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【発明の名称】 レールキャップ
【発明者】 【氏名】植田 清

【氏名】西 延之

【要約】 【課題】ランナーを挿入及び抜取りする作業が簡単且つ容易に行え、且つ、抜止め及び定位置に保持することができるレールキャップを提供する。

【解決手段】レールキャップを構成する蓋部を弾性部に抗して開状態に可撓し、蓋部及びガイド突起に沿ってランナーをレール内部に挿入するので、任意個数のランナーを挿入又は抜取りする作業が簡単に行える。挿入直後又は抜取り直後、蓋部を閉状態に復元して、レール内部に挿入されたランナーを抜止めする。また、蓋部に形成した保持溝にランナーを係合して、レール端部にランナーを保持するので、幕体を片側開閉可能に吊設することができ、幕体の開閉方向を任意に設定及び変更することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】レール端部に固定され、該レールに係合されたランナーの脱落を防止するレールキャップであって、上記レール端部に固定されるキャップ本体に、該レールに係合されたランナーと対向して蓋部を形成し、上記蓋部を、上記レールに対してランナーの係合が許容される開状態と、該ランナーが抜止めされる閉状態とに開閉可能に設けると共に、上記蓋部を、上記ランナーが抜止めされる閉状態に付勢する付勢手段を設けたレールキャップ。
【請求項2】上記蓋部の遊端側に、上記ランナーを定位置に保持する保持部を形成した請求項1記載のレールキャップ。
【請求項3】上記蓋部の両縁部に、上記レールに対して係合される方向にランナーをガイドする突起を形成した請求項1又は2記載のレールキャップ。
【請求項4】上記キャップ本体の両側部に上記蓋部の両縁部と対向して壁部を形成し、該壁部と蓋部との対向面に互いに係合される凹部と凸部とを形成すると共に、上記凹部と凸部とを、上記蓋部が閉状態に回動規制される状態に係合した請求項1,2又は3記載のレールキャップ。
【請求項5】上記蓋部の遊端側に、上記レール端部に対して係止され、上記ランナーが抜止めされる閉状態に蓋部を規制する係止部を形成した請求項1,2,3又は4記載のレールキャップ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、自動車、列車、船舶、飛行機、建物を構成する窓部、壁部、天井部等の取付け部に架設されたレール上のランナーに、幕体、ネット、フック、飾り等の吊下げ物を吊設するときに用いられるレールキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例のような窓部に対して幕体を吊設する場合、例えば、図12に示すように、自動車内部に設けられた窓部上方の内装パネルに沿ってレール7を架設した後、そのレール7内部に係合又は挿入されたランナー8…に、幕体10の上端側縁部に取付けられたフック9…を係止し、レール7の右側端部に固定された抜止め部材16の係止部16aに、幕体10の右側縁部に取付けられたフック9を係止した後、幕体10の左側縁部を利用者の手で牽引して左方向に開閉操作する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように幕体10を開閉可能に吊設する場合、レール7の右側端部に固定された抜止め部材16に、幕体10の右側縁部に取付けられたフック9を係止し、その係止側端部を基準として、幕体10を左方向に対して開閉操作するが、幕体10を右方向に開閉する場合、レール7の左側端部に挿入されたランナー8からフック9を引抜いて、同側に固定された抜止め部材16に係止し、右側端部に固定された抜止め部材16からフック9を引抜いて、同側に挿入されたランナー8に係止するので、ランナー8及びフック9の吊り替え作業に手間が掛かるという問題点を有している。
【0004】また、ランナー8を挿入したり、抜取ったりする場合、レール7端部に差込み固定された抜止め部材16を一旦抜取らなければならない。且つ、レール7端部を開放した状態のままで挿入作業及び抜取り作業を行うため、ランナー8が抜け落ちやすく、そのランナー8が抜け落ちるのを指で阻止した状態で作業を行わなければならず、ランナー8の挿入作業及び抜取り作業に手間が掛かるという問題点を有している。
