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【発明の名称】
【発明者】 【氏名】諸角 貢

【要約】 【課題】この発明は利用者の好などに応じて高さを簡単かつ確実に変えることができるようにした枕を提供することにある。

【解決手段】袋状のカバー2内に粒状の充填物6が収容された枕において、上記カバーの内部をそれぞれ上記充填物が収容された複数の収容部3〜5に隔別するとともに、各収容部にはそれぞれの収容部の大きさを絞ってその高さを調整するための高さ調整手段7が設けられていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 袋状のカバー内に粒状の充填物が収容された枕において、上記カバーの内部をそれぞれ上記充填物が収容された複数の収容部に隔別するとともに、各収容部にはそれぞれの収容部の大きさを絞ってその高さを調整するための高さ調整手段が設けられていることを特徴とする枕。
【請求項2】 上記カバーはメッシュによって形成され、上記高さ調整手段は各収容部の周辺部に沿って上記メッシュの網目にスライド自在に挿通され上記収容部に対する長さを調整して上記収容部を絞る紐状部材及びこの紐状部材を引いて上記収容部を所定の高さに絞った状態で上記紐状部材を上記カバーに対してスライド不能に保持する保持具とからなることを特徴とする請求項1記載の枕。
【請求項3】 上記カバーは、利用者の頚椎部を支持する第1の収容部、後頭部の下側の部分を支持する第2の収容部および後頭部の上側の部分を支持する第3の収容部とに隔別されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の枕。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は就寝する利用者の頭部を支持する高さを調整することができる枕に関する。
【0002】
【従来の技術】利用者が布団やベッドなどで就寝する際、利用者の頭部を支持する枕が用いられる。枕は利用者の好みによって頭部の支持高さを変えたいことがある。そのよう場合、従来は枕のカバー内に収容された充填物を偏らせたり、分散させるなどのことによって高さを調整していた。
【0003】しかしながら、そのようにして利用者の頭部の支持高さを変えるようにしたのでは、就寝中にカバー内の充填物がずれ動いてしまうから、支持高さも変わってしまうということがある。
【0004】一方、従来の枕は利用者の後頭部だけを支持するようになっていた。しかしながら、後頭部だけを支持するようにすると、利用者が仰臥して就寝した場合、後頭部と背部との間の頚椎部が支持されないため、首への負担が大きくなり、寝心地が低下するということがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の枕は利用者の好みに応じて支持高さを確実に変えることができないということがあったり、頚椎部を支持することがないため、利用者の首に負担を掛けるなどのことがあった。
【0006】この発明は、利用者の好みに応じて支持高さを確実かつ容易に変えることができる枕を提供することにある。この発明は、仰臥した利用者の頚椎部に負担が掛かることがないようにした枕を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、袋状のカバー内に粒状の充填物が収容された枕において、上記カバーの内部をそれぞれ上記充填物が収容された複数の収容部に隔別するとともに、各収容部にはそれぞれの収容部の大きさを絞ってその高さを調整するための高さ調整手段が設けられていることを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記カバーはメッシュによって形成され、上記高さ調整手段は各収容部の周辺部に沿って上記メッシュの網目にスライド自在に挿通され上記収容部に対する長さを調整して上記収容部を絞る紐状部材及びこの紐状部材を引いて上記収容部を所定の高さに絞った状態で上記紐状部材を上記カバーに対してスライド不能に保持する保持具とからなることを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、上記カバーは、利用者の頚椎部を支持する第1の収容部、後頭部の下側の部分を支持する第2の収容部および後頭部の上側の部分を支持する第3の収容部とに隔別されていることを特徴とする。
【0010】請求項1の発明によれば、カバー内部を複数の収容部に隔別するとともに、各収容部の大きさを絞ることで高さ調整できるようにしたから、利用者の好みなどに応じて枕の高さを確実かつ容易に調整することができる。
【0011】請求項2の発明によれば、カバーをメッシュで形成し、収容部の周辺部に沿うメッシュの網目に紐状部材を通し、この紐状部材によって各収容部を絞ることで高さを調整できるようにしたから、収容部の高さを調整するための高さ調整手段の構成を簡略化することができる。
【0012】請求項3の発明によれば、カバーに後頭部だけでなく頚椎部を支持するための第1の収容部を形成したから、利用者の頚椎部に与える負担を軽減することができ、しかも後頭部を2つの収容部で支持するようにしたから、後頭部を安定した状態で支持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1に示すこの発明の枕1はポリエステル繊維などの合成樹脂繊維素材を網目状に編んだメッシュ2aによって袋状に形成されたカバー2を備えている。このカバー2の内部は第1乃至第3の収容部3〜5に隔別されているとともに、一側にはファスナ3がその一側の全長にわたって設けられ、各収容部3〜5を開閉できるようになっている。
【0014】各収容部3〜5には充填物6が収容されている。充填物6としては通気性と弾力性とを有するものがよく、この実施の形態では図4(c)、(d)に示すように薄い合成樹脂フィルムを中空球形状に成形するとともに径方向に貫通する通気孔6aが形成された樹脂製中空ボールが用いられている。したがって、充填物6は、その材質と形状とによって弾力性を有するとともに、通気孔6aによって通気性を備えている。
