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【発明の名称】 緊急避難用カーテン
【発明者】 【氏名】キム ヨンウク

【要約】 【課題】通常はカーテンとして機能しつつ、緊急避難時には体重を支えつつ、婦女子、子供等にも安全に脱出できる器具を開発する。

【解決手段】本発明緊急避難用カーテンは、細長の2本のカーテン布地1a,1bを一組とし、該2本のカーテン布地間の一部を重ね合わせ、その重ね合わせ部1cに一定間隔を保って縫合部2を形成し、該カーテン布地を折り返しつつ仮止め状態として四方形を形成すると共に上部にレールに吊り下げる吊下孔4を穿設し、該カーテン布地の一端を壁面等に配設する固定金具10に係着させて成る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 細長の2本のカーテン布地を一組とし、該2本のカーテン布地間の一部を重ね合わせ、その重ね合わせ部に一定間隔を保って縫合部を形成し、該カーテン布地を折り返しつつ仮止め状態として四方形を形成すると共に上部にレールに吊り下げる吊下孔を穿設し、該カーテン布地の一端を壁面等に配設する固定金具に係着させたことを特徴とする緊急避難用カーテン。
【請求項2】 縫合部を、クロス糸が交差する縫合とした請求項1記載の緊急避難用カーテン。
【請求項3】 固定金具が、四隅をアンカーボルト等で壁等に取り付け可能な取付板を配し、該取付板に一組のカーテン布地が係着可能な幅を保って一方をナット孔とした受け片を配し、そこに先端にボルトネジを刻設した固定棒を螺着させて成る請求項1,2記載の緊急避難用カーテン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通常は部屋のカーテンとして機能しつつ、火災等の緊急時には2階以上の部屋から吊り下げて脱出具とすることのできるカーテンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来高層ホテルや、ビル等で火災があった場合には、ベットのシーツを細長紐状に切り裂いて結ぶ合わせ、それを階下に投げ降ろしてロープ替りにして避難する方法が知られているが、しかし、緊急時にシーツを引き裂く等の作業はなかなか困難であるから、この解決策として、例えば、カーテン布地にロープを一体に組み込んだカーテンが提案されている(実開昭60−160786号)。
【0003】しかし、斯かるカーテンにあっては、ロープに手足を絡ませて降りることとなり、力の弱い婦女子や、老人、又体重の重い人等には負担が大きく、途中で滑ったり、体重を支え切れない等の問題が生じる。又、ロープの端部を窓枠、柵等に結び付けねばならず、どこに結び付けるかを判断し、且つ、それを確実に固定することは、緊急時にはなかなか困難な作業となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に基づいてなされたもので、通常はカーテンとして機能しつつ、緊急避難時には体重を支えつつ、婦女子、子供等にも安全に脱出できる器具を開発しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明緊急避難用カーテンは、細長の2本のカーテン布地を一組とし、該2本のカーテン布地間の一部を重ね合わせ、その重ね合わせ部に一定間隔を保って縫合部を形成し、該カーテン布地を折り返しつつ仮止め状態として四方形を形成すると共に上部にレールに吊り下げる吊下孔を穿設し、該カーテン布地の一端を壁面等に配設する固定金具に係着させて成る。縫合部は、クロス糸が交差する縫合とするのが好ましい。又、固定金具は、四隅をアンカーボルト等で壁等に取り付け可能な取付板を配し、該取付板に一組のカーテン布地が係着可能な幅を保って一方をナット孔とした受け片を配し、そこに先端にボルトネジを刻設した固定棒を螺着させて成るのが好ましい。
