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【発明の名称】 暗色系液体調味料用卓上容器
【発明者】 【氏名】大野 泰一

【要約】 【課題】透明な容器本体を斜め上方から見下ろした場合にも、容器本体底部の厚みやそのような底部と内部に収容されている暗色系液体調味料自体との境目を明確にし、正確な収容液量の把握を容易と為すと共に、暗色系液体調味料が収容された状態での容器本体の美感乃至は外観を向上させる。

【解決手段】暗色系液体調味料が収容される容器本体12の上部開口に取り付けられて、該上部開口を覆蓋する蓋体18に対して、該容器本体内に空気を取り入れるための空気取入口36を設けると共に、該容器本体内と外部とを連通せしめ、且つ水平方向に開口する先端開口部が該液体調味料を外部に流出せしめるための注ぎ口26とされた管状流路28を上方に向かって延びるように立設せしめてなる暗色系液体調味料用卓上容器10において、かかる容器本体12を透明な有底円筒状体にて構成し、且つ該有底円筒状体の底部の底面よりも該底部の厚さ分だけ上方に位置するように、該有底円筒状体の外周部に周溝14を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 暗色系液体調味料が収容される容器本体の上部開口に取り付けられて、該上部開口を覆蓋する蓋体に対して、該容器本体内に空気を取り入れるための空気取入口を設けると共に、該容器本体内と外部とを連通せしめ、且つ水平方向に開口する先端開口部が該液体調味料を外部に流出せしめるための注ぎ口とされた管状流路を上方に向かって延びるように立設せしめてなる暗色系液体調味料用卓上容器において、かかる容器本体を透明な有底円筒状体にて構成すると共に、該有底円筒状体の底部の底面よりも該底部の厚さ分だけ上方に位置するように、該有底円筒状体の外周部に周溝を設けたことを特徴とする暗色系液体調味料用卓上容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【技術分野】本発明は、暗色系液体調味料用の透明な容器本体を有する卓上容器に係り、特に、その容器本体を斜め上方から見た場合にあっても、容器本体底部自体の厚さと内部に収容されている暗色系液体調味料自体との境目が明確であり、以て正確な収容液量の把握を容易と為し、更には、その容器本体の美感乃至は外観の向上効果をも発揮し得る、暗色系液体調味料用卓上容器に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、一般家庭や飲食店等で用いられる醤油やソース、各種タレ等の暗色系液体調味料用の卓上容器として、一般に、上部に開口部を有する容器本体と、該容器本体の開口部に対して螺着等にて取り付けられて、その開口部を覆蓋する蓋体とからなり、容器を傾けることによって、蓋体に立設せしめた注ぎ口から、容器本体内に収容された暗色系液体調味料を流出させるようにしたものが、用いられてきている。
【0003】そして、そのような卓上容器の容器本体にあっては、その内部に収容されている暗色系液体調味料の残量を把握し易い等の点から、プラスチックやガラス等の透明な材質にて形成されているものが、数多く認められている。
【0004】ところが、この従来の暗色系液体調味料用の卓上容器は、日常生活において、食卓やキッチン等で、その容器自体を斜め上方から眺められることが多く、そうした場合に、中身の液体が暗色系であるために、透明な容器本体の底部にまで暗色系液体調味料自体の色が入り込み、これにより、容器本体の底部の厚み、換言すればかかる底部と内部に収容されている暗色系液体調味料自体との境目部分が把握され難く、容器底部の厚みを含めた分まで、即ち容器本体の底面部分にまで液体が収容されているかのような錯覚を惹起せしめ、実際に容器を傾けて内部の暗色系液体調味料を利用しようとすると、思っていたよりもその量が少ないというような不具合を生じることが、多々あった。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、透明な容器本体を有する暗色系液体調味料用卓上容器において、その容器本体を斜め上方から見下ろした場合にも、容器本体底部の厚みやそのような底部と内部に収容されている暗色系液体調味料自体との境目を明確にし、以て正確な収容液量の把握を容易と為すと共に、暗色系液体調味料が収容された状態での容器本体の美感乃至は外観を向上させることの出来る、暗色系液体調味料用卓上容器の改良された構造を提供することにある。
【0006】
