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【発明の名称】 保温釜
【発明者】 【氏名】三宅 一也

【要約】 【課題】保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図る。また、消費電力量の低減を図る。

【解決手段】第1の加熱パターンが選択されると、保温制御手段93は、鍋への加熱時間を1秒未満にして断続加熱を行なう。これにより、保温時の鍋加熱に関わる騒音が低減する。また、保温制御手段93は、鍋加熱の時間を短くして、鍋を断続的に加熱する。これにより、細かな保温制御が行なわれ、鍋の温度変動が小さくなるので、無駄な鍋への加熱を防止して、消費電力量の低減が図れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、この加熱手段の断続加熱による前記鍋への平均加熱量が大小に異なる複数の加熱パターンを有し、該鍋の温度が所定温度未満の場合には、平均加熱量が大となる構成とし、該鍋の温度が所定温度以上の場合には、この鍋への加熱時間を1秒未満とする平均加熱量が小となる構成とした保温制御手段とを備えたことを特徴とする保温釜。
【請求項2】 鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、前記鍋を1秒未満加熱する鍋加熱と前記鍋への加熱を1秒以上停止する加熱停止とによる断続加熱を行ない、該鍋が所定温度以上の場合に前記鍋加熱を省略して保温を行なう保温制御手段とを備えたことを特徴とする保温釜。
【請求項3】 鍋と、炊飯と保温を兼用して前記鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、前記鍋を1秒未満加熱する鍋加熱と前記鍋への加熱を1秒以上停止する加熱停止とによる断続加熱を行ない、該鍋が所定温度以上の場合に前記鍋加熱を省略して保温を行なう保温制御手段とを備えたことを特徴とする保温釜。
【請求項4】 鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、1秒未満の時間にて設定した加熱期間、およびこの加熱期間における前記鍋の加熱を停止した後、該鍋の温度が所定の保温温度未満に低下するまでの時間より短い時間にて設定した加熱停止期間により断続加熱を行ない、該鍋が所定温度以上の場合に前記鍋加熱を省略して保温を行なう保温制御手段とを備えたことを特徴とする保温釜。
【請求項5】 鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、前記鍋を1秒未満加熱する鍋加熱と前記鍋への加熱を1秒以上停止する加熱停止との断続加熱による第1の加熱パターン、およびこの第1の加熱パターンよりも前記鍋への加熱率の多い第2の加熱パターンにて前記鍋を加熱し、該鍋の温度が第1の温度未満の場合には前記第1の加熱パターンを選択し、該鍋の温度が第1の温度よりも低い第2の温度未満の場合には第2の加熱パターンを選択して保温を行なう保温制御手段とを備えたことを特徴とする保温釜。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱コイルなどの加熱手段により鍋を電磁誘導加熱して保温を行なう保温釜に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種の保温釜において、鍋を電磁誘導加熱する加熱手段としての加熱コイルは、鍋収容部の底外面、あるいは底外面と側外面下部、あるいは底外面と側外面上部および下部のいずれかに備えてある。そして、加熱コイルに所定の高周波電流を供給すると、加熱コイル近傍の磁界中に設けた鍋の磁性金属材料が発熱して鍋を電磁誘導加熱し、炊飯時や保温時に鍋を加熱する構成となっている。
【0003】ところで、鍋の外底面や外側面には、鍋の温度を検出する温度センサが、コイルスプリングなどの弾性力により鍋側に押し当てられた状態になっている。この鍋温度検出手段たる鍋温度センサの鍋との接触部は、熱伝導性の良好なアルミニウムが使用される場合が多い。炊飯や保温のときに鍋を電磁誘導加熱すると、鍋や加熱コイルの微振動により音が発生するが、前記鍋温度センサの鍋への当接状態が悪い場合は、共振して異常な音を発生する場合がある。特に、保温時は炊飯時より鍋を加熱する加熱量が少ないことから、器本体内に備えた回路基板を冷却するファンモータを停止した状態にある。したがって、振動音が直接聞こえやすく、前述のような共振時の異常な音でなくても、夜間などの静かな環境では騒音として非常に耳障りなものになる問題点がある。また、保温時における消費電力量の低減は、この種の保温釜にあって重要な技術課題となっている。
【0004】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図ると共に、消費電力量の低減を図ることの可能な保温釜を提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の保温釜は、前記目的を達成するために、鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、この加熱手段の断続加熱による前記鍋への平均加熱量が大小に異なる複数の加熱パターンを有し、該鍋の温度が所定温度未満の場合には、平均加熱量が大となる構成とし、該鍋の温度が所定温度以上の場合には、この鍋への加熱時間を1秒未満とする平均加熱量が小となる構成とした保温制御手段とを備えたものである。
