面に取付け固定される。そして、蓋温度センサ66からの温度情報を受けて、蓋ヒータ58を通断電制御しながら、蓋体51の特に下面部材56の温度管理を行なうように構成している。 【0042】蓋体51の内部には、下面部材56からの熱を遮断する蓋下面遮熱板71が、下面部材56の上部に空間を形成しつつ、蓋ヒータ58を覆うように設けられる。この蓋下面遮熱板71は、赤外線の反射効率の高いアルミニウム板からなり、蓋ヒータ58の上方への輻射熱を反射し、蓋下面遮熱板71と蓋体51の下面部材56との保温性を高めるように構成している。また、蓋下面遮熱板71の外蓋52側に対向する上面には、中空ガラスビーズを含有した塗料がコーティングしてあり、この中空ガラスビーズにより断熱作用を向上させ、蓋ヒータ58による下面部材56の加熱効率を向上させるように構成している。 【0043】外蓋カバー55と下面部材56との間には、環状の弾性体からなり、蓋体51を閉塞した際に、その下部が鍋4の上面に密着する蓋パッキン72が配設される。蓋体51は、器本体1の一側に軸支され、軸支部たるヒンジ73には、蓋体51を常時開く方向に付勢するばね(図示せず)が配設される。そして、ヒンジ73の反対側にある蓋体51の係止用のクランプボタン74を解除すると、自動的に蓋体51が開く構成となっている。 【0044】前記外蓋52の中央部には、鍋4側に陥没した凹部81が設けられている。凹部81の中央に対応した前記下面部材56の孔62は、蒸気口57の下部を形成する蒸気筒82を装着するものであって、孔62の周囲に位置する凹部81の底部裏側と、下面部材56の裏面との間は、シリコーンゴム製の蒸気口パッキン83でシールされる。蒸気口57は、いずれも耐蒸気性に優れた例えばポリプロピレン樹脂からなる蒸気口キャップ84と蒸気口ケース85とにより構成され、蒸気口ケース85の底部中央に備えた前記蒸気筒82が蒸気口パッキン83に係合,離脱することで、凹部81の開口した外側より蒸気口57が着脱自在に装着される。また、蒸気筒82の上部開口部には、この蒸気筒82の上部開口が直接鍋4内のご飯に露出しないように、遮閉板86が上下動自在に組み付けられる。そして、炊飯中に鍋4内に発生した蒸気が、澱粉の解けた水分(おねば)と共に蒸気筒82内に流入すると、蒸気はその圧により遮閉板86を押し上げて、蒸気筒82の上部開口部と遮閉板86との隙間から蒸気口ケース85の内部に侵入する。ここで、蒸気とおねばは分離され、比重の大きいおねばは、蒸気筒82の外側にある蒸気口ケース85の下部に収容される一方、蒸気は蒸気口キャップ84に形成した蒸気出口87から外部に放出される。そして、炊飯が進みむらしになると、鍋4の内圧が下がることにより、蒸気口ケース85の下部に溜ったおねばが戻し孔88から鍋4内に戻される。これと共に、遮閉板86も下方に下がり、蒸気筒82の上部開口部を塞いで、熱の放出を防ぐように構成している。このように、蒸気筒82の上部が開口したままであると、鍋4内のご飯が冷えやすくなるが、本実施例では、遮蔽板86を設けることにより、鍋4内のご飯の冷えを抑制し、この点でも保温時の消費電力量の低減を図るようにしている。 【0045】次に、上記構成についてその作用を説明する。炊飯に際しては、蓋体51を開けて、被炊飯物である米および水を収容した鍋4を器本体1の鍋収容部5に収容し、蓋体51を閉じる。この状態では、蓋体51の下面部材56の下面が、鍋4の上部開口部を直接覆う。そして、表示操作ユニット39にある操作手段を操作して、炊飯を開始すると、加熱コイル22への高周波通電により鍋4の発熱体12が発熱してこの鍋4が加熱される。鍋4の加熱は、鍋温度センサ21が検出する鍋4の温度に応じて制御される。炊飯終了後は、同様に加熱コイル22への高周波通電による鍋4の加熱により、鍋4内のご飯を所定温度に保温する。なお、蓋ヒータ58の加熱は、炊飯時から保温時における蓋体51の下面部材56の表面に結露が生じることを防止する。 【0046】本実施例では、鍋4の外側面または内側面の周囲に、材厚が部分的に減少する凹部17を形成しているので、凹部17により熱伝導部材たる鍋4の材厚が減少して、熱伝導の断面積が少なくなる。この場合、熱伝導量は熱伝導の断面積に比例して少なくなることから、凹部17の下側にて加熱された熱が凹部17より上側に移動する熱移動量は抑制される。したがって、凹部17を形成する高さを任意に鍋4の加熱対象位置に設定することにより、非加熱対象部への無用な熱移動を抑制して、加熱対象部の加熱効率を向上させ、炊飯や保温の使用時における消費電力の低減を図ることが可能になる。また、加熱の必要のない非加熱対象部への熱移動を抑制することで、加熱対象部の加熱ムラを少なくでき、炊飯時においては炊きムラの抑制が図れる。 【0047】さらに、鍋4の上部に形成したフランジ部13への熱伝導量が低減することで、保温中や炊飯,保温直後に鍋4を鍋収容部5から取り出す際に、フランジ部13を手で持ったときの熱さが低減し、鍋4のフランジ部13が持ちやすくなる効果が得られる。 