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【発明の名称】 カーテン吊り具
【発明者】 【氏名】小島 勝成

【要約】 【課題】本体とフック体とのラチェット式係合が確実で、フック体の移動が軽く行なえ、成型が比較的容易で、強靭なカーテン吊り具を提供すること。

【解決手段】本体2の主杆4の左右両側面に、縦方向一対のラチェット歯列6を設ける。フック体3には、本体2の主杆4を上下に摺動自在に係合する抱持部9を有する。抱持部9の左右両側壁12の内側に、ラチェット歯列6に対応する左右一対の薄板状ラチェット爪11を設ける。各ラチェット爪11は、側壁12に一体に連続し、上方に向かって内側に傾斜するように形成する。抱持部9の両側壁12には、内外に貫通する開口16を設ける。ラチェット爪11は、外側に張り出ていないから、全体が小型であり、体裁が良く、他のものに引っかからない。成型用の型が抱持部9の開口16から抜けるので、比較的単純な構造になる。抱持部9は四角の枠状で、開口16の存在に拘わらず十分な強度を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】カーテンに取付けられる弾性合成樹脂製の本体と、この本体に対してラチェット式に下方へ移動自在に係合し、吊り環に掛け止め可能な弾性合成樹脂製のフック体とから成るものにおいて、前記本体の左右両側面には、縦方向に一対のラチェット歯列を備え、前記フック体は、前記本体を上下に摺動自在に抱持する抱持部と、吊り環に掛け止めるフックとを備え、前記抱持部の内側には、左右両側壁の内側下部から内側に傾斜しながら上方に向かって延出する薄板状ラチェット爪を具備し、前記抱持部の左右両側壁には、前記ラチェット爪を露出させるための開口が設けられていることを特徴とするカーテン吊り具。
【請求項2】前記本体は、カーテンへ挿入して取付けるための挿入杆を備えていることを特徴とする請求項1に記載のカーテン吊り具。
【請求項3】前記本体は、カーテンへ縫い付けて取付けるための薄板部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のカーテン吊り具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、カーテンをランナの吊り環へ吊り止めるためのカーテン吊り具の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カーテンの吊り位置を上下に変更することができるカーテンの吊り具として、例えば実開平2−26583号公報に記載されたものがある。このカーテン吊り具は弾性合成樹脂製で、カーテンに取り付けられる本体と、本体に対してラチェット式に下方へ移動自在に係合するフック体とから成る。本体の左右両側にはラチェット歯が縦方向に列設されている。フック体は本体を上下に摺動自在に係合して抱持する抱持部と、吊り環に掛け止めるフックとを備えている。フック体の抱持部の両側壁の内側から内側に傾斜しつつ上方に向かって延出してラチェット歯に係合する一対の薄板状ラチェット爪が設けられている。一方、実開平6−250号公報には、本体の前面側に縦方向のラチェット歯列が設られ、このラチェット歯に対応してフック体の抱持部の内側に一体的に薄板状ラチェット爪が設けられたカーテン吊り具が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記カーテン吊り具のうち前者のものにあっては、フック体の抱持部の内側にラチェット爪が突出しているので、型の構造が複雑になり成型が比較的し難くいという問題がある。後者のものにあっては、カーテンを開閉するときに下方へ引き下げる力が集中的にかかるので、ときとしてフック体のゆがみと共にラチェット爪が撓んでラチェット式係合が外れ、カーテンが脱落してしまうことがある。これに対して、ラチェット爪を強固にすると、相対的に柔軟性がなくなるために、フック体の移動のために大きな力が必要となり実用的でない。従って、本発明は、ラチェット式係合が確実で本体からフック体が脱落することがなく、しかもフック体の下方への移動は極めて軽く行なうことができ、さらに成型が比較的容易で安価に得られる、小型で強靭なカーテン吊り具を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記課題を解決するため、カーテン20に取付けられる弾性合成樹脂製の本体2と、この本体2に対してラチェット式に下方へ移動自在に係合する弾性合成樹脂製のフック体3とから成るカーテン吊り具において、本体2の左右両側面12には、縦方向に一対のラチェット歯列6を設け、フック体3には、本体2を上下に摺動自在に抱持する抱持部9と、吊り環に掛け止めるフック10とを具備させ、本体2の左右一対のラチェット歯列6に係合するように、抱持部9の左右内側に、これと一体的に相対向した一対の薄板状ラチェット爪11を設け、また抱持部9の内側には、両側壁の内側下部から内側傾斜で上方に向かって延出する薄板状ラチェット爪11を設け、さらに抱持部9の両側壁には、ラチェット爪11を露出させるための開口16を設けた。ラチェット爪11が、ラチェット歯列6に係合してフック体3は本体2から容易に外れない。ラチェット爪11は、フック体3の抱持部9の外側に張り出していないから、全体が小型であり、体裁が良く、他のものに引っかかって破損することもない。ラチェット爪11は、薄板状で比較的柔軟であるから、フック体3の移動時にラチェット歯6に従って柔軟に撓み、従って移動を比較的軽く行なうことができる。抱持部9の開口16を介して成型用の型が左右両側へ抜けるので、型が比較的単純な構造になる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1乃至図6に示す。図1乃至図6において、カーテン吊り具1は、カーテン20に取付けられる弾性合成樹脂製の本体2と、この本体2に対してラチェット式に下方へ移動自在に係合する弾性合成樹脂製のフック体3とから成る。
