| 【発明の名称】 |
間仕切り用カーテン |
| 【発明者】 |
【氏名】川藤 直人
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| 【要約】 |
【課題】病室等への設置状態において、天井のスプリンクラーからの広域広角の散水能力を妨げないものとし、防火安全性を向上する。
【解決手段】吊下具を取付ける上端の細帯状の上へり部2と、水沫透過性のメッシュ部3と、プレーン地による遮蔽部4とを備えた間仕切り用カーテン1において、天井に吊下げ設置した状態時において上記上へり部2が、天井面から75mm以内の高さ領域範囲内に配置され、メッシュ部3の上端を上記高さ領域内に位置せしめたものとする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吊下具取付用の腰の強いプレーン地部分からなる細幅帯状の上へり部と、その下端から連続して所定の高さ領域範囲を占める水沫透過性のメッシュ部と、更にその下端から連続したプレーン地からなる視線遮蔽部とを有する間仕切り用カーテンにおいて、病室等の天井に吊下した設置状態において、上記上へり部が天井面から75mm以内の制限された高さ領域内に配置され、同75mm以内の高さ位置にメッシュ部の上端が位置されるものとなされていることを特徴とする間仕切り用カーテン。 【請求項2】 帯状上へり部の高さ方向の幅が、25〜40mmに設定されてなる請求項1に記載の間仕切り用カーテン。 【請求項3】 メッシュ部の高さ方向の幅が450〜800mmに設定されてなる請求項1または2に記載の間仕切り用カーテン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は間仕切り用カーテン、特に病院等の病室や診療室等の間仕切り用として、天井から吊下げて使用されるカーテンに関する。 【0002】 【従来の技術】この種の間仕切り用カーテンは、通気性、採光性の確保のために、上部の所定領域部分が目の粗い網状のメッシュ部に構成され、それより下方の領域部分がプレーンな生地部分による目隠し用の遮蔽部分に構成されるているものが一般的である。 【0003】一方、上記メッシュ部は、殊に天井から吊下げられるカーテンの場合、消防上の要請から、天井に取付けられた消火用のスプリンクラーヘッドからの広角散水機能を阻害しないものであることが求められる。 【0004】ちなみに、消防法施行規則上、病院の病室等にあっては、スプリンクラーヘッドのデフレクターから下方45cm、かつ水平方向30cm以内には、何も設けてはならないこととされており、間仕切り用カーテンの設置も、この基本制限を満たした上で、更に、スプリンクラーヘッドから40cm、及び100cm離れた位置に設けた場合において、所定の広域広角散水能力を確保しうるものとすべきことが要請されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来一般に市販されているこの種のメッシュ部付き間仕切り用カーテンにあっては、必ずしも上記の散水性能保証の点で十分な満足度が得られているものではなかった。即ち、本発明者らの試験結果によれば、多くの市販品では、殊にスプリンクラーヘッドから40cmはなれた近接位置において天井から吊下げ設置した場合において、スプリンクラーヘッドからの散水飛沫がカーテンによって遮られ、遠方領域への十分な散水量の確保が困難になっていることを知見し得た。 【0006】このような問題点に対し、散水飛沫の遠方飛散が妨げられる主たる要因として、一般的には、メッシュ部の網目の大きさ、即ち、メッシュ部の開口率が不十分なために飛沫透過性能が悪いことによるものと考えられてきたところである。このような認識から本発明者らも、メッシュ部の大きさを一層拡大することによって上記問題点の解決をはかるべく種々試みたが、ほとんど改善効果を得ることができなかった。 【0007】本発明者らは、上記のような技術的背景のもとに、更に多くの実験と研究を繰返したところ、天井吊下げ式のカーテンにおいては、メッシュ部の天井からの高さ位置の選定によって、スプリンクラーヘッドからの散水飛沫の飛散範囲が大きく影響されることになる事実があることを見出し、このような独自の知見を基礎として本発明を完成するに至ったものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】而して、本発明は、吊下具取付用の腰の強いプレーン地部分からなる細幅帯状の上へり部と、その下端から連続して所定の高さ領域範囲を占める水沫透過性のメッシュ部と、更にその下端から連続したプレーン地からなる視線遮蔽部とを有する間仕切り用カーテンにおいて、病室等の天井に吊下した設置状態において、上記上へり部が天井面から75mm以内の制限された高さ領域内に配置され、同75mm以内の高さ位置にメッシュ部の上端が位置されるものとなされていることを特徴とする間仕切り用カーテンとすることによって所期目的を達成するものである。好ましくは、上記高さ位置は60〜70mm以内に設定すべきである。 【0009】従来のこの種の天井吊下げ式の間仕切り用カーテンは、上端の吊下具取付け用の帯状上へり部の高さ方向における幅が60〜150mmのものであった。一方、天井面に付設されるカーテンレール、ランナー及びフック等の吊下具からなる吊下げ装置の占める高さは一般的に30〜50mmである。