【0006】この請求項1の構成によれば、鍋が所定温度以上であれば、鍋への加熱時間は1秒未満となり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図ることができる。また、鍋加熱の時間を短くしつつも、鍋を断続的に加熱して、細かな保温制御を行なっているので、鍋の温度変動が小さくなり、無駄な鍋への加熱を防止して、消費電力量の低減が図れる。さらに、こうした鍋への加熱時間を1秒未満とする加熱パターンでは、鍋が所定温度以上に達しない場合は、別の加熱パターンにより平均加熱量を大きくした加熱が鍋に対し行なわれる。このため、低温時や電源電圧が低い場合、あるいは冷や飯を加熱する場合などにおいても、鍋内の被保温物を望ましい温度に維持できる。
【0007】また、本発明の請求項2記載の保温釜は、前記目的を達成するために、鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、前記鍋を1秒未満加熱する鍋加熱と前記鍋への加熱を1秒以上停止する加熱停止とによる断続加熱を行ない、該鍋が所定温度以上の場合に前記鍋加熱を省略して保温を行なう保温制御手段とを備えたものである。
【0008】この請求項2の構成によれば、鍋が所定温度未満であれば、鍋への加熱時間は1秒未満となり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図ることができる。また、鍋加熱の時間を短くしつつも、鍋を断続的に加熱して、細かな保温制御を行なっているので、鍋の温度変動が小さくなり、無駄な鍋への加熱を防止して、消費電力量の低減が図れる。さらに、鍋が所定温度以上になると、鍋加熱を省略するので、必要以上に鍋内の被保温物が加熱されることを防止して、消費電力量の更なる低減が図れる。
【0009】また、本発明の請求項3記載の保温釜は、前記目的を達成するために、鍋と、炊飯と保温を兼用して前記鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、前記鍋を1秒未満加熱する鍋加熱と前記鍋への加熱を1秒以上停止する加熱停止とによる断続加熱を行ない、該鍋が所定温度以上の場合に前記鍋加熱を省略して保温を行なう保温制御手段とを備えたものである。
【0010】この請求項3の構成によれば、鍋が所定温度未満であれば、鍋への加熱時間は1秒未満となり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図ることができる。また、鍋加熱の時間を短くしつつも、鍋を断続的に加熱して、細かな保温制御を行なっているので、鍋の温度変動が小さくなり、無駄な鍋への加熱を防止して、消費電力量の低減が図れる。さらに、鍋が所定温度以上になると、鍋加熱を省略するので、必要以上に鍋内の被保温物が加熱されることを防止して、消費電力量の更なる低減が図れる。しかも、保温時の加熱に際し、専用の加熱手段を設ける必要がなく、その構成を簡素化できる。
【0011】また、本発明の請求項4記載の保温釜は、前記目的を達成するために、鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、1秒未満の時間にて設定した加熱期間、およびこの加熱期間における前記鍋の加熱を停止した後、該鍋の温度が所定の保温温度未満に低下するまでの時間より短い時間にて設定した加熱停止期間により断続加熱を行ない、該鍋が所定温度以上の場合に前記鍋加熱を省略して保温を行なう保温制御手段とを備えたものである。
【0012】この請求項4の構成によれば、鍋が所定温度未満であれば、鍋への加熱時間は1秒未満となり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図ることができる。また、鍋加熱の時間を短くしつつも、鍋を断続的に加熱して、細かな保温制御を行なっているので、鍋の温度変動が小さくなり、無駄な鍋への加熱を防止して、消費電力量の低減が図れる。さらに、鍋が所定温度以上になると、鍋加熱を省略するので、必要以上に鍋内の被保温物が加熱されることを防止して、消費電力量の更なる低減が図れる。しかも、鍋の温度が大幅に低下する前に加熱停止期間が終了するように時間を設定しているので、温度変動が大きくなる不具合を防止でき、鍋を断続加熱する構成でありながら、保温に必要な十分な加熱量を確保できる。
【0013】また、本発明の請求項5記載の保温釜は、前記目的を達成するために、鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、前記鍋を1秒未満加熱する鍋加熱と前記鍋への加熱を1秒以上停止する加熱停止との断続加熱による第1の加熱パターン、およびこの第1の加熱パターンよりも前記鍋への加熱率の多い第2の加熱パターンにて前記鍋を加熱し、該鍋の温度が第1の温度未満の場合には前記第1の加熱パターンを選択し、該鍋の温度が第1の温度よりも低い第2の温度未満の場合には第2の加熱パターンを選択して保温を行なう保温制御手段とを備えたものである。
【0014】この請求項5の構成によれば、鍋の温度が第2の温度以上で第1の温度未満であれば、第1の加熱パターンが選択されて、鍋への加熱時間は1秒未満となり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図ることができる。また、第1の加熱パターンを選択した場合は、鍋加熱の時間を短くしつつも、鍋を断続的に加熱して、細かな保温制御を行なうので、鍋の温度変動が小さくなり、無駄な鍋への加熱を防止して、消費電力量の低減を図ることが可能になる。さらに、こうした鍋への加熱時間を1秒未満とする第1の加熱パターンでは、鍋が第2の温度以上に達しない場合は、別の第2の加熱パターンにより、鍋への加熱率を大きくした加熱が鍋に対し行なわれる。このため、低温時や電源電圧が低い場合、あるいは冷や飯を加熱する場合などにおいても、鍋内の被保温物を望ましい温度に維持できる。
