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【発明の名称】 ヒーター付ミラー
【発明者】 【氏名】尋木 弘志

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板上に反射膜兼発熱抵抗体膜と、この反射膜兼発熱抵抗体膜に通電加温するための電極とを少なくとも設けたヒーター付ミラーにおいて、前記反射膜兼発熱抵抗体膜がアルミニウム合金よりなることを特徴とするヒーター付ミラー。
【請求項2】 アルミニウム合金のアルミニウム以外の成分が1〜7重量%であることを特徴とする請求項1記載のヒーター付ミラー。
【請求項3】 アルミニウム合金がアルミニウムとチタンとの合金であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のヒーター付ミラー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴室の鏡や、車両用ドアミラー等に好適に用いられる、防曇用またはミラーの表面に付着した水滴、雨滴、露、氷といったものを除去するヒーター付ミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】ヒーター付ミラーは、ミラー表面を加温して、付着した水滴や氷などを除去する機能を有するミラーのことである。このヒーター付きミラーは、特に車両用のミラーとして利用されることが多い。これは、降雨時や、寒冷地の降雪時の走行において、バックミラー等に水滴が付着したり氷結したりすることにより、後方の視認が不十分となり走行安全性が損なわれることを防ぐためである。ところで、車両用のミラーは、反射膜として種々のものが使用されており、例えば、トラック等の大型車両用のミラーとしては、反射率75〜95%程度のアルミニウム反射膜を用いたミラーが主として使われている。
【0003】そして、上記アルミニウム反射膜を用いたミラーであって、更にヒーター付きミラーであるものについての提案もなされている。例えば、実開昭55−167862号公報には、ミラーに生じた曇りや結露を除去するために、ミラー基板の裏面に銀、アルミニウムなどを反射膜兼発熱抵抗体膜として形成したヒーター付ミラーが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】車両用ヒーター付ミラーにおいて、加温のために流す電流は、ミラーの面積にもよるが、1〜10A程度が好ましい。これは、電流が少な過ぎると寒冷時において特に風に曝されている場合の解氷性能に劣り、多過ぎるとオ−バ−シュ−トによる過加温から、周辺部品を含めた焼失や人間の火傷を招きかねないためである。
【0005】従って、例えば直流24Vをヒーター付ミラーに印加して適温に加温することを考えると、ミラーの反射膜兼発熱抵抗体膜のシート抵抗値は、ミラーの形状(例えば、縦横の比)や大きさを考慮し、2〜20Ω/□程度が好ましい。
【0006】ところで、上記従来技術に記載されている銀やアルミニウムを反射膜兼発熱抵抗体膜として用いたヒーター付きミラーは、銀やアルミニウムの比抵抗が低いため、適度な抵抗値を得るには膜厚を極力薄くする必要がある。具体的には、膜厚は約0.01μm以下であることが必要である。しかし、このような薄い膜では、金属膜とはいえ光の透過を無視できず、反射鏡というよりむしろハーフミラーになってしまうため、光の当たり具合によって裏側が透けて見え、使いづらいという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題を解決するためになしたもので、基板上に反射膜兼発熱抵抗体膜と、この反射膜兼発熱抵抗体膜に通電加温するための電極とを少なくとも設けたヒーター付ミラーにおいて、前記反射膜兼発熱抵抗体膜がアルミニウム合金よりなることを特徴とするヒーター付ミラーを要旨とするものである。
【0008】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の一実施例である車両用ドアミラーに用いるヒーター付ミラーの裏面斜視模式図であり、図2はその縦断面模式図である。参照符号1は、ミラー基板であり、ガラスなどの透明材料よりなっている。このミラー基板1裏面には、反射膜兼発熱抵抗体膜2が形成されている。
