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【発明の名称】 卒塔婆とその面取装置
【発明者】 【氏名】小作 勘治

【氏名】小作 幸弘

【氏名】清水 勲

【要約】 【課題】卒塔婆に経文、戒名等の文字を書き込む場合に、書き手が長尺の卒塔婆の保持位置を円滑にずらすことができ、かつ、書き手の手の平や指に痛みを伴うことなく長時間にわたり多数の卒塔婆に文字を書き込むことができ、しかも、書き手の手の平などにとげが刺さったり、書き手の被服を擦ってこれを痛めることもない卒塔婆を実現する。

【解決手段】幅方向に沿った断面が方形である長尺の薄板の木材からなる卒塔婆1の長手方向における4つの角部2−1〜−4に、所定の面取り寸法および面取り角の面取りを施す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長手方向における4つの角部(2−1〜−4)の面取りをした卒塔婆。
【請求項2】 テーブル(60)上で卒塔婆(1)を送るための送り手段(40−1,40−2)と、前記送り手段により送られる前記卒塔婆の送りをガイドするためのガイド手段(61−1〜−3)と、前記ガイド手段にガイドされて前記送り手段により送られる前記卒塔婆の長手方向における4つの角部のうちの2つの角部の面取りをするための第1の1対の面取り手段(10a,10b)と、前記第1の1対の面取り手段と所定の間隔をおいて配設された、前記4つの角部のうちの前記2つの角部以外の2つの角部の面取りをするための第2の1対の面取り手段(10c,10d)とを具備した卒塔婆の面取装置。
【請求項3】 テーブル(60,230)上で卒塔婆(1)を送るための送り手段(40−1,40−2,220−1〜−5)と、前記送り手段により送られる前記卒塔婆の送りをガイドするためのガイド手段(61−1〜−3,240)と、前記ガイド手段にガイドされて前記送り手段により送られる前記卒塔婆の長手方向における4つの角部のうちの隣り合う2つの角部の面取りをするための第1の面取り手段(100,110,120,130)と、前記4つの角部のうちの前記2つの角部以外の2つの角部の面取りをするための第2の面取り手段(100,110,120,130)とを具備した卒塔婆の面取装置。
【請求項4】 テーブル(60,230)上で卒塔婆(1)を送るための送り手段(40−1,40−2,220−1〜−5)と、前記送り手段により送られる前記卒塔婆の送りをガイドするためのガイド手段(61−1〜−3,240)と、前記ガイド手段にガイドされて前記送り手段により送られる前記卒塔婆の長手方向における4つの角部のうちの上面側の2つの角部の面取りをするための第1の面取り手段(191a,191b)と、前記4つの角部のうちの前記2つの角部以外の2つの角部の面取りをするための第2の面取り手段(191c,191d)とを具備した卒塔婆の面取装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、卒塔婆とその面取装置およびその使用方法に関する。具体的には、経文や戒名などの文字が書き易い卒塔婆と、このような卒塔婆を実現するための卒塔婆の面取装置を提供せんとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、死者の霊を供養し、その冥福を追善するために、忌日などに卒塔婆を墓所に立てることが行われている。この卒塔婆には、幅方向に沿った断面が方形である長尺の薄板の木材が用いられており、そのサイズは、長さが800〜2000ミリメートル、幅が50〜150ミリメートル、板厚が8〜15ミリメートルの範囲で様々なものがある。
【0003】このような卒塔婆の表面および裏面には、仏寺の住職などが卒塔婆を片手で保持しつつ、筆と墨を用いて梵字、経文、戒名等の文字を書き込んでいる。その際、卒塔婆の保持位置を順次下方にずらしながら文字を書き込む必要があるが、最も一般的なサイズである長さが1800ミリメートルの卒塔婆の表裏に文字を書き込む場合は、卒塔婆の保持位置を7、8回程変えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、仏寺の住職などの文字の書き手が、長尺の卒塔婆を片手で保持し、その保持位置を順次下方にずらしながら卒塔婆に文字を書き込む場合、卒塔婆の幅方向の断面が方形であることから、卒塔婆の長手方向における4つの角部が、書き手の手の平や指にくい込む。その結果、卒塔婆の保持位置を円滑にずらすことができないだけでなく、通常は1日に数百枚の卒塔婆に文字を書き込むことから、長時間にわたり多数の卒塔婆に文字を書き込むような場合には、書き手の手の平や指が痛くなり、ときには裂傷を負うことがあるという解決すべき課題が、従来の卒塔婆にはあった。