【解決手段】そして、上述の如き課題を解決するために、本発明は、暗色系液体調味料が収容される容器本体の上部開口に取り付けられて、該上部開口を覆蓋する蓋体に対して、該容器本体内に空気を取り入れるための空気取入口を設けると共に、該容器本体内と外部とを連通せしめ、且つ水平方向に開口する先端開口部が該液体調味料を外部に流出せしめるための注ぎ口とされた管状流路を上方に向かって延びるように立設せしめてなる暗色系液体調味料用卓上容器において、かかる容器本体を透明な有底円筒状体にて構成すると共に、該有底円筒状体の底部の底面よりも該底部の厚さ分だけ上方に位置するように、該有底円筒状体の外周部に周溝を設けたことを特徴とする暗色系液体調味料用卓上容器を、その要旨とするものである。
【0007】要するに、本発明に従う暗色系液体調味料用卓上容器にあっては、透明な有底円筒状体にて容器本体を構成した場合においても、上記したように、その有底円筒状体の底面から底部の厚さ分だけ上方に位置して、かかる有底円筒状体の外周面に沿って、周溝が設けられていることにより、斜め上方から該容器を眺めた場合においても、その周溝による仕切り効果にて、ハッキリと底部部分の厚さを認識することが可能となるのであり、それ故に、内部に収容されている暗色系液体調味料の正確な残量を把握することが出来、これまでのように、一々、容器本体を目の高さにまで持ち上げ、即ち底部の厚さがハッキリと認識出来る高さにまで持ち上げて、その残量を確認するという手間がなくなり、使い勝手が非常に向上することとなる。
【0008】しかも、かくの如く、容器本体の底部と容器本体内に収容された暗色系液体調味料自体との境目、ひいては底部の厚さがハッキリすることによって、かかる有底円筒状体からなる透明な容器本体においては、光の透過する明色の底部と光の透過しない暗色の液体収容部分(容器中央部)が生じることとなり、以て色彩のコントラストの美しさも加わり、卓上容器としての美感乃至は外観をも著しく向上せしめることが可能となるのである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明に従う暗色系液体調味料用卓上容器の構成について、更に具体的に明らかにすることとする。
【0010】先ず、図1には、本発明に従う構造とされた暗色系液体調味料用卓上容器10の縦断面図が示されている。かかる図において、12は、樹脂やガラス等の透明な材料から構成される透明な容器本体であって、略有底円筒形状を呈しており、その開口部16を通じて、醤油やソース等の暗色系液体調味料が注入、収容され得るようになっている。
【0011】また、この容器本体12の開口側端部の外周面には、雄ねじ溝が設けられており、そこに、略浅底の有底円筒形状を呈する蓋体18が螺着されて、取り付けられている。そして、この蓋体18にて、容器本体12の開口部16が覆蓋されている。なお、容器本体12の開口端面と、蓋体18との間には、シールリング20が介装されており、容器本体12と蓋体18との間で挟圧されることにより、卓上容器10内に収容される暗色系液体調味料の螺着部からの漏れが防止されるようになっている。
【0012】そして、蓋体18には、その底部22に対して、装着孔24とそれよりも小径の空気取入口36とが、互いに径方向に対向位置する外周縁近くにおいて、それぞれ貫通して形成されており、また、この装着孔24に対しては、容器本体12内と外部とを連通せしめ、且つその先端開口部が容器本体12内に収容された暗色系液体調味料を外部に流出せしめる注ぎ口26とされた管状流路28が、挿通固定されている。
【0013】また、かかる蓋体18には、その上面に対して、略半割ドーム形状の固定カバー38が固設されており、この固定カバー38によって、蓋体18における空気取入口36が設けられた側が、略半分に亘って覆われている。更に、この固定カバー38における開口部の両側下端部には、それぞれ、一対の枢軸40,40が突設されている。そして、固定カバー38よりも一回り大きな略半割ドーム形状を有する可動カバー42が、その両極点において、枢軸40,40によって略90°だけ回動可能に支持されて組み付けられている。
【0014】それによって、図1に示されている如く、可動カバー42を一方の回動端に位置せしめることにより、可動カバー42によって固定カバー38の開口部が覆われて、注ぎ口26を形成する管状流路28及び空気取入口36を覆うドーム形状のカバーが形成されるようになっている一方、可動カバー42を他方の回動端に位置せしめることにより、可動カバー42が固定カバー38の外側を覆うように重ね合わされて、注ぎ口26を形成する管状流路28が外部に露呈されるようになっている(図3参照)。なお、固定カバー38には、付勢板44にて付勢されて、該固定カバー38の中央下端部から外方に突出する突起46が設けられており、この突起46によって、可動カバー42が固定カバー38の外側を覆う位置に係止されることにより、容器10を傾けた際にも可動カバー42が閉じないようになっている。
