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【発明の名称】 飲用容器ホルダ
【発明者】 【氏名】宮田 丈夫

【要約】 【課題】温かい又は熱い飲物を注いだ飲用容器では熱の伝達を防ぎ、冷たい飲物を注いだ飲用容器では結露で手が汚れたり、飲用容器を滑り落とすといった問題を解決する。

【解決手段】全体として熱溶融性を有する不織布6,8で少なくとも内袋5及び外袋7を構成する重層構造を有する略方形の袋体であり、この袋体の底面角部12,12を略方形に切り欠くことによりこの底面を飲用容器1の抜け落ち防止バンド17として形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 全体として熱溶融性を有する不織布又は不織布とフィルムとの複合材で少なくとも内袋及び外袋を構成する重層構造を有する略方形の袋体であり、該袋体の底面角部を切り欠いてなる飲用容器ホルダ。
【請求項2】 底面角部を切り欠く形状が略方形であり、切り欠くことにより該底面を飲用容器の抜け落ち防止バンドとして形成してなる請求項1記載の飲用容器ホルダ。
【請求項3】 内袋が、伝熱性の低い又は断熱性を有する不織布からなる請求項1記載の飲用容器ホルダ。
【請求項4】 内袋が、吸水性のある不織布からなる請求項1記載の飲用容器ホルダ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、缶、瓶、ペットボトル、湯呑み、コップ、グラス、紙コップ等の飲用容器に注いだ飲物を、この飲用容器ごと保温又は保冷する飲用容器ホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】缶、瓶、湯呑み、コップ、グラス等の飲用容器に注いだ飲物は、前記飲用容器をそのまま手にして持つ。例えば、缶飲料は、手軽に飲める飲物として、広く普及しており、今では予め温めた缶飲料(以下温缶飲料)や予め冷やした缶飲料(以下冷缶飲料)を簡単に手に入れることができ、自動販売機から取り出した状態では、表面を塗装したアルミ又はスチールの素地に手を触れて、そのまま手に持つようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】温缶飲料の場合、温度にもよるが、比較的比熱の高い飲物を温めたことから、意外に熱量を有している。このため、同じ部位を長く持っていると、アルミ又はスチールの素地を通じて熱が手に伝わり、熱くて持てなくなることがあった。子供などでは、火傷をする虞もあった。また、冷缶飲料の場合、手で持てなくなるほど冷たいことはないが、缶表面に結露が生じて手を汚してしまったり、うっかりと缶を滑り落とすといった問題があった。
【0004】従来は、上述の温又は冷缶飲料における温度の問題に対し、短時間で缶を持ち代えて熱が伝わりにくくしたり、タオル、ハンカチ又はティッシュ等でくるんで缶を持つなどして対処していたが、これらはいずれも缶飲料の手軽さを損なうことになっていた。また、広く様々な飲用容器に目を移せば、湯呑みやコップ、グラス等、必ずしもタオルやハンカチでくるみ、持つことが相応しくないものも多く、とりわけパーティの席では好ましくない。そこで、缶飲料では手軽さを損なうことなく、温缶飲料では熱の伝達を防ぎ、冷缶飲料では結露で手が汚れたり、缶を滑り落とすといった問題を、更には多種多様な飲用容器における同様な問題を解決するため、汎用的な飲用容器の保持手段について検討した。
【0005】
【課題を解決するための手段】検討の結果、開発したものが、全体として熱溶融性を有する不織布又は不織布とフィルムとの複合材で少なくとも内袋及び外袋を構成する重層構造を有する略方形の袋体であり、この袋体の底面角部を切り欠いた飲用容器ホルダである。底面角部を切り欠く形状は略方形とし、切り欠くことによりこの底面を飲用容器の抜け落ち防止バンドとして形成するとよい。
【0006】具体的な飲用容器ホルダとしては、重ねた2枚以上の不織布の両端縁をそれぞれ一体に超音波溶着又は熱融着(以下、熱溶着で総称)し、この熱溶着した端縁を重ねるように二つ折りにして今度は両側縁をそれぞれ一体に熱溶着し、かつ折り返し縁の角部を切り欠いた構造がある。この場合、底面にあたる折り返し縁を抜け落ち防止バンドとして内袋内に缶飲料を挿入し、外袋を手に持って使用する。