【0015】
【発明の実施形態】以下、本発明の保温釜の一実施例について、図1〜図6を参照しながら説明する。保温釜の全体断面図を示す図2において、1は器本体、2はこの器本体1の外殻をなす外枠で、外枠2の開口した底部下端には、底板3が嵌合し固定されている。また、外枠2の内部には、鍋4を着脱可能に収容する有底筒状の鍋収容部5が配設される。鍋収容部5の側面を構成する鍋収容壁6は、この鍋収容部5の上部を形成する外枠2と一体に形成される。外枠2の材料は、ポリプロピレンなどの電気絶縁物であり、外観が光沢を有し、しかも、電気用品取締法に定めるボールプレッシャー温度が140 ℃以上の材料から選定したものを使用している。一方、外枠2とは別部品であって、鍋収容部5の底部を形成するコイルベース7は、例えばポリエチレンテレフタレートにガラス繊維を含有した材料などの電気絶縁物からなり、難燃性を有し、電気用品取締法に定める電気絶縁物の使用温度の上限が120 ℃以上の材料から選定したものを使用している。そして、炊飯時において米や水などの被炊飯物を収容し、保温時においてご飯などの被保温物を収容する有底筒状の前記鍋4が、鍋収容部5の内部に挿脱自在に収容される。
【0016】鍋4は、例えばアルミニウムなどの熱伝導性の良い材料から選定した材料を主材料として、鍋本体11を形成している。鍋本体11は、ダイキャストや溶湯鍛造製法により形成され、成形時において、鍋本体11の底面と側面下部に、フェライト系ステンレスなどの磁性金属材料から選定した材料を所定の皿形状に成形した発熱体12を接合してある。鍋4の上部には、水平方向外側に延出したフランジ部13が形成されており、フランジ部13の下面を鍋収容部5の上端部に載置することにより、鍋収容部5の内部にて鍋4を吊設状態に収容する構成となっている。このとき、鍋4の外面と鍋収容部5の内面との間には、1mm以上6mm以下(これ以降、以上,以下を単に〜と表記する。)程度の隙間14が形成され、断熱空間として鍋4の保温性を高める構成になっている。
【0017】15は、コイルベース7の底部中央に設けられた鍋温度検出手段たる鍋温度センサである。この鍋温度センサ15は、図示しないコイルスプリングにより、鍋4の外面底部に弾性的に押圧接触しており、鍋4ひいては鍋4内の被炊飯物または被保温物の温度を常時検出することで、炊飯時や保温時における加熱を制御するようになっている。また、鍋温度センサ15の鍋4に接触する部分の外面は、熱伝導性の良好なアルミニウムにより形成される。
【0018】21は、コイルベース7の外面に設けられた加熱手段たる加熱コイルである。この加熱コイル21は、炊飯と保温にて兼用して鍋4を電磁誘導加熱するものであり、発熱体12に対向する状態で、鍋4の底面と側面下部に対向する位置に設けられる。なお、鍋4の底面のみ、あるいは、鍋4の側面の複数箇所に対向する状態に、加熱コイル21を設けてもよい。前記鍋収容壁6の外方には、1〜9mmの隙間、好ましくは1〜5mmの隙間を有する側面空間22を介在して、胴断熱壁23が設けられる。この胴断熱壁23は、前記鍋収容壁6と同様に外枠2と一体に形成され、その材厚は0.8 〜3.0 mmに形成される。したがって、鍋収容壁6や胴断熱壁23は、外枠2と同一材料にて、プラスチックの射出成形時に同時に形成される合理的な製造性を有する構成となっている。
【0019】コイルベース7の外方には、1〜9mmの隙間、好ましくは1〜5mmの隙間を有する底面空間24を介在して、コイルカバー25が設けられる。但し、前記加熱コイル21を配置した箇所は、加熱コイル21の厚さ以上の隙間を有する底面空間24が形成されている。コイルカバー25の材料は、コイルベース7と同様に、ポリエチレンテレフタレートにガラス繊維を含有した材料などの電気絶縁物であって、難燃性を有し、電気用品取締法に定める電気絶縁物の使用温度の上限が120 ℃以上の材料から選定したものを使用している。また、コイルカバー25の材厚は、1.2 〜3.5 mmに形成される。そして、コイルカバー25にてコイルベース7の底部を覆うと、鍋収容壁6の下端にある隙間が略遮蔽され、鍋収容部5の外底面と外側面に、各々側面空間22と底面空間24が連通して形成される構成になっている。なお、この側面空間22と底面空間24は、完全に密閉された空間であることが望ましいが、各部材の嵌合部や、加熱コイル21のリード線(図示せず)の引出口や、鍋温度センサ15を装着する部分など、多少の隙間があっても構わない。また、加熱コイル21は螺旋状をなし、コイルベース7の外面にシリコーン接着剤などにて部分的に接着固定され、コイルカバー25にてさらに下方から覆って落下しない構造になっている。したがって、加熱コイル21は、コイルベース7とコイルカバー25との隙間すなわち底面空間24に配置される構成となる。また、落下防止や振動防止のためには、加熱コイル21を設けた部分のコイルベース7とコイルカバー25との隙間は、形成しないことが好ましい。コイルカバー25の外側には、加熱コイル21からの磁束の漏れを防止するフェライト部材26が装着される。