【0015】なお、充填物6の形状や材質は限定されるものでなく、たとえば形状は円柱状などであってもよく、材質は木材やゴムなどであってもよい。第1乃至第3の収容部3〜5は高さ調整手段7によって高さ調整できるようになっている。すなわち、高さ調整手段7は、上記カバー2のメッシュ2aの網目2bにスライド自在に通されて各収容部3〜5の周辺部に沿ってそれぞれ設けられた紐状部材8と、この紐状部材8を引いて各収容部3〜5を絞ったときに、その絞り状態で上記紐状部材8を上記メッシュ2aに対してスライド不能に保持する保持具9とから形成されている。
【0016】上記保持具9は図4(a)、(b)に示すようにこま11とストッパ12とからなる。こま11は合成樹脂によって中空球形状に形成されているとともに、径方向に貫通する第1の通孔13及びこの第1の通孔13と交差する方向に形成された収容孔14が形成されている。上記ストッパ12は第2の通孔15aが形成された頭部15及びこの頭部15に設けられた一対の弾性脚16とが合成樹脂によって一体形成されている。
【0017】上記ストッパ12は上記こま11の収容孔14に収容され、その状態で第2の通孔15aが第1の通孔13よりも上方に位置しており、頭部15を押圧すると一対の弾性脚16が上記こま11の内面に沿って閉じる方向へ弾性変形するから、ストッパ12が収容孔14の内方へ変位して上記各通孔13,15aをほぼ同じ高さにすることができる。
【0018】そして、上記紐状部材8はその両端部が上記こま11の第1の通孔13と、こま11の収容孔14に収容されたストッパ12の第2の通孔15aに挿通されている。したがって、第1の通孔13と第2の通孔15aとの高さがずれた状態では上記紐状部材8が上記保持具9に対してスライド不能に保持され、ストッパ12を押圧すれば保持具9に対して上記紐状部材8がスライド自在となる。
【0019】このような構成の枕1によれば、カバー2は3つの収容部3〜5に分割され、そして各収容部3〜5は高さ調整手段7によって高さ調整できるようになっている。つまり、保持具9のストッパ12を押圧して紐状部材8を保持具9に対してスライド自在な状態にしたならば、保持具9に対して紐状部材8を引いてこの紐状部材8がスライド自在に設けられた収容部3〜5を絞り込む。それによって、収容部3〜5の外周が収縮され、その分、充填物6が上下方向に逃げるから、各収容部3〜5の高さを図5に実線で示す状態から鎖線で示す状態へ高くすることができる。
【0020】第1の収容部3の高さを変えることで、図6に示すように利用者Uの頚椎部Nの支持状態を変えることができる。また、第2の収容部4の高さを変えることで利用者Uの後頭部の下部Hd の支持状態を変えることができ、さらに第3の収容部5の高さを変えることで、後頭部の上部Huの支持状態を変えることができる。
【0021】つまり、各収容部3〜5を、利用者Uの体型や後頭部の形状に応じて適した高さにすることができる。とくに頚椎部Nを確実に支持できるようにすることで、就寝時における利用者Uの頚椎部Nにかかる負担を軽減できるから、快適な睡眠や目覚めを得ることができる。
【0022】各収容部3〜5の高さ調整は、紐状部材8に対して保持具9を相対的にスライドさせ、各収容部3〜5の絞り度合を調整することで行なえるから、その調整を容易かつ確実に行なうことができる。
【0023】枕1のカバー2をメッシュ2aで形成し、その網目2bに紐状部材8を通すようにしたことで、上記カバー2に紐状部材8を通すための部分を形成せずにすむから、高さ調整手段7を簡単な構成で容易に形成することが可能となる。
【0024】上記カバー2がメッシュ2aによって形成され、しかも各収容部3〜5に収容された充填物6は通気孔6aを有する形状によって通気性を備えている。そのため、就寝時に利用者Uの頭部に熱がこもることがないから、良好な寝心地が得られる。
【0025】さらに、カバー2が合成樹脂繊維で形成され、充填物6が合成樹脂フィルムで形成されている。そのため、充填物6をカバー2に収容した状態でこれらを丸洗いすることができる。
【0026】図7はこの発明の他の実施の形態を示す。この実施の形態はカバー2Aの変形例で、このカバー2Aはメッシュでなく、布地21によって形成されている。その場合、各収容部3〜5の周囲には高さ調整手段7の紐状部材8を通すための挿通部22を形成することで、上記一実施の形態と同様、各収容部3〜5の高さを調整することができるようになっている。
【0027】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、カバー内部を複数の収容部に隔別するとともに、各収容部の大きさを絞ることで高さ調整できるようにした。そのため、利用者の好みなどに応じて各収容部の高さを確実かつ容易に調整することができる。
【0028】請求項2の発明によれば、カバーをメッシュで形成し、収容部の周辺部に沿うメッシュの網目に紐状部材を通し、この紐状部材によって各収容部を絞ることで高さを調整できるようにした。
【0029】そのため、メッシュの網目を利用して紐状部材を設けることができるから、収容部の高さを調整するための高さ調整手段の構成を簡略化することができる。請求項3の発明によれば、カバーに後頭部だけでなく頚椎部を支持するための第1の収容部を形成した。
【0030】そのため、利用者の頚椎部に与える負担を軽減することができ、しかも後頭部を2つの収容部で支持するようにしたから、後頭部を安定した状態で支持することができる。
【出願人】 【識別番号】000010032
【氏名又は名称】フランスベッド株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
【公開番号】 特開平11−313741
【公開日】 平成11年(1999)11月16日
【出願番号】 特願平10−124615