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【発明の名称】
【発明者】 【氏名】小澤 康男

【要約】 【課題】通気性やクッション性に優れながら、かつ、長時間使用していても、枕本体の温度の上昇を抑えることができる枕を提供する。

【解決手段】就寝時に頭部の下部に配置する枕において、充填剤と、多数の孔を有する覆囲材と、略中央部分に切欠部を有する上側緩衝材及び下側緩衝材とを包含し、前記充填剤が前記覆囲材により被覆され、該覆囲材が前記上側緩衝材および下側緩衝材により保持されてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 就寝時に頭部の下部に配置する枕において、充填剤と、多数の孔を有する覆囲材と、略中央部分に切欠部を有する上側緩衝材及び下側緩衝材とを包含し、前記充填剤が前記覆囲材により被覆され、該覆囲材が前記上側緩衝材および下側緩衝材により保持されてなることを特徴とする枕。
【請求項2】 前記上側緩衝材および下側緩衝材が、周囲にキルティングが施され、互いに縫着されている請求項1記載の枕。
【請求項3】 前記覆囲材と、前記上側緩衝材および下側緩衝材とが、上下カバーにて被覆され、該カバーの周囲がキルティングにより縫着されている請求項1または2のうちいずれか一項記載の枕。
【請求項4】 就寝時に頭部の下部に配置する枕において、充填剤と、多数の孔を有する覆囲材にて形成された複数の筒状収納部とを包含し、前記充填剤が前記覆囲材により被覆されていることを特徴とする枕。
【請求項5】 前記筒状収納部が上下カバーにて被覆され、該カバーの周囲がキルティングにより縫着されている請求項4記載の枕。
【請求項6】 前記充填剤が、梅干の種子、アズキ、乾燥ハーブおよび石からなる群から選ばれる請求項1〜5のうちいずれか一項記載の枕。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、就寝時に頭部の下部に配置する枕に関し、特に、長時間使用していても、その表面及び内部の温度上昇を抑えることができる枕に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、良好な睡眠状態を得るためには、常に頭部を冷ややかに保つことが必要とされる。そのため、通気性に優れ、頭部の熱を効果的に吸収する枕が多数開発されている。
【0003】例えば、従来より、通気性やクッション性に優れた枕の中材として、表面に波状の凹凸を施した発泡樹脂フォームが使用されている。また、頭部の熱や発汗を効果的に吸収する枕としては、ソバ殻を生地で被覆した伝統的なソバ殻枕が汎用されている。
【0004】しかし、表面に波状の凹凸を施した発泡樹脂フォームを中材とした枕においては、通気性やクッション性に優れる反面、頭部からの熱の発散効率が劣ってしまうという問題があった。
【0005】また、内部にソバ殻を充填した枕においては、短時間の使用においては熱の吸収効果が得られるが、長時間使用すると、頭部から発せられる熱が枕の内部にこもり、枕自体の温度が上昇してしまうという欠点があった。更に、使用中にソバ殻が枕の隅に片寄ってしまうという問題もあった。
【0006】かかる問題を解決して、頭部からの熱の発散効率を良くし、かつ発散した熱が内部にこもって枕自体の温度が上昇するのを防ぐために、枕の内部に用いる充填剤として様々なものを用いることが提案されてきているが、未だ十分な結果は得られていなかった。
【0007】特に、従来提案されてきた枕においては主として充填剤を枕全体に均一に充填する手法が採られているため、熱の発散効率や通気性等を改良するために新たな充填剤を用いても、実際に使用する際の使い心地に難があったり、クッション性や、頭部を保持する際の安定性に欠けるなど、別の点で問題が生じていた。即ち、枕に要求される上記性能を得るためには、単に新たな充填剤を用いるというだけでは解消し切れない問題があった。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】そこで本発明の目的は、特殊な充填剤を枕に使用すると共にその充填方法に着目して枕の構造を改良することにより、通気性やクッション性に優れながら、かつ、長時間使用していても、枕本体の温度の上昇を抑えることができる枕を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明の枕は、就寝時に頭部の下部に配置する枕において、充填剤と、多数の孔を有する覆囲材と、略中央部分に切欠部を有する上側緩衝材及び下側緩衝材とを包含し、前記充填剤が前記覆囲材により被覆され、該覆囲材が前記上側緩衝材および下側緩衝材により保持されてなることを特徴とするものである。
【0010】前記上側緩衝材および下側緩衝材は、周囲にキルティングが施され、互いに縫着されていることが好ましい。また、好適には、前記覆囲材と、前記上側緩衝材および下側緩衝材とが、上下カバーにて被覆され、かかるカバーの周囲がキルティングにより縫着されている。
【0011】また、本発明の他の枕は、就寝時に頭部の下部に配置する枕において、充填剤と、多数の孔を有する覆囲材にて形成された複数の筒状収納部とを包含し、前記充填剤が前記覆囲材により被覆されていることを特徴とするものである。
