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【発明の名称】 衣服用ハンガー
【発明者】 【氏名】金城 輝幸

【要約】 【課題】構造が極めて単純で、肩幅の長さが調節でき、組み付け容易な衣服用ハンガーを提供する。

【解決手段】吊下げ用フック部1と、吊下げ用フック部1に支持された左右の肩部を構成する肩部本体10と、肩部本体10の両端側にその長手方向に往復移動する肩パッド20を備える。肩部本体10が線状材又は枠体等から形成され、この肩部本体10の両端側の肩部10kが2本の線状部10m、10nを備え、可動部材20は、これら2本の線状部によって挟持される被挟持部21を備え、これにより可動部材20が、被挟持部21と可動部材20の上面部23によって肩部本体10に支持される。被挟持部21を回動することにより、上記2本の線状部10m、10nが被挟持部21を挟持する力が弱まり、或いはその挟持する力が無くなることにより、肩パッド20を左右方向に移動できる。肩パッドの内周面上部から下方に回り止め部22が延設されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】吊下げ用フック部(1) と、吊下げ用フック部(1) に支持された左右の肩部を構成する肩部本体(10)と、肩部本体(10)の両端側にその長手方向に往復移動しうる肩パッド(20)等の可動部材を備えた衣服用ハンガーにおいて、この肩部本体(10)の両端側の肩部(10k) が長手方向に伸びる空間部(10r) を備え、可動部材(20)は、この空間部(10r) 内に配位されると共に、空間部(10r) の上下面等の対向する2つの支持面(10e)(10f)間に挟持される被挟持部(21)を備え、被挟持部(21)が上下に回動されることによって、上記支持面(10e)(10f)が被挟持部(21)を挟持する力が弱まり、或いは、その挟持する力が無くなることを特徴とする衣服用ハンガー。
【請求項2】吊下げ用フック部(1) と、吊下げ用フック部(1) に支持された左右の肩部を構成する肩部本体(10)と、肩部本体(10)の両端側にその長手方向に往復移動しうる肩パッド(20)等の可動部材を備えた衣服用ハンガーにおいて、肩部本体(10)が線状材又は枠体等から形成され、この肩部本体(10)の両端側の肩部(10k) が少なくとも2本の線状部(10m)(10n)を備え、可動部材(20)は、これら2本の線状部(10m)(10n)によって挟持される被挟持部(21)を備え、これにより可動部材(20)が、被挟持部(21)と可動部材(20)の上面部(23)によって肩部本体(10)に支持され、被挟持部(21)が回動されることによって、上記2本の線状部(10m)(10n)が被挟持部(21)を挟持する力が弱まり、或いは、その挟持する力が無くなることを特徴とする衣服用ハンガー。
【請求項3】可動部材(20)が肩部本体(10)の長手方向を軸として回動することを防止する回り止め部(22)を、可動部材(20)に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の衣服用ハンガー。
【請求項4】上記2つの支持面(10e)(10f)又は上記2本の線状部(10m)(10n)の一方又は両方に凹所(10p)(10q)が設けられ、可動部材(20)の被挟持部(21)が前記凹所(10p)(10q)の部位で挟持され、可動部材(20)の位置決めがなされることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の衣服用ハンガー。
【請求項5】ハンガーの肩幅の最大幅を規定するためのストッパー(25)を、肩部本体(10)又は可動部材(20)の適宜位置に設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の衣服用ハンガー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、衣服用ハンガー、とりわけ肩部の長さを調節することができる衣服用ハンガーの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来の衣服用ハンガー40を図示する一部切欠正面図であり、このハンガー40は、吊下げ用フック部41と、この吊下げ用フック部41に支持された左肩部42と右肩部43とを有し、これら左肩部42及び右肩部43のそれぞれは、肩部本体44とその先端側に摺動自在に設けられた可動部材としての摺動部材45とから形成されている(図中左側の摺動部材の図示は、左右対称のため、省略している。)