【0005】また、卒塔婆の仕上げ加工が良好でなく、その4つの角部にとげが突き出しているような場合には、書き手の手の平や指にとげが刺さるという解決すべき課題や、さらには、文字を書き込むときに卒塔婆の保持位置を順次ずらすため、そのたびに卒塔婆の角部が書き手の被服を擦ってこれを痛めるという未解決の課題も、従来の卒塔婆にはあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決するために、本発明はなされたものである。そのために、本発明では、卒塔婆の長手方向における4つの角部の面取りをするようにした。
【0007】また、卒塔婆の長手方向における4つの角部の面取りをする手段として、テーブル上でガイドにガイドされて送られる卒塔婆の長手方向における4つの角部のうちの2つの角部を1対の面取り手段により面取りし、この1対の面取り手段と所定の間隔をおいて配設された他の1対の面取り手段により、残りの2つの角部の面取りをするようにした。
【0008】さらに、テーブル上でガイドにガイドされて送られる卒塔婆の長手方向における4つの角部のうちの隣り合う2つの角部または上面側の2つの角部を1つの面取り手段により面取りし、残りの2つの角部を1つの面取り手段により面取りするようにもした。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1に示し説明する。ここで、図1(a)は、本実施の形態における卒塔婆の斜視図、図1(b)は、図1(a)のA−A線に沿う断面図である。
【0010】図1(a)において、従来より用いられている卒塔婆の構成と異なるところは、卒塔婆1の長手方向における角部を面取りしていることである。すなわち、図1(b)に示すように、破線で示す4つの角部2−1〜−4に、所定の寸法の面取りを施していることが、従来の卒塔婆の構成とは異なっている(説明の便宜上、面取りされて取り除かれる部分は、誇張して図示している)。
【0011】ここにおける面取り寸法および面取り角は、特に限定されるものではなく、各角部2−1〜−4を僅かに取り除く糸面取りであってもよい。また、図1(b)では、各角部2−1〜−4が取り除かれて形成される面取りコーナが、直線状のものを示しているが、通常R面取りと呼ばれている円弧状のものに形成されるようにしてもよい。
【0012】つぎに、以上のように構成された卒塔婆1を製造するための卒塔婆1の面取装置(第1の面取装置)の構成を、図2ないし図7に示し説明する。
【0013】図2は、本装置の構成を概略的に示す平面図であり、装置各部を支持するための支持部材については、説明を簡単にするため、その図示を省略している。そこで、図2において、10a〜dは、それぞれ卒塔婆1の長手方向における4つの角部の面取りをするための面取部であって、その構成の詳細は、図3に示されている。ここで、図3では、1つの面取部10aの構成についてのみ図示したが、他の各面取部10b〜dの構成も同一である。
【0014】図3(a)において、面取部10aは、2つの回転する切刃12a−1,−2を構成要素としている。すなわち、扁平な円錐台状に形成された回転板11aの直径方向に設けられた各溝部13a−1,−2に、2つの平板状の切刃12a−1,−2が、回転板11aの中心に関して相互に180度回転した位置にそれぞれ固定されている。回転板11aの回転方向は、図面上で反時計方向である。
【0015】各溝部13a−1,−2の底面は、図3(b)に示すように、回転板11aの回転軸14aの軸心方向において所定の角度をもって傾斜している。したがって、2枚の切刃12a−1,−2は、各溝部13a−1,−2にそれぞれ傾斜して固定されるとともに、図示するように、各刃先部は、回転板11aの上面より僅かに突き出している。
【0016】図2において、4つの面取部10a〜dは、卒塔婆1が載置されて送られるテーブル60のほぼ中央部に設けられた4つの切欠部内に挿入されるようにして、所定の角度(例えば45度)をもってそれぞれ傾斜して配設されており、図示されてはいないエア・コンプレッサより、各ホース21a〜dを介して供給される圧縮空気により駆動される各エア・モータ20a〜dによって、それぞれ回転せしめられる。