【0005】他の構造としては、例えば、レール7端部に差込み固定された保持部材(図示省略)にランナー8を係合する保持構造(実公平7−1167号公報)があるが、上述と同様に、ランナー8を挿入したり、抜取ったりする場合、レール7端部に固定された保持部材を一旦抜取らなければならず、ランナー8の挿入作業及び抜取り作業に手間が掛かるという問題点を有している。
【0006】この発明は上記問題に鑑み、キャップ本体に形成した蓋部を付勢手段に抗して開状態に回動し、ランナーを係合又は抜取った後、蓋部を付勢手段により閉状態に回動復帰させるので、任意個数のランナーを係合及び抜取りする作業が簡単且つ容易に行えと共に、抜止め及び定位置に保持することができるレールキャップの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、レール端部に固定され、該レールに係合されたランナーの脱落を防止するレールキャップであって、上記レール端部に固定されるキャップ本体に、該レールに係合されたランナーと対向して蓋部を形成し、上記蓋部を、上記レールに対してランナーの係合が許容される開状態と、該ランナーが抜止めされる閉状態とに開閉可能に設けると共に、上記蓋部を、上記ランナーが抜止めされる閉状態に付勢する付勢手段を設けたレールキャップであることを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の構成と併せて、上記蓋部の遊端側に、上記ランナーを定位置に保持する保持部を形成したレールキャップであることを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の構成と併せて、上記蓋部の両縁部に、上記レールに対して係合される方向にランナーをガイドする突起を形成したレールキャップであることを特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明は、上記請求項1,2又は3記載の構成と併せて、上記キャップ本体の両側部に上記蓋部の両縁部と対向して壁部を形成し、該壁部と蓋部との対向面に互いに係合される凹部と凸部とを形成すると共に、上記凹部と凸部とを、上記蓋部が閉状態に回動規制される状態に係合したレールキャップであることを特徴とする。
【0011】請求項5記載の発明は、上記請求項1,2,3又は4記載の構成と併せて、上記蓋部の遊端側に、上記レール端部に対して係止され、上記ランナーが抜止めされる閉状態に蓋部を規制する係止部を形成したレールキャップであることを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1記載のレールキャップは、レール端部に対してキャップ本体を固定した後、付勢手段に抗して蓋部を開状態に回動(例えば、ランナー、人の指、押圧具等で回動又は可撓)し、蓋部に沿ってランナーをレールに係合又は抜取る。係合直後又は抜取り直後、付勢手段により蓋部が閉状態に回動復帰され、レールに係合(挿入)されたランナーを抜止めするので、レール端部に対してキャップ本体を固定した状態のままで、任意個数のランナーを係合及び抜取りする作業が簡単且つ容易に行える。
【0013】請求項2記載のレールキャップは、上記請求項1記載の作用と併せて、蓋部に形成した保持部にランナーを係合して、ランナーに吊下げられた吊下げ物をレール端部に保持するので、その吊下げ物の吊下げ位置が変位するのを確実に防止することができ、定位置に保持されたランナーを基準として、例えば、カーテン等の幕体を左右開閉することができ、幕体の開閉方向を任意に設定及び変更することができる。
【0014】請求項3記載のレールキャップは、上記請求項1又は2記載の作用と併せて、蓋部を開状態に回動したとき、蓋部及び突起に沿って、レールに対して係合される方向にランナーを移動するので、ランナーを係合する作業及び抜取りする作業が容易に行え、作業性が向上する。
【0015】請求項4記載のレールキャップは、上記請求項1,2又は3記載の作用と併せて、キャップ本体の壁部と、蓋部との対向面に形成した凹部と凸部との係合により、蓋部が閉状態に回動規制され、蓋部の保持部に保持したランナー及びランナーに吊設した吊下げ物(例えば、カーテン等の幕体)の荷重がキャップ本体に付与され、蓋部の連結部分に付与される負荷が軽減されるため、蓋部が開放又は破損したり、ランナーが脱落したりするのを確実に防止することができる。