【0020】外枠2内には、フェライト部材26の下方に位置して加熱基板31が設けられる。この加熱基板31は、いずれも前記加熱コイル21の制御回路を構成する加熱基板ユニット32と発熱部品であるスイッチング素子33が搭載される。加熱基板ユニット32は、インバータ回路などを備え、加熱コイル21に所定の高周波電流を供給するものである。そして、この高周波電流の供給により、加熱コイル21に磁界が発生することで、鍋4の発熱体12を電磁誘導加熱にて発熱させて、鍋4を加熱する構成は、従来周知の電磁誘導加熱式のジャー保温釜と同一である。また、高周波電流を発生させるスイッチング素子33と加熱基板31の間には、下方に向けて多数のフィン34を形成した放熱板35が、熱的に密着した状態で取り付けられる。フィン34の下端は底板3に形成した通気口36に対向しており、ここで外気との熱循環を行なうように構成している。
【0021】37は、外枠2の前部内側に設けられた基板である。この基板37には、電源回路を形成する電源ユニット38が、下方に向けて設けられると共に、後述するLCDやLEDなどの表示手段88と、各種スイッチからなる操作手段82とを備えた表示操作ユニット39が、外枠2の前面に装着された操作パネル40に対向して設けられる。なお、41は外枠2の後部内側に設けられたコードリールであって、これは、図示しない電源コードを巻取るためのものである。
【0022】51は、鍋4の上部開口部を直接覆う蓋体である。蓋体51は、ポリプロピレンなどのプラスチック樹脂材料からなり、蓋体51の外表面を形成する外蓋52と、蓋体51の下部外周にあって、鍋4の上部開口部に対向しない部分を形成し、外蓋52の下部外周に嵌合させたポリプロピレンなどのプラスチック樹脂材料からなる外蓋カバー53と、アルミニウムなどの熱伝導性に優れた部材からなり、蓋体51の下面の鍋4の上部開口部に対向する部分を形成する下面部材54とにより概ね構成される。下面部材54の外周部には、図示しないねじを介して外蓋カバー53に取付け固定されるフランジ状の固定部55が形成されると共に、それ以外の部分には、中央に孔56を設けた基部57が形成される。この基部57の下面は、蓋体51を開けた時の外観性および清掃性を良好に維持するために、凹部58を除いてねじなどが露出しない平坦状に形成される。また、基部57の上面には、円環状の溝59が形成される。これらの凹部58や溝59は、下面部材54の外周部にある固定部55の温度上昇を抑制するために設けられている。
【0023】下面部材54の上面すなわち裏面には、この下面部材54の温度を検出する蓋温度検出手段としての蓋温度センサ61と、結露防止のために炊飯時と保温時に下面部材54を加熱する蓋加熱手段たる蓋ヒータ62が各々が設けられる。そして、蓋温度センサ61からの温度情報を受けて、蓋ヒータ62を通断電制御しながら、蓋体51の特に下面部材54の温度管理を行なうように構成している。
【0024】蓋体51の内部には、下面部材54からの熱を遮断する蓋下面遮熱板63が、下面部材54の裏面を覆うように設けられる。また、外蓋52の内側にも、別の外蓋遮熱板64が設けられる。外蓋カバー53と下面部材54との間には、環状の弾性体からなり、蓋体51を閉塞した際に、その下部が鍋4の上面に密着する蓋パッキン65が配設される。蓋体51は、器本体1の一側に軸支され、軸支部たるヒンジ66には、蓋体51を常時開く方向に付勢するばね(図示せず)が配設される。そして、ヒンジ66の反対側にある蓋体51の係止用のクランプボタン67を解除すると、自動的に蓋体51が開く構成となっている。
【0025】前記外蓋52の上面には、鍋4側に陥没した凹部71が設けられる。凹部71の中央に対応した前記下面部材54の孔56は、蒸気口72の下部を形成する蒸気筒73を装着するものであって、孔56の周囲に位置する凹部71の底部裏側と、下面部材54の裏面との間は、シリコーンゴム製の蒸気口パッキン74でシールされる。蒸気口72は、いずれも耐蒸気性に優れた例えばポリプロピレン樹脂からなる蒸気口キャップ75と蒸気口ケース76とにより構成され、前記蒸気口パッキン74に係合,離脱して、凹部71の開口した外側より着脱自在に装着される。また、蒸気筒73の上部開口部には、この蒸気筒73の上部開口を開閉する遮閉板77が上下動自在に組み付けられる。そして、炊飯中に鍋4内に発生した蒸気が、澱粉の解けた水分(おねば)と共に蒸気筒73内に流入すると、蒸気はその圧により遮閉板77を押し上げて、開放された蒸気筒73の上部開口部から蒸気口72の内部に侵入する。ここで、蒸気とおねばは分離され、比重の大きいおねばは蒸気口72の下部に収容される一方、蒸気は蒸気口キャップ75に形成した蒸気出口78から外部に放出される。そして、炊飯が進みむらしになると、鍋4の内圧が下がることにより、蒸気口72の下部に溜ったおねばが戻し孔79から鍋4内に戻される。これと共に、遮閉板77も下方に下がり、蒸気筒73の上部開口部を塞いで、熱の放出を防ぐように構成している。
【0026】次に、電気的な構成を図3に基づき説明すると、81はマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称する。)であって、これはいずれも図示しないが、周知のマイクロプロセッサを構成する制御装置および演算装置の他に、計時装置,ROMやRAMなどの記憶装置,および入出力装置を備えて構成される。そして、前記表示操作ユニット39の操作手段82からの各操作信号と、鍋温度センサ15および蓋温度センサ56から各温度検出信号をマイコン81が入力し、それに基づいて、加熱基板ユニット32を構成するIH駆動回路83および高周波電流発生手段84を介して、加熱コイル21の出力である加熱量と、加熱コイル21の通断電時間とを制御すると共に、ヒータ駆動回路85および通断電手段86を介して蓋ヒータ62の通断電を制御し、さらに、表示手段駆動回路87を介して、表示操作ユニット39の表示手段88の表示動作を制御するように構成している。