【0009】本発明においては、この反射膜兼発熱抵抗体膜2が、スパッタリング法や真空蒸着法などにより形成されたアルミニウム合金よりなるものであることが必要である。但し、ここでいうアルミニウム合金膜とは、アルミニウムと、少なくとも1種類の他の金属元素を含む膜を指す。アルミニウム以外の金属元素としては、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、ニオブ、タンタル、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルなどが挙げられる。また、本発明の反射膜兼発熱抵抗体膜2は、スパッタリング法や真空蒸着法などにより形成されるものであるので、製造時の条件や装置によっては微量の不純物を含む膜も含む。尚、不純物としては酸素、窒素、炭素といったものがあり、その含有量は酸素が〜10原子%、窒素〜1原子%、炭素が〜5原子%である。
【0010】上記反射膜兼発熱抵抗体膜2の裏面には、この反射膜兼発熱抵抗体膜2に通電するための、一対の対向する電極3a、3bが設けられている。この対向する電極3a、3bは、ミラー全面にわたる均一な加温が可能なように、ミラー基板1の周縁部に形成され、且つ、ミラー基板1の端部近傍における電極間隔が中央部における電極間隔より狭くなるように設けられている。この電極3a、3bは種々の方法で形成することができる。例えば、銅ペーストを用いて銅の薄層を形成し、その上にハンダを施したり、ニッケルめっきによりニッケルの薄層を形成したりなどである。更に、ミラー裏面は、電気的絶縁のため、温度変化によりクラックが発生しないヤング率の低い樹脂・ゴム等の絶縁層4によりコーティングされている。参照符号5は電極3と給電回路(不図示)とを接続するためのリード線である。
【0011】具体例として、ガラス製基板の上に、アルミニウムとチタンの組成比を変えたアルミニウム−チタン合金膜をスパッタリング法により形成して反射膜兼発熱抵抗体膜とし、上記のようにヒーター付ミラーを作製した。各実施例及び比較例の反射膜兼発熱抵抗体膜のチタンの組成比、シート抵抗、膜厚、ミラーの反射率、及び直流24Vの電圧を印加したときに流れる電流を表1に示した。なお、本発明に於ける反射率は、JISD 5705に記載された測定方法に基づいて測定した値である。
【0012】
【表1】

※1:ミラーの裏側が透けて見えた。
※2:オーバーシュートによる過加温が生じた。
【0013】実施例1〜8、及び比較例1、2のヒーター付ミラーに直流24Vの電圧を印加し、このヒーター付ミラーの加温をサーミスタを温度検出器とした温度制御回路またはサーモスタットにより制御した。実施例1〜8のヒーター付ミラーは、ミラー表面の温度を50〜60℃の範囲で設定通り制御することができ、光の当り方によってミラー後方が透けて見えるということもなかった。比較例1のヒーター付ミラーは、ミラー表面の温度を設定通り制御することはできたが、反射膜兼発熱抵抗体膜の膜厚が薄く光が透過するため、ミラーの裏側が透けて見え、また、反射率も通常のアルミニウムを反射膜に用いたミラーより低くなった。比較例2のヒーター付ミラーは、反射膜兼発熱抵抗体膜の膜厚を光が透過しない程度に厚くしたが、ミラーに流れる電流が多いため、オーバーシュートによる過加温が生じ、ミラー表面の温度を設定通り制御することができなかった。本発明のヒーター付ミラーは、反射率がアルミニウムを反射膜にしたミラーと同程度であることが好ましい。アルミニウムを反射膜にしたミラーの反射率は、通常75%以上であり、80〜85%程度であることが多い。従って、アルミニウム−チタン合金膜のチタンの割合は、1〜7重量%とした方が好ましく、1〜5重量%とすると、更に好ましい。本発明のヒーター付ミラーは、トラック、バス等の大型車両や乗用車のような小型車両といった車両用のミラーはもちろん、浴室や洗面所用のミラーにも適用できる。
【0014】
【発明の効果】本発明に係わるヒーター付ミラーは、耐久性に優れ、適度な反射率を有すると共に、適度な電流によって加温でき、所望の温度制御が可能であるため、ミラー本来の機能を維持した上で、表面に付着した水滴、氷などを速やかに除去できるという実用上優れたものである。
【出願人】 【識別番号】000005511
【氏名又は名称】ぺんてる株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月15日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−318658
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平10−150792