【0012】前記筒状収納部は、上下カバーにて被覆され、該カバーの周囲がキルティングにより縫着されていることが好ましい。
【0013】本発明においては、充填剤として、梅干の種子、アズキ、乾燥ハーブおよび石からなる群から選ばれるものを用いることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の枕の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示す本発明の好適例である枕本体1は、一例として梅干しの種子を用いた充填剤2を収納する覆囲材3と、かかる覆囲材3を保持する上側緩衝材5及び下側緩衝材6と、前記上側緩衝材5と下側緩衝材6とを上下で被覆するカバー7とで構成されている。本発明の枕においては、かかる構成とすることにより、枕の内部で充填剤の片寄りやへたりが発生することがなく、快適なクッション性を得ることができる。
【0015】本発明における充填剤2は、特に限定されるものではないが、梅干の種子、アズキ、乾燥ハーブおよび石からなる群から選ばれるものを用いることが好ましく、より好適には、梅干の種子を用いる。かかる梅干の種子としては、産地や品種等には限定されず、一般に市販されている梅干の果肉部分を手作業で、または機械的に除去し、乾燥させて用いることができる。充填剤として梅干の種子を用いることが特に好ましいのは、枕内部に梅干の種子を充填することにより、長時間使用していても、枕の表面及び内部の温度上昇を抑えることができるためである。
【0016】覆囲材3は、好ましくは円筒形状とし、全面に通気性を確保するための多数の孔4を有している。用いる素材としては、レースや織布等を使用することができるが、特にこれらには限定されない。また、孔4は、内部に収容する充填剤がこぼれ落ちない程度の大きさであればよい。
【0017】更に、かかる覆囲材3の側面には、充填剤2の収納や取り出しのため、ファスナー8を有する開口部9が設置されていることが好ましい。
【0018】本発明における上側緩衝材5および下側緩衝材6の略中央部には、充填剤2を収容した覆囲材3を保持する切欠部10および11が穿設されている。上側緩衝材5の内部には、パイプの小片やポリエステル綿、またはシルクや天然綿等を充填し、また、下側緩衝材6の内部には、パンヤ、ポリエステル綿、シルク、ビーズ、天然綿等を充填する。
【0019】本発明においては、図3に示すように、上側緩衝材5および下部緩衝材6の切欠部10および11により、充填剤2を収容した覆囲材3を保持する。かかる上側緩衝材5と下部緩衝材6との周囲は、好適には、キルティング13を施すことにより互いに縫着されている。
【0020】また、カバー7により、前記覆囲材3と、上側緩衝材5および下部緩衝材6とを被覆することが好ましい。かかるカバー7は、綿、ポリエステル、シルク等の素材で形成し、好適には、図2に示すように、キルティング14により周囲を縫着する。カバー7の周囲をキルティングにて縫着することにより、長期間の使用においても枕全体の形崩れを防ぐことができる。
【0021】また、本発明においては、図4に示すように、全面に多数の孔4を有する覆囲材3にて複数の筒状収納部12を形成し、かかる筒状収納部12の内部に充填剤2を収納して枕本体1を形成してもよい。この場合、枕の型崩れを防ぎつつ優れた通気性が得られると共に、枕内部の充填剤2によって、頭部に直接心地よい刺激を与えることができる。
【0022】以下、本発明の枕の充填剤に対し行った試験について説明する。熱源として循環水式熱源(水槽の水温36.8℃)を用い、内部に充填剤として梅干の種子、ソバ、エステル綿、羽、及びシルクを充填させた枕上に熱源を乗せ、内容部の中心(1)と、熱源と接する箇所(2)とに温度センサーを置き、高精度温湿度トレーサー(TRH−5S)を用いて温度の経時変化を測定した。測定結果を下記表1に表す。
【0023】
【表1】

【0024】上記表1の枕温度の経時変化の測定結果から分かるように、枕の内部に本発明に係る好適な充填剤としての梅干の種子を充填すると、特に、長時間使用していても枕本体の表面及び内部の温度の上昇を抑えることができ、本発明の枕の形態と合いまって、快適な安眠を実現することができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の枕によれば、枕の内部で充填材の片寄りやへたりが発生することがないため、良好な通気性と快適なクッション性とを同時に得ることができ、また、長期間使用していても枕が形崩れすることがない。さらに、特定の充填材を用いることにより、枕本体の温度上昇を抑えることができるという効果も発揮する。
【出願人】 【識別番号】595121803
【氏名又は名称】株式会社マペペユニット
【出願日】 平成11年(1999)3月4日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
【公開番号】 特開平11−313740
【公開日】 平成11年(1999)11月16日
【出願番号】 特願平11−57578