【0027】図1のブロック図は、マイコン81の特に保温制御の機能構成について示したものである。同図において、91は、鍋温度センサ15からの温度情報に基づき、加熱コイル21の出力および通断電を制御する加熱制御手段である。この加熱制御手段91は、鍋4内の被炊飯物を炊き上げる通常の炊飯動作を行なう炊飯手段たる炊飯制御手段92と、鍋4内の被保温物を所定温度に維持する保温制御手段93を備えている。また、加熱コイル21は、炊飯制御手段92による炊飯時と保温制御手段93による保温時に兼用して鍋4を加熱する。つまり、鍋4の側面を加熱する胴ヒータなどを設けずに、単一の加熱コイル21により、炊飯時と保温時に鍋4を加熱するように構成している。
【0028】保温制御手段93は、いずれも加熱コイル21を通断電しながら鍋4を加熱する断続加熱の際に、鍋4への平均加熱量が大小に異なる複数の加熱パターンを有しており、鍋温度センサ15で検出される鍋4の温度により、複数の加熱パターンの中の一つを選択して、加熱コイル21を制御する。具体的には、加熱コイル21の通電時間すなわち鍋4の加熱時間が1秒未満で、加熱コイル21の断電時間すなわち鍋4の加熱停止時間が1秒以上である第1の加熱パターンを記憶した第1の加熱パターン記憶手段94と、この第1の加熱パターンよりも加熱コイル21の鍋4に対する加熱率が多い第2の加熱パターンを記憶した第2の加熱パターン記憶手段95と、第1の加熱パターンまたは第2の加熱パターンによる所定の加熱停止期間が終了した時点で、鍋4の温度が第1の温度未満の場合には、第1の加熱パターン記憶手段94に記憶した第1の加熱パターンを選択し、同じく所定の加熱停止期間が終了した時点で、鍋4の温度が前記第1の温度よりも低い第2の温度未満の場合には、第2の加熱パターン記憶手段95に記憶した第2の加熱パターンを選択する加熱パターン選択手段96とを備えている。保温制御手段93は、第1の加熱パターンが選択されると、鍋4を1秒未満加熱する鍋加熱と、鍋4への加熱を1秒以上停止する加熱停止とにより、鍋4を断続加熱するが、この保温制御手段93は、鍋4への加熱を開始する時点で、鍋4が前記第1の温度以上であったら、次に行なわれる1秒未満の鍋加熱を省略して、1秒以上の加熱停止を行ない、鍋4内の被保温物を所定の保温温度すなわち第1の温度に保温する鍋加熱省略手段97をさらに備えている。
【0029】次に、上記構成についてその作用を説明する。炊飯に際しては、蓋体51を開けて、被炊飯物である米および水を収容した鍋4を器本体1の鍋収容部5に収容し、蓋体51を閉じる。この状態では、蓋体51の下面部材54の表面が、鍋4の上部開口部を直接覆う。そして、表示操作ユニット39にある操作手段82を操作して、炊飯制御手段92による炊飯を開始すると、加熱コイル21への高周波通電により鍋4の発熱体12が発熱してこの鍋4が加熱される。鍋4の加熱は、鍋温度センサ15が検出する鍋4の温度に応じて制御される。炊飯終了後は、同様に加熱コイル21への高周波通電による鍋4の加熱により、鍋4内のご飯を所定温度に保温する。なお、蓋ヒータ62の加熱は、炊飯時から保温時における蓋体51の下面部材54の表面に結露が生じることを防止する。
【0030】この加熱制御手段91による一連の加熱動作において、加熱コイル21の出力に相当する加熱量は、加熱基板ユニット32に備えたインバータ回路により、加熱コイル21に供給する高周波電流の周波数を可変することで、500 〜1300Wの範囲に設定されている。特に、保温制御手段93が行なう保温時にあっては、500 Wの加熱量を使用する。しかし、通常内容量が1.8 リットルクラスの保温釜では、鍋4を73℃の保温温度に維持するのに必要な加熱量は、50〜80Wで十分である。加熱コイル21の加熱量を500 Wとして、そのまま保温加熱を行なうと、加熱時に鍋4を強く加熱し過ぎて、鍋4の温度変動(リップル)が大きくなる問題がある。そこで、加熱コイル21を通断電して鍋4を断続的に加熱するいわゆる断続加熱により、鍋4への平均的な加熱量(平均加熱量)が500 Wよりも少なくなる保温加熱量を得て、炊飯時と保温時に同一の加熱手段である加熱コイル21にて兼用できるように工夫してある。
【0031】こうした保温加熱の構成において、本実施例では、図4に示すフローチャートの手順で保温が行なわれる。同図において、ステップS1にて保温制御手段93による保温が開始すると、加熱パターン選択手段96は、鍋温度センサ15にて検出される鍋4の温度が、第2の温度である70℃未満であるか否かを判定する(ステップS2)。そして、鍋4の温度が70℃未満であれば、第2の加熱パターン記憶手段95に記憶された第2の加熱パターンに基づき鍋4を断続加熱し(ステップS3)、1サイクルが終了した時点でステップS2の手順に戻る。一方、鍋4の温度が70℃以上であれば、次のステップS4において、鍋4の温度が第1の温度である71℃未満であるか否かを判定する。このとき、鍋4の温度が71℃未満であれば、第1の加熱パターン記憶手段94に記憶された第1の加熱パターンに基づき鍋4を断続加熱するが(ステップS5)、鍋4の温度が71℃以上であれば、第1の加熱パターンのなかで、鍋4を1秒未満加熱する鍋加熱を省略し(ステップS6)、共に1サイクルが終了した時点で、ステップS2の手順に戻る。
【0032】この一連の手順では、前記第1の加熱パターンまたは第2の加熱パターンのいずれか一つが選択され、保温制御手段93による保温が行なわれるようになっている。図5は、第1の加熱パターンを選択した場合の、加熱コイル21の通断電タイミングを示している。第1の加熱パターンを選択すると、保温制御手段93は、1秒未満の例えばt1=0.35秒間、加熱コイル21を通電して鍋4を加熱し、その後、1秒以上の例えばt2=5秒間、加熱コイル21を断電して鍋4への加熱を停止する断続加熱サイクルにて保温を行なう。但し、t2=5秒の加熱停止時間が経過し、次に鍋4への加熱を開始する時点で、鍋温度センサ15で検出される鍋4の温度が所定の例えば71℃以上の場合には、鍋加熱省略手段97により次の鍋加熱を省略して、t2=5秒の加熱停止を開始する。逆に、鍋4の温度が71℃未満の場合は、t1=0.35秒の鍋加熱を行なって、鍋4を所定の71℃に保温する。