【0017】ここにおける各エア・モータ20a〜dは、高負荷によるトラブルが発生した場合には回転が停止し、作業の安全確保に寄与するものである。しかし、これらのエア・モータ20a〜dは、各面取部10a〜dをそれぞれ回転せしめる駆動手段の一例を示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】このようにして回転する4つの面取部10a〜dのうち、対向するようにして配設された1対の面取部10a,10bは、図4(a)に示すように、破線で示す卒塔婆1における対向する2つの角部の面取りをする。すなわち、一方の面取部10aは、卒塔婆1の上面側の一方の角部の面取りをし、他方の面取部10bは、卒塔婆1の下面側の一方の角部の面取りをする。
【0019】また、他の1対の面取部10c,10dは、図4(b)に示すように、卒塔婆1における対向する他の2つの角部、すなわち卒塔婆1の上面側および下面側の他方の角部の面取りをそれぞれする。
【0020】なお、2対の面取部10a〜dは、それぞれ対向するようにして配設して同時に2つの角部ずつの面取りをするのではなく、面取部10a→面取部10b→面取部10d→面取部10cの各配設位置を結ぶ線がジグザグ状となるように配設して、4つの角部を1つずつ順次面取りするようにしてもよい。この場合も、2つの面取部10a,10bおよび他の2つの面取部10c,10dは、それぞれ1対の面取手段である。
【0021】また、例えば、まず1つの角部2−1(図1)の面取りをし、ついで隣り合う角部2−3の面取りをし、その後他の角部2−2の面取りをし、ついでこれと隣り合う角部2−4の面取りをするように、各面取部10a〜dを配設してもよい。この場合は、2つの面取部10a,10dと他の2つの面取部10b,10cが、それぞれ1対の面取手段である。
【0022】このような4つの面取部10a〜dは、面取り寸法や面取り角が自在に設定され得るように、それぞれその位置調整が可能となっており、その構成は図5に示されている。
【0023】図5(a)において、各面取部10a,10dを駆動する各エア・モータ20a,20dは、各支持板22a,22dにそれぞれ支持されており、その支持角は必要に応じて自在に調整することができる。これらの支持板22a,22dは、パイプ状の各可動部材24a,24dの一端に、これに固く外嵌する各嵌合具23a,23dを介して取り付けられている。
【0024】また、各可動部材24a,24dは、これらに緩やかに外嵌する各嵌合具25a,25dによりそれぞれ支持されるとともに、各ねじ27a−1,27d−1を介して各嵌合具25a,25dと連結している。したがって、各ねじ27a−1,27d−1の一端に固定された各ハンドル28a−1,28d−1をそれぞれ回転せしめれば、水平一軸方向における各面取部10a,10dの位置を自在に調整することができる。
【0025】他方、各可動部材24a,24dをそれぞれ支持する各嵌合具25a,25dは、図5(b)(背面図)に示すようにパイプ状の固定支柱30−1に緩やかに外嵌する各嵌合具29a,29dと各連結具26a,26dを介してそれぞれ連結されている。そして、各嵌合具29a,29dは、各ねじ27a−2,27d−2を介して、固定支柱30−1と連結している。
【0026】したがって、各ねじ27a−2,27d−2の一端に固定された各ハンドル28a−2,28d−2をそれぞれ回転せしめれば、垂直一軸方向における各面取部10a,10dの位置を自在に調整することができる。なお、図5では、2つの面取部10a,10dの位置を調整するための構成についてのみ図示したが、他の2つの面取部10b,10cについても、その構成は同一である。
【0027】このように、各面取部10a〜dの位置は自在に調整することができるので、必要に応じて面取り寸法を自由に設定できるだけでなく、異なるサイズの卒塔婆1にも容易に対応することができる。また、各面取部10a〜dの位置調整機構に位置表示部を付設するならば、面取り寸法の設定や異なるサイズの卒塔婆1の面取りへの対応を迅速に行うことができる。
