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【発明の名称】 巡回搬送式飲食店における飲食品の鮮度管理方法
【発明者】 【氏名】奥野 俊典

【氏名】中村 弘

【氏名】増田 明

【要約】 【課題】飲食品を巡回搬送して販売するに際し、その飲食品の賞味限度時刻を巡回時に管理できるようにする。

【解決手段】情報の読み取り及び書き込みができる非接触・無電池式データキャリアが設けられている食器を用い、この食器に飲食品を収容して巡回搬送路上に投入し客に提供するに際して、情報の読み書き共用アンテナ7を巡回搬送路4上に臨ませて配置し、このアンテナ7配置点を飲食品を収容した食器1′が初回通過する時、食器1′のデータキャリアの記憶部にその通過時刻と予め設定されている当該飲食品の鮮度維持可能滞留時間とを加算した賞味限度時刻を書き込み、その賞味限度時刻を次回以降のアンテナ7配置点通過時毎に該アンテナ7により読み取って現在の時刻と比較し、現在の時刻が賞味限度時刻以内ならそのまま搬送して客に提供する一方、現在の時刻が賞味限度時刻を過ぎていればその告知信号により当該食器1′を回収する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電磁誘導によって情報の読み取り及び書き込みができる非接触・無電池式データキャリアが設けられている食器を用い、この食器に飲食品を収容して巡回搬送路上に投入し客に提供するに際して、情報の読み取り及び書き込み用アンテナを上記巡回搬送路上に臨ませて配置し、このアンテナ配置点を飲食品を収容した食器が初回通過する時、当該食器のデータキャリアのデータ記憶部にその通過時刻と予め設定されている当該飲食品の鮮度維持可能滞留時間とを加算した賞味限度時刻を書き込み、その賞味限度時刻を次回以降の上記アンテナ配置点通過時毎に該アンテナにより読み取って現在の時刻と比較し、現在の時刻が賞味限度時刻以内ならそのまま搬送して客に提供する一方、現在の時刻が賞味限度時刻を過ぎていればその告知信号により当該食器を回収することを特徴とする巡回搬送式飲食店における飲食品の鮮度管理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲食品を食器に載せて巡回搬送し客に提供するための巡回搬送式飲食店における飲食品の鮮度管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の巡回搬送式飲食店における飲食品の鮮度管理方法として、飲食品を載せる皿にID媒体を取り付け、巡回搬送路の飲食品皿(飲食品を載せた皿)を供給する手前に配置されている読み取り器(又は計測センサー)によりIDナンバーを事前に読み取り、皿に載せた飲食品の情報をキィーボードや入力器によりコンピュータに入力して、IDナンバーと飲食品の情報を関連づけてコンピュータに順次記憶させた後、この飲食品皿を巡回搬送路上に投入し巡回搬送して客に提供する。そして、巡回搬送路上に配置されている別の読み取り器により巡回してきた飲食品皿のIDナンバーを読み取り、先にコンピュータに記憶されているIDナンバー及び飲食品情報と照合して巡回回数をコンピュータに順次記憶させ、その巡回回数が規定回数を超えた飲食品皿は巡回搬送路上から撤去する方法が知られている(例えば、特開平8−238157号、特開平9−44753号を参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のものは、巡回搬送路上に投入する前にコンピュータに記憶されている飲食品皿のIDナンバー及び食品情報を、巡回搬送されてきた飲食品皿のIDナンバーを別の読み取り器により読み取ることで、その巡回搬送されてきた飲食品皿のものと照合して、該飲食品皿の巡回回数をコンピュータにより管理している方式のため、回転寿司店のようにカウンター(店側の厨房)内で握った寿司を皿に載せて直接巡回搬送路に投入すると、その寿司皿は、該寿司皿のIDナンバー及び飲品情報が事前にコンピュータに記憶されていないので、巡回回数管理対象外となる。