【0048】つまり、フランジ部13を上部に形成した有底筒状の鍋4と、この鍋4を加熱する加熱手段たる加熱コイル22とを備え、鍋4の外側面または内側面の周囲に材厚が部分的に減少する凹部17を形成することにより、加熱効率を向上させて、使用時における消費電力の低減を図ることが可能になる、また、加熱対象部の加熱ムラを少なくできると共に、鍋4を取り出す際に持ちやすくすることができる。なお、この場合、加熱手段は加熱コイル22による電磁誘導加熱方式に限定されるものではない。 【0049】また、本実施例のように、鍋4の最大炊飯量に見合う水位高さWの近傍よりも上方に凹部17を形成すれば、毎回の炊飯量に拘らず、米と水の無い部分への熱伝導量を凹部17により抑制して、鍋4内の米と水の有る部分だけを、常時効率良く加熱できる。したがって、消費電力の低減のみならず、沸騰までの時間を短縮できるなど、炊飯時間の短縮も図れる。さらに、前述の加熱ムラの効果と相俟って、炊飯時にあっては炊きムラの抑制を図れる。 【0050】ところで、図2に示すように、鍋4の外側面に凹部17を形成しただけのものは、局部的に強度低下があるように見え、また、デザイン的にも鍋4の外観性が低下する要因になる。このような場合は、熱伝導性の良い材料から選定した鍋4に対し、熱伝導性の悪い材料から選定したステンレスワイヤー18などの部材を設けることが好ましい(図4参照)。これにより、ステンレスワイヤー18を通して鍋4の非加熱対象部に熱が良好に伝導するようなことはなく、凹部17を形成したことによる本来の効果を維持したままで、外観を向上させ、かつ強度的に低下するように見える不安を一掃できる。さらに、別部材のステンレスワイヤー18を凹部17に設けていることから、一目で凹部17があり、その効果を有する鍋4であることを判明でき、使用者が容易にこの鍋4を選定できる。 【0051】また、本実施例のように、加熱手段として鍋4を電磁誘導加熱する加熱コイル22を用いた場合、凹部17は、鍋4の底面部15と側面下部16Aに接合される発熱体12の上方周囲に形成するのが好ましい。このようにすれば、発熱体12で発した熱が凹部17より上側に移動することを抑制でき、発熱体12全体を含む加熱対象部の加熱効率を向上させ、炊飯や保温の使用時における消費電力の低減を図ることが可能になる。また、加熱の必要のない非加熱対象部への熱移動を抑制することで、加熱対象部の加熱ムラを少なくでき、炊飯時においては炊きムラの抑制が図れる。さらに、鍋4の上部に形成したフランジ部13への熱伝導量が低減することで、鍋4のフランジ部13を手で持ったときの熱さが低減する。 【0052】また、凹部17を鍋4の外側面に形成する際に、鍋4に接合した発熱体12ではなく、鍋4を直接切削すればよいので、製造性が向上する。この場合、鍋4の材料として、比較的硬度の柔らかいアルミニウムを選定すれば、鍋4に対する切削加工を容易に行なうことができ、簡単に凹部17を形成できる。 【0053】さらに、上記凹部17は、図5に示すように複数形成してもよい。このようにすると、凹部17を形成したことによる効果が一層顕著になる。また、凹部17を外側面に形成した場合は、凹部17そのものが機能をデザインした斬新な美観を得ることが可能になる。本実施例では、鍋4の上部開口部を覆う蓋体51の外殻である外蓋52の内面上部52Aと内面側部52Bに、内面部材たる外蓋遮熱板53を設け、この外蓋遮熱板53により蓋体51の外殻の内面側に空隙部54を形成している。このようにすると、蓋体51の上面のみならず側面の断熱も、外蓋遮熱板53との間に形成した空隙部54により行え、蓋体51の断熱効果が高くなる。よって、蓋体51の側面側からの放熱を抑制して、使用時である特に保温時における消費電力の低減を図ることが可能になる。また、単一の外蓋遮熱板53により外蓋52の内面上部52Aと内面側部52Bの断熱作用が同時に得られ、簡単な構造で実現できる。さらに、炊飯時には蓋体51に手を触れることは殆どないが、炊飯直後に蓋体51を開けてご飯をよそい、その後蓋体51を閉じるときに蓋体51の側面に手を触れても、蓋体51の側面の表面温度は低く、手で触れたときの熱さがさほど感じられないため、実用性が向上する。 【0054】また、本実施例では、鍋4の上部開口部に対向する蓋体51の下面部材56を、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選定して形成し、この下面部材56の鍋対向面の外周囲に材厚が部分的に減少する凹部64を形成すると共に、凹部64の内側に位置して、下面部材56の蓋体内部側面に、この下面部材56を加熱する蓋加熱手段としての蓋ヒータ58を設けている。このようにすると、蓋ヒータ58で加熱された蓋体51の下面部材56の熱は、凹部64よりも外側への熱伝導量が抑制され、凹部の内側に位置する下面部材56の加熱対象部が効率良く加熱される。したがって、非加熱対象部への無用な熱移動を抑制して、加熱対象部の加熱効率を向上させ、炊飯や保温の使用時における消費電力の低減を図ることが可能になる。また、蓋体51を開けたときに、流れた露が溜まり、直接露が流れにくくなり、凹部64に付着した露を容易に拭き取ることができて、清掃性が向上するといった利点も得ることができる。