| 【発明の名称】 |
絵柄付き樹脂材製食器 |
| 【発明者】 |
【氏名】田 中 武 彦
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| 【要約】 |
【課題】洗浄液に浸漬して洗浄するのに適した比重を有し、かつ食品による耐着色汚染性にも優れた絵柄付きの樹脂材製食器を提供する。
【解決手段】透明または半透明な樹脂材で内側部材(1)を1次成形してその内側部材(1)の外面に絵柄(3)を印刷し、その内側部材(1)の外側に不透明な樹脂材で外側部材(2)を2次成形して作成した絵柄付き樹脂材製食器(10)であって、前記内側部材(1)は充填剤を添加しないポリプロピレン材で肉厚0.5mmないし2.0mmに成形し、前記外側部材(2)は有色のポリプロピレン材にポリプロピレン用充填剤としてポジティブリストに掲載されている充填剤を10ないし60重量%添加して肉厚0.5mmないし3.5mmに成形し、全体の肉厚1.0mmないし4.0mmで比重が1.04以上1.5以下に構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明または半透明な樹脂材で内側部材を1次成形してその内側部材の外面に絵柄を印刷し、その内側部材の外側に不透明な樹脂材で外側部材を2次成形して作製した絵柄付き樹脂材製食器であって、前記内側部材は充填剤を添加しないポリプロピレン材で肉厚0.5mmないし2.0mmに成形し、前記外側部材はポリプロピレン材にポリプロピレン用充填剤としてポジティブリストに掲載されている充填剤を10ないし60重量%添加して肉厚0.5mmないし3.5mmに成形し、全体の肉厚1.0mmないし4.0mmで比重が1.04以上1.5以下に構成したことを特徴とする絵柄付き樹脂材製食器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、透明または半透明な樹脂材で内側部材を1次成形してその内側部材の外面に絵柄を印刷し、その内側部材の外側に不透明な樹脂材で外側部材を2次成形して作製した絵柄付き樹脂材製食器に関する。 【0002】 【従来の技術】絵柄付き食器についての従来技術は、例えば、本出願人によって特開昭63−254016号公報に開示されている。 【0003】図1〜図3には、ポリプロピレン製の絵柄付き食器の製造過程が示されている。図1に示すように、まず、食器の内側部材1を透明ポリプロピレン材で1次成形してその外側面に絵柄3を印刷する。そして、図2に示すようにその1次成形品の外面に不透明なポリプロピレン材で外側部材2を2次成形すると図3に示す内側部材1を通して絵柄3の見える食器10が成形できる。 【0004】しかし、このようなポリプロピレン製の食器10は、比重が小さく、図4に示すように水に浮いてしまうので、水に洗剤を溶かした洗浄液Wを入れた洗浄槽20に全体を浸漬して食器10を予備洗浄するようなことはできない。そこで、出願人は、実用新案第3001599号公報に食器用浸漬槽を提案しているが、このような特別な装置を要せずに、図5に示すように洗浄槽20に適度な速さで沈む食器10Aとすることが求められている。 【0005】かかる点に対しては、ポリプロピレンに比重の大きい充填剤を添加して成形品の比重を大きくすることが知られている。しかし、このような充填剤の添加は、透明性を悪くし、また、食品による着色汚染が増大するという不具合が生じて食器としての商品性を損ねるという問題がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、洗浄液に浸漬して洗浄するのに適した比重を有し、かつ食品による耐着色汚染性にも優れている絵柄付きの樹脂材製食器を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の絵柄付き樹脂材製食器によれば、透明または半透明な樹脂材で内側部材を1次成形してその内側部材の外面に絵柄を印刷し、その内側部材の外側に不透明な樹脂材で外側部材を2次成形して作製した絵柄付き樹脂材製食器であって、前記内側部材は充填剤を添加しないポリプロピレン材で肉厚0.5mmないし2.0mmに成形し、前記外側部材はポリプロピレン材にポリプロピレン用充填剤としてポリオレフィン等衛生協議会のポリオレフィン等合成樹脂製食品容器包装等に関する自主規制基準いわゆるポジティブリストに掲載されている充填剤を10ないし60重量%添加して肉厚0.5mmないし3.5mmに成形し、全体の肉厚1.0mmないし4.0mmで比重が1.04以上1.5以下に構成している。 【0008】本発明によれば、全体の比重が1・04以上で洗浄液にすみやかに沈んで実用的であり、しかも肉厚が1.0mm以上なので成形性や剛性あるいは取扱性に支障がなく、かつ肉厚が4.0mm以下なので重すぎたり、積み重ね性が悪い、あるいは原料の消費量が多すぎるというようなことは生じない。そして、充填剤による耐食品着色汚染性および透明性の低下は、外側部材にのみ充填材を添加するので問題はない。また、水に沈めるだけであれば内側部材を不透明、外側部材を透明にして外側から絵柄が見えるようにすることもできる。 