| 【発明の名称】 |
捺印装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐久間 崇
|
| 【要約】 |
【課題】上下方向の寸法が縮小された捺印装置において、印鑑をその長さに対応して捺印可能な最適位置に配置する。
【解決手段】印面(S1)を装置前面側に向けて印鑑(S)を保持する印鑑ホルダー(1)を備え、この印鑑ホルダーに保持される印鑑の印面前側に受領書(R)を配置可能とする受領書スペース(2)が、装置前面側に形成されるとともに、捺印時に印鑑の印面に向かって移動し、受領書スペースに配置された受領書の裏面に接触して受領書を印面に押圧する圧接板(3)が、受領書スペースに臨んで前後動自在に配設され、さらに、印鑑ホルダーの奥行位置を段階的に切り替える位置調整機構が組み込まれる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 印面を装置前面側に向けて印鑑を保持する印鑑ホルダーを備え、この印鑑ホルダーに保持される印鑑の印面前側に受領書を配置可能とする受領書スペースが、装置前面側に形成されるとともに、捺印時に印鑑の印面に向かって移動し、受領書スペースに配置された受領書の裏面に接触して受領書を印面に押圧する圧接板が、受領書スペースに臨んで前後動自在に配設されている捺印装置であって、印鑑ホルダーの奥行位置を段階的に切り替える位置調整機構がさらに組み込まれていることを特徴とする捺印装置。 【請求項2】 位置調整機構は、印鑑ホルダー本体に外側に向けて突設された2枚一組の固定片と、この固定片に対向可能な位置に配置され、2体一組とした複数組の位置調整用ボスからなり、位置調整用ボスは、各組間で長さが異なり、かつ、装置本体の後面に同一円周上に固定されている請求項1記載の捺印装置。 【請求項3】 位置調整機構は、印鑑ホルダー本体から外側に延設された2体一組の固定用リブと、前端に開口部を有し、印鑑ホルダーを内部に収納可能とした中空な印鑑ホルダー受けからなり、印鑑ホルダー受けは、スプリングにより接続されて装置本体の後面に固定され、かつ、印鑑ホルダー受けには、その前端から後方に向けて、印鑑ホルダーの固定用リブが挿入される切欠が2個一組として複数組形成され、切欠は、各組間で長さが異なっている請求項1記載の捺印装置。 【請求項4】 装置前面を貫通し、受領書スペースに向かって後方に延びる押しボタンが前後動自在に配設され、その後端に圧接板が配設されている請求項1乃至3いずれかに記載の捺印装置。 【請求項5】 装置前面部が、装置本体に軸支されて前後に回動自在とされ、この装置前面部に受領書スペースが形成されるとともに、圧接板が配設されている請求項1乃至3いずれかに記載の捺印装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、捺印装置に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、上下方向の寸法が縮小された捺印装置において、印鑑をその長さに対応して捺印可能な最適位置に配置することのできる捺印装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】宅配物については、一般に、これを受け取る際に、受取人の受領印が必要になっているが、このシステムでは、受取人が留守の時には受領印が得られないため、宅配物を配達できず、受取人及び配達人の双方に大変不都合となっている。そこで、最近、留守中にも宅配便を配達及び受領できるように、宅配ボックスが提供され始めている。この宅配ボックスには、受領印を捺印できるようにした捺印装置が組み込まれており、配達人は、宅配物をボックス内に収納後、受領書を捺印装置に入れ、これを操作して受取人の受領印を捺印することができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、宅配ボックス等に組み込まれている従来の捺印装置は、そのほとんどが、図6に示したように、捺印方向を下向きとしている。すなわち、印鑑(S)が、捺印装置において上下方向に移動可能にセットされ、捺印時に、操作により受領書(R)に向かって下方に移動し、捺印するようになっている。捺印装置の捺印方向が下向きとされているのは、下向きに捺印するのが明瞭な印を得るのに適しており、また、捺印習慣によるためと考えられる。 【0004】だが、印鑑(S)を上下方向にセットすると、捺印装置には、印鑑(S)を収納するためのスペースを上下方向に必要とし、少なくとも印鑑(S)の長さ分の収納スペースが必要となる。