【0006】
【作用】緊急時に、留め具を外してカーテンレールからカーテン布地を取り外し、布地の一部を掴んで引張ることでカーテン布地の仮止め状態を解除し、細長い紐状とする。窓を開けて、該細長状となったカーテン布地を投下すると、一端は固定金具に係着されているので、端部を結び付ける作業を要することなく、終端部が自動的に固定される。該カーテン布地をつたって階下に降りる際、該カーテン布地は極めて堅牢であるから人の体重に充分耐えることができ、且つ、一組のカーテン布地には、縫合部が適当間隔を保って形成されているから、二つの布地を手で握りつつ下の縫合部に足を掛けて、自分の体重等を手だけでなく、足で支えつつ安全確実に降りることができる。
【0007】
【発明の実施の態様】本発明の対象とするカーテンの布地は、図2に示す如く、約5〜10cm程度の幅を有する細長い布地で、帯地のように密度を高く織り込み、その材質は、人間の体重がかかっても引き千切れない堅牢な布とし、必要に応じてステンレンの金属糸を織り込む等して補強し、又、難燃性素材とするのが好ましい。
【0008】該適当幅をもった細長い布地を2本用意し、該布地1a,1b2本を一組として捉え、約40cm程度の間隔を保って、カーテン布1a,1b側端部の一部に重ね合せ部1cを形成し、そこに約40cm程度の間隔を保って縫合部2を形成する。該縫合部2は、例えば、図4に示す如く、上側の布の左から右へ平行に並縫い2aし、そこから下側に斜め方向に渡してクロス糸2bとし、次は下側の布を潜って左から右へ平行に並縫い2cし、上側布に斜方向に渡してクロス糸2dとし、該クロス糸2b,2d相互が側面上交差する状態とし、これを順次10〜15回程度繰り返す。該縫合部2の狙いは、2本の布地間に適当間隔を保って手足を掛けることのできる一種の梯構造を形成することであり、又、端部の一部を重ねあわせて、布相互に切れ目があっても光が遮光できる構造とすると共に、互いが波打つとき、一方の布が反転するとクロス糸が開脚状となり、カーテンの布地として動きが自由で風合いが保てる構造とする為である。
【0009】該2本一組としたカーテン布地1a,1bを、図1の如くカーテンとして四方形を形成するには、先ず下端部では、図3に示す如く、垂下したち一組の布地1a,1bを一旦45度の角度に折って直角方向に曲げ、更に45度に折りかえして、丁度反対側に並行させて折り返す。一方、上側は該下端部と同様に45度の角度に折り返して並行させるが、該直角に尖った先端を揃えるため、約10cm程度の長さで下側に折り返して上端縁を平坦な直線とする(図1参照)。そして、上記カーテンとしての四方形を形成した布は、その形態を保つため、一組とした布地1a,1bの隣り合う布地間を仮止め状態とし、即ち、緊急時にはその結合を即座に解除できる状態の、例えば、ホック止3とするか、或いは弱い糸で仮り縫い状態等とする。又、左右の端部は、緊急時に布を投下する際に一端を固定するため後述の固定金具10に係着し、他方は自由端とし、必要に応じて後述の連結金具13を係着させる連結孔5,5を穿設する。更に、上記上部辺縁部には後述のレールの吊り具との係合を図るための吊下孔4を穿設し、例えばハトメで縁取りする。
【0010】次に、上記カーテン布1a,1bをレールSに吊り下げるためには、図7の如く、先ず、上記吊下孔4にリング6bを係着し、該リング6bとスライド自在な吊下具Mを係合させて、レールSにカーテン布1a,1bを取り付ける。更に、該レールSの端部には、通常は吊下具Mを止め置くが、緊急時には、該吊下具Mを取り外すための留め具6を係着し、該留め具6は、図7に示す如く、上下レールSに取付ける若干弾性をもたせた嵌合片6aを形成し、側面に離脱用の引紐6bを付設する。
【0011】又、図5に示す如く、四隅をアンカーボルト7a等で壁等に堅固に取り付け可能な取付板7を配し、該取付板7に一組のカーテン布地1a,1bが係着可能な幅を保って一方をナット孔とした受け片8a,8bを配し、そこに先端にボルトネジを刻設した固定棒9を螺着させて成る固定金具10を配設する。