【0028】図2において、各面取部10a〜dを挟むようにして、それぞれ周面がゴムで覆われた、卒塔婆1をテーブル60上で送るための2つの送りローラ40−1,40−2が配設されており、各モータ駆動回路42−1,42−2より電流を供給される各モータ41−1,41−2の駆動によって回転する(送り方向は矢印Aが示す方向)。各送りローラ40−1,40−2の回転速度は、本図では図示されてはいない変速機により必要に応じて変化せしめることができる。
【0029】これらの送りローラ40−1,40−2は、図6に示すように、卒塔婆1の板厚を考慮して、テーブル60の上面との間に若干の間隙が生ずるように配設されている。また、送りローラ40−1の送り速度を変化せしめるための変速機43−1は、可動板44−1に取り付けられ、この可動板44−1は、テーブル60に固定された固定部材45−1に取り付けられた支軸46−1に支持されている。
【0030】さらに、可動板44−1は、固定部材45−1の上端部に固定されて圧縮に作用するコイル・スプリング49−1が巻かれた棒材48−1と、連結具47−1を介してフリーに連結されている。したがって、可動板44−1に取り付けられた変速機43−1、これとそれぞれ連結する送りローラ40−1およびモータ41−1は、全体として支軸46−1を中心として回動するので、送りローラ40−1の上下方向における位置を変動せしめることが可能となる。
【0031】その結果、板厚の異なる卒塔婆1であっても、それぞれ対応することができるとともに、送りローラ40−1、変速機43−1およびモータ41−1の各自重と、コイル・スプリング49−1の付勢力により、送られる卒塔婆1には常時適当な押圧力が加えられることになり、送りローラ40−1による卒塔婆1の送りが常に円滑に行われることになる。このことは、図6では図示を省略した他方の送りローラ40−2(図2)についても同じである。
【0032】図2において、上記のように構成された各送りローラ40−1,40−2により、卒塔婆1は、テーブル60上で板状の各ガイド61−1〜−3にガイドされて送られる。これらのガイド61−1〜−3は、等幅かつ等厚であり、テーブル60の一方の端部に段差状となるように固定されている。
【0033】また、各送りローラ40−1,40−2の中間には、送られる卒塔婆1が上方に押し上げられるのを防止するための押上り防止ローラ50が配設されている。この押上り防止ローラ50は、各送りローラ40−1,40−2と同様、その周面がゴムで被われているとともに、テーブル60面との間に所定の間隔をおいて配設されている。
【0034】以上の各送りローラ40−1,40−2および押上り防止ローラ50は、送られる卒塔婆1が、各ガイド61−1〜−3側に押圧されながら送られるように、各軸心が、卒塔婆1の送り方向とは直交せず、その直交方向より僅かに傾いている。
【0035】なお、70は、リミット・スイッチであり、図7(図2のAから見た図)に示すように、ガイド61−1上に固定された支持具73に支持されている。そして、そのオン・オフを切り換えるための、回動するレバー71の先端部には、フリーに回転する小径の回転輪72が、テーブル60面との間で所定の間隔をもって取り付けられている。
【0036】そこで、図2において、送られる卒塔婆1の先頭部分が、リミット・スイッチ70のレバー71に当接してこれを回動せしめると、リミット・スイッチ70がオンとなり、電磁弁駆動回路群80より4つの電磁弁(図示せず)に電流がそれぞれ供給される。各電磁弁に電流が供給されると、各エア・モータ20a〜dに圧縮空気が供給されてそれぞれ駆動され、各面取部10a〜dがそれぞれ回転することになる。
【0037】ただし、図2に示したようにリミット・スイッチ70を配設することは、本発明の構成上の必須要件ではなく、その配設を省略して、装置の作動時において各面取部10a〜dを常に回転せしめるようにしてもよい。
【0038】つぎに、以上のように構成された本装置の使用方法について説明すると、卒塔婆製造の一工程である、表面部の仕上げしろを残す荒仕上げのための四面鉋(かんな)盤(図示せず)の搬出側近傍に、本装置における卒塔婆1の搬入側(図2の図面上で左側)を、四面鉋盤の搬出側に対向させて本装置を設置する。
【0039】そこで、四面鉋盤からその送り機構によって卒塔婆1が搬出されると、別個の搬送装置を用いるまでもなく、卒塔婆1はそのまま本装置に搬入され、本装置の送りローラ40−1により押圧されながら送られる。その後は、送りローラ40−1により送られながら、各面取部10a〜dによって面取りがなされ、他方の送りローラ40−2により本装置より搬出されることになる。