。肩部本体44及び摺動部材45のそれぞれは、横断面逆U字形状を有し、摺動部材45が肩部本体44の外周面をその長手方向に摺動しうるように構成され、肩部本体44の先端側の両側面(図中手前側側面と向こう側側面)には長条孔部46が穿設され、この長条孔部46に摺動部材45の両内側面に形成された突起部47が係合することによって、肩部本体44と摺動部材45とが係合し、且つ摺動部材45の往復摺動距離(摺動ストローク)も同時に限定されるものである。
【0003】図9は、更に従来の他の衣服用ハンガー50を図示する一部切欠正面図であり、本願発明者が考案した登録第3004268号実用新案である。このハンガー50は、吊下げ用フック部51と、この吊下げ用フック部51に支持された左肩部52と右肩部53とを有し、これら左肩部52と右肩部53とが中央支持部54を中心として下方向Dに回動可能に支持されて折り畳むことができる。左肩部52及び右肩部53のそれぞれは、肩部本体55と、その先端側に摺動可能に設けられた可動部材としての摺動部材56とから形成されている。これら肩部本体55と摺動部材56とは、それぞれ横断面逆U字形状を有し、肩部本体55の外周面に摺動部材56が摺動する。
【0004】この摺動部材56が摺動する肩部本体55の外周面である摺動面57は、摺動部材56の肉厚の厚み分だけ窪ませており、摺動部材56が図中左側端部にまで摺動することにより(肩幅を一番狭くした状態において)、肩部本体55の外表面58と摺動部材56の外表面59とが同一の面をなすように形成されている。肩部本体55と摺動部材56との結合は、肩部本体55の先端側の上面に長条孔部60を穿設し、この長条孔部60に摺動部材56の内面の上方に設けられた突起部61が係合することによって行われ、併せて摺動部材56の摺動ストロークがこれらの長条孔部60と突起部61によって限定されるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の衣服用ハンガーは、通常、合成樹脂の成形により製造されるのであるが、この肩部本体の成形及び可動部材の成形、並びに、これら両者の組み付け等に手間が掛かかっており、この肩部本体を、例えば、金属製又は合成樹脂製の線状材、打ち抜き等から形成される枠体、板状体、或いは、帯状体等(勿論、その他各種形状の成形物であってもよい)を利用し、これらの線状材や枠体等からなる肩部本体に簡単に可動部材を取り付けることができるならば、その製造の簡略化に貢献できることは言うまでもないことである。そこで、本願発明は、構造が極めて単純でありながら、肩幅の長さを調節することができ、しかも、製造簡単且つ組み付け容易な衣服用ハンガーを提供することをその第1の課題としている。更に、本願発明は、可動部材がその長手方向に適切に往復移動できること、肩部本体の周方向に回転してしまわないこと、移動した位置を維持できること等もその課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本願発明の第1のものは、吊下げ用フック部1と、吊下げ用フック部1に支持された左右の肩部を構成する肩部本体10と、肩部本体10の両端側にその長手方向に往復移動しうる肩パッド20等の可動部材を備えた衣服用ハンガーにおいて、この肩部本体10の両端側の肩部10kが長手方向に伸びる空間部10rを備え、可動部材20は、この空間部10r内に配位されると共に、空間部10rの上下面等の対向する2つの支持面10e、10f間に挟持される被挟持部21を備え、被挟持部21が上下に回動されることによって、上記支持面10e、10fが被挟持部21を挟持する力が弱まり、或いは、その挟持する力が無くなることを特徴とする衣服用ハンガーである。