このため、該吊下げ装置を介して天井からカーテンを吊下げた場合、上記従来品では帯状上へり部に続くメッシュ部の上端が一般的には天井から90〜200mmの高さ位置に位置されることになる。 【0010】これに対し、本発明においては、メッシュ部の上端が天井面から75mm以内の高さ領域内に配置されるため、天井に付設したスプリンクラーヘッドからの散水飛沫がプレーンな帯状上へり部によって阻害されることが少なく、そのほとんどがメッシュ部を透過して遠方まで飛散される。 【0011】本発明によるカーテンにおいて、帯状上へり部の高さ方向の幅を25〜40mmの範囲に設定することは、これにより、上記吊下げ装置の一般的な高さの範囲において、ほとんどの場合メッシュ部の上端を天井面から75mm以内の高さ位置に確実に設定することが可能になる点で有利である。25mm未満では、カーテンの支持力が不足し、吊下げ状態においてカーテンの上縁が上下に大きく波打ち状態になるおそれが生じるため好ましくない。一方、40mmを超える高さ方向幅に設定するときは、既存の吊下げ装置の高さが高いものである場合に、吊下げ状態においてメッシュ部の上端が天井面から下方75mmを超える高さ位置となることが起こり得るため、汎用性の点で好適性を欠く。 【0012】メッシュ部の高さ方向の幅は、450〜800mmの範囲とするのが好適である。450mm未満では散水性能を阻害するおそれがあるのみならず、通気性、天井照明からの採光性が不十分になるおそれが生じる。一方、800mmを超えるものとすることは、散水性、通気性、採光性のいずれの面からも不必要である反面、外部視界を遮る間仕切り本来の遮蔽性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。好適なメッシュ部の高さ方向幅は、概ね550〜700mm程度である。 【0013】 【発明の実施の形態】図1及び図2に示すこの発明の好ましい実施の形態において、間仕切り用カーテン(1)は、経編地によって全体がカーテンの幅方向に一体に編成されたものであり、上端に吊下具(8)取付け用の細幅帯状の上へり部(2)を有し、その下端に連続してメッシュ部(3)を有し、更にその下端に連続してプレーンな編地部分からなる視線遮蔽部(4)を有する。カーテン全体の長さ(高さ)は、天井(R)から吊下げた場合に、下端が床面(F)に近接して位置する230〜260cm程度に設定されるのが普通である。 【0014】上記細幅帯状の上へり部(2)は、所定幅に編成されたプレーン組織による編耳部に帯状の芯材を縫い付け、要すれば幅方向に2つ折りに折曲げ縫製してやや腰の強い部分に仕立てられた部分であり、カーテンの吊下げ荷重を支持してカーテン展張時の平面性の保持の役目を担うものである。この上へり部(2)には、吊下フック等の吊下具(8)が適宜間隔で取付けられる。 【0015】この発明において、上記上へり部(2)の高さ方向の幅(W1)の設定は重要な構成要素であり、該幅(W1)が25〜40mmに設定される。好ましくは27〜30mmの範囲に設定される。その理由は前述したとおりである。 【0016】メッシュ部(3)は、格子状の網目組織に編成されたものであり、その網目の大きさは従来品に準じて例えば10〜20mm角、一般的には13〜17mm角程度に設定される。一方、このメッシュ部(3)の高さ方向の幅(W2)は、450〜800mmに設定される。この幅寸法の臨界的意義は前述したとおりである。 【0017】遮蔽部(4)は、間仕切りとしての視線の遮蔽の役目を受けもつものであり、プレーンな編地組織によって形成されるものである。 【0018】上記のカーテン(1)は、病室等において、例えば隣接するベッド間の位置に天井(R)から吊下げて使用されるものである。即ち、天井(R)面に付設されたカーテンレール(6)と、これに組込まれたカーテンランナー(7)と、カーテン(1)の上へり部(2)に取付けられた吊下具(8)とからなる吊下げ装置(5)により、天井から吊下げて使用に供される。吊下具(8)はランナー(7)に着脱自在に係止され、洗濯等のためにカーテン(1)の取外しを可能とするものであることはいうまでもない。 【0019】ところで、上記吊下げ設置状態時において、本発明に係るカーテン(1)は、図2に示すように上端の細帯状の上へり部(2)が、天井(R)面から75mm以内の高さ領域(H)内に配置されるものとなされ、これによって同75mm以内の高さ位置にメッシュ部(3)の上端が位置されるものとなされている。好ましくは、60〜70mm以内の高さ領域内に上へり部(2)が配置されるものとなされる。 【0020】具体的な好ましい一例において、吊下げ装置(5)の天井面からの高さ(h1)は40mmであり、細幅帯状の上へり部(2)の高さ方向幅(W1)は30mmであり、従って、メッシュ部(3)は上端が天井(R)面から70mmの高さ位置に位置するものとなされる。このように発明においては、メッシュ部(3)の上端の高さ位置の限界を天井面から75mm以内に設定するものである。 【0021】そしてこれにより、天井(R)面に付設されたスプリンクラーヘッド(10)からの散水飛沫の飛翔を、近接位置に設置されたカーテン(1)の上へり部(2)によって遮ることなく、メッシュ部(3)を透過して確実に遠方まで及ぼしめることを可能にする。