【0007】この飲用容器ホルダでは、内袋と外袋とに同じ不織布を用いたり、内袋を何重にしてもよいが、(1)温かい(又は熱い)飲物を注いだ飲用容器(例えば温缶飲料)に対しては、伝熱性の低い又は断熱性を有する不織布から内袋を構成し、(2)冷たい飲物を注いだ飲用容器(例えば冷缶飲料)に対しては、吸水性のある不織布から内袋を構成し、これらの内袋と外袋との二層構造にするのが好ましい。内袋の不織布に特定の性質を持たせることにより、保温性又は保冷性に特化した飲用容器ホルダとすることができ、また積層する不織布の枚数を減らし、不使用時に折り畳んだ飲用容器ホルダを薄くできる。また、(3)伝熱性の低い又は断熱性を有する不織布と吸水性のある不織布とから二層の内袋を構成すれば、温冷いずれの飲物を注いだ飲用容器に対しても利用可能な飲用容器ホルダを形成できる。
【0008】本発明では、全体として熱溶融性を有する不織布を使用する。この熱溶融性不織布は、飲用容器ホルダの製造に際する張り合わせや裁断を、それぞれ熱溶着、溶断といった簡易な手段で実施できる利点がある。具体的には、PP、NY、PET等からなる単位重量30〜100g/mの不織布が好適である。温かい(又は熱い)飲物を注いだ飲用容器に適した内袋を構成する伝熱性の低い又は断熱性不織布としては、PE、PET等からなる単位重量100g/m前後のバルキー性不織布がよい。このバルキー性不織布は、芯鞘構造の短繊維が絡まった構造を有し、断熱性と共に弾力性を有している。冷たい飲物を注いだ飲用容器に適した内袋を構成する吸水性不織布としては、単位重量20〜60g/mのアクリル系が好ましい。このほかに、綿(コットン)系やレイヨン系不織布も、熱溶融性不織布又はフィルムの溶融部位と絡ませることにより、飲用容器ホルダの製造に際する張り合わせや裁断ができるので、使用可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。図1は、350mL缶の冷缶飲料1(例えば炭酸系ジュース類)に装着した本発明の飲用容器ホルダ2を表した一部破断斜視図、図2は収納又は携帯時に折り畳んだ状態にある同飲用容器ホルダ2の斜視図、図3は飲用容器ホルダ2に冷缶飲料1を装着する手順を表した斜視図であり、図4は190mL缶の温缶飲料3(例えば缶コーヒー類)に装着した別例の飲用容器ホルダ4を表した一部破断斜視図である。説明の便宜上、缶飲料を例に挙げたが、各例示の飲用容器ホルダ2,4は、このほか様々な飲用容器、瓶、湯呑み、コップ、グラス等に使用可能である。
【0010】図1に示した例の飲用容器ホルダ2は、冷缶飲料1に適した構成として、内袋5に超吸水性不織布6(図1中破断内)として東洋紡績社製ランシールF又はカネボウ社製ベルオアシス(いずれも商標名)を採用し、外袋7にはフラット不織布8を用いている。各不織布6,8は両端縁9,9で一体に超音波溶着し、二つ折り後、両側縁10,10を一体に超音波溶着してそれぞれ内袋5、外袋7を構成し、図2に見られるように底面となる折り返し縁11の両端(角部)12,12を略方形に切り落として飲用容器ホルダ2となる。この飲用容器ホルダ2は、図3に見られるように、折り返し縁11を冷缶飲料1を受ける抜け落ち防止バンド17とし、冷缶飲料1を下方から包み込むようにして装着する。
【0011】図4に示した例の飲用容器ホルダ4は、温缶飲料3に適した構成として、内袋5に断熱性不織布13(図1中破断内)として丸三産業社製ウルトラボリューム(商標名)を採用し、外袋7には図1の例同様のフラット不織布8を用いている。各不織布13,8は両端縁9,9で一体に超音波溶着し、二つ折りにして両側縁10,10を一体に溶断溶着してそれぞれ内袋5、外袋7を構成し、かつ折り返し縁11の両端12,12を略方形に切り落として抜け落ち防止バンド17を形成し、図2相当の外形を有する飲用容器ホルダ4となる。装着手順は、図3に準ずる。
【0012】図5は図1の例における冷缶飲料1に装着した飲用容器ホルダ2の断面図であり、図6は図4の例における温缶飲料3に装着した飲用容器ホルダ4の断面図である。冷缶飲料1に装着した飲用容器ホルダ2は、図5に見られるように、超吸水性不織布6からなる内袋5を缶表面14に添わせ、外袋7を飲用者が手で持つことになる。図5から明らかなように、内袋5と外袋7との間には空気による断熱層15が形成され、保冷に寄与している。また、内袋5に採用した超吸水性不織布6が、缶表面14に結露してできた水滴16を逐次吸水していくので、飲用容器ホルダ2が滑って冷缶飲料1からずれる虞は少なく、また冷缶飲料1の底部を抜け落ち防止バンド17(図1及び図2参照)が支持しているので、外れる心配はない。この抜け落ち防止バンド17は、袋体の底面角部を切り欠いて形成するため、冷缶飲料1の底に添いやすく、飲用容器ホルダ2を装着した冷缶飲料1を安定して載置できるようになっている。