【0007】この発明により、より簡易な構造にして、可動部材を容易に往復移動させ、ハンガーの肩幅を広狭自在に簡単に調節できることになる。即ち、可動部材20の被挟持部21が肩部10kの空間部10r内に位置し、2つの支持面10e、10fによって挟持されているため、可動部材20が肩部本体10の所望の位置でその位置を維持することができる。また、可動部材20の被挟持部21が上下に回動されることにより、被挟持部21が両支持面10e、10fから受ける挟持力が弱まり、或いは、これら両者の挟持力から開放されることによって、肩パッド20を容易に水平方向に(左右方向に)移動させ、ハンガーの肩幅を広狭自在に調節することができる。
【0008】本願発明の第2のものは、吊下げ用フック部1と、吊下げ用フック部1に支持された左右の肩部を構成する肩部本体10と、肩部本体10の両端側にその長手方向に往復移動しうる肩パッド20等の可動部材を備えた衣服用ハンガーにおいて、肩部本体10が線状材又は枠体等から形成され、この肩部本体10の両端側の肩部10kが少なくとも2本の線状部10m、10nを備え、可動部材20は、これら2本の線状部10m、10nによって挟持される被挟持部21を備え、これにより可動部材20が、被挟持部21と可動部材20の上面部23によって肩部本体10に支持され、被挟持部21が回動されることによって、上記2本の線状部10m、10nが被挟持部21を挟持する力が弱まり、或いは、その挟持する力が無くなることを特徴とする衣服用ハンガーである。この発明により、上記第1の発明と同様の作用を有するとともに、肩部本体10が線状材又は枠体等から形成されているため、その構造がより簡易なものとなり、組み付け容易且つ製造簡単となる。
【0009】本願発明の第3のものは、上記第1又は第2の発明において、可動部材20が肩部本体10の長手方向を軸として回動することを防止する回り止め部22を、可動部材20に形成したことを特徴とする衣服用ハンガーである。この発明の回り止め部により、可動部材は、肩部本体の長手方向を軸とする回転が完全に防止せられ、確実に肩部本体に支持され、その位置を確実に維持することができる。
【0010】本願発明の第4のものは、上記それぞれの発明において、上記2つの支持面10e、10f又は上記2本の線状部10m、10nの一方又は両方に凹所10p、10qが設けられ、可動部材20の被挟持部21が前記凹所10p、10qの部位で挟持され、可動部材20の位置決めがなされることを特徴とする衣服用ハンガーである。この発明により、可動部材20の被挟持部21が肩部本体10に形成された凹所10p,10qにより適切に挟持され、且つ可動部材20の位置決めが的確に行われる。
【0011】本願発明の第5のものは、上記の何れかの発明において、ハンガーの肩幅の最大幅を規定するためのストッパー25を、肩部本体10又は可動部材20の適宜位置に設けたことを特徴とする衣服用ハンガーである。この発明により、ストッパー25が可動部材20の両端部側への移動位置を規制し、これによりハンガーの肩幅の最大長さが規定され、且つ、可動部材20が肩部本体10の両端部から下方に垂れ下がってしまうことが防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づき実施の形態について説明する。図1は、本願発明に係る第1の実施形態の要部断面説明図、図2は、同実施形態の要部平面説明図、図3は、同実施形態の要部底面説明図、図4(A)は、図1のS−S断面図、図4(B)は、図1のT−T断面説明図である。これらの図においては、左右対称であるため、一方の肩部の部分のみを図示している。
【0013】この実施形態に係る衣服用ハンガーは、吊下げ用フック部1と、この吊下げ用フック部1に支持された左右の肩部を形成する肩部本体10と、この肩部本体10の両側の先端側に位置する可動部材としての肩パッド20とから形成されている。吊下げ用フック部1は、その根本の軸芯を中心として回動自在に肩部本体10に連結されており、また金属製又は合成樹脂製の線状材から形成されている。肩部本体10は、吊下げ用フック部1と同様に、金属製又は合成樹脂製の線状材から一体的に形成されており、その中央部で吊下げ用フック部1によって支持されている。