図2の矢印(P)は、スプリンクラーヘッド(10)からの散水飛沫の最も天井に近い位置で飛翔線を示すものである。 【0022】 【発明の効果】この発明に係るカーテンによれば、病院の病室等の間仕切り用として天井から吊下げて設置した場合、消防法施行規則に準拠した設置位置の選択の範囲において、天井面に付設されたスプリンクラーヘッドからの広域広角散水機能をほとんど阻害することがなく、高い防火安全性を保持しうるものとなすことができる。 【0023】また、請求項2に係る発明においては、上へり部の幅が25〜40mmの範囲に設定されていることにより、天井付けの吊下げ装置の高さの変化に拘らず、吊下げ状態において確実にメッシュ部の上端を天井面から75mm以内の高さ位置に設定することが可能となり、請求項1に係る発明の実施の容易性を向上しうる。 【0024】また、請求項3に係る発明においては、メッシュ部の高さ方向幅が450〜800mmに設定されていることにより、上記広域広角散水性能を一層確実に保証しうるものとなしうると共に、採光性、通気性、更には本来の目隠し機能を好適状態に実現しうるものとなしうる。 【0025】 【対比散水試験例】本発明に係るカーテンの散水非阻害特性を確認するために行った対比散水試験結果について以下説明する。 【0026】供試材として、帯状上へり部(2)の高さ方向幅(W1)を表1に示すように相互に異にした3種類のカーテン(I)(II)(III )を用意した、これらのカーテンの他の諸元は下記のとおり相互に同一のものとした。 【0027】 長さ(L):260cm幅(W):400cmメッシュ部幅(W2):65cmメッシュ部網目:15×15mm角【表1】
【0028】上記の各供試材カーテン(I)(II)(III )を、それぞれ平成7年9月自治省令第26号「閉鎖型スプリンクラーヘッドの技術上の規格を定める省令」に準拠する試験設備に取付けた。即ち、図3、4に示すように、天井(R)に取付けたスプリンクラーヘッド(9)の中心から水平方向に40cm離れた位置において、吊下装置を介して吊下げ設置した。いずれの供試材カーテンについても吊下装置は同一のものを用い、天井面からカーテン(I)(II)(III )の上へり部(2)の上端までの距離(h1)は同じく40mmに設定されるものとした。その結果、天井面から上記上へり部(2)の下端までの距離(H)は、前掲表1に示すとおり相互に異なるものに設定された。 【0029】一方、上記供試材カーテン(I)(II)(III )を吊下げ設置した状態のもとに、スプリンクラーヘッド(10)から120cm下方の床面上に、多数個の採水ます(9)を並べて設置した。この採水ます(9)は、各辺【数1】
の正方形のものを使用し、図3、4に示すようにスプリンクラーヘッド(10)の直下位置を中心として、これを基準にカーテン(1)と直交する方向及び45度方向にそれぞれ一列状に配置し、各列を図3に示すようにA列、B列、C列、D列、E列、F列に定めると共に、各採水ます番号を中心のものを0とし、順次1〜10に定めた。尚、カーテンは、採水ます(9)の部分で切り取り、残りの部分は床面上にため置くものとした。 【0030】以上の準備後、スプリンクラーを起動し、放水圧力1kgf/cm2 の設定で各2分間づつ3回の散水試験を行った。 【0031】そして、A列、B列及びC列の各採水ます(9)に採取された水量を測定し、3回の試験の平均値から1分間当りの採水量を換算して求め、その結果を下記の表2、3、4に示した。 【0032】一方、消防法施行規則第14条で定めるスプリンクラー散水分布試験における各集水ますの採水量規定値と比較し、各供試材カーテン(I)(II)(III )の合否判定を行い、規定値に適合するものを○印、非適合のものを×印として、表2、3、4に併記した。 【0033】 【表2】
【0034】 【表3】
【0035】 【表4】
【0036】上記表2に示すように、本発明に係る間仕切りカーテン(I)にあっては、カーテンを透過した遠方の位置まで広域広角に、規定値を余裕をもって超える散水量を確保することができ、消防法上の要請を十分に満足し得るものである。 【0037】これに対し、従来品相当の比較供試材カーテン(II)(III )にあっては、表3、4に示すように、カーテンによる散水阻害が認められ、規定値を満足しない部分を生じ、消防法上の要請を必ずしも充足し得ないものであった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390014487 【氏名又は名称】住江織物株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月31日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】清水 久義 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−276340 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月12日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−87191 |
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