【0015】ところで、図1からも明らかなように、蓋体18の装着孔24に装着された管状流路28は、所定長さで直線状に延びる直管部30と、円弧状に湾曲された湾曲部32とが、連続的に一体形成された円管形状とされている。そして、直管部30側の軸方向端部において、蓋体18の装着孔24に挿通されて、密着固定されている。それによって、直管部30が、蓋体18から上方に向って、且つ該蓋体18の中心側に向って所定角度傾斜して、延び出して立設されていると共に、かかる直管部30の突出先端部において、湾曲部32が、蓋体18の外周側に向って湾曲せしめられ、その先端開口部たる注ぎ口26が、水平方向に開口せしめられている。
【0016】一方、蓋体18における、前記空気取入口36が設けられた部分には、該空気取入口36を通じて取り入れられた空気を容器本体12内に導く延長空気通路としての連通筒体48が、かかる蓋体18の底部内面に対して固着されている。この連通筒体48は、略有底円筒形状を呈しており、その底部側の壁部が、内孔52にまで達する切断面で斜めに切除されている。そして、その切断面において、蓋体18の底部22の内面に接着剤や融着等で固着されることにより、かかる連通筒体48が、容器本体12内に位置して、管状流路28側に向って開口する状態で、蓋体18の径方向に配設せしめられ、その内孔52が、開口側に向って下方に傾斜した状態で、蓋体18に対して斜めに取り付けられているのである。また、それによって、かかる連通筒体48における内孔52の切断面上での開口が蓋体18にて密閉状に覆蓋されていると共に、かかる切断面上における内孔52の開口部が、蓋体18に設けられた空気取入口36に連通せしめられている。
【0017】このような連通筒体48が蓋体18に対して固着されていることにより、前記空気取入口36が、連通筒体48の内孔52を通じて、容器本体12内に開口せしめられており、以て、液体調味料の流出時には、空気取入口36から連通筒体48の内孔52を通じて、外部空気が容器本体12内に流入せしめられるようになっているのである。
【0018】また、かかる連通筒体48の開口部及びその前方には、該開口部の下方に翳されるように位置せしめられて、かかる開口部を、その下方から前方にかけて、所定距離を隔てて覆う蔽翳部材56が設けられており、この蔽翳部材56は、鍔部50と覆板54とによって構成されている。そして、該蔽翳部材56を構成する鍔部50は、該連通筒体48の開口部において、その開口方向に略直角な方向に外フランジ状に広がるようにして、形成されている。なお、この鍔部50の上側周縁部は直線的に切断されており、その切断面において蓋体18の内面に接着固定されている。
【0019】さらに、覆板54は、球殻状に湾曲した板形状を呈しており、連通筒体48の開口部の前方に、それと所定距離を隔てて対向配置されている。そして、その下側端縁部が鍔部50の下側周縁部に、上側端縁部が前記管状流路28の延長部34の基部とその付近の蓋体18の内面に、それぞれ接着されることにより、それら鍔部50の下側周縁部と管状流路28の延長部34の基部付近の蓋体18内面との間に跨がって配設されている。また、かかる鍔部50には、覆板54が接着される下側端縁部の中央に半円状の切欠が設けられており、この切欠によって、鍔部50と覆板54との接続部間を貫通する通孔58が形成されている。
【0020】ところで、図1及び図2からも明らかなように、本発明に従う暗色系液体調味料用卓上容器10にあっては、透明な有底円筒状体を呈する容器本体12に対して、その底面(底部13の外面)から底部13の厚さ分だけ上方に位置するように、該有底円筒状体の外周面に、所定深さにおいて、周溝14が設けられている。なお、この周溝14は、容器本体12を構成する前記有底円筒状体の内周面には至らない深さで、且つ容器本体12の強度を損なわない程度の深さにおいて設けられることとなる。また、その断面形状としては、例示の如き矩形断面形状の他、円弧状等の各種の断面形状が採用され得るものである。
