| 【発明の名称】 |
炊飯器 |
| 【発明者】 |
【氏名】小泉 秀世
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| 【要約】 |
【課題】おいしく炊飯するための条件である米に十分な吸水を行わせた状態で炊飯加熱を開始することや、火力制御において、沸騰させてから10分以上の高温期(98℃以上)の継続を行うこと(因にこのものにおいては強加熱(フルパワー制御)のみによる加熱を行うものであり、そのために加熱時間が短くなり米澱粉のアルファ化が不十分なものとなる。)が配慮されておらず、従って、おいしく炊飯することができなかった。
【解決手段】炊飯容器1に収容した米に複数方向からマイクロ波を照射するマイクロ波照射手段7,8と、該マイクロ波照射手段7,8にて照射されるマイクロ波を制御する制御手段11とを備えてなるものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 炊飯容器に収容した米に複数方向からマイクロ波を照射するマイクロ波照射手段と、該マイクロ波照射手段にて照射されるマイクロ波を制御する制御手段とを備えてなることを特徴とする炊飯器。 【請求項2】 炊飯容器の上下に対向してマイクロ波を照射するアンテナを内包し、該マイクロ波を遮断するドアを有する金属製の加熱炉を持ち、上記アンテナにマイクロ波を供給する制御手段を備えたことを特徴とする炊飯器。 【請求項3】 上記炊飯容器に、洗米し所定時間吸水させた後の生米を収容し、水又は湯を給水してマイクロ波を照射して沸騰させた後、該炊飯容器からの放熱エネルギーと水分の蒸発エネルギーに相当するエネルギーをマイクロ波出力制御によりアンテナから照射して98℃から100℃を10分間以上維持することを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の炊飯器。 【請求項4】 上記炊飯容器に、洗米し所定時間吸水させ水切りした後の生米を収容し、マイクロ波を照射した後、湯を給湯し、再びマイクロ波を照射して炊飯することを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の炊飯器。 【請求項5】 上記炊飯容器に収容する生米の吸水前の生米状態における水分率から総加水量を決定し、総加水量に基づいた量の給水を行い、炊飯することを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の炊飯器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、現在業務用で一般的に行われているガス炊飯の欠点を補うために使用して好適なマイクロ波を熱源とする炊飯器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、電子レンジで炊飯するものは、実開平5−35016号公報に記載のように、電子レンジの加熱室内に入れ、容器内に入れられた米と水をマグネトロンからのマイクロ波により加熱して炊飯を行うための非金属製の電子レンジ用炊飯容器を設け、容器の内底面にマイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波吸収体を設け、マイクロ波吸収体の表面に凹凸を設けてなるものや、特開平6−141969号公報に記載のように、米を入れる容器本体と、この開口部に被せる中蓋と、さらにその上に被せて容器本体に圧着する外蓋とからなり、電子レンジによる連続加熱によって、ふっくらしたご飯を炊くものがある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成のものであれば、おいしく炊飯するための条件である米に十分な吸水を行わせた状態で炊飯加熱を開始することや、火力制御において、沸騰させてから10分以上の高温期(98℃以上)の継続を行うこと(因にこのものにおいては強加熱(フルパワー制御)のみによる加熱を行うものであり、そのために加熱時間が短くなり米澱粉のアルファ化が不十分なものとなる。)が配慮されておらず、従って、おいしく炊飯することができなかった。 【0004】そして、弁当業者における大量炊飯は、ガスを熱源としており、火力制御の難しさから、仕上がりが製造日により、また、同一ロットにおいても先頭部の容器の仕上がりと中間部の容器での仕上がりが異なり、おいしさの基準を上げれば歩留りが悪くなるのが実情であり、その上、炉内は800℃にもなるので労働環境も問題となってきている。 