このため、捺印装置の上下方向の寸法は印鑑(S)の長さに制約を受けている。たとえば宅配ボックスでは、捺印装置のスペースを確保するよりは、宅配物の収納スペースを十分に確保するのが好ましく、そのためにも上下方向の寸法が縮小された捺印装置の実現が期待される。 【0005】その実現を具体的に検討する中で、印鑑(S)をいかに捺印可能な最適位置に配置させるかが課題として見い出される。すなわち、市販の印鑑は、その長さがまちまちであり、統一の規格はない。どの印鑑を使用するかは、ユーザーに決定権が委ねられており、したがって、捺印装置には、長さを選ばずに印鑑(S)を捺印可能な最適位置に配置可能とする必要がある。 【0006】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来の捺印装置の欠点を解消し、上下方向の寸法が縮小された捺印装置において、印鑑をその長さに対応して捺印可能な最適位置に配置するのできる捺印装置を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題を解決するものとして、印面を装置前面側に向けて印鑑を保持する印鑑ホルダーを備え、この印鑑ホルダーに保持される印鑑の印面前側に受領書を配置可能とする受領書スペースが、装置前面側に形成されるとともに、捺印時に印鑑の印面に向かって移動し、受領書スペースに配置された受領書の裏面に接触して受領書を印面に押圧する圧接板が、受領書スペースに臨んで前後動自在に配設されている捺印装置であって、印鑑ホルダーの奥行位置を段階的に切り替える位置調整機構がさらに組み込まれていることを特徴とする捺印装置を提供する。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面に沿ってこの発明の捺印装置についてさらに詳しく説明する。図1a及びbは、各々、この発明の捺印装置の一実施形態を示した要部断面図である。また、図2a及びbは、この発明の捺印装置の別の実施形態及びその動作状態を示した要部断面図である。 【0009】この図1a及びb、そして、図2aに示したように、この発明の捺印装置には、印面(S1)を装置前面側に向けて印鑑(S)を保持する印鑑ホルダー(1)が設けられている。この印鑑ホルダー(1)に保持される印鑑(S)の印面(S1)の前側に受領書(R)を配置可能とする受領書スペース(2)が、装置前面側に形成されている。そして、受領書スペース(2)に臨んで圧接板(3)が前後動自在に配設されている。圧接板(3)は、捺印時に印鑑(S)の印面(S1)に向かって移動し、受領書スペース(2)に配置された受領書(R)の裏面に接触して受領書(R)を印鑑(S)の印面(S1)に押圧する。 【0010】このように、この発明の捺印装置では、印鑑(S)を上下方向ではなく、前後方向に配置し、捺印方向を捺印装置の後ろ向きとしている。このため、捺印装置の上下方向の寸法が縮小されている。捺印装置が組み込まれる宅配ボックス等は、一般に、奥行きは十分に取られており、印鑑(S)を前後方向に配置することにより捺印装置の前後方向の寸法が若干拡大されることがあっとしても、間口は十分に確保されるので宅配ボックス等に何ら影響しない。 【0011】また、この発明の捺印装置では、圧接板(3)が設けられているために、捺印方向を後ろ向きとしても、圧接板(3)にともなわれて受領書(R)が印鑑(S)の印面(S1)に押圧され、捺印時に明瞭な印が得られる。より具体的には、図1a及びb、そして図2aに示した実施形態では、印鑑ホルダー(1)は、装置本体(4)内部の捺印可能な位置に固定される。装置前面部(5)は、装置前面を形成する表面パネル(51)とその後方に配置されたカバー(52)から構成されている。受領書スペース(2)は、これら表面パネル(51)とカバー(52)の間に形成されている。表面パネル(51)には、受領書スペース(2)に連通する挿入口(53)が開口形成されている。カバー(52)は、挿入口(53)から挿入される受領書(R)を受領書スペース(2)に誘い込むガイドとしての機能を有する。このカバー(52)には、印鑑ホルダー(1)に保持される印鑑(S)の印面(S1)が対向する部位に開口(54)が形成されている。この開口(54)によって、印鑑ホルダー(1)に保持された印鑑(S)の印面(S1)は、受領書スペース(2)に臨み、また、圧接板(3)に対向する。 【0012】そして、図1a及びbに示した実施形態では、装置前面を形成する表面パネル(52)を貫通し、受領書スペース(2)に向かって後方に延びる押しボタン(6)が前後動自在に配設されている。