【0016】請求項5記載のレールキャップは、上記請求項1,2,3又は4記載の作用と併せて、蓋部を閉状態に回動復帰したとき、蓋部に形成した係止部がレール端部に係止されるので、蓋部の保持部に保持したランナー及びランナーに吊設した吊下げ物の荷重がレールに付与され、キャップ自体に付与される負荷が軽減されるため、キャップの一部が破損したり、ランナーが脱落したりするのを確実に防止することができ、重量の重い吊下げ物を吊設するのに必要な強度が得られる。
【0017】
【発明の効果】この発明によれば、レールキャップを構成する蓋部を付勢手段に抗して開状態に回動し、蓋部に沿ってランナーをレールに係合又は抜取るので、従来例のようにキャップ本体を抜取ったり、蓋部を開放したりする手間及び作業が省ける。係合直後又は抜取り直後、蓋部が閉状態に回動復帰され、レールに係合されたランナーを抜止めするので、レール端部に対してキャップ本体を固定した状態のままで、任意個数のランナーを係合及び抜取りすることができ、その作業が簡単且つ容易に行える。また、蓋部に形成した保持部にランナーを係合して、ランナーに吊下げられた吊下げ物をレール端部に保持するので、その吊下げ位置が変位するのを確実に防止することができる。定位置に保持されたランナーを基準として、例えば、カーテン等の幕体を左方向又は右方向に対して開閉可能に吊設することができ、幕体の開閉方向を任意に設定及び変更することができる。
【0018】しかも、蓋部を開状態に回動した後、蓋部及び突起に沿って、レールに対して係合される方向にランナーを移動するので、ランナーの係合作業及び抜取り作業が容易に行え、作業性が向上する。さらに、キャップ本体の壁部と、蓋部との対向面に形成した凹部と凸部とを係合して、蓋部を閉状態に回動規制するので、ランナー及び吊下げ物の荷重がキャップ本体に付与され、蓋部の連結部分に付与される負荷が軽減されるため、蓋部が開放又は破損したりするのを確実に防止することができる。
【0019】さらにまた、蓋部を閉状態に回動復帰したとき、蓋部に形成した係止部がレール端部に係止されるので、ランナー及び吊下げ物の荷重がレールに付与され、キャップ自体に付与される負荷が軽減されるため、キャップの一部が破損したり、ランナーが脱落したりするのを確実に防止することができ、重量の重い吊下げ物を吊設するのに必要な強度が得られる。
【0020】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。図面は吊下げ物の一例として、幕体(例えば、カーテン)を吊設するためのランナーを挿入及び抜取り、抜止め及び保持することのできる第1実施例のレールキャップを示し、図9に於いて、このレールキャップ1は、例えば、自動車内部に設けられた窓部上方の壁面(内装パネル)等の取付け部Aに対して後述するレール7の全長と対応する左右間隔に隔てて固定され、左右のレールキャップ1に対してレール7の両端部を差込み固定又は嵌込み固定する。或いは、レール7の両端部に対してレールキャップ1を差込み固定又は嵌込み固定した後、左右のレールキャップ1を取付け部Aに固定して、レール7を水平に架設する。
【0021】上述したレールキャップ1は、図1乃至図6に示すように、例えば、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂でキャップ本体2を形成している。キャップ本体2の前端側には、後述するレール7の縁部7b,7b間に対して差込み固定又は嵌込み固定するための固定部3を形成し、キャップ本体2の後端側には、ランナー8を抜止め及び保持するための蓋部4を可撓可能に形成している。キャップ本体2の後端側中央部には、例えば、ネジ、釘、ボルト、楔形アンカー等の固定部材6を挿通するための挿通孔2bを形成し、蓋部4の遊端側中央部には、ランナー8を保持するための保持溝5を形成している。
【0022】固定部3は、レール7の縁部7b,7b間に対して差込み可能及び嵌込み可能であって、縁部7b,7b間に対して圧接固定される大きさ及び形状に形成すると共に、その固定部4の前端面及び両側面を、レール7の縁部7b,7b間に対して差込み及び嵌込みが容易に行える曲面形状(例えば、楕円形、円形等の外周面が滑らかな形状)に形成している。