【0033】ところで、前記第1の加熱パターンを選択したときの、加熱停止期間(t2=5秒)の設定は、次の要領にて行なう。鍋4の温度が71℃未満の場合に、前記t1=0.35秒の鍋加熱を行ない、この加熱期間における鍋4への加熱を停止した時点で計測を開始して、鍋4の温度が所定の保温温度である71℃未満に再び低下するまでの時間を測定する。仮にその時間が15秒であったならば、その15秒よりも短い時間、例えばt2=5秒に加熱停止時間を設定する。ここで設定した加熱停止時間のt2=5秒は、15秒の1/3の時間であるが、好ましくは1/2未満(7.5 秒未満)に設定する。これにより、鍋4を加熱した後、加熱を停止している間に鍋4の温度が大幅に低下して、温度変動が大きくなる不具合を防止でき、鍋4を断続加熱する構成でありながら、保温に必要な十分な加熱量を確保できることになる。なお、特定の条件下で加熱不足とならないように、最も温度低下が顕著になる条件、すなわち、室温を0〜5℃程度の低温にし、電源電圧を定格の交流100 Vに対し80〜90Vの低電圧にし、さらに、鍋4内に保温する被保温物の保温量を最大にした条件で、前記鍋4の温度が71℃未満になるまでの時間を計測するのが望ましい。
【0034】一方、第2の加熱パターンは、第1の加熱パターンよりも加熱量が強く設定される。具体的には、図6に示すように、第2の加熱パターンを選択すると、保温制御手段93は、加熱コイル21をt3=1秒通電して鍋4を加熱し、その後、加熱コイル21をt4=7秒断電して鍋4への加熱を停止する断続加熱サイクルにて保温を行なう。この第2の加熱パターンは、t2=5秒若しくはt4=7秒の加熱停止期間が終了した時点で、鍋4の温度が、第1の温度である71℃よりも低い70℃未満の場合に、加熱パターン選択手段96で選択されるようになっており、保温温度である第1の温度よりも鍋4の温度がかなり低い場合に、第2の加熱パターンを選択して保温時における鍋4への加熱量を強くする。よって、鍋4の温度が保温温度の近傍で変化している場合は、第1の加熱パターンを選択して平均加熱量を少なくして保温を行ない、鍋4の温度が保温温度よりもかなり低い場合には、第2の加熱パターンを選択して平均加熱量を多くして保温を行なう。
【0035】ところで、炊飯と保温を兼用した加熱コイル21にて、保温を断続加熱で行なう保温釜の場合、従来は鍋4を加熱する鍋加熱の時間を1秒に設定していた。つまり、鍋4を1秒加熱した後、10秒加熱を停止する断続加熱サイクルを行ない、鍋4の温度が保温温度以上の場合に、1秒の鍋加熱を省略する構成である。また、保温時における加熱コイル21の加熱量は従来600 W程度であった。
【0036】本実施例では、保温時における加熱コイル21の加熱量を従来よりも少ない500Wとし、加熱コイル21の発振時における振動音を低減するようにした。加熱コイル21の加熱量を500 W以下にすれば、さらに振動音を低減できる。また、騒音の低減を検討するに当たり、保温時に加熱コイル21を通電する鍋加熱の時間を、1秒未満の0.3 秒,0.5 秒,0.7 秒にして、各々の騒音の確認を行なったところ、この鍋加熱の時間が短い程、騒音が低減することが判明した。しかし、鍋加熱の時間を短くし過ぎると、ご飯を所定の保温温度に維持するために平均加熱量を得るのに、加熱停止時間を短くする必要があり、従来より頻繁に鍋加熱が行なわれることになって、逆に騒音が気になる結果になった。したがって、こうした点も考慮して、前記鍋加熱の時間を設定する必要がある。実施例では、この鍋加熱の時間をt1=0.35秒に設定したが、加熱コイル21の加熱量を500 Wよりも大きくした場合や、鍋4内に収容される被保温物の保温量が少ない場合は、さらに鍋加熱の時間を短くしても、加熱停止時間をそれほど短くする必要がないため、t1=0.35秒よりも短く設定して、さらなる振動音の低減を図れる。このように、鍋加熱の時間を1秒未満とすることにより、音の原因である振動している時間が短くなり、従来よりも騒音として聞こえにくくなる効果を得ることが可能になる。また、鍋温度センサ15の鍋4との接触部が共振しても、この共振している時間が短くなることにより、異常音としての問題が生じにくくなる。
【0037】一方、鍋加熱の時間を従来よりも短くすると、鍋4への平均加熱量が低下する。よって、低温時や電源電圧が低い場合、あるいは冷や飯を加熱する場合などに、鍋4に対する加熱が不足して、所望の保温温度を維持できなくなる問題が発生する。しかし、こうした場合には、鍋4を加熱しても鍋4の温度は上昇しにくくなり、鍋4への加熱を停止するとかなり大きく温度が低下するので、この点を考慮して、本実施例では、第2の加熱パターン記憶手段95に記憶した別の第2の加熱パターンにて、鍋4への平均加熱量を大きくして加熱が行なわれる。これにより、不足した加熱量を補って、保温温度が維持できなくなる不具合を防止することが可能になる。