【0004】したがって、このような巡回回数管理対象外の飲食品皿は客が取り出さない限り巡回搬送を続けることになって、寿司等の飲食品は不当に乾燥して賞味が悪化し、客の不評を受ける要因になっている。また、かかる方式では複数個の読み取り器や計測センサー及び入力器やコンピュータ(パソコン)等を必要として、設備費が高価になるという問題がある。そこで、本発明の目的は、巡回搬送される飲食品の鮮度管理のために単一機能を採用し、その単一機能によって飲食品の賞味限度時刻を管理することにより、従来技術の問題を解決した巡回搬送式飲食店における飲食品の鮮度管理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の特徴とする巡回搬送式飲食店における飲食品の鮮度管理方法は、電磁誘導によって情報の読み取り及び書き込みができる非接触・無電池式データキャリアが設けられている食器を用い、この食器に飲食品を収容して巡回搬送路上に投入し客に提供するに際して、情報の読み取り及び書き込み用アンテナを上記巡回搬送路上に臨ませて配置し、このアンテナ配置点を飲食品を収容した食器が初回(初回の判定は、前回賞味限度時刻を1巡回時刻以上経過したものとする。)通過する時、当該食器のデータキャリアのデータ記憶部にその通過時刻と予め設定されている当該飲食品の鮮度維持可能滞留時間とを加算した賞味限度時刻を書き込み、その賞味限度時刻を次回以降の上記アンテナ配置点通過時毎に該アンテナにより読み取って現在の時刻と比較し、現在の時刻が賞味限度時刻以内ならそのまま搬送して客に提供する一方、現在の時刻が賞味限度時刻を過ぎていればその判別信号により当該食器を回収するようにした。
【0006】また、飲食品を収容した食器が情報の読み取り及び書き込み用アンテナの配置点を初回通過するとき、その通過時刻をデータキャリアのデータ記憶部に書き込んで搬送し、2回目以降通過する時は、読み取った初回通過時刻に予め決めてある賞味時間を毎回加算して賞味限度時刻とし、この賞味限度時刻を現在の時刻と比較する方法により実施することもできる。
【0007】なお、本発明方法での回転寿司店のようにカウンター(店側の厨房)内で握った寿司を皿に載せて直接巡回搬送路に投入した場合、情報の読み取り及び書き込み用アンテナの配置点に巡回搬送されてきた皿(食器)のデータキャリアに賞味限度時刻の書き込みをする時には既に最大で1周回したことになり、書き込まれる賞味限度時刻は1周回時間程度に相当するだけ延長することになるが、その延長した時間は数分程度であり、鮮度維持可能滞留時間(賞味時間)に対して問題とはならないのであって、巡回搬送中の飲食品を収容した食器が不当に鮮度管理対象外となる不具合は解消できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。本発明方法を実施するには、図2に示すように電磁誘導によって情報の読み取り及び書き込みができる非接触・無電池式のデータキャリア2が糸底1a内に埋設されている食器1を用いる。図中、3はデータキャリア2の埋設に用いられた液体封止樹脂による硬化層である。そして、本発明方法を実施するために、例えば回転寿司店等の店内には、図1に示すように無端状のコンベアである巡回搬送路4が設置されており、その巡回搬送路4の一部は厨房室5側へ張り出している。その張り出し部は巡回方向の手前側の部分が飲食品を収容した食器(寿司皿)1′の投入エリヤ4aとして、また先方側の部分が食器回収エリヤ4bとして位置付けられている。
【0009】投入エリヤ4aには、巡回搬送路4に臨ませて必要に応じて飲食品を収容した食器(寿司皿)1′の自動投入機6が設けられており、また、その先には情報の読み取り及び書き込み用アンテナ(以下、読み書き共用アンテナという)7と警報表示機8が設けられている。一方、食器回収エリヤ4bには、巡回搬送路4に臨ませて必要に応じて食器(寿司皿)1′の自動回収機9が設けられている。10は店側の厨房、11はカウンターである。
【0010】次に、巡回搬送路4上を巡回搬送されて客に提供される飲食品の鮮度を管理する方法を説明する。通常は、厨房室5内に張り出している巡回搬送路4上の投入エリア4aに食器1′を載せて巡回搬送させ、該食器1′が開店後初めて読み書き共用アンテナ7の配置点を通過する時、データキャリア2のデータ記憶部の前回賞味限度時刻(前回食器1が使用されたときの情報)を読み取って現在の時刻と比較し、前回賞味限度時刻が書き込まれていないもの、または前回賞味限度時刻が書き込まれているもので、その時刻が予め設定されている1巡回相当時間以上経過しているものは何れも初回通過と判断して、現在の通過時刻と予め設定されている飲食品の鮮度維持可能滞留時間(賞味時間)とを加算した賞味限度時刻(情報)がデータキャリア2に書き込まれる。