【0023】上述した固定部3の他の固定構造として、図7に示すように、固定部3の両側面に形成した段部3a,3aに、レール7の縁部7b,7bに形成した突起7c,7cを係止して、固定部3をレール7の縁部7b,7b間に対して差込み固定してもよい。また、図8に示すように、固定部3の両側面に形成した複数条の突起3c…に、レール7の縁部7b,7bに形成した複数条の突起7f…を係合してもよく、例えば、鋸刃、櫛歯、波形等を有する突起3c,7fの噛み合いにより接触抵抗が大きくなり、固定部3をレール7の縁部7b,7b間に対して強固に差込み固定することができる。
【0024】蓋部4は、キャップ本体2の後端側両縁部に形成した壁部2a,2aの間に形成され、その壁部2a,2a間と対応するキャップ本体2の後端側縁部に対して可撓可能に連結している。壁部2aは、レール7端部に対して当接される大きさ及び形状であって、蓋部4の可撓動作が許容される間隔に隔てて形成している。キャップ本体2と蓋部4との後端側対向縁部は、可撓可能な肉厚に形成した弾性部4aを介して一体的に連結され、弾性部4aの弾性により、ランナー8の脱落及び抜取りが阻止される閉状態(図2の実線で示す)に復元可能であって、ランナー8の挿入及び抜取りが許容される開状態(図5の実線で示す)に可撓可能に設けている。
【0025】且つ、壁部2aに形成した溝部2cに、蓋部4の遊端側両縁部に形成した軸部4bを上下動可能に係合して、蓋部4の保持溝5と、レール7の軌条7e,7eとが略水平に接続される復元角度と、ランナー8の挿入及び抜取りが許容される可撓角度とに揺動ガイドする。蓋部4の押圧側両縁部には、ランナー8の走行部8bよりも若干幅広であって、レール7の軌条7e,7e間に対してランナー8の走行部8bが挿入される方向に向けてガイド突起4cを平行して形成している。成型時に於いて、蓋部3は、キャップ本体2の後縁部に対して展開した状態に形成されており、弾性部4aを可撓して、固定部3と対向する方向に蓋部4を回動すると共に、壁部2a,2a間に蓋部を強制的に嵌込んで、溝部2cと軸部4bとを互いに係止する。
【0026】且つ、蓋部4の遊端側中央部には、レール7に形成した軌条7e,7eと対向してランナー5を保持するための保持溝5を形成している。その保持溝5の対向縁部には、後端側の係止凹部5bに対してランナー8の軸部8aが差込みガイドされる方向に向けてガイド面5a,5aを形成しており、ガイド面5a,5aは、前端側から後端側に向けて徐々に幅狭となる間隔であって、ランナー8の軸部8aが差込み及び抜取りが容易に行える形状に形成している。ガイド面5a,5aの前端側縁部は、レール7の軌条7e,7e間と同等となる間隔に形成され、後端側縁部は、ランナー8の軸部8a外径よりも若干幅狭となる間隔に形成されている。その後端側縁部には、ランナー8の軸部8a外周面に対して係合される係止凹部5bを連続して形成している。
【0027】前述したレール7は、例えば、ポリカーボネート、ポリアセタール等の合成樹脂、或いは、アルミニウム、ステンレス、スチール等の金属でレール本体7aを形成している。レール本体7aは、例えば、自動車内部に設けられた窓部等の取付け部Aに対応して適宜長さに形成され、そのレール本体7aの後面側に形成した縁部7b,7bは、上述したレールキャップ1を構成する固定部3の差込み及び嵌込みが許容される間隔であって、固定部3の両側面に対して圧接される間隔に隔てて形成している。且つ、縁部7b,7bの対向端部には、固定部3の両側面に対して係止される突起7c,7c(例えば、爪状、鉤状、楔状等)を長さ方向に形成している。つまり、レール7の縁部7b,7b間に対してキャップ本体2の固定部3を一端側から差込み、又は、縁部7b,7bの対向端部を弾性に抗して拡張し、その縁部7b,7b間に対して固定部3を嵌込むことで、固定部3の両側面に対して縁部7b,7bが圧接及び突起7c,7cが係止され、固定部4をレール7の縁部7b,7b間に対して固定することができる。
【0028】一方、レール本体7aの前面側に形成した縁部7d,7dを、ランナー8の走行部8bが挿入許容される間隔に隔てて形成し、縁部7d,7dの対向端部に、ランナー8の軸部8aが移動可能に保持される間隔に隔てて軌条7e,7eを長さ方向に連続して形成している。ランナー8を挿入又は係合する場合、レールキャップ1を構成する蓋部4を、弾性部4aの弾性に抗して開状態に可撓すると共に、その蓋部4に沿ってランナー8を挿入し、レール7の軌条7e,7e上にランナー8の走行部8bを係合する。また、軌条7e,7e間にランナー8の走行部8bを強引に嵌込んで、軌条7e,7e間にランナー8の軸部8aを係合する。ランナー8の吊掛け部8cには、図9に示すように、幕体10の上端側縁部に取付けたフック9…を夫々係止して、幕体10を左方向又は右方向に対して片側開閉可能に吊設する。
