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【発明の名称】 収容物により真珠光沢像が現出する容器
【発明者】 【氏名】原田 祐樹

【氏名】斉藤 慎也

【要約】 【課題】収容物によって簡易に真珠光沢像が現出する容器を提供する。

【解決手段】透明性容器表面2に、真珠光沢顔料を透明性樹脂中に均一に分散して形成された真珠光沢像3を設けた収容物により真珠光沢像が現出する容器1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明性容器表面に、真珠光沢顔料を透明性樹脂中に均一に分散して形成された真珠光沢像を設けてなり、前記容器内に収容する収容物の色調によって、前記像が透明乃至半透明、又は、真珠光沢色のいずかの様相を択一的に示すことを特徴とする、収容物により真珠光沢像が現出する容器。
【請求項2】 前記透明性容器が飲料用容器であり、隠蔽率が0%乃至20%である請求項1記載の飲料容器。
【請求項3】 前記真珠光沢像中の真珠光沢顔料含有量が1〜40重量%である請求項1又は2記載の容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は収容物により真珠光沢像が現出する容器に関する。更に詳細には、有色の収容物を収容することによって真珠光沢像が現出する容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、容器表面に金属箔層を設けた容器が開示されている(特開昭61−27300号公報)。前記容器は、金属箔層によって形成された金属光沢像の美観に優れた容器を提供することができるものである。しかしながら、収容物を頻繁に入れ替えて用いる容器、例えば、飲料用容器等においては、金属光沢像が常に視覚されることから変化性に乏しく、飽きることがあった。又、前記容器は不使用時も金属光沢色を呈するため、載置する場所の色彩的な統一感及び雰囲気を乱すこともある。尚、収容物によって異なる様相を示す容器としては、容器表面に可逆熱変色像を設けた容器が知られている。前記容器は収容物の温度に依存して像が可逆的に変色するものであり、色変化の意外性を有するものの、温度変化に伴って変色するため、収容物の温度、或いは、環境温度条件によって変色性に制限がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記した従来の容器の不具合を解消しようとするものであって、即ち、温度と使用場所の制約を受けることなく、収容物によって簡易に真珠光沢像が現出する容器を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明性容器表面に、真珠光沢顔料を透明性樹脂中に均一に分散して形成された真珠光沢像を設けてなり、前記容器内に収容する収容物の色調によって、前記像が透明乃至半透明、又は、真珠光沢色のいずれかの様相を択一的に示す収容物により真珠光沢像が現出する容器を要件とする。更には、前記透明性容器が飲料用容器であり、隠蔽率が0%乃至20%であること、前記真珠光沢像中の真珠光沢顔料含有量が1〜40重量%であることを要件とする。
【0005】本発明の容器に現出する真珠光沢像について説明する。透明性容器の表面には、真珠光沢顔料を透明性樹脂中に均一に分散して形成された真珠光沢像を形成してなり、収容物を入れていない状態及び透明な収容物を収容した状態では、透過光と真珠光沢像で反射した光が混在して、透明又は半透明の像が視認されるのみである。尚、前記半透明とは、着色半透明も含む。一方、容器内に有色の収容物が存在すると透過光が前記収容物に吸収され、真珠光沢像が反射した光のみ視覚されるため真珠光沢色を視認できる。この際、真珠光沢性に優れた像を視認するためには、後述する透明性容器自体の隠蔽率が低い容器を用いることが好ましい。又、収容物は、コーヒー、紅茶、ウーロン茶等、濃色の収容物を収容することによって、像を透過した光の反射が少なくなり、真珠光沢性に優れた像を現出させることができる。
【0006】次に真珠光沢像について説明する。前記真珠光沢像は、真珠光沢顔料を透明性樹脂を含むバインダー中に分散されて塗料、インキ等の形態として適用され、透明性容器表面に形成される。又、前記真珠光沢像中の真珠光沢顔料は、透明性樹脂中に均一に分散されることによって、前記した様相変化を示す。
【0007】前記真珠光沢顔料を分散する透明性樹脂については、従来より汎用の各種樹脂が適用できる。前記樹脂は透明乃至半透明の膜形成樹脂が好適であり、以下に例示する。アイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、リニヤ低密度ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂等を挙げることができる。
【0008】前記真珠光沢顔料は、従来より公知の二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の真珠光沢顔料が用いられる。前記真珠光沢顔料は、例えば、天然雲母の表面を14〜68重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的厚さが110〜415nmであって粒度が5〜300μmの顔料が挙げられる。
【0009】前記真珠光沢顔料における被覆層の光学的厚さとは、屈折率×幾何学的厚さのことであって、この厚さは、或る一定の波長の光を反射させることに関連しており、換言すれば、特定の光学厚みが特定の波長の光を反射させて真珠光沢色を発現できる。
