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【発明の名称】 ホットカーペットカバー
【発明者】 【氏名】巽 俊二

【要約】 【課題】毛髪などの汚れが付きにくく、また、一旦付着した毛髪などの汚れを容易に取り除くことができるホットカーペットカバーを提供する。

【解決手段】基布に植毛された単糸繊度が0.5〜3デニールの繊維を含むパイル糸条が開繊されて立毛繊維を形成しており、該立毛繊維の80〜100重量%が0.5〜3デニールの単糸繊度を有する繊維であり、且つ該繊維を9000〜30000本/cm2 の密度で基布の少なくとも一方の表面に有する立毛布帛からなるホットカーペットカバー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基布に植毛された単糸繊度が0.5〜3デニールの繊維を含むパイル糸条が開繊されて立毛繊維を形成しており、該立毛繊維の80〜100重量%が0.5〜3デニールの単糸繊度を有する繊維であり、且つ該繊維を9000〜30000本/cm2 の密度で基布の少なくとも一方の表面に有する立毛布帛からなるホットカーペットカバー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットカーペットの上に敷いて使用されるホットカーペットカバーに関するものである。更に詳しくは、毛髪などの汚れが付きにくく、又一旦付着した毛髪などの汚れを容易に取り除くことができるホットカーペットカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】織布、不織布、カーペットなどの繊維構造体を組み合わせた複合体の内部に電気発熱体を有する電気発熱式暖房器は、いわゆるホットカーペットとして知られている。このホットカーペットを使用する場合、肌触りをよくする、ホットカーペットの汚れを防止するなどの目的で、通常、その上にカバーを敷いて使用されている。
【0003】このホットカーペットカバーとしては、特開平7−236561号公報、特開平9−49135号公報などが知られている。特開平7−236561号公報には、耐熱性アクリル繊維などのパイル糸をカットし、ブラッシングした起毛布、ポリウレタンフォーム芯地及びポリエステル繊維などの不織布をウレタンで接着したホットカーペットカバーが開示されている。特開平9−49135号公報には、単糸が4〜7デニールで偏平断面を有する単糸からなるマルチフィラメント嵩高捲縮糸をタフとした基布と、この基布に張り付けたバッキング材からなるホットカーペットカバーが開示されている。
【0004】最近、ゴミの付着が少ない、或いは付いたゴミを容易に除去することができるホットカーペットカバーが要求されている。ゴミの中でも、髪の毛は一旦付着するとホットカーペットカバーの表面にある繊維の内部に取り込まれてしまい、掃除機などによる吸引では簡単に除くことはできないのが現状である。前記したような従来のホットカーペットカバーにおいても、この問題は解決されておらず、この問題を解決することが急がれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、付着した毛髪等の汚れが、ホットカーペットカバーの表面にある繊維の内部に取り込まれることがなく、又一旦付着した毛髪等の汚れを容易に取り除くことのできるホットカーペットカバーを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討を行った結果、ホットカーペットカバーの表面を構成する繊維の繊度が重要な要件であることを見いだし、本発明をなすに至った。即ち、本発明は、基布に植毛された単糸繊度が0.5〜3デニールの繊維を含むパイル糸条が開繊されて立毛繊維を形成しており、該立毛繊維の80〜100重量%が0.5〜3デニールの単糸繊度を有する繊維であり、且つ該繊維を9000〜30000本/cm2 の密度で基布の少なくとも一方の表面に有する立毛布帛からなるホットカーペットカバーに関する。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本発明のホットカーペットカバーに用いられる基布は、編物、織物、不織布、カーペットなど、従来から知られている布帛であり、これらの布帛を形成する繊維は、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維等の合成繊維、銅アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨン、アセテートなどの化学繊維、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維等である。
【0008】基布は、これらの繊維からなる布帛の単独、或いはこの布帛を重ね合わせて縫合、或いは接着剤により接合したものである。本発明のホットカーペットカバーにおいては、上記布帛からなる基布の少なくとも一方の表面に植毛された単糸繊度が0.5〜3デニールの繊維を含むパイル糸条が開繊されて立毛繊維を形成しており、該立毛繊維の80〜100重量%が0.5〜3デニールの単糸繊度を有する繊維からなる立毛繊維を有していなければならない。
【0009】この立毛繊維を形成する繊維の繊度が0.5デニールより細い場合には毛髪などの汚付着防止効果が大きく、又付着した汚れを容易に除去することができるが、加工がし難く、パイルが筆先状になり易い等の問題がでてくるので好ましくない。一方、この繊維の繊度が3デニールより太い繊維の場合には毛髪などの汚れが付着しやすく、又付着した汚れの除去が困難となる。該立毛繊維の80重量%以上は0.5〜3デニールの単糸繊度を有する繊維である必要があり、これより少なくなると汚れ除去が困難となる。