【0014】換言すると、吊下げ用フック部1に支持された中央部から左右両側に線状材からなる肩部本体10が、このハンガーに掛けられる衣服の肩部の形状に沿うように延長し、その両端部で下方に湾曲して折り返し、その中央部に向かって更に延長し、その中央部分で、その両端部は不連続に形成されている。勿論その中央部分の不連続部を連続的に形成することも自由であって、線状材からなる肩部本体10の形状は適宜設計変更することができる。肩パッド20が往復移動しうる肩部本体10の両側の肩部10kは、上方の上方線状部10mと下方の下方線状部10nとからなり、これら上方線状部10mと下方線状部10nとは上下略平行に形成されている。これにより、これら上下両線状部10m、10nの間に空間部10rが長手方向に形成されることとなるのである。尚、この実施形態では、肩部本体として線状材を使用しているが、線状材以外からなる肩部本体を使用することも当然可能である。例えば、打ち抜き等から形成される枠体、板状体、帯状体、或いは各種形状を有する成形体等を使用することもできるのである。
【0015】この肩部本体10の両端側には、可動部材としての肩パッド20がその長手方向に往復移動するように設けられている。肩パッド20も、合成樹脂製又は金属製のものからなり、その中央部の横断面がほぼ逆U字形状を有する細長い形状のものから形成されている。この肩パッド20は、上記肩部本体10の両端側をその長手方向に往復移動できるように形成され、その内部に肩部本体10が往復移動できるような壁面からなる回り止め部22、22が形成されており、肩パット20の上面部23と共にこれらの回り止め部22、22に案内されることによって肩パッド20が肩部本体10の両端側で適切に往復移動することができ、肩パッド20が肩部本体10の回りを回動してしまう(肩部本体10の長手方向を軸として回動する)ことが防止せられる。
【0016】更に、肩パッド20の回り止め部22、22の間で、図1中、肩パッド20の左側の端部側に被挟持部21を一体的に形成しており、この被挟持部21は、図1の断面図から解る通り断面略楕円形形状を有しており、肩パッド20が肩部本体10に係合した状態で、肩部本体10の上方線状部10mと下方線状部10nによりその上方部分及び下方部分が挟持された状態となっている。即ち、肩部本体10の肩部10kを構成する上下略平行の上方線状部10mと下方線状部10nとの間隔距離よりも被挟持部21の上下方向の長さ(上下幅)を大きく形成し、肩パッド20を肩部本体10に係合したときに、肩パッド20の被挟持部21の上下端部が、上方線状部10mの下方の支持面10eと下方線状部10の上方の支持面10fを押し広げた状態にすることにより、被挟持部21がこれら上方及び下方線状部10m、10nによって挟持され、つまりその素材の有する弾性力により一定の付勢力(挟持力)によって挟持され、且つその位置を維持できるのである。(肩パッド20が肩部本体10を往復移動する詳細については後述する。)
【0017】図2及び図3から解る通り、肩パッド20は、平面視において肩部本体10と係合する側の横幅が小さく、その端部側に行くに従ってその横幅が徐々に大きく形成され、ハンガーに掛けられる衣服の肩部に相応しく沿うような形状に形成されている。また図4の断面図から解る通り、肩部本体10の上方線状部10mと下方線状部10nは、肩パッド20の両回り止め部22、22と上方の上面部23によって囲まれ、被挟持部21を上下の支持面10e、10fによって挟持している。図4(B)から解る通り、一方の回り止め部22の内面からはストッパー25としての突起部が設けられ、このストッパー25に肩パッド20に形成されている被挟持部21が当接することにより、肩パッド20の端部側への移動が停止せられる。これによってハンガーの肩幅の最大長さが規定され、且つ肩パッド20が肩部本体10の両端部から下方に垂れ下がった状態になることを防止できる。
【0018】上記構成からなる本願発明に係る衣服用ハンガーの肩幅を調節する手順は以下の通りである。先ず、図1に示されたように、肩パッド20が肩部本体10に係合した状態において、被挟持部21の上方端部と下方端部が肩部本体10の上方線状部10m及び下方線状部10nを上下に押し広げて、この被挟持部21が上方線状部10mと下方線状部10nの上下の支持面10e、10fによって一定の付勢力(挟持力)により挟持され、且つ肩パッド20の上面部23が上方線状部10mに乗った状態で、肩パッド20は、肩部本体10に係合し、その位置が維持された状態となっている。この状態で衣服をこのハンガーに掛けることができる。