【0021】そして、このように、所定の周溝14が容器本体12の外周面の底部13直上に設けられていることによって、該容器本体12を透過した光は、該容器本体12の底部13部分と暗色系液体調味料を収容する中央部位とに仕切られるようになり、かかる底部13部分が該中央部位の光の影響を受けることが効果的に阻止され得ることとなって、それ故に、この周溝14の存在による仕切り効果によって、容器本体12の底部13の厚みが明確となり、図2に示される如く、斜め上方から卓上容器10を見下ろした場合においても、透明な容器本体12の底部13にまで暗色系液体調味料60自体の色が入り込んでしまうようなことが阻止され得、容器本体12の底部13部分と内部の暗色系液体調味料60自体との境目部分を容易に把握することが出来るようになり、以て正確な収容液量を知ることが可能となるのである。
【0022】従って、これまでのように、卓上容器10の底部13の厚みを含めた分まで、即ち容器本体12の底面部分にまで液体が収容されているかのような錯覚を起こし、実際に卓上容器10を傾けて内部の暗色系液体調味料を利用しようとしたときに、思っていたよりも少ない等という不具合から、上述の如き周溝14の形成によって、開放されることとなり、以て卓上容器10の使い勝手が非常に向上する。
【0023】しかも、上述の如き周溝14による仕切り効果に基づいて、透明な容器本体12においては、光の透過する明るい底部13と光の透過しない暗色の液体収容部分(容器中央部位)との色彩のコントラストによる美しさが生じることとなり、暗色系液体調味料用卓上容器10の美感乃至は外観をも著しく向上せしめることが可能となるのである。
【0024】なお、図3は、本発明に従う暗色系液体調味料用卓上容器10の使用状態を示す図であって、内部に収容された暗色系液体調味料60を、管状流路28の注ぎ口26を通じて外部に流出せしめるに際して、卓上容器10を傾けると、連通筒体48の内孔52が略鉛直下方に向かって開口せしめられる。この内孔52の周りには、球殻状に湾曲した板状体によって構成されている覆板54と該内孔52の開口部全周に亘って所定幅で形成されている鍔部50とから構成される蔽翳部材56が設けられており、これにより、暗色系液体調味料60の内孔52への侵入が防止され、該内孔52を通じて空気が容器10内に流入することによって、スムーズに暗色系液体調味料60の流出が為され、且つ空気取入口36への暗色系液体調味料60の接触が可及的に防止され得て、かかる空気取入口36への暗色系液体調味料60の付着に起因する、該空気取入口36の狭窄や閉塞等といった問題が回避され得、暗色系液体調味料用卓上容器10の優れた使用性が発揮せしめられるのである。
【0025】以上、本発明に従う暗色系液体調味料用卓上容器について、図面に示される具体例に基づき、詳述してきたが、本発明が、それに限定されるものでないことは言うまでもないところであり、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づき、種々なる変更、修正、改良等を加えた形態において実施され得るものであって、本発明が、それら実施形態のものを全て包含するものであることが、理解されるべきである。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた暗色系液体調味料用卓上容器にあっては、透明な容器本体の底部部分の厚みと同じ高さにおいて、その外周部に設けられた周溝による仕切り効果によって、かかる容器本体を斜め上方から見下ろした場合、即ち、日常生活において食卓やキッチン等で、通常の視点から卓上容器を見た場合において、容器本体底部と内部に収容されている暗色系液体調味料自体との境目が極めて明確となるのであり、以て、正確な収容液量の把握が著しく容易となるのである。それ故に、透明な容器本体を有する卓上容器に収容されている暗色系液体調味料の残量を知るために、一々、容器自体を目の高さにまで持ち上げて確認する必要がなくなり、いつでも容易に正確な残量を知ることが出来るようになるのであり、使い勝手が非常に向上せしめられるという利点が生じるのである。
【0027】しかも、かかる本発明に従う暗色系液体調味料用卓上容器においては、上記の如き周溝による容器本体の底部部分の仕切り効果により、容器本体の明るい底部部分と内部の暗色系液体調味料自体との境目がハッキリすることによる色彩のコントラストの美しさも加わり、卓上容器としての美感乃至は外観をも著しく向上せしめ得ることとなったのである。
【出願人】 【識別番号】391008113
【氏名又は名称】蝶プラ工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】中島 三千雄 (外2名)
【公開番号】 特開平11−299621
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−115157