| 【発明の名称】 |
抗菌食器およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大平 修
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| 【要約】 |
【課題】長期間にわたり抗菌効果を発揮することができて衛生的な抗菌食器およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも表面をガラス質とした食器本体の表面に、難溶性塩化銀の微粒子が分散・露出しているアルミナコート膜を形成してあることを特徴とする抗菌食器と、施釉された陶磁器製の食器表面に、難溶性塩化銀が含有されているアルミナゾルコート液をコーティングしてこれを乾燥した後、アルミナが結晶化しない低温度域で焼成して、食器表面に難溶性塩化銀の微粒子が分散・露出しているアルミナコート膜を形成することを特徴とする抗菌食器の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも表面をガラス質とした食器本体の表面に、難溶性塩化銀の微粒子が分散・露出しているアルミナコート膜を形成してあることを特徴とする抗菌食器。 【請求項2】 アルミナコート膜の厚みが、0.2μm 以下である請求項1に記載の抗菌食器。 【請求項3】 施釉された陶磁器製の食器表面に、難溶性塩化銀が含有されているアルミナゾルコート液をコーティングしてこれを乾燥した後、アルミナが結晶化しない低温度域で焼成して、食器表面に難溶性塩化銀の微粒子が分散・露出しているアルミナコート膜を形成することを特徴とする抗菌食器の製造方法。 【請求項4】 アルミナゾルコート液のアルミナゾル濃度を2〜3%、銀濃度を0.2%以下とした請求項3に記載の抗菌食器の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、長期間にわたり抗菌効果を発揮することができて衛生的な抗菌食器およびその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、例えば、学校や病院などで使用される磁器製の食器には、食中毒の予防を目的として抗菌処理を施したものが種々提案されている。この抗菌処理としては、オリゴダイナミーと称され−SH基と反応して菌の機能を阻害し殺菌作用を示す銀イオンに着目して、燐酸カルシウムやゼオライト等に銀を担持させた銀含有無機系抗菌材を用い、該抗菌材を生釉薬中に添加したり、製品表面にスプレーコーティングしたりした後、1000℃以上の高温で焼成を行い釉薬層に抗菌材を融着させる方法が知られている。 【0003】ところが、抗菌材を生釉薬中に添加する場合には、高温焼成を行う過程で抗菌材が釉薬中に埋没してしまい表面に露出する割合が少なくなって十分な抗菌効果を発揮することができないという問題点があり、一方、抗菌材を製品表面にスプレーコーティングする場合には、抗菌材の融着力をコントロールすることができないので、簡単に剥がれてしまって短期間で抗菌効果が消滅してしまうという問題点があった。また、前記いずれの方法においても、釉薬の組成に影響を与えることが避けられないので、釉表面がザラザラになったり、釉薬層の内部に歪みを発生させて強度が低下する等の問題点もあった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとするところは上記のような従来の問題点を解決して、長期間にわたり安定して抗菌効果を発揮することができるとともに、優れた外観品質を保持することができる抗菌食器およびその製造方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するためになされた本発明は、少なくとも表面をガラス質とした食器本体の表面に、難溶性塩化銀の微粒子が分散・露出しているアルミナコート膜を形成してあることを特徴とする抗菌食器と、施釉された陶磁器製の食器表面に、難溶性塩化銀が含有されているアルミナゾルコート液をコーティングしてこれを乾燥した後、アルミナが結晶化しない低温度域で焼成して、食器表面に難溶性塩化銀の微粒子が分散・露出しているアルミナコート膜を形成することを特徴とする抗菌食器の製造方法とよりなるものである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい実施の形態を示す。本発明に係る抗菌食器は、施釉陶器や施釉磁器或いはガラスのような少なくとも表面をガラス質とした食器表面に、難溶性塩化銀の微粒子が分散・露出して抗菌作用を発揮する肉薄のアルミナコート膜を形成したものであって、このような抗菌食器は前記した抗菌作用を発揮する肉薄のアルミナコート膜に分散・露出している塩化銀が食器に優れた抗菌・殺菌機能を付加して食中毒などから有効に予防するのである。また、アルミナコート膜はガラス質に対しては強固に被覆されるので耐久性が確保される。なお、前記アルミナコート膜の厚みは、難溶性塩化銀の微粒子が均一に分散・露出し且つ外観が損なわれないものとするためには、0.2μm 以下の非常に薄く均一なものが好ましいが、これよりも厚い膜としても、虹色の縞模様が顕著に現れるという外観上の問題があっても抗菌作用の点ではほとんどかわらないので0.2μm 以下に限定されることはない。 