【0029】図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、ランナー8の挿入及び抜取り、抜止め及び保持するときのレールキャップ1の取扱い方を説明する。先ず、図1乃至図4に示すように、例えば、自動車内部に設けられた窓部等の取付け部Aに対してレールキャップ1を固定する場合、蓋部4に形成した保持溝5と、キャップ本体2に形成した挿通孔2bとを介して固定部材6を取付け部Aに螺合又は打込み、キャップ本体2を取付け部Aに対して移動不可に固定する。左右のレールキャップ1をレール7の全長と対応する間隔に隔てて固定した後、キャップ本体2に形成した固定部3に対してレール7の一端側縁部7b,7bを差込み固定又は嵌込み固定する。
【0030】また、キャップ本体2に形成した固定部3をレール7の一端側縁部7b,7bに差込み固定又は嵌込み固定し、レール7の両端部に対して左右のレールキャップ1を固定した後、上述と同様にして、左右のレールキャップ1を取付け部Aに固定して、レール7を水平に架設する。なお、取付け部Aに対してキャップ本体2を他の固定方法として、例えば、面ファスナー、両面テープ、接着剤等の固定手段を介して固定してもよい。
【0031】次に、レール7にランナー8を挿入する場合、図5、図6に示すように、レールキャップ1を構成する蓋部4の遊端側にランナー8の走行部8bを押圧し、蓋部4を、弾性部4aの弾性に抗して開状態に可撓回動する。蓋部4及びガイド突起4c,4cに沿ってランナー8を挿入すると共に、レール7の縁部7d,7d間にランナー8の走行部8bを挿入し、軌条7e,7e間にランナー8の軸部8aを挿入する。
【0032】一つのランナー8を挿入した直後、蓋部4の押圧が解除され、弾性部4aの弾性により、蓋部4が閉状態に回動復帰するため、レール7の軌条7e,7e間に挿入したランナー8が蓋部4により抜止めされ、ランナー8を1個ずつ挿入することができる。また、蓋部4に形成した保持溝5にランナー8の軸部8aを係合することで、ランナー8を確実に抜止め及び保持することができる。任意個数のランナー8…を挿入した後、レール7に挿入したランナー8…に、図9に示すように、フック9…を介して、幕体10を開閉可能に吊設する。なお、蓋部4を、例えば、人の指、押圧具等で押圧して開状態に可撓回動してもよい。
【0033】一方、ランナー8を抜取る場合、蓋部4の遊端側を、例えば、人の指、押圧具等で押圧して開状態に可撓回動すると共に、蓋部4及びガイド突起4c,4cに沿って、レール7の軌条7e,7e間からランナー8を抜取るので、ランナー8の交換及び抜取りが容易に行える。蓋部4の押圧を解除すると、弾性部4aの弾性により、蓋部4が閉状態に復元するため、レール7の軌条7e,7e間に挿入したランナー8が蓋部4により抜止めされ、任意個数のランナー8を抜取ることができる。
【0034】次に、幕体10を開閉操作(実施例では右方向)する場合、レール7の左側端部に固定したレールキャップ1と対向する方向に、同側に挿入したランナー8を走行移動させ、図2に示すように、蓋部4に形成した保持溝5のガイド面5a,5aにランナー8の軸部8aを当接し、ガイド面5a,5a間を弾性に抗して拡張しながらランナー8の軸部8aを強制的に差込み、係止凹部5bにランナー8の軸部8aを係合固定して、幕体10の左側端部を閉塞した状態に保持する。その左側端部を基準として、幕体10の右側端部を利用者の手で右方向に牽引し、右側端部に固定したレールキャップ1と対向する方向にランナー8を走行移動させ、蓋部4に形成した保持溝5にランナー8の軸部8aを係合固定することで、幕体10を全閉することができる。同様にして、幕体10の左側端部を左方向に対して開閉可能に吊設してもよい。
【0035】以上のように、レールキャップ1を構成する蓋部4を弾性部4aの弾性に抗して開状態に可撓回動し、蓋部4及びガイド突起4c,4cに沿ってレール7内部にランナー8を挿入するので、従来例のようにキャップ本体2を抜取ったり、蓋部4を開放したりする手間及び作業が省ける。挿入直後及び抜取り直後、弾性部4aの弾性により蓋部4が閉状態に回動復帰され、レール7内部に挿入されたランナー8を抜止めするので、先に挿入されたランナー8が抜け落ちるのを確実に防止することができ、レール7端部にキャップ本体2を固定した状態のままで、任意個数のランナー8を挿入及び抜取りする作業が簡単且つ容易に行える。