【0009】なお、前記ポジティブリストに掲載されているポリプロピレン用充填剤としては、酸化物として、酸化マグネシウム・酸化アルミニウム・酸化けい素・酸化チタン・酸化クロム・酸化鉄・酸化亜鉛、水酸化物として、水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム、炭酸塩として、炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム・炭酸亜鉛、硫酸塩として、硫酸カルシウム・硫酸バリウム、けい酸塩として、けい酸ナトリウム・けい酸マグネシウム・けい酸アルミニウム・けい酸カルシウム・アルミノ珪酸塩(Na、Ca)・けい酸アルミニウムカルシウム、その他(天然物)として、クレー・けいそう土・カオリン(陶土)・タルク・パーライト・ガラス・木粉、マイカ、金属として、アルミニウム・銀、硫化物として、硫化亜鉛、商品名表示物質として、サンリオン、イタヤゼオライト(Z)がある。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を説明する。まず、内側部材1は、前記図1に示した従来技術と同様に充填剤を添加しない透明なポリプロピレン材で肉厚0.5mmないし2.0mmに成形し、その外側面に絵柄3を印刷する。 【0011】そして、外側部材2は、ポリプロピレン用充填剤としてポジティブリストに掲載されている充填剤をポリプロピレン材に10ないし60重量%添加し、肉厚0.5mmないし3.5mmに成形し(図2)、全体の肉厚を1.0mmないし4.0mmにして比重が1.04以上1.5以下にする。 【0012】このようにして成形した樹脂材製食器10(図3)は、全体の比重が1・04以上なので洗浄液にすみやかに沈んで実用的であり、しかも肉厚が1.0mm以上なので成形性や剛性あるいは取扱性に支障がなく、かつ肉厚が4.0mm以下なので重すぎたり、積み重ね性が悪い、あるいは原料の消費が多すぎるというようなことは無い。また、充填剤添加による耐食品着色汚染性および透明性の低下は、外側部材2にのみ充填材を添加するので問題はない。 【0013】 【実験例】本発明の樹脂材製食器において、充填剤を変数にして成形性、ケチャップ・ソース・西瓜・バナナ・カレー・梅干しに対する耐食品着色汚染性、および浸漬槽に入れた時の状態を実験で確認を行い、その結果が表1に示されている。 【0014】表1 実験番号A1〜A5は、内側部材1に100%ポリプロピレンを用い、外側部材2にはポリプロピレン55%に、充填剤としてA1ではタルク、A2ではゼオライト、A3ではガラス、A4では酸化鉄、A5では硫酸バリウムBaSO4 をそれぞれ45%添加して成形し、実験を行っている。 【0015】その結果の評価は、成形性、外観は、 ◎非常に良好、○良好、△やや劣る、×困難または劣る を示し、原料自体の着色性は、 ○自由に着色できる、×着色に制約を受ける を示し、耐食品着色性は、 ○着色しない、△やや着色する、×着色する を示している。 【0016】次に、充填剤の添加比率を変数として実験を行った結果が、表2に示されている。 【0017】表2 実験番号B1〜B7は、内側部材1に100%ポリプロピレンを用い、外側部材2にはポリプロピレンに、充填剤として硫酸バリウムBaSO4 を、B1では15%、B2では25%、B3では30%、B4では35%、B5では40%、B6では45%、B7では50%それぞれ添加して成形し、実験を行っている。なお、結果は、前記と同様の評価法で示している。 【0018】上記の実験例からは、全体比重が1.04以下ではゆっくり沈み実用的でない、肉厚が4mm以上では重く、積み重ね性が悪くて実用的でなく、かつ1.0mm以下では成形性、剛性、取扱性に支障をきたすという結果が得られている。 【0019】そして、実験番号A1〜A5からは、外側部材としてポリプロピレン55%に、充填剤として45%のタルク、ゼオライト、ガラス、酸化鉄、硫酸バリウムBaSO4 を添加した場合には、充填剤の変数によって成形性、外観、および耐食品着色性に差は殆どなく、また、実験番号B1〜B7からは、充填剤(硫酸バリウムBaSO4 )の添加比率を増すと、成形性、外観は悪化するが、添加比率10〜60%であれば実用性がある。そして、耐食品着色汚染性は、内側部材に100%ポリプロピレンを用いる場合には変化を生じないといえる。 【0020】 【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され、洗浄液にすみやかに沈んで実用的であり、成形性や剛性あるいは取扱性には支障がなく、かつ重すぎたり、積み重ね性が悪かったり、あるいは原料の消費が多すぎるというようなことが無く、そして、充填剤添加による耐食品着色汚染性および透明性の低下は、外側部材にのみ充填材を添加するので問題がないという効果を示す。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000176176 【氏名又は名称】三信化工株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月22日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 敏忠 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−332718 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−141126 |
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