【0040】ここで、卒塔婆1の四面鉋盤の送り速度は、一般に25メートル/分であり、したがって、本装置の送り速度は、同じく25メートル/分とするか、あるいはそれ以上に設定する。その結果、鉋を用いて人手により、例えば1800ミリメートルの長さの卒塔婆1の面取りをすれば、1本の卒塔婆1の面取りに20秒程度を要するのに対して、本装置によれば、その送り速度を25メートル/分とした場合、1本の卒塔婆1の面取りが3〜4秒で可能であり、作業性が著しく良好な卒塔婆1の面取りを実現することができる。しかも、人手により面取りをする場合に比して、各卒塔婆1の面取り寸法にばらつきを生ずることがない。
【0041】特に、木材である卒塔婆1は、加工後一定時間を経過すると、加工時の負荷により変形したものが、その復元力により元の形状に戻る。この変形した卒塔婆1に対して、切刃およびガイドのそれぞれの位置を変えずに一定のままの状態で、面取装置により面取りをするとすれば、各卒塔婆1の面取り寸法に大きなばらつきが生じてしまい、安定した品質の卒塔婆1を得ることができない。
【0042】そこで、上述のように、四面鉋盤の搬出側近傍に本装置の搬入側を対向させて本装置を設置して用いるならば、四面鉋盤により荒仕上げされた卒塔婆1に直ちに面取りを施すことになり、面取り寸法が均一でばらつきのない卒塔婆1の面取り加工を実現することができる。
【0043】また、四面鉋盤とは離隔した位置に本装置を設置し、四面鉋盤および本装置を同時に作動させている状態で、人手により卒塔婆1を本装置に順次搬入して面取りを行うとした場合は、四面鉋盤と本装置のそれぞれの搬入側および搬出側にそれぞれ1人ずつ合計4人を配置する必要がある。しかし、本装置を四面鉋盤の近傍に設置して用いるならば、四面鉋盤の搬入側および本装置の搬出側にそれぞれ1人ずつ合計2人を配置すれば足り、卒塔婆1の面取りに要するコストを著しく低減することが可能となる。
【0044】以上においては、面取り手段として、2つの切刃12a−1,12a−2(図3)を回転せしめる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば扁平な円筒部材の外周面に多数の切刃が歯車状に形成されたミリング・カッタを回転せしめて使用する場合や、表面に研磨材を塗布した研磨ベルトをエンドレスに駆動するサンダを用いる場合、飾り面取りとして断面円弧状に面取りをするルータを用いる場合にも、本発明は適用され得るものである。
【0045】これらに加えて、図8に示すように、平板状の切刃90aを刃物台91aに傾斜して固定し、この刃物台91aを面取部10a(図2)の位置調整をするための支持板22a(図5参照)に取り付ける構成を用いる場合にも、本発明は適用され、さらに、硬質素材(例えばステンレス鋼)からなるフリーに回転する4個のローラを傾斜して立設し、各ローラの周面により卒塔婆1の4つの角部がそれぞれ強く押圧されるようにして卒塔婆1を送ることによって、各角部を圧潰する場合にも、本発明は適用され得るものである。なお、図8では、説明の簡単のため、1つの切刃90aについてのみ図示したが、他の3つの切刃についても、その構成は同一である。
【0046】また、図4では、1対の面取部が、卒塔婆1の上面側の一方の角部と下面側の一方の角部の面取りをする場合について示したが、1対の面取部が、例えば卒塔婆1の上面側の双方の角部の面取りをし、ついで他の1対の面取部が下面側の双方の角部の面取りをする場合にも、本発明は適用され得るものである。
【0047】また、テーブル60(図2)上での卒塔婆1の送りをガイドするガイド手段として、板状に形成されたものを示して述べた。しかし、平面形状が湾曲している卒塔婆1に対処するために、2対の各面取部10a〜dの中間部のテーブル60上に、フリーに回転する2個のガイド・ローラを、その間隔が調整し得るように立設して、これらのガイド・ローラにより卒塔婆1を挟んでその送りをガイドするようにしてもよい。
【0048】図9は、卒塔婆1の第2の面取装置の要部の構成を示すものである。以下、図2に示した第1の面取装置と異なるところを説明する。
【0049】図9(a)(平面図)において、本装置では、卒塔婆1の長手方向における各角部2−1〜−4(図1(b))の面取りをする手段として、歯車状に形成された面取カッタ100を用いている。この面取カッタ100の台金101の6つの歯状部の先端には、面取り用の切刃102a〜fがそれぞれ固着されている。