【0006】本体2は、略並行して縦方向に伸びる主杆4と挿入杆5とから成り、両者は下端部において連続している。主杆4の左右両側面には、縦方向一対のラチェット歯列6を備えている。また、主杆4は、挿入杆5の方向へ略水平に突出した突き刺し片7を上部後方に備えている。突き刺し片7は、装着時にカーテン20へ突き刺して上部を固定するためのものである。挿入杆5は、突き刺し片7を受け入れるための凹所8を上部に備えている。
【0007】フック体3は、本体2の主杆4を上下に摺動自在に抱持する抱持部9と、図示しないランナの吊り環に掛け止めるためのフック10とを具備している。抱持部9の左右両側壁12の内側には、本体2のラチェット歯列6,6に対応して、左右一対の薄板状ラチェット爪11,11を備えている。各ラチェット爪11は、下端において側壁12に一体に連続し、上方に向かって内側に傾斜して伸びている。抱持部9の左右両側壁12は、前壁13の左右両端から直角に後方へ延出しており、その後端縁の内側には、相対向して突出する係合突起14を有する。係合突起14は本体2の係合溝15に上下に摺動自在に係合する。側壁12は、内外に貫通する矩形の開口16を備えている。
【0008】フック10は、抱持部9の前方側壁13の上端中央から上方へ真っ直ぐに延びる立上り部17を有する。この立上り部17の背面には本体側に張り出して縦方向に長い舌片18が設けられている。この舌片18は本体2に縦方向に設けられた割溝19に上下に摺動自在に受け入れられる。
【0009】このカーテン吊り具1は、本体2に対してフック体3を移動させて所定位置に配置し、カーテン20の吊り高さを調整する。即ち、本体2に対してフック体3を下方へ引き下げると、ラチェット爪11が弾性的に撓んで順次下方のラチェット歯6に係合していく。ラチェット爪11は、薄板状で比較的柔軟であるから、フック体3の移動時にラチェット歯6に従って柔軟に撓み、従って移動は比較的軽く行える。2つのラチェット爪11が、本体2の左右二つのラチェット歯列6に係合するから、この係合は強固である。従って、カーテンを開閉するときに下方へ引き下げる力が集中的にかかってフック体3が多少ゆがんでも、ラチェット爪11が容易に撓んでしまわず、ラチェット式係合が外れることがない。ラチェット爪11は、フック体3の抱持部9の内側に設けられており、外側に張り出していないから、全体が小型であり、体裁が良い。ラチェット爪11は、比較的薄い板状のものであるが、フック体3の外側に突出していないから、これが他のものに引っかかって破損することがない。抱持部9の左右両側壁12の開口16を介して成型用の型が左右両側へ抜けるので、比較的単純な構造になり、安価に得られる。抱持部9の側壁12,13は四角の枠状であるから、開口16の存在に拘わらず十分な強度を保持し、カーテンの重量を支持しながら開閉操作に伴う外力を受けても、折損したり、本体2から離脱することがない。本体2の割溝19にフック10の舌片18が嵌合するので、フック10の立上り部17が補強され、左右に振られる力を受けても容易に左右に曲がることがないし、折損しにくく、吊り輪から離脱するおそれもない。
【0010】しかして、このカーテン吊り具1は、カーテン20のひだ部21に挿入杆5を挿入してカーテン20に取付ける。挿入杆5を挿入する際には、挿入杆5と主杆4との間を開いて突き刺し片7が邪魔にならないようにする。挿入杆5を挿入したら、突き刺し片7をカーテン20に突き刺して上部を固定する。こうすればカーテン吊り具1の上部が左右に揺動したりカーテン20から抜け出たりすることがない。
【0011】なお、挿入杆5に代えて、カーテン20へ縫い付けるための薄板状の縫い付け板を設けることもできる。縫い付け板は、本体2の後部から後方へ一体に延出させる。この場合にもカーテンへの取付け方が異なるのみで、上記と同様の作用を行う。
【0012】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、カーテン20に取付けられる弾性合成樹脂製の本体2と、この本体2に対してラチェット式に下方へ移動自在に係合する弾性合成樹脂製のフック体3とから成るカーテン吊り具において、本体2の左右両側面には、縦方向一対のラチェット歯列6を設け、フック体3には、本体2を上下に摺動自在に抱持する抱持部9を設けると共に、本体2の左右一対のラチェット歯6に係合するように、抱持部9の左右内側に、これと一体的に対向一対の薄板状ラチェット爪11を設け、抱持部9の内側には、両側壁12の内側下部から内側傾斜で上方に向かって延出する薄板状ラチェット爪11を設け、さらに抱持部9の両側壁12には、ラチェット爪11を露出させるための開口16を設けたため、ラチェット爪11が外側に広がることがないので、この係合が外れることはない。ラチェット爪11は、フック体3の抱持部9の内側に設けられており、外側に張り出していないから、全体が小型であり、体裁が良い。ラチェット爪11が抱持部9の内側に設けられているにも拘わらず、成型用の型がフック体3の左右に抜けるので型の構造が比較的簡単になり、安価に得られる。また、ラチェット爪11は、薄板状で比較的柔軟であるから、フック体3の移動時にラチェット歯6に従って柔軟に撓み、従って移動を比較的軽く行なうことができる。ラチェット爪11が比較的柔軟であるにもかかわらず、フック体3の外側に露出していないから、これが他のものに引っかかって破損することがなく堅牢である等の効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】394025647
【氏名又は名称】装研株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 忠
【公開番号】 特開平11−332732
【公開日】 平成11年(1999)12月7日
【出願番号】 特願平10−148856