【0005】本発明は、米に十分な吸水を行わせた状態で炊飯加熱を開始するとともに、火力制御において、沸騰させてから10分以上の高温期(98℃以上)の継続を行い得るようにしておいしく炊飯することを可能とし、しかも、大量炊飯においては、電子レンジで炊飯することで労働環境の改善、制御の安定性でおいしく炊飯して歩留まりの向上、さらに短時間で炊飯することを可能とした炊飯器を提供することを目的としたものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の炊飯器は上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、炊飯容器に収容した米に複数方向からマイクロ波を照射するマイクロ波照射手段と、該マイクロ波照射手段にて照射されるマイクロ波を制御する制御手段とを備えてなることを特徴とするものである。 【0007】また、請求項2記載の発明は、炊飯容器の上下に対向してマイクロ波を照射するアンテナを内包し、該マイクロ波を遮断するドアを有する金属製の加熱炉を持ち、上記アンテナにマイクロ波を供給する制御手段を備えてなるものである。 【0008】そして、請求項3記載の発明は、請求項1若しくは請求項2記載の発明において、炊飯容器に、洗米し所定時間吸水させた後の生米を収容し、水又は湯を給水してマイクロ波を照射して沸騰させた後、該炊飯容器からの放熱エネルギーと水分の蒸発エネルギーに相当するエネルギーをマイクロ波出力制御によりアンテナから照射して98℃から100℃を10分間以上維持するものである。 【0009】そしてまた、請求項4記載の発明は、請求項1若しくは請求項2記載の発明において、炊飯容器に、洗米し所定時間吸水させ水切りした後の生米を収容し、マイクロ波を照射した後、湯を給湯し、再びマイクロ波を照射して炊飯するものである。 【0010】さらに、請求項5記載の発明は、請求項1若しくは請求項2記載の発明において、炊飯容器に収容する生米の吸水前の生米状態における水分率から総加水量を決定し、総加水量に基づいた量の給水を行い、炊飯するものである。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の炊飯器の実施の形態を図面とともに説明する。 【0012】本発明の炊飯器は図1乃至図5に示すように構成するものであり、図1はマイクロ波を熱源とする加熱炉の要部断面構成図であり、図2はポリプロピレンを教材とする炊飯容器1であり、図3は炊飯容器1の蓋2、図4はマイクロ波を照射する加熱炉3内で炊飯容器1を移動させるために炊飯容器1をのせるための移動台4である。 【0013】尚、図1において、1は炊飯容器、3は加熱炉、4は移動台、5はベアリング、7は上アンテナ、8は下アンテナ、10はマグネトロン、11はマグネトロン10の出力を自動的に制御(例えば、プログラムされたシーケンスに従って自動的に制御)する制御手段である。 【0014】図5は炊飯容器1を移動台4に載せた状態を示す外観図を示し、図4における移動台4の4カ所にはベアリング5が装着されており、該ベアリング5は加熱炉3のガイドレール6に沿って移動する。このことで炊飯容器1は移動台4に載って加熱炉3内を移動することができる。加熱炉3内には上アンテナ7と下アンテナ8が設けられ、これらよりマイクロ波が照射されるものである。 【0015】そして、炊飯工場においては、米の計量、洗米、炊飯容器1への移送、計量給水、炊飯容器1の蓋2閉め、炊飯容器1の移動台4への設置、マイクロ波照射による加熱制御及び移動台4の移動等の一連の炊飯作業はロボットにより自動的に行われる。 【0016】次に上記のように構成してなる炊飯器の第1の動作について図6のフローチャートとともに説明する。この場合、図6に示すように第1の動作は炊飯開始のステップS1から炊飯終了のステップS11の過程で行うものである。 【0017】まず、計量した米(生米)を洗米し、約1時間水に浸漬させた後、水切りを行い、図2に示す炊飯容器1に移し(収容し)、所定重量になるまで給水または給湯を行い、蓋2を閉めてマイクロ波を照射するための加熱炉3内に入れ、加熱制御を行う。加熱は沸騰するまで強加熱を行い、その後98℃以上の温度が10分以上継続できるようなマイクロ波出力制御を行う。この出力制御の間に余分な水分を蒸発させることで、おいしいご飯を炊飯するものである。 