【0013】温缶飲料3に装着した飲用容器ホルダ4は、図6に見られるように、断熱性不織布13からなる内袋5を缶表面14に添わせ、外袋7を飲用者が手で持つことになる。図6から明らかなように、この飲用容器ホルダ4においても、内袋5と外袋7との間には空気による断熱層15が形成されるほか、内袋5には断熱性不織布13を用いているので、温缶飲料3が有する熱量は逃げ出しにくく、容易に冷めることがない。また、断熱性不織布13は、短繊維を絡ませた厚手の不織布であるため、保水能力が見込まれる。これにより、この飲用容器ホルダ4は、冷缶飲料に適用することもできる。この場合、断熱性は保冷力として発揮される。
【0014】図7〜図9は、図1に示した飲用容器ホルダ2の製造工程を表した斜視図であり、図7は各不織布6,8を重ねて両端縁9,9を超音波溶着している工程、図8は超音波溶着した両端縁9,9を重ねるようにして二つ折りにしている工程、図9は飲用容器ホルダ2の幅に合わせて、折り返し縁11の両端12,12相当部位を略方形に切り落とし、続いて溶断溶着している工程を表している。以上の工程から明らかなように、本発明の飲用容器ホルダは、熱溶融性を備えた不織布の特性を利用して、熱溶着(本例では超音波溶着)及び溶断溶着といった簡易な手段で、安価かつ連続して製造でき、極めて生産性が高い。
【0015】まず、図7に見られるように、上面に内袋となる超吸水性不織布6を、下面に外袋となるフラット不織布8を連続的に送り出して、両者を重ねた状態で両端縁9,9を超音波溶着する。続いて、図8に見られるように、送出方向の中心線を折り返し縁11として両不織布6,8を一体に二つ折りにする。そして、図9に見られるように、製品となる飲用容器ホルダ2の幅に合わせて最初に折り返し縁11の両端12,12相当部位を略方形に切り落とし、最後に溶断溶着して分離を図り、製品としての飲用容器ホルダ2を得る。本例の折り返し縁両端12,12の切り落とし形状は略方形であるが、そのほか自由な形状で切り落とすことができる。
【0016】例えば、厚手の断熱性不織布を用いる飲用容器ホルダでは、装着対象となる飲用容器が小さくなると当然飲用容器ホルダも小さくなり、飲用容器の底面に沿って折れ曲がる底面(折り返し縁付近)における内袋と外袋との不織布の密着性が低下する。この場合、図7に相当する工程で、不織布の両端縁だけでなく、底面(折り返し縁相当部位)をも溶着し、両不織布の密着性を図るようにしてもよい。また、図9における工程で、先に両側縁相当部位を溶着し、続いて折り返し縁両端を切り落とした後に、前記両側縁相当部位を切断してもよい。このような工程手順の前後は、製造設備、条件に合わせて任意に変更できる。
【0017】
【発明の効果】本発明の飲用容器ホルダの使用にあたっては、缶飲料等の手軽さを損なうことがなく、温かい(又は熱い)飲物を注いだ飲用容器では熱の伝達を防ぎ、冷たい飲物を注いだ飲用容器では結露で手が汚れたり、飲用容器を滑り落とすといった問題を解決する。特に、底面角部を切り欠くことにより、缶飲料等へ装着したときに突出する底面角部がなくなり、形成された抜け落ち防止バンドが缶飲料等の底にきれいに添うため、見栄えもよく、飲用容器ホルダを装着した状態でテーブル等に置いたときの缶飲料等の安定性が極めてよい。また、不織布で構成される飲用容器ホルダは、収納又は携帯時には比較的薄く折り畳むことができ、かさばらないので、行楽や旅行に携行できる利便性がある。この場合、飲用容器ホルダを取り外して再利用できるし、使い捨てとして焼却処分することもできる。
【0018】熱溶融性のある不織布を用いた本発明の飲用容器ホルダは、熱溶着や溶断溶着といった手段で容易に製造できるなど、生産性が高い。また、不織布自体安価に供給されているので、飲用容器ホルダは極めて低コストに、かつ大量に供給することができる。このため、上述のような使い捨てといった使用形態のほか、大量に一括使用が想定されるパーティー等にも本発明の飲用容器ホルダを提供することができる。底面角部を切り欠くことによる抜け落ち防止ホルダの缶飲料等の底への密着性、見栄えのよさ、装着した缶飲料等を置いたときの安定性は、こうしたパーティ等での使用時には重要である。このように、本発明の飲用容器ホルダは、利便性が高く、様々な飲用容器に対しての利用が見込めるのである。
【出願人】 【識別番号】593007084
【氏名又は名称】株式会社ミスモ加工
【出願日】 平成10年(1998)5月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】森 廣三郎
【公開番号】 特開平11−318676
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平10−138373