【0007】このようなアルミナコート膜を形成するには、先ず、施釉陶磁器や耐熱ガラスなどの少なくとも表面がガラス質である食器表面を難溶性塩化銀が含有されているアルミナゾルコート液でデッピング処理するかスプレー処理するなどしてコーティングする。ここで前記アルミナゾルは、5〜200μm のコロイドの大きさをもつアルミナ水和物で、重合分子が塩素イオンのような陰イオンを安定剤として分散している粘性のある液体であるから、これに硝酸銀溶液と水を加えて混合し、食器表面に付着するのに適正な粘性を有するアルミナゾルコート液としている。 【0008】このアルミナゾルコート液のアルミナゾル濃度は、ガラス質である食器表面に十分に付着できるよう2〜3%に調整するのが好ましく、また、銀濃度は0.2%以下、更に好ましくは0.1%前後に調整するのが好ましい。その理由はアルミナゾル濃度が前記範囲外の場合は適正な粘性となり難く、一方、銀濃度が0.2%より大きくても、抗菌作用はほとんどかわらないからである。 【0009】前記したような表面をアルミナゾルコート液でコーティング処理を施した食器は乾燥後、アルミナが結晶化しない低温度域で焼成して、ガラス質である食器表面に難溶性塩化銀の微粒子が分散・露出されているアルミナコート膜を強固に被覆形成する。なお、前記乾燥は通常は自然乾燥で行うが、乾燥工程に先立ち食器を回転させて遠心力により余分なアルミナゾルコート液を除去しておくこともできる。この乾燥工程は、施釉陶磁器のような少なくとも表面がガラス質である食器には吸水性がなく、しかも、アルミナコート膜が極めて薄いものであるため数分間で終了することができる。また、焼成工程は、アルミナゾルコート液を食器表面に膜として固着させるためのものであり、アルミナが結晶化しない約400〜600℃の低温度域で行うことが好ましい。その理由は、400℃未満では十分なアルミナコート膜の固着が得られず、一方、600℃より高い温度では食器に予め施された装飾柄を溶融して不鮮明にする場合があるからである。 【0010】以上のようにして得られたものは、食器本体の表面に難溶性塩化銀の微粒子が均一に分散・露出されているアルミナコート膜の薄膜が形成してあるので、優れた抗菌・殺菌機能を発揮して食中毒などの発生を的確に防止し、衛生的な食卓環境を確保できることとなり、しかも、前記アルミナコート膜は透明で薄く均一なものであるから、食器表面に施された絵柄模様に何ら影響を及ぼすこともなく、また、抗菌材として難溶性の塩化銀を使用しているので、毒性がないうえに銀イオンが必要以上に溶け出すこともなく、長期間にわたって抗菌性を持続することができることとなる。更には、食器表面には装飾用の絵柄が施されているものも多く、この場合、前記上絵の成分中には鉛やカドミウムが含まれており、また、食器本体がボーンチャイナなどよりなる場合のように鉛フリット釉が使用されている場合には、これら上絵から微量の鉛やカドミウム等の有害金属が溶出するおそれがあるが、本発明では最表層となる前記アルミナコート膜がこれら有害金属の溶出を遮蔽防止するので、優れた安全性を確保できることとなる。 【0011】 【実施例】市販品である塩素イオン安定化アルミナゾルに硝酸銀溶液を加え、アルミナゾル濃度が約2.5%、銀濃度が約0.1%の適度な粘性を有するアルミナゾルコート液を作成した。このアルミナゾルコート液を用いて施釉磁器よりなる皿表面にスピンコーティング処理を施し、200rpm で回転して遠心力で余分なコート液を除去した後、約5分間乾燥処理した。次いで、これを電気炉に入れ500℃で焼成して、食器本体の表面に難溶性塩化銀の微粒子が分散・露出した0.1μm のアルミナコート膜を形成した。この皿を、(財)日本食品分析センター内にある「銀等無機抗菌剤研究会」の提唱する「抗菌加工製品の抗菌力試験法(フィルム密着法)」に準拠した方法により抗菌性を測定したところ、大腸菌数が基準値よりはるかに少なく優れた抗菌性を奏することが確認できた。なお、得られた食器を光に反射させてよく観察してみると、アルミナコート膜による光の干渉作用によって僅かに虹色の縞模様を目視で確認することができ、抗菌食器と何ら処理してない普通の食器とを区別することができるから、この点で心理的に安心感を与えることができるものとなる。 【0012】 【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発明に係る抗菌食器は、長期間にわたり安定して抗菌効果を発揮することができるとともに、施釉陶磁器よりなる場合でもその釉薬組成に何ら影響を与えることもなく優れた外観品質を保持することができるものである。また、本発明に係る抗菌食器の製造方法によれば、上記のような抗菌食器を容易かつ低コストで製造することができることとなる。よって本発明は従来の問題点を一掃した抗菌食器およびその製造方法として、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598060888 【氏名又は名称】土岐市
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】名嶋 明郎 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−318668 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−127426 |
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