【0038】加熱コイル21の加熱量を多くし、しかも、鍋加熱の時間すなわち加熱コイル21の通電時間を長くする程、鍋加熱が停止した後の実際の鍋4の温度は、保温温度に対して大きく上昇して変動する。この温度変動(リップル)は、所定の温度にご飯を維持する保温制御にあって、不必要に加熱コイル21を通電する無駄な消費電力分となってしまう。そこで、本実施例では、鍋4の加熱時間を1秒未満にしつつ、鍋4を断続的に加熱し、従来よりも細かな保温制御を行なっているので、上述の鍋4の温度変動が小さくなる。したがって、特に長時間鍋4を加熱する保温時の加熱効率が向上し、無駄な鍋4への加熱を防止して、消費電力量の低減を図ることが可能になる。
【0039】以上のように、本実施例では、加熱手段たる加熱コイル21により、鍋4を電磁誘導加熱する保温釜にあって、加熱コイル21の断続加熱による鍋4への平均加熱量が大小に異なる複数の加熱パターンを有し、鍋4の温度が所定温度未満の場合には、平均加熱量が大となる構成とし、鍋4の温度が所定温度である70℃以上の場合には、鍋4への加熱時間を1秒未満とする平均加熱量が小となる構成とした保温制御手段93を備えている。この場合、鍋4の温度が70℃以上であれば、鍋4への加熱時間は1秒未満となり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図ることができる。また、鍋加熱の時間すなわち加熱コイル21の通電時間を従来よりも短くしつつも、鍋4を断続的に加熱して、細かな保温制御を行なっているので、鍋4の温度変動が小さくなり、無駄な鍋4への加熱を防止して、消費電力量の低減を図ることが可能になる。さらに、こうした鍋4への加熱時間を1秒未満とする第1の加熱パターンで保温を行なうと、加熱不足を生じて所定の70℃以上に達しない場合は、別の第2の加熱パターンにより、平均加熱量を大きくした加熱が鍋4に対し行なわれる。このため、低温時や電源電圧が低い場合、あるいは冷や飯を加熱する場合などにおいても、鍋4内の被保温物を望ましい温度に維持できる。
【0040】また、本実施例の保温制御手段93は、鍋4を1秒未満加熱する鍋加熱と、鍋4への加熱を1秒以上停止する加熱停止とによる断続加熱を行ない、鍋4が所定温度である71℃以上の場合に、鍋4を1秒未満加熱する前記鍋加熱を省略して、保温を行なうようにしている。こうした構成により、鍋4の温度が71℃未満であれば、鍋4への加熱時間は1秒未満となり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図ることができる。また、鍋加熱の時間すなわち加熱コイル21の通電時間を従来よりも短くしつつも、鍋4を断続的に加熱して、細かな保温制御を行なっているので、鍋4の温度変動が小さくなり、無駄な鍋4への加熱を防止して、消費電力量の低減を図ることが可能になる。さらに、鍋4の温度が71℃以上になると、鍋加熱を省略するので、必要以上に鍋4内の被保温物が加熱されることを防止して、消費電力量の更なる低減を図ることが可能になる。
【0041】また、本実施例の保温制御手段93は、1秒未満の時間にて設定した加熱期間と、この加熱期間における鍋4の加熱を停止した後、鍋4の温度が所定の保温温度である71℃未満に低下するまでの時間より短い時間にて設定した加熱停止期間により、断続加熱を行なうように構成している。このようにして、加熱停止期間の時間設定を行なうと、鍋4の温度が大幅に低下する前に加熱停止期間が終了するので、温度変動が大きくなる不具合を防止でき、鍋4を断続加熱する構成でありながら、保温に必要な十分な加熱量を確保できる。また、このような構成では、最も鍋4の温度低下が顕著になる条件で、前記加熱停止期間の時間設定を行なうことが好ましい。また、本実施例の保温制御手段93は、鍋4を1秒未満加熱する鍋加熱と前記鍋への加熱を1秒以上停止する加熱停止との断続加熱による第1の加熱パターン、およびこの第1の加熱パターンよりも鍋4への加熱率の多い第2の加熱パターンにて鍋4を加熱し、鍋4の温度が第1の温度である71℃未満の場合には第1の加熱パターンを選択し、鍋4の温度が第1の温度よりも低い第2の温度である70℃未満の場合には第2の加熱パターンを選択して保温を行なうように構成している。この場合、鍋4の温度が70℃以上で71℃未満であれば、第1の加熱パターンが選択されて、鍋4への加熱時間は1秒未満となり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図ることができる。また、第1の加熱パターンを選択した場合は、鍋加熱の時間すなわち加熱コイル21の通電時間を従来よりも短くしつつも、鍋4を断続的に加熱して、細かな保温制御を行なうので、鍋4の温度変動が小さくなり、無駄な鍋4への加熱を防止して、消費電力量の低減を図ることが可能になる。さらに、こうした鍋4への加熱時間を1秒未満とする第1の加熱パターンで保温を行なうと、加熱不足を生じて所定の70℃以上に達しない場合は、別の第2の加熱パターンにより、鍋4への加熱率を大きくした加熱が鍋4に対し行なわれる。このため、低温時や電源電圧が低い場合、あるいは冷や飯を加熱する場合などにおいても、鍋4内の被保温物を望ましい温度に維持できる。
【0042】さらに、上記各構成において、炊飯と保温で鍋4を兼用して電磁誘導加熱する加熱手段としての加熱コイル21を用いれば、保温時の加熱に際し、専用の加熱手段を設ける必要がなく、その構成を簡素化できる。