【0050】ここにおける切刃102a〜fは、図9(b)(図9(a)のAから見た図)に示すように、刃先部103aがV字状に形成されており、破線で示す卒塔婆1の隣り合う2つの角部に、同時に面取りを施す。したがって、このような構成の2つの面取りカッタ100を、図2における2つの面取部10a,10bが配置されている位置に配設するならば、他の2つの面取部10c,10dを配設する必要がなくなり、装置の構成を簡易なものとすることができる。その結果、装置の製造コストを低減することができるだけでなく、装置を小型化し、その占有面積も狭小なものとすることが可能となる。なお、図9(b)では、説明を簡単にするため、1つの切刃102aの構成についてのみ図示したが、他の各切刃102b〜fの構成も同一である。構成が同一であるものについては、以下においても、同様に図示を省略している。
【0051】さらに、例えば、図10(平面図)に示すように、卒塔婆1の下面および上面をそれぞれ切削する2つの横鉋銅200−1,200−2と、卒塔婆1の両側面をそれぞれ切削する立鉋銅210−1,210−2と、テーブル230上で卒塔婆1を送る送りローラ220−1〜−5と、卒塔婆1の送りをガイドする、テーブル230の一端側に段差状に固定された板状のガイド240、およびフリーに回転するガイド・ローラ250−1〜−3を主要な構成要素とする四面鉋盤の搬出側に、上記構成の2つの面取りカッタ100を、付設するようにしてもよい。このような構成を用いれば、別個にテーブル60(図2)や送りローラ40−1,40−2等を使用する必要もなくなり、より低コストの卒塔婆1の面取りを実現することができるとともに、装置の占有面積を著しく狭小なものとすることができる。その他にも、例えば、最終的な仕上げ面を得るための超仕上げ装置の搬入側または搬出側に、2つの面取りカッタ100を付設してもよい。
【0052】また、図9では、1つの面取りカッタ100により卒塔婆1の隣り合う2つの角部の面取りをする場合について図示した。しかし、図11(a)(平面図)に示すように、同数の切刃112a〜f,122a〜fを有し、かつ、図11(b)に示すように、各刃先部113a,123aが交叉するように形成された2つの面取りカッタ110,120の各台金111,121を同心に重ね合わせて用いるようにしてもよい。
【0053】図12は、卒塔婆1の第3の面取装置の要部である面取りカッタの構成を示すものであり、以下では、図9に示した第2の面取装置における面取りカッタ100の構成と異なるところを説明する。
【0054】本装置における面取りカッタ130の平面形状は、図12(a)に示すように、図9に示した面取装置における面取りカッタ100と同一である。しかし、各切刃132a〜fの刃先部は、図12(b)に示すように、卒塔婆1の隣り合う2つの角部の面取りをする2つの刃先部分133a,135aと、卒塔婆1の1つの側面を切削する刃先部分134aとからなり、全体として台形の切欠状となるように形成されている。
【0055】すなわち、ここに示した面取りカッタ130は、卒塔婆1における隣り合う2つの角部の面取りと、1つの側面の切削とを同時に行うことができる。その結果、四面鉋盤において、各立鉋銅210−1,210−2(図10)の代わりに、この面取りカッタ130を2つ用いるならば、卒塔婆1の側面切削と面取りとを併せて行うことが可能となり、装置の構成の簡素化したがって装置の製造コストの低廉化を実現することができる。しかも、図9に示した第2の面取装置の場合よりも、装置の占有面積をさらに狭小なものとすることができる。
【0056】このように、卒塔婆1における2つの角部の面取りと、1つの側面の切削とを同時に行うためには、図13(a)に示すように、面取り用の刃先部分143aと側面切削用の刃先部分144aからなる切刃142aを有する面取りカッタの台金141と、側面切削用の刃先部分144aと交叉するように形成された面取り用の刃先部153aの同数の切刃152aを有する面取りカッタの台金151とを、同心に重ね合わせて用いるようにしてもよい。このような構成を用いれば、異なる板厚の卒塔婆1の加工を行う場合は、2つの台金141,151の間に、卒塔婆1の板厚に応じて必要な厚さの板材を挟むことにより、各台金141,151間の距離を調整することができるので、容易に対処することができる。