【0012】更に、一組のカーテン布地1a,1bで形成される一つのカーテンと、もう一つのカーテン、例えば左側のカーテンと、右側のカーテンとを結び付ける為には、図6に示す如く、左右に引掛リング11a,11bを配し鎖12でつないだ連結金具13を形成し、これを窓枠のカーテン止めに掛けておく。
【0013】次に、本実施態様の作用を説明する。本発明カーテンは、2階以上のホテル、ビル、又は家庭等に設置するものとし、火災、地震等の緊急事態が発生した場合の避難用具として用いる。
【0014】その火災等が発生し避難用の階段等が封鎖されて退路が断たれた場合には、先ず、カーテンレールSの止め具6のを引き紐6bを引いて該止め具6を取り外し、カーテン布地1a,1bの一部を掴んで、吊下具MをレールSから取り外し、即ち、カーテン布地1a,1bをカーテンレールSから取り外す。
【0015】次いで、カーテン布地1a,1bを仮止め状態としておいたホック止3等を、布地の一部を掴んで引張ることで外し、仮止め状態を解除し、カーテン布地1a,1bの元の形態である細長状とする。ホック止3等の仮止め状態であるので、この解除作業は一瞬のうちに完了し、長さが約10〜25m程度の紐体が得られる。このとき、一つのカーテン布地では長さが不足すると判断した場合には、連結金具13を用い、カーテン布地1a,1bの終端に配した連結孔5,5に連結金具の引掛リング11a,11bを掛けて、二つのカーテン布地を連結させることができる。これは自分の部屋のカーテンばかりでなく、他の部屋のカーテンとの連結も可能である。
【0016】そして、窓を開けて、該細長状となったカーテン布地1a,1bを窓下に向けて投下すると、このときその一端は固定金具10の固定棒9に係着されているので、端部を結び付ける等の作業を一切要することなく、終端部が自動的に固定される。
【0017】そこで、該カーテン布地1a,1bをつたって、階下に降りるが、このとき該カーテン布地は極めて堅牢であるから人の体重に充分耐えることができ、且つ、一組のカーテン布地1a,1bには、縫合部2が適当間隔を保って形成されているから、二つの布地1a,1bを手で握りつつ下の縫合部2に足を掛けて、自分の体重等を手でなく、足で支えつつ徐々に降りていくことができる。即ち、一種の梯構造が実現されるので、手に力のない婦女子や、子供、老人等でも、縫合部2を足掛け部として、安全且つ確実に降りることが可能となる。そして、一人が階下又は地上に到達したら次々と繰り返し避難することができ、部屋に多数いた場合にも全員が脱出することができる。
【0018】該カーテンは通常は部屋のカーテンとして機能し、レールSに掛けられて開閉が自在であることは勿論、カーテン布地1a,1bには端部に重ね合わせ部1cがあり、又、ホック止3等するので光の遮断が完全となる。又、縫合部2には、クロス糸2b,2dが交差するので、風等で布地がひるがえる場合にも、図4(C)に示す如く、クロス糸2b,2dが開脚状となり、動きが自由となってカーテン布地としての風合いを保つことができる。
【0019】
【発明の効果】以上の構成及び作用に基づく本発明は、火災等の緊急時に、婦女子や子供、老人等の力の弱い人でも、安全で確実に避難できるという優れた効果を奏する。又、通常カーテンとして使用する場合にも、遮光性に優れると共に細長い布地の動きが自由でカーテンとしての風合いを保つ等の機能にも優れる有利な発明である。
【出願人】 【識別番号】397053960
【氏名又は名称】キム ヨンウク
【出願日】 平成9年(1997)10月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】平山 俊夫
【公開番号】 特開平11−113736
【公開日】 平成11年(1999)4月27日
【出願番号】 特願平9−286052