【0011】データキャリア2に情報が書き込まれた食器1′はカウンター11側へ搬送されて客に提供されることになるが、もし、客が搬送されてきた食器1′を取らないで(食べないで)該食器1′が巡回搬送路4上を1周して再び読み書き共用アンテナ7配置点を通過する時は、読み書き共用アンテナ7はデータキャリア2の情報を読み取って、その賞味限度時刻を現在の時刻と比較して現在の時刻が賞味限度時刻以内であることを確認して、食器1′をそのまま搬送して客に提供することになる。
【0012】そして、客が取らない食器1′は巡回搬送路4上での巡回が繰り返されるが、その巡回時に読み書き共用アンテナ7を通過する時刻が賞味限度時刻を過ぎていれば、そのアンテナ7により鮮度が落ちていると判断して信号を出力し、警報表示機8を起動して点灯やブザー音等により告知を行う。この告知により、当該食器1′は巡回搬送路4より除去されることになる。この場合、上記判段による回収信号によって自動回収機9を起動し、食器1′を自動回収させることが可能である。
【0013】また、店側の厨房10で飲食品を収容した食器1′が巡回搬送路4の途中である店側のA点から該巡回搬送路4上へ載せられて客に供給された場合(事前のコンピュータへの記録なし)、客がそれを取らないで厨房室5側に搬送されると、その食器1′が読み書き共用アンテナ7を通過する時に前述したと同様に判断して、これを初回通過とみなし、そのデータキャリア2のデータ記憶部に通過時刻と予め設定されている鮮度維持可能滞留時間とを加算した賞味限度時刻を書き込んで客に提供する。即ち、データキャリア2には巡回搬送路4を最大約1周した後に賞味限度時刻が書き込まれるので、約1周分の時間だけ予め設定されている鮮度維持可能滞留時間より長く滞留することになるが、これは鮮度管理対象外になることから回避できる。そして、その後の食器1′の経過については前述したものと同様である。
【0014】以上説明の鮮度管理を行う非接触・無電池式のデータキャリアシステムの動作状体を図3により説明する。先ず、リーダ部(送信・読み取り識別部)12の発信器12aより125KHzの周波数の電波を発信し、この電波に管理コンピュータ12bからの複数のデータキャリア内部インピーダンスを制御する信号及びデータキャリア2のデータ記憶部2cに書き込む情報信号を変調器12cにより重畳・変調して、アンテナ12dを介してデータキャリア2のアンテナ2aに受信する。12eは復調器である。なお、アンテナ12dは図1の読み書き共用アンテナ7に相当する。
【0015】そして、データキャリア2においては、受信した信号の一部が整流されて信号解読指示器2bとデータ記憶部2cに給電され、信号解読指示器2bでは受信信号を検波・復調して、データ記憶部2cから該データ信号に対応する記憶データ信号をスイッチ部2dへ送り、データキャリア2の内部インピーダンスを変化させる。これによって、リーダ部のアンテナ12dにはデータキャリア2内の識別データ信号と情報データ信号に応じた振幅の電波が生じる。即ち、リーダ部ではAM変調電波を受信した場合と同じ状態になり、これを検波・復調することによって、管理コンピュータ12bで読み取り、識別・認識する。
【0016】
【発明の効果】本発明は上記の如くであって、従来方法では不可欠であるコンピュータ(パソコン)・入力器及び複数個の読み取り器・計測センサー等が不要であり、本発明方法を実施するための設備コストは大巾にダウンできる。そして、コンピュータ(パソコン)に各種情報を集めて集中管理する必要がないため、鮮度管理単機能としてオフラインでの使用も可能であるし、また、例えば、コンピュータに事前に記録させないで、厨房室外の店側の厨房等から巡回搬送路上に任意の個所から新たな飲食品が載せられた場合でも、それらの鮮度管理は確実に実行できて客からのクレームを解消できる等、その実用的価値はきわめて多大である。
【出願人】 【識別番号】595159275
【氏名又は名称】新和電子デバイス販売株式会社
【識別番号】598076719
【氏名又は名称】有限会社エヌ・ティコーポレーション
【出願日】 平成10年(1998)6月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】菊川 貞夫
【公開番号】 特開平11−342061
【公開日】 平成11年(1999)12月14日
【出願番号】 特願平10−187998