【0010】また、0.5〜3デニールの単糸繊度を有する立毛繊維は9000〜30000本/cm2 の密度で存在している必要があり、これより少ないと毛髪などの汚れが付着した場合立毛繊維の中に取り込まれるようになりやすく、また、一旦立毛繊維の中に取り込まれた汚れの除去も困難となる。この密度には上限がないが、実用上30000本/cm2 以上では毛捌き加工が困難となる。
【0011】この立毛繊維を形成する繊維は0.5〜3デニールを有する繊維であれば特に制限はなく、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維等の合成繊維、銅アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨン、アセテートなどの化学繊維、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維等から適宜選定して使用することができる。これらの繊維のうち、アクリル系繊維、羊毛、綿、絹等の繊維は柔軟で肌触りがよく汚れがとれやすい等の点で好ましい。ポリエステル系繊維は耐熱性の点で好ましい。
【0012】この立毛繊維は、基布の少なくとも一方の表面に存在していることが必要であるが、さらにその裏面にあってもよい。また、この立毛繊維には、3デニールを越える繊度を有する繊維が20重量%未満混在していてもよい。この繊維が20重量%以上の場合には、毛髪などの汚れが付着しやすく、また付着した汚れの除去が困難になる。3デニールを越える繊度を有する繊維としては、前記の繊維から適宜選択することができる。
【0013】本発明のホットカーペットカバーの表面に存在する立毛繊維は、基布にタフトマシンなどによりパンチングしたパイル糸の先端をカットし、その後ブラッシングし、起毛することにより形成することができる。又、基布に立毛すべき繊維を植毛することにより形成することもできる。このようにして表面に立毛繊維を形成した基布は、その裏側からスチレン・ブタジエン・ラバーのようなバッキング剤を塗布して立毛繊維を基布に強固に固定することが好ましい。
【0014】本発明のホットカーペットカバーは、毛髪などの汚れの付着が少なく、また付着した毛髪などが立毛繊維の中に取り込まれることが少ない。更に、立毛繊維の中に取り込まれた毛髪などの汚れは、掃除機などにより容易に除去することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を説明する。なお、官能評価は下記の基準で行った。◎:毛髪の付着が非常に少なく、且つ付着した毛髪を容易に掃除することができる。○:毛髪の付着が少なく、且つ付着した毛髪を容易に掃除することができる。△:○と下記×の中間ランク。×:毛髪の付着が多く、且つ付着した毛髪がとれにくい。××:毛髪の付着が多く、且つ付着した毛髪が非常にとれにくい。
【0016】
【実施例1、2及び比較例1〜4】アクリロニトリル94重量%、アクリル酸メチル5.5重量%及びメタリルスルホン酸ナトリウム0.5重量%を共重合した共重合体を、硝酸水溶液に溶解して円形の孔を有する紡糸ノズルを用い湿式紡糸し、その後、水洗、延伸、乾燥、湿熱緩和処理をして、1、2、3、5及び10デニールのアクリル系繊維を製造した。
【0017】これらの繊維をパイル糸に加工し、このパイル糸をポリプロピレン繊維からなる基布にタフトマシンによりパンチングした後、このパイル糸の先端をカット、ブラッシング、起毛、ポリッシング、シャーリングの工程を経て、表1に示す6種類の立毛布帛を製造した。これらの布帛を加工してホットカーペットカバーとし、この上に髪の毛を落とし、手で押さえつけて毛髪を立毛繊維の内部に取り込ませた後、家庭用電気掃除機で除去した。このときの毛髪の付き易さ、掃除機で掃除したときの毛髪のとれ易さの程度を官能評価でおこなった。その結果を表1に示す。
【0018】
【表1】

【0019】
【実施例3〜5及び比較例5】実施例1で得られた繊度2デニールのアクリル系繊維40重量%と、25%の収縮率を有する繊度2デニールのアクリル繊維60重量%とからなるメトール番手2/36の糸を作り、カールマイヤーのダブルラッセル機を用い、総詰め、18G、釜間20mm、表2に示すような種々のコース密度で編み、センターカットして生地を得た。さらにこれらを反染め後、ブラッシング、ポリッシング、シャーリングしパイル生地を得た。さらにこれらの生地の裏面に不織布を張り付け、表2に示す4種類のホットカーペットカバーを作った。
【0020】これらのホットカーペットカバーについて、実施例1と同様の試験をおこない官能評価をおこなった。その結果を表2に示す。
【0021】
【表2】

【0022】
【発明の効果】本発明のホットカーペットカバーは、毛髪などのゴミの付着が少なく、また付着してもその表面にある立毛繊維の内部に取り込まれることが少なく、或いは一旦取り込まれても掃除機などによる吸引で簡単に除くことができる。
【出願人】 【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月31日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−276334
【公開日】 平成11年(1999)10月12日
【出願番号】 特願平10−85453