【0043】その他、実施例上の効果を列記すると、通常は鍋4の側面を加熱する胴ヒータを併用して、この部分の加熱を行ない、保温を行なう場合が殆どであるが、本実施例にあるように、鍋4の材料を熱伝導の良いアルミニウムにより鍋本体11を形成すると共に、この鍋本体11の材厚を2mm以上に厚くして、加熱コイル21に対向した発熱体12の熱が、鍋4の側部に伝導しやすいように構成すれば、従来の胴ヒータを不要にでき、しかも、胴ヒータの断続加熱による温度変動(リップル)を抑制して、鍋4の側面の温度ムラも同時に抑制できる。さらに、本実施例では、保温性を改良するために、鍋4を収容する鍋収容部5の周囲を、側面空間22および底面空間24からなる断熱空間で断熱している。これにより、従来の胴ヒータを廃止しても、鍋4の側面の冷えを防止して、保温時における鍋4の側面への結露を抑制する効果を得ることができる。また、鍋4への平均加熱量を低減することで、単位時間当りの鍋4への加熱回数は増加し、加熱停止時間が短くなる。したがって、加熱コイル21に対向した鍋4の部分だけが局部的に加熱されにくくなり、鍋4の側面と底面や側面下部との温度差が抑制され、全体として温度ムラが少なくなる効果が得られ、これらの点からも鍋4の側面への結露を少なくすることが可能になる。
【0044】なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では加熱パターンは2種類であるが、他に複数の加熱パターンを有していてもよい。また、前述した第2の加熱パターンは、第1の加熱パターンよりも加熱率が多ければよい。鍋4への加熱率を多くするには、本実施例のように、同一の加熱量にて通断電時間を変える他に、通断電時間はそのままで、加熱コイル21の加熱量を多くしてもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の保温釜は、鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、この加熱手段の断続加熱による前記鍋への平均加熱量が大小に異なる複数の加熱パターンを有し、該鍋の温度が所定温度未満の場合には、平均加熱量が大となる構成とし、該鍋の温度が所定温度以上の場合には、この鍋への加熱時間を1秒未満とする平均加熱量が小となる構成とした保温制御手段とを備えたものであり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図ると共に、消費電力量の低減を図ることの可能な保温釜を提供できる。さらに、鍋内の被保温物を望ましい温度に維持できる。
【0046】また、本発明の請求項2記載の保温釜は、鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、前記鍋を1秒未満加熱する鍋加熱と前記鍋への加熱を1秒以上停止する加熱停止とによる断続加熱を行ない、該鍋が所定温度以上の場合に前記鍋加熱を省略して保温を行なう保温制御手段とを備えたものであり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図ると共に、消費電力量の低減を図ることの可能な保温釜を提供できる。さらに、必要以上に鍋内の被保温物が加熱されることを防止して、消費電力量の更なる低減を図ることができる。
【0047】また、本発明の請求項3記載の保温釜は、鍋と、炊飯と保温を兼用して前記鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、前記鍋を1秒未満加熱する鍋加熱と前記鍋への加熱を1秒以上停止する加熱停止とによる断続加熱を行ない、該鍋が所定温度以上の場合に前記鍋加熱を省略して保温を行なう保温制御手段とを備えたものであり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図ると共に、消費電力量の低減を図ることの可能な保温釜を提供できる。さらに、必要以上に鍋内の被保温物が加熱されることを防止して、消費電力量の更なる低減を図れると共に、炊飯と保温の加熱手段を共通化して、構成を簡素化することが可能になる。
【0048】また、本発明の請求項4記載の保温釜は、鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、1秒未満の時間にて設定した加熱期間、およびこの加熱期間における前記鍋の加熱を停止した後、該鍋の温度が所定の保温温度未満に低下するまでの時間より短い時間にて設定した加熱停止期間により断続加熱を行ない、該鍋が所定温度以上の場合に前記鍋加熱を省略して保温を行なう保温制御手段とを備えたものであり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図れると共に、消費電力量の低減を図ることの可能な保温釜を提供できる。さらに、必要以上に鍋内の被保温物が加熱されることを防止して、消費電力量の更なる低減を図れると共に、温度変動が大きくなる不具合を防止して、保温に必要な十分な加熱量を確保できる。
【0049】また、本発明の請求項5記載の保温釜は、鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱手段と、前記鍋を1秒未満加熱する鍋加熱と前記鍋への加熱を1秒以上停止する加熱停止との断続加熱による第1の加熱パターン、およびこの第1の加熱パターンよりも前記鍋への加熱率の多い第2の加熱パターンにて前記鍋を加熱し、該鍋の温度が第1の温度未満の場合には前記第1の加熱パターンを選択し、該鍋の温度が第1の温度よりも低い第2の温度未満の場合には第2の加熱パターンを選択して保温を行なう保温制御手段とを備えたものであり、保温時の鍋加熱に関わる騒音の低減を図れると共に、消費電力量の低減を図ることの可能な保温釜を提供できる。さらに、鍋内の被保温物を望ましい温度に維持できる。
【出願人】 【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
【公開番号】 特開平11−9442
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−169013