【0019】次に、ハンガーの肩幅を広く又は狭くするときには、被挟持部21を中心として図1中矢印Dの方向に肩パッド20を回動する。被挟持部21は、上記した通り断面略楕円形状を有しており、その上下幅(略楕円形の長軸の長さ)よりもその水平方向の横幅(略楕円形の短軸の長さ)が小さく形成されているために、上記肩パッド20の回動により、その上下の幅が小さくなるのである。上下の幅が小さくなることによって、被挟持部21は、肩部本体10の上方線状材10m及び下方線状材10nの挟持から開放されて、つまりその挟持力が無くなり、その横方向への移動が容易に可能となる。
【0020】この状態で、肩パッド20を右方向(肩幅が広くなる方向)又は左方向(肩幅が狭くなる方向)へ移動させることができる。この移動後に、肩パッド20を図中矢印Dと反対方向に回動させ、つまり元の状態に戻すように、肩パッド20を肩部本体10に係合させることによって、再度肩パッド20の被挟持部21の上方端部及び下方端部が肩部本体10の上方線状部10mと下方線状部10nを押し広げ、被挟持部21がこれら上方線状部10mと下方線状部10nの両支持面10e,10fによって一定の挟持力によって挟持され、所定の位置を維持できることとなり、ハンガーの肩幅が調節されるのである。
【0021】尚、この肩幅調節は、上記のように肩パッド20を回動させて、左方向又は右方向に移行した後、肩パッド20を元に戻すように回動して行っているが、勿論、肩パッド20を回動させずに、肩パッド20を肩部本体10に係合させた図1の状態のままで、肩パッド20に横方向への力を加えて強制的に左方向又は右方向に移動させることもできるが、上記の通り肩パッド20を回動させた方が、横方向への移動に際し力が不要となるために、容易に肩幅調節を行うことができ、便利である。
【0022】図5は、本願発明に係る衣服用ハンガーの他の実施形態を図示する要部断面説明図である。この実施形態においては、肩部本体10の両側の肩パッド20が往復移動する部分の形状が前記実施形態と異なっているのみで、他の構成要素はほぼ同様である。つまり、この実施形態においては、肩部本体10の両側の肩パッド20が往復移動する肩部10kの部分を構成する上方線状部10m及び下方線状部10nのそれぞれに複数の凹所10p,10qを複数列設し、上方線状部10mに設けた凹所10pと下方線状部10nに設けた凹所10qを相互に対向する位置に設けている。
【0023】このような構成により、肩パッド20の被挟持部21の上方端部と下方端部とが上下の凹所10p,10qによって一定の力で挟持されることになるのであ。即ち、被挟持部21の上下幅(長軸の長さ)を凹所10pと凹所10qとの間隔距離よりも大きく形成し、被挟持部21の水平方向の横幅(短軸の長さ)は、上記実施形態と同様に上下幅よりも小さく形成しているために、肩パッド20を被挟持部21を中心として回動することによって、被挟持部21の上下の幅が小さくなって肩パッド20を左右の横方向に移行させることができることは、上記の実施形態と同様である。尚、図5においては吊下げ用フック部及びストッパーの図示は省略している。また、この実施形態においては、凹所10p及び凹所10qをそれぞれ上下対向する同一の位置に設けているが、これを左右にずらした状態に、即ち、略楕円形からなる被挟持部21を少し斜めにした状態で(つまり、略楕円形の長軸を傾けた状態で)挟持できるように形成してもよいことは勿論である。
【0024】図6は、更に本願発明に係る衣服用ハンガーの他の実施形態を図示する要部断面説明図である。この実施形態においては、肩部本体10の形状と肩パッド20の内面の形状が異なっている。即ち、肩部本体10は、金属製又は合成樹脂製の線状材からなり、中央の吊下げ用フック部1から掛けられる衣服の肩部の形状に沿うように両側に延長し、その両端部で下方に略直角に折曲し、更に今度は中央部側に向かって略直角に延長して、その中央部で他端から延長する端部と連結して、環状に形成されたものである。この実施形態においても、肩部本体10の両側の肩部10kが上方線状部10mと下方線状部10nとから形成され、この上下の線状部10m,10n間に長手方向に空間部10rが形成され、上下の線状部10m,10nの上下の支持面10e,10fが被挟持部21の上下端部を挟持するように構成している点は、上記の実施形態と同様である。