この押しボタン(6)の前端は、表面パネル(52)より前方に突出して配置され、一方、後端には圧接板(3)が配設されている。 【0013】図1a及びbに示した実施形態では、受領書(R)を、表面パネル(51)に形成された挿入口(53)から受領書スペース(2)内に差し込んだ後に、押しボタン(6)を後方に押すことにより受領書(R)に捺印できる。すなわち、押しボタン(6)を後方に押すことにより、その後端に配設された圧接板(3)が、印鑑(S)の印面(S1)に向かって移動し、受領書スペース(2)に配置された受領書(R)の裏面に接触し、印鑑(S)の印面(S1)と平行に配置されて、受領書(R)を印鑑(S)の印面(S1)に押圧するのである。 【0014】この押しボタン(6)には、図1a及びbに示したように、一端を固定端としたスプリング(61)の他端を接続することができる。こうすることで、スプリング(61)の弾性力を利用して押しボタン(6)を初期位置に復帰させ、操作の簡便化を図ることができる。なお、図1aに示した実施形態と図1bに示した実施形態との構造上の差は、主に、表面パネル(51)に形成された挿入口(53)の位置となっている。すなわち、図1aの実施形態では、挿入口(53)は表面パネル(51)の下側に位置し、図1bの実施形態では上側に位置している。このような挿入口(53)の位置の違いは、捺印時の操作に若干の差を生じる。つまり、図1aの実施形態では、受領書(R)の裏面を上にして挿入口(53)より受領書スペース(2)内に差し込むことになるが、図1bの実施形態では、受領書(R)の表面を上にして差し込むことになる。 【0015】一方、図2aに示した実施形態では、カバー(52)が表面パネル(51)に接続され、表面パネル(51)が、回転軸(7)により装置本体(4)に軸支されて前後に回動自在とされている。このため、表面パネル(51)及びカバー(52)により構成され、受領書スペース(2)が形成された装置前面部(5)は、装置本体(4)に対して前後に回動自在となっている。圧接板(3)は、このように回動自在とされた装置前面部(5)に配設されている。具体的には、表面パネル(51)に配設することができる。 【0016】この図2aに示した実施形態では、受領書(R)を、表面パネル(51)の挿入口(53)から受領書スペース(2)内に差し込んだ後に、表面パネル(51)を後方に押すことにより受領書(R)に捺印できる。すなわち、図2bに動作状態を示したように、表面パネル(51)を後方に押すことにより、装置前面部(5)が後方に回動し、これにともなって配設された圧接板(3)が印鑑(S)の印面(S1)に向かって移動し、受領書スペース(2)に配置された受領書(R)の裏面に接触して受領書(R)を印鑑(S)の印面(S1)に押圧する。この捺印時に、圧接板(3)が受領書(R)を印鑑(S)の印面(S1)の全面に均等に押圧できるように、図2aに示した実施形態では、圧接板(3)を表面パネル(51)に軸支し、回動可能とすることができる。 【0017】このように、この発明の捺印装置は、装置本体(4)の前後方向に配置された印鑑(S)の印面(S1)に向けて圧接板(3)を後方に移動させるように操作することで捺印を可能とするが、さらにこの発明の捺印装置には、印鑑(S)をその長さに対応して捺印可能な最適な位置に配置するための位置調整機構が組み込まれる。 【0018】図3は、位置調整機構の一実施形態を示した要部分解斜視図である。この図3に示すことができるように、印鑑ホルダー(1)は、たとえば、ホルダー本体(101)と、このホルダー本体(101)に軸支され、回動可能とされた印鑑保持体(102)と、ホルダー本体(101)の後端部から垂下延設された背板(103)から構成することができる。印鑑保持体(102)は、印鑑(S)をその外周より保持できるように、印鑑(S)の外形の一部に対応した形状に形成された内面(104)を有する。この印鑑保持体(102)が、印鑑ホルダー(1)において2体一対として所定間隔で対称配置される。また、印鑑保持体(102)は、図示していないが、スプリングを介して相互に接続されており、内側に閉じる方向に付勢される。 【0019】このような印鑑ホルダー(1)には、印鑑(S)は、印鑑保持体(102)の前面側から背板(103)に向かって挿入される。この時、印鑑保持体(102)が外側に押し広げられ、スプリングに弾性力が発生し、印鑑保持体(102)が内側に閉じる方向に作用する。印鑑(S)の背面が背板(103)に当接したところで、印鑑(S)は、印鑑ホルダー(1)に安定して保持される。 