【0057】さらに、図13(b)に示すように、面取り用の刃先部163aの切刃162aを有する面取りカッタの台金161と、側面切削用の刃先部173aの切刃172aを有する面取りカッタの台金171と、もう1つの面取り用の刃先部183aの切刃182aを有する面取りカッタの台金181とを、同心に重ね合わせて用いるようにしてもよい。この場合、面取り用の各刃先部163a,183aと比較して、側面切削用の刃先部173aは、その磨耗度が大きいことから、側面切削用の刃先部173aの切刃172aを有する面取りカッタのみを、必要に応じて交換できる利点がある。
【0058】図14は、卒塔婆1の第4の面取装置の要部の構成を示すものである。ここに示した装置は、卒塔婆1の上面および下面を切削する横鉋銅の周面の両端部付近に、卒塔婆1の面取り用の切刃191a〜dを配設したものである。
【0059】すなわち、図14(a)(正面図)に示すように、卒塔婆1の上面および下面を切削する各切刃201a,201bが取付けられた横鉋銅200の周面の両端部付近に、面取り用の2つの切刃191a,191bが取付けられ、これらと横鉋銅200の軸心に関して180度回転した位置に、面取り用の2つの切刃191c,191dが取付けられている。
【0060】これらの切刃191a〜dは、図14(b)に示すように、それぞれ支持具192aに支持され、支持具192aの下部に形成された断面T字状の嵌合部193aが、横鉋銅200の周面にスラスト(軸)方向に設けられたスライド溝に嵌合し、位置調整が可能となっている。
【0061】このように構成された本装置を、四面鉋盤において各横鉋銅200−1,200−2の代わり用いれば、卒塔婆1の上面の切削および上面側の2つの角部2−1,2−2(図1(b))の面取りと、下面の切削および下面側の2つ角部2−3,2−4の面取りとを、それぞれ同時に行うことができる。したがって、図12に示した第3の面取装置と同様、装置の製造コストを低減することができ、装置の占有面積を狭小なものとすることが可能となる。
【0062】なお、図9(a)、図11(a)および図12(a)では、各面取カッタ100,110,120,130が、それぞれ6つの切刃102a〜f,112a〜f,122a〜f,132a〜fを有する場合について示した。しかし、切刃の数はこれに限定されるものでなく、2以上の切刃を有するものであればよい。また、各切刃102a〜f,112a〜f,122a〜f,132a〜f,191a〜d(図14(a))のすくい角も、とくに限定されるものではない。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によるならば、卒塔婆における4つの角部を面取りするようにしたことから、卒塔婆の文字の書き手が、長尺の卒塔婆を片手で保持し、その保持位置を順次下方にずらしながら卒塔婆に文字を書き込む場合に、卒塔婆の角部が書き手の手の平や指にくい込むこともなくなる結果、卒塔婆の保持位置を円滑にずらすことができ、文字の書き込み作業の能率性を高めることが可能となる。
【0064】また、長時間にわたり多数の卒塔婆に文字を書き込むような場合であっても、書き手の手の平や指が痛みを伴うことや、裂傷を負うこともない。加えて、書き手の手の平や指にとげが刺さったり、あるいは、卒塔婆の角部が書き手の被服を擦ってこれを痛めるという事態も解消することができ、このことは、卒塔婆の文字の書き手にとってだけではなく、大量の卒塔婆を仏寺などに搬送する者にとっても有益な効果をもたらすものである。
【0065】さらに、このような卒塔婆を得るための卒塔婆の面取装置を実現したので、人手により面取りをする場合と対比して、その作業性を4、5倍あるいはそれ以上に高めることができ、面取りに要するコストを著しく低減することができ、しかも、卒塔婆の面取り寸法にばらつきを生ずることもない。したがって、本発明による効果は、実用上極めて大きい。
【出願人】 【識別番号】598046310
【氏名又は名称】小作木工有限会社
【出願日】 平成11年(1999)3月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】内田 公三 (外1名)
【公開番号】 特開平11−332731
【公開日】 平成11年(1999)12月7日
【出願番号】 特願平11−71995