【0025】この肩部本体10の形状に合致するように、肩パッド20の回り止め部22、22の間の両側の端部が略垂直の垂直面22vにて形成され、この垂直面22vに肩部本体10の端部10uが当接して、ハンガーの肩幅が最小となるように形成されている。また、ストッパー25となる突起部を下方線状部10nの適宜位置から上方に突出するように形成して、肩パッド20の被挟持部21がこのストッパー25に当接することにより、ハンガーの肩幅の最大長さが規定され、且つ肩パッド20が肩部本体10の両端部から下方に垂れ下がってしまうことを防止することができるのである。この実施形態においては、また上記の実施形態と異なり、肩パッド20の回り止め部22の壁面の上下の長さが短く形成され、被挟持部21の下方部分が回り止め部22の間から下方に突出した状態に形成されている。この実施形態においても、肩パッド20の往復移動の仕方は、上記実施形態と全く同様である。
【0026】図7は、肩パッド20と肩部本体10との最適な係合状態を示す説明図である。この図に示したように、肩パッド20と肩部本体10との最適な係合状態は、肩パッド20が肩部本体10に係合されたときに、肩パッド20の上面部23の下面が、肩部本体10の上方線状部10mの上面から少し離れた位置にあって、且つ、この状態で断面略楕円形状の被挟持部21の長軸が少し左に傾斜した状態が、最適な係合状態となるのである。というのも、この最適な係合状態にあるハンガーに衣服を掛けることによって、肩パッド20に衣服の重量が掛かり、下方向に力Wが負荷され、これにより肩パッド20が被挟持部21の部分で図中右回転の力を受けることによって、被挟持部21が多少右回転し(図中矢印Yの方向に回転し)、被挟持部21が上方線状部10mと下方部線状部10nによってより強く挟持されることになるからである。このように、衣服をハンガーに掛けたときに、肩パッド20が少し下方に下がり、被挟持部21が上下に回動して、その上下の長さが少し長くなるように設計することが最も望ましいのである。
【0027】以上、実施形態について説明したが、本願発明においては以下の通り各種設計変更が可能である。吊下げ用フック部1は、肩部本体20に対して、その根本部の軸方向を中心として回動自在に設けたが、これが回動しないものであってもよい。線状材から成る肩部本体10の形状も全く自由に設計することができ、少なくとも肩パッド20が往復移動する肩部本体10の肩部10kの部分が上方線状部10mと下方線状部10nとから形成され、これら上方線状部10mと下方線状部10nとの間に空間部10rが形成されていればよいのである。
【0028】更に、肩部本体10の肩部10kの部分の構成は、少なくとも2本の線状部から形成され、これら2本の線状部によって被挟持部21を一定の挟持力でもって挟持することができればよいのであって、必ずしも上下に略平行である必要もないのである。即ち、これらの線状部は、横方向或いは水平方向に略平行であってもよく、肩パッドを水平面内で回動することによって被挟持部が2本の線状部の挟持から開放されるように、或いは、その挟持力が弱まるように構成することも容易に可能である。線状部の材質、太さ等も全く自由に設定することができる。
【0029】肩パッド20に形成される被挟持部21も、その断面形状が略楕円形状に限られることなく、その形状を種々変更することができるが、被挟持部21の回動中心を含む長軸の長さ(長手方向の長さ)が、その回動中心を含む短軸の長さ(短か手方向の長さ)よりも長く形成し、被挟持部21が回動することにより、2本の線状部によって挟持されている方向の長さが徐々に短くなるように形成されていればよいのである。また、この被挟持部21は、肩パッド20の回り止め部22、22の間に設けているが、上記図6に示した実施形態のように、この回り止め部22、22の間から下方に突出していてもよい。