さらに、凹部64は下面部材56の鍋対向面側に形成されているので、凹部64による加熱効率向上の効果が一目でわかるという利点もある。 【0055】なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。 【0056】 【発明の効果】本発明の請求項1記載のジャー炊飯器は、フランジ部を上部に形成した有底筒状の鍋と、この鍋を加熱する加熱手段とを備え、前記鍋の外側面または内側面の周囲に材厚が部分的に減少する凹部を形成したものであり、使用時における消費電力の低減を図ることができる。また、加熱対象部の加熱ムラを少なくでき、鍋のフランジ部を手で持ったときの熱さを低減させることができる。 【0057】本発明の請求項2記載のジャー炊飯器は、前記請求項1の構成に加えて、前記凹部は、前記鍋の所定の最大炊飯量に見合う水位高さの近傍から上方の位置の周囲に形成したことを特徴とし、この場合は、前記請求項1の作用,効果のみならず、炊飯時間の短縮を図ることが可能となり、かつ、炊飯時にあっては炊きムラの抑制を図れる。 【0058】本発明の請求項3記載のジャー炊飯器は、フランジ部を上部に形成し、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選定した有底筒状の鍋と、この鍋を加熱する加熱手段とを備え、前記鍋の外側面の周囲に材厚が部分的に減少する凹部を形成すると共に、この凹部にステンレスなどの前記鍋の材料よりも熱伝導性の悪い材料から選定した部材を設けたものであり、使用時における消費電力の低減を図ることができる。また、加熱対象部の加熱ムラを少なくでき、鍋のフランジ部を手で持ったときの熱さを低減させることができる。さらに、外観を向上させ、強度的に低下するように見える不安を一掃できると共に、凹部による効果を一目で理解することができる。 【0059】本発明の請求項4記載のジャー炊飯器は、フランジ部を上部に形成し、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選定した有底筒状の鍋と、この鍋の底面部と側面下部に接合される磁性金属材料から選定した発熱体と、この発熱体を発熱させて前記鍋を電磁誘導加熱する加熱手段とを備え、前記鍋の外側面であって前記発熱体の上方の周囲に材厚が部分的に減少する凹部を形成したものであり、使用時における消費電力の低減を図ることができる。また、加熱対象部の加熱ムラを少なくでき、鍋のフランジ部を手で持ったときの熱さを低減させることができると共に、凹部を切削加工にて形成する際の製造性が向上する。 【0060】本発明の請求項5記載のジャー炊飯器は、前記請求項1〜4のいずれか一つの構成において、前記凹部を複数形成したことを特徴とし、この場合は、前記請求項1の作用,効果のみならず、凹部を形成したことによる効果が一層顕著になると共に、凹部を外側面に形成した場合に、斬新な美観を得ることが可能になる。 【0061】また、本発明の請求項6記載のジャー炊飯器は、鍋と、この鍋の上部開口部を覆う蓋体とを備え、前記蓋体の外殻の内面上部と内面側部に内面部材を設け、この内面部材により前記蓋体の外殻の内面側に空隙部を形成したものであり、使用時における消費電力の低減を図ることが可能になる。また、簡単な構造で蓋体の外殻の内面上部と内面側部の断熱作用を同時に得ることができる。さらに、蓋体の側面を手で触れたときの熱さがさほど感じらず、実用性を向上できる。 【0062】また、本発明の請求項7記載のジャー炊飯器は、鍋と、この鍋の上部開口部を覆う蓋体とを備え、前記鍋の上部開口部に対向する前記蓋体の下面部材を、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選定して形成し、この下面部材の鍋対向面の外周囲に材厚が部分的に減少する凹部を形成すると共に、前記凹部の内側に位置して、前記下面部材の蓋体内部側面に該下面部材を加熱する蓋加熱手段を設けたものであり、使用時における消費電力の低減を図ることが可能になる。また、蓋体を開けたときに、直接露が流れにくくなると共に、清掃性を向上できる。さらに、凹部による効果を一目で理解することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390010168 【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月26日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】牛木 護
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| 【公開番号】 |
特開平11−9447 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−170735 |
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