【0018】上記の給湯による炊飯は給水の場合より沸騰に至る迄の時間が早くなるので炊飯時間が短縮できるものである。温水はボイラー等で沸かして供給する。 【0019】次に上記のように構成してなる炊飯器の第2の動作について図7のフローチャートとともに説明する。この場合、図7に示すように第2の動作は炊飯開始のステップS21から炊飯終了のステップS33の過程で行うものである。 【0020】まず、計量した米を洗米し、約1時間水に浸漬させた後、水切りを行い、図2に示す炊飯容器1に移し、蓋2を閉めて加熱炉3に入れ、マイクロ波を照射する。すると米は温度上昇し、膨潤するので、米の表面には細かな亀裂が多数発生する。このように状態において、所定重量の温水を給湯すると、湯は亀裂部から急速に米に吸水される。従って米の吸水時間が短縮できる。以後マイクロ波の加熱制御を行う。加熱は沸騰するまで強加熱を行い、その後98℃以上の温度が10分以上継続できるようなマイクロ波出力制御を行う。この出力制御の間に余分な水分を蒸発させることで、おいしいご飯を炊飯するものである。 【0021】上記の場合、生米の水分率は米の保管状況等により12から16%の違いがある。一方おいしく炊き上げた米飯の水分率は好みにもよるが62から64%である。従って新米のように水分率の多い米は少なめの水で炊飯しなければならないが、給湯する重量を決める際、新米の重量に一定率を乗じた量を給湯したのでは、より多めの水を供給してしまうことになる。従って米の水分率を計測した後に1式のようにして給湯量を求めて炊飯することにより、米の水分率に関係無くおいしく炊飯することができる。 【0022】生米の水分率をA、炊飯する生米の量をB[g]、理想とする米飯の水分率をCとして、給湯した水分が全て米に吸収されると仮定すると必要な給湯量D[g]はC=(A×B+D)/(B+D)よりD=B×(C−A)/(1−C)となるが、実際上はこれに蒸発する水分を米1g当たりE[g]となる。 【0023】 F=B×((C−A)/(1−C)+E)……1式マイクロ波で炊飯する場合、マイクロ波の吸収による蒸発を利用するものであるから、湯の対流による熱の移動は必要でない。従って、Eの量は僅かでよく、実験では0.08でおいしく炊飯できた。 【0024】因に生米の水分率Aを0.14、米飯の水分率Cを0.63とする場合、給湯量F[g]は1式よりF=B×((0.63−0.14)/(1−0.63)+0.08))=1.404×Bとなる。 【0025】 【発明の効果】本発明の炊飯器は上記のような構成であるから、請求項1若しくは請求項2記載の発明は、マイクロ波で炊飯することで、従来の弁当業者における大量炊飯で惹起される種々の問題を解決できる。また、マイクロ波で炊飯する場合、一般の電気炊飯器やガス炊飯器のように湯の対流による熱の移動は必要でなく、マイクロ波の吸収による発熱を利用するものであるから余分な水量が少なくて済む、従って炊飯時間を短くすることができる。 【0026】また、請求項3記載の発明は、沸騰後の10分間以上をマイクロ波の出力制御を行う加熱制御を行うことで高温期(98℃以上)を維持するので十分なアルファ化が行え、おいしく炊飯できる。しかも、十分吸水させた米に給水ではなく給湯することで、沸騰するまでの時間を短縮することができる。 【0027】そして、請求項4記載の発明は、一定時間吸水させた米を水切り後、マイクロ波を照射することで米は温度上昇し、膨潤するので、米の表面には細かな亀裂が多数発生し、このような状態において給湯するので、湯は亀裂から急速に米に吸水されるので米の吸水時間が短縮できる。 【0028】そしてまた、請求項5記載の発明は、米の水分率を計測した後に1式のようにして給湯量を求めて炊飯することにより、米の水分率に関係なくおいしく炊飯することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005049 【氏名又は名称】シャープ株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】梅田 勝
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| 【公開番号】 |
特開平11−9441 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−168555 |
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