【0030】更に、被挟持部21は、上記の実施形態においては肩パッド20と一体的に形成していたが、これを肩パッド20と別体に形成することもでき、且つ、この被挟持部21のみを回動させて、2本の線状部に挟持させたり、或いはその挟持から開放させたりすることも可能である。例えば、断面略楕円形状を有する被挟持部を肩パッド20の回り止め部22、22の間で、これら回り止め部22、22の壁面に軸着して、肩パッド20の外部からの操作によってこの被挟持部を回動自在とし、肩部本体の2本の線状部にこの被挟持部を挟持させたり、その挟持を解除させるように構成することも容易に可能なことである。このように構成することにより、肩パッド20の全体を回動させることなく、被挟持部のみを回動させることによって簡単に肩部本体に被挟持部を挟持させたり、或いはその挟持を解除させたりすることが可能となるのである。肩パッド20の被挟持部21の側に弾性力を有する素材を使用することにより弾性力を持たせ、肩部本体10の側を剛性のある素材から形成して、両者を係合するように構成することもできる。その他、肩パッド20の形状、大きさ、材質等適宜自由に設定することができる。
【0031】肩部本体10の線状部10m、10nに設けた凹所10p,10qも、上記実施形態のように上下同一位置に対向するように設けるばかりでなく、上述した通り少しずらして設けてもよく、或いは、上方線状部のみ、又は下方線状部のみに形成するようにしてもよい。ストッパー11についても、肩部本体10側或いは肩パッド20の側の何れの側に設けることもでき、且つ、その位置も肩パッド20が肩部本体10の両端部から下方に垂れ下がってしまわないような如何なる部位にも設けることもできるし、またその大きさ、形状等も適宜自由に設計することができる。
【0032】以上の実施形態の説明においては、肩部本体を線状材から形成したものを中心として説明したが、この肩部本体は、線状材以外のものでも形成することが出来る。例えば、この肩部本体は、打ち抜き等によって形成された枠体、板状体、帯状体、或いは適宜形状を有する成形物であってもよい。このような場合には、肩部本体の両側の肩部10kに長手方向に延長する空間部10rが形成されていればよく、この空間部10r内に肩パッド20の被挟持部21が位置し、この被挟持部21の上下端部を、空間部10rの上面及び下面等の支持面10e、10fが挟持できるように構成すればよいのである。そして、この場合には、上下の支持面10e、10fが必ずしも弾性力をもって被挟持部21を挟持するものでなく、逆に被挟持部21の側を弾性を有する素材によって形成してもよいのである。
【0033】
【発明の効果】本願発明の第1のものにおいては、簡易な構成からなるハンガーであって、しかも肩パッド等の可動部材を簡単にその長手方向に往復移動させることができ、ハンガーの肩幅を広狭自在に容易に調節することができる。可動部材の被挟持部が上下に回動されることにより、被挟持部が肩部の両支持面から受ける挟持力が弱まり、或いは、これら両者の挟持力から開放されることによって、可動部材を容易に水平方向に(左右方向に)移動させ、ハンガーの肩幅を広狭自在に調節することができる。他方、その簡易な構成により、製造も容易で、製造コストの削減も図ることができる。
【0034】本願発明の第2のものにおいては、上記第1の発明と同様の効果を発揮する上に、肩部本体が線状材又は枠体等から形成されているため、その構造がより簡易な物となり、組み付け簡単且つ製造容易となる。本願発明の第3のものにおいては、可動部材に回り止め部が設けられているため、可動部材が、肩部本体の長手方向を軸とする回転が完全に防止され、確実に肩部本体に支持される。本願発明の第4のものにおいては、可動部材の被挟持部が肩部本体に形成された凹所により適切に挟持され、且つ可動部材20の位置決めが的確に行われる。本願発明の第5のものにおいては、ストッパーが可動部材の両端部側への移動位置を規制し、これによりハンガーの肩幅の最大長さが規定され、且つ、可動部材が肩部本体の両端部から下方に垂れ下がってしまうことが防止される。
【出願人】 【識別番号】591089475
【氏名又は名称】金城 輝幸
【識別番号】395005125
【氏名又は名称】株式会社サンローラ
【出願日】 平成10年(1998)5月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 武信
【公開番号】 特開平11−318684
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平10−156787