【0036】しかも、蓋部4に形成した保持溝5にランナー8の軸部8aを係合して、ランナー8に吊設された幕体10の右側端部又は左側端部を閉塞した状態に保持するので、そのランナー8を基準として、幕体10を左方向又は右方向に対して開閉可能に吊設することができ、幕体10の開閉方向を任意に設定及び変更することができる。
【0037】さらに、蓋部4を開状態に可撓回動した後、蓋部4及びガイド突起4c,4cに沿って、レール7の軌条7e,7e間に対して挿入される方向にランナー8を走行移動するので、ランナー8の挿入作業及び抜取り作業が容易に行え、作業性が向上する。加えて、キャップ本体2の壁部2aに形成した溝部2cに、蓋部4に形成した軸部4bを係合して、蓋部4を閉状態に回動規制するので、ランナー8及び幕体10の荷重がキャップ本体2に付与され、蓋部4の弾性部4aに付与される負荷が軽減されるため、蓋部4が開放又は破損したりするのを確実に防止することができる。
【0038】図10は、キャップ本体2の後端側縁部に対して蓋部4を回動可能に枢着した第2実施例のレールキャップ1を示し、キャップ本体2と蓋部4との後端側対向縁部を、例えば、連結ピン、連結金具等の連結部材11を介して回動可能に連結し、キャップ本体2と蓋部4との対向面間にコイルスプリング12を圧縮装填している。ランナー8の挿入時及び抜取り時に於いて、蓋部4を、コイルスプリング12の弾性に抗して開状態に回動し、蓋部4及びガイド突起4c,4cに沿ってランナー8を挿入又は抜取りする。蓋部4の押圧を解除すると、コイルスプリング12の弾性により蓋部4が閉状態に復元し、レール7に挿入したランナー8が抜止めされるため、任意個数のランナー8を挿入又は抜取ることができる。且つ、蓋部4に形成した保持溝5にランナー8の軸部8aを係合して、ランナー8を確実に抜止め及び保持するので、第1実施例と同等の作用効果を奏することができる。なお、コイルスプリング12に代えて、例えば、渦巻きバネ、板バネ等のバネ部材をキャップ本体2と蓋部4との対向面間に装填又は形成してもよい。
【0039】図11は、蓋部4の遊端側に形成した係止部4dをレール7端部に係止する第3実施例のレールキャップ1を示し、弾性部4aの弾性により、蓋部4が閉状態に回動復帰したとき、蓋部4に形成した係止部4dが、レール7の縁部4dに対して係止され、且つ、蓋部4に形成した軸部4bが、キャップ本体2の壁部2aに形成した溝部2cに係合されるので、保持溝5に係合したランナー8及びランナー8に吊設した幕体10の垂下荷重がレール7に付与され、キャップ本体2及び蓋部4に付与される負荷が軽減されるため、キャップ本体2及び蓋部4の一部が破損したり、ランナー8が脱落したりするのを確実に防止することができ、幕体10等の重量の重い吊下げ物を吊設するのに必要な強度が得られる。
【0040】この発明の構成と、上述の実施例との対応において、この発明の付勢手段は、実施例の蓋部4の弾性部4aと、コイルスプリング12とに対応し、以下同様に、保持部は、保持溝5に対応し、凹部は、溝部2cに対応し、凸部は、軸部4bに対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0041】上述した第1実施例では、レール7に吊設された幕体10の端部を利用者の手で牽引して開閉操作するが、例えば、レール7内部に張架したループ状の開閉コード(図示省略)を先頭のランナー8に固定し、減速機付き電動モータ(図示省略)の駆動力により開閉コードを正逆回転して幕体10を開閉するように設けてもよく、或いは、レール7端部に垂下した操作コード(図示省略)を利用者の手で引下げ操作し、その引下げ操作により開閉コードを正逆回転して幕体10を開閉するように設けてもよい。また、レール7の全長に対して2枚の幕体10,10を左右開閉可能に吊設してもよい。
【出願人】 【識別番号】390002130
【氏名又は名称】エスエム工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月21日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
【公開番号】 特開平11−56591
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−242163