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【発明の名称】 ヒーター加熱用陶磁器製食器及びその製造方法
【発明者】 【氏名】田 中 武 彦

【要約】 【課題】底面を平滑にするために研磨を行っても食器裏面の品番表示マークが消されることのない陶磁器製食器及びその製造方法を提供する。

【解決手段】底部(1a)が平滑に仕上げられた陶磁器製食器(1)であって、その底部(1a)の裏面(b)側にくぼみ(5)を有する形状に成形されており、そのくぼみの中には絵、文字、記号等(6)が印刷されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 底部が平滑に仕上げられた陶磁器製食器であって、その底部裏面側にくぼみを有する形状に成形されており、そのくぼみの中には絵、文字、記号等が印刷されていることを特徴とするヒーター加熱用陶磁器製食器。
【請求項2】 成形機で所定形状の食器素材に成形し乾燥する成形工程と、成形乾燥した食器素材を素焼きする素焼工程と、素焼きした食器素材に釉薬を塗布する施釉工程と、施釉した食器素材を焼成する焼成工程と、焼成した食器素材の底部裏面側を研磨して仕上げる仕上工程とを含んで製造するヒーター加熱用陶磁器製食器の製造方法において、前記成形工程にて食器素材の裏面に絵、文字、記号等を表示するためのくぼみを付けて成形し、前記くぼみに絵、文字、記号等を印刷する印刷工程を前記施釉工程の前に設けたことを特徴とするヒーター加熱用陶磁器製食器の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絵、文字、記号等を表示したヒーター加熱用陶磁器製食器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、機内食等に用いられる陶磁器製の食器(皿)は、食品を暖めるためにヒーター盤上に直接おいて加熱されており、その際に、ヒータを傷つけないように底部裏面側が平滑に仕上げられている。
【0003】このような陶磁器製食器は、陶石、長石等の各種原料を調合・混合してねり合わせ、成形機で成形し、800度で7〜8時間素焼きし、釉薬を塗布し絵付け後、1200度で約20時間焼成して製造されている。
【0004】そして、前記の食器底部裏面側を平滑仕上げする方法としては、釉薬を塗布して焼成する方法が採られているが、図4に示すような糸尻8を付けた食器1Aでは、図5に示すように変形Xが生じて平面度が出ない。また、図6に示すような糸尻がない食器1を、上下を逆にして焼成しても、図7に示すように変形Yが生じる。なお、糸尻を付けないで普通に焼成すると裏面b側には釉薬が付けられないため、素焼きの表面状態のままでは、やすり状のざらつきが残る。しかるにヒータ加熱用陶磁器製食器では、その底部裏面側が平滑でないと、食品の加熱効果が得られなく、又ヒータ盤を傷つける。
【0005】そのため、製造最終工程で、ヒータ盤を傷つけないように食器の裏面側が研磨仕上げされている。しかし、この方法では、裏面側に表示する絵、文字、記号等による品番や会社名等までもが研磨されて、見られなくなってしまうという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上記の欠点に対処し、食器の裏面側を平滑にするために研磨加工を行っても絵、文字、記号等の表示が消されることのない陶磁器製食器及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のヒーター加熱用陶磁器製食器によれば、底部が平滑に仕上げられた陶磁器製食器であって、その底部裏面にくぼみを有する形状に成形されており、そのくぼみの中には絵、文字、記号等が印刷されている。
【0008】また、本発明のヒーター加熱用陶磁器製食器の製造方法によれば、成形機で所定形状の食器素材に成形し乾燥する成形工程と、成形して乾燥した食器素材を素焼きする素焼工程と、素焼きした食器素材に釉薬を塗布する施釉工程と、施釉した食器素材を焼成する焼成工程と、焼成した食器素材の底部裏面を研磨して仕上げる仕上工程とを含んで製造するヒーター加熱用陶磁器製食器の製造方法において、前記成形工程にて食器素材の裏面に絵、文字、記号等を表示するためのくぼみを付けて成形し、前記くぼみに絵、文字、記号等を印刷する印刷工程を前記施釉工程の前に設けている。
【0009】このように、食器裏面側の所定位置にあらかじめくぼみを設けておき、そのくぼみに絵、文字、記号等で会社名、品番等をパット等で印刷し、その後に焼成して研磨仕上げすることで、絵、文字、記号等が削り取られることなく底部裏面側が平滑な食器が製造できる。
【0010】なお、絵、文字、記号等を彫刻で凹ませて形成した場合には、そこにゴミが溜まって美観を損ね、また、絵、文字、記号等を凸設した場合にはヒーターの加熱効果が薄められる。一方、表面に会社名、品番等を付けたのでは外観を損ねる。これらは、いずれも良好な商品性を得ることができない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1及び図2において、陶磁器製食器1は、その底部1aが糸尻のない平滑な面に仕上げられており、その底部1aの裏面b側の中央部にくぼみ5を有する形状に成形されている。そして、そのくぼみ5の中には絵、文字、記号等6により会社名、品番等が印刷されている。
【0012】次に、図3に示すフロー図を参照して本発明の製造方法を説明する。まず、成形工程S1において、陶石、長石、カオリン等の各種原料を調合・混合してねり合わせた粘土を、成形機で、食器素材1の裏面b側に絵、文字、記号等6を表示するためのくぼみ5を有する形状に成形し、乾燥する。そして、素焼工程S2で、成形した食器素材を約800度で7〜8時間焼成して素焼きをする。この素焼きをした食器素材に印刷工程S3で前記裏面bのくぼみ5に絵、文字、記号等6を印刷し、施釉工程S4で釉薬を塗布し、絵付け加工をする。次に、焼成工程S5にて約1200度で約20時間焼成する。焼成後の仕上工程S6では、裏面bを研磨加工により平滑に仕上げる。
【0013】本実施形態によれば、図1及び図2に示されているように、底部1aの裏面bのくぼみ5に絵、文字、記号6で品番マーク等が印刷されているので、焼成工程S5において変形が生じても、仕上工程S6で研磨仕上げする際に印刷部分が削り取られることがなく、底部1aを平滑に仕上げることができ、品番マーク等を明瞭に表示できる。
【0014】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され、以下の効果を奏する。
(1) 底部に糸尻が無く平滑に仕上げられているので伝熱性能に優れ、ヒーター盤を傷付ける恐れがない。機内食用等の食器として好都合である。
(2) 裏面側に会社名、マーク、品番等が美観を損なうことなく表示され、識別や取扱い上のメリットを有する。
(3) 焼成の際の変形は、研磨加工で平滑に仕上げられ、その際に印刷部分が削り取られることがなく、作業は容易に行える。
【出願人】 【識別番号】000176176
【氏名又は名称】三信化工株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月14日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敏忠 (外1名)
【公開番号】 特開平11−318678
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平10−131526