【0020】一方、この図3に示した印鑑ホルダー(1)の位置調整機構は、ホルダー本体(101)に外側に向けて突設された2枚一組の固定片(8)と、この固定片(8)に対向可能な位置に配置され、2体一組とした複数組の位置調整用ボス(9)から構成されている。固定片(8)には、ネジ(10)を挿入可能にしたネジ挿入穴(81)が形成されており、このネジ挿入穴(81)は、固定片(8)を前後に貫通している。一方、位置調整用ボス(9)は、各組間で異なる長さを有しており、装置本体(4)の後面に、図4にも示したように、同一円周上に固定されている。また、各々の位置調整用ボス(9)には、その内面に、ネジ(10)に螺合するネジ穴(91)が形成されている。 【0021】以上の構成を有する印鑑ホルダー(1)の位置調整機構では、複数組の位置調整用ボス(9)から一組を選択し、その前面に固定片(8)の後面を当接配置した後に、固定片(8)の前面側からネジ(10)をネジ挿入穴(81)に差し込み、位置調整用ボス(9)のネジ穴(91)に螺合させることにより、印鑑ホルダー(1)を固定することができる。そして、選択する位置調整用ボス(9)を印鑑(S)の長さに応じて適宜変更することで、印鑑ホルダー(1)の奥行位置を変更することができ、印鑑(S)を捺印可能な最適位置に配置することができる。すなわち、長い印鑑(S)に対しては短い位置調整用ボス(9)を選択し、一方、短い印鑑(S)に対しては長い位置調整用ボス(9)を選択する。印鑑ホルダー(1)の奥行位置は、位置調整用ボス(9)の長さに応じて段階的に切り替えられる。位置調整用ボス(9)の長さは、市販の印鑑の長さに応じて適宜に定めることができる。 【0022】この発明の捺印装置における位置調整機構は、また、図5に示した実施形態のようにも構成することができる。図5に示した位置調整機構は、ホルダー本体(101)から外側に延設された2体一組の固定用リブ(11)と、前端に開口部を有し、印鑑ホルダー(1)を内部に収納可能とした中空な印鑑ホルダー受け(12)から構成されている。印鑑ホルダー受け(12)は、スプリング(13)によりホルダー本体(101)と接続されており、また、装置本体(4)の後面に固定されている。さらに、印鑑ホルダー受け(12)には、その前端から後方に向けて、印鑑ホルダー(101)に設けられた固定用リブ(11)が挿入される切欠(121)が2個一組として複数組形成されている。切欠(121)は、各組間で長さが異なっている。 【0023】この図5に示した位置調整機構では、複数組の切欠(121)から一組を選択し、その前端側から固定用リブ(11)を挿入し、固定用リブ(11)を切欠(121)に係合させることにより、印鑑ホルダー(1)は、印鑑ホルダー受け(12)に支持され、さらにスプリング(13)の弾性力を受けてその位置に固定される。そして、選択する切欠(121)を印鑑(S)の長さに応じて適宜変更することで、印鑑ホルダー(1)の奥行位置を変更することができ、印鑑(S)を捺印可能な最適位置に配置することができる。長い印鑑(S)に対しては長い切欠(121)を選択し、一方、短い印鑑(S)に対しては短い切欠(121)を選択する。この図5に示した実施形態の場合にも、印鑑ホルダー(1)の奥行位置は、印鑑(S)の長さに応じて段階的に切り替えられる。切欠(121)の長さは、市販の印鑑の長さに応じて適宜に定めることができる。 【0024】なお、固定用リブ(11)は、図5に示したように、ホルダー本体(101)の前端から後端にかけて配設することができる他、前端部又は後端部のみ等の一部に設けることもできる。その形態に特に制限はない。また、ホルダー本体(101)及び印鑑ホルダー受け(12)の形状についても特に制限はなく、たとえば、図5に示したような円筒状とすることができる。ホルダー本体(101)及び印鑑ホルダー受け(12)が円筒状の場合には、印鑑ホルダー(1)の奥行位置を変更する操作を円滑にすることができる。 【0025】もちろんこの発明は、以上の実施形態によって限定されるものではない。細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。 【0026】 【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によって、捺印装置の上下方向の寸法を縮小可能とし、印鑑をその長さに対応して捺印可能な最適位置に配置することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】西澤 利夫
|
| 【公開番号】 |
特開平11−266998 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−78116 |
|