【0010】前記真珠光沢顔料として、例えば、天然雲母粒子の表面を26〜57重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的厚さ180〜240nm、粒度5〜125μmの金色真珠光沢顔料は、選択的に紫色の波長の光を透過し、その補色関係にある550〜600nmの黄色の波長の光を反射する特性を有する。よって、収容物を入れていない状態及び透明な収容物を収容した状態では、黄色光のみならず紫色光まで反射し、可視光線の全波長を反射することになるため、半透明に視覚される。又、有色の収容物を収容すると、像を形成した部分の紫色光が収容物に吸収され、黄色の波長の光を反射するため金色の像が視認されることとなる。
【0011】又、天然雲母粒子の表面に酸化チタンを被覆し、その上層に非熱変色性染顔料を被覆(好適には、0.5〜10重量%を被覆)させた金色の真珠光沢顔料も有効であり、被覆させる非熱変色性染顔料の色により、更に多種多様な色変化を発現させることができる。例えば、有色の収容物を収容すると、ピンク色から金色等の、着色半透明から金色の変化も視覚できる。
【0012】次に、真珠光沢顔料として銀色真珠光沢顔料を用いる場合、銀色真珠光沢顔料は天然雲母粒子の表面を14〜43重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的厚さ110〜170nm、粒度1〜180μmのものが好適に用いられ、前記の数限定範囲にあることにより、反射光の波長の選択性を防止することができる。前記の範囲外になると、反射光の波長の選択性が生じることから、着色して銀色にならない。前記光学的特性の酸化チタン層が380〜700nmの全波長の光を雲母の層状配列により乱反射せずに反射するので銀色に見えるのである。よって、収容物を入れていない状態及び透明な収容物を収容した状態では、像は透明乃至半透明に視覚され、有色の収容物を収容すると銀色の像が視認されることとなる。
【0013】又、真珠光沢顔料として、天然雲母粒子の表面を酸化チタンで被覆したメタリック色真珠光沢顔料、前記酸化チタン層の上を酸化鉄で被覆したメタリック色真珠光沢顔料、酸化チタン被覆の上を非熱変色性有色染顔料で被覆した二色性真珠光沢顔料も使用される。
【0014】酸化チタンを被覆した雲母は酸化チタンの被覆重量と被覆の光学的厚さによって赤色〜紫色の可視光線を夫々の色の波長の光線に分光して特定の波長の光のみを反射し、他の光を透過させる作用を有する。一方、雲母は光を乱反射せず平行線で反射するので光は真珠光沢を帯びる。第一層を透過した光は下層で吸収されてしまう。こうして特定の波長の真珠光沢の光が反射されるので特定の色のメタリック色となる。
【0015】酸化チタンの被覆率が68重量%を超えると波長選択性が悪くなるのでメタリック色にならない。又、酸化鉄の被覆率が4重量%未満の場合、前記酸化鉄の効果が充分に現れず、10重量%を超える場合には、メタリック色になるとしても酸化鉄の着色が強すぎて綺麗なメタリック色が得られない。このように、特定の酸化チタンの被覆量と、光学的厚みにより、特定の波長の光を反射し、雲母の干渉作用と収容物の色調により、金色、銀色、その他メタリック色の像を視覚できる。
【0016】前記真珠光沢像は、従来より公知の方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段により形成することができる。又、前記真珠光沢像は、印刷、塗装等の手段により直接透明性容器上に設ける他、粘着剤を塗布したフィルムに真珠光沢像を設け、前記フィルムを透明性容器に貼着することもできる。
【0017】前記透明性容器の材質は特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂、ガラス等の素材が用いられる。又、容器の形態としては、コップ等の飲料用容器、食器類、化粧又は薬品用容器、芳香剤用容器、インキ又は墨汁用容器、ばけつ、各種玩具の形態が挙げられる。
【0018】次に、透明性容器の隠蔽率について説明する。前述したように、収容物によって真珠光沢像を現出させるためには、容器自体の隠蔽率が0%乃至20%であることが好ましい。これは、透明又は半透明から真珠光沢色への変化が収容物の光吸収によって生じるためであり、容器の隠蔽率が20%を越えて透明性が失なわれると、収容物によって吸収されるはずの光が容器自体で反射或いは吸収されるため、収容物の有無に関わらず真珠光沢像が常に視覚されてしまうからである。尚、容器の色調については、前記した隠蔽率の条件を満たせば特に限定されるものではないが、前記した真珠光沢像の隠顕効果をより鮮明に得るため、無色の容器が好適に用いられる。
【0019】前記透明性容器の隠蔽率の定義について説明する。隠蔽率とは、容器に収容する収容物を覆い隠す性能を表したものであり、色差計にて測定された視感反射率(Y値)から導きだされる値である。隠蔽率の算出方法としては、黒地、白地の各隠蔽率試験用紙を容器素材に重ね合わせて色差計(東京電色株式会社製、TC−3600色差計)にて視感反射率(Y値)を測定した後、次式によって算出する。
HP=(B/W)×100%HP:隠蔽率B:黒地の隠蔽率試験用紙を容器素材に重ねて測定した視感反射率(Y値)
W:白地の隠蔽率試験用紙を容器素材に重ねて測定した視感反射率(Y値)
前記隠蔽率の値が高い程、濁度が高くなり容器が収容物を覆い隠し易くなる。又、隠蔽率の値が低い程、透明度が高くなり容器を通して収容物の色調が識別できるようになる。白地の隠蔽率試験用紙としては白色合成紙を用い、黒地の隠蔽率試験用紙としては前記白色合成紙上に黒色の塗料を塗布したものを用いる。尚、前記隠蔽率試験用紙としては、白地の場合は反射率が80±1、黒地の場合は反射率が2以下のものが用いられる。
【0020】次に、前記真珠光沢像中の真珠光沢顔料の含有量について説明する。前記真珠光沢像中の真珠光沢顔料の含有量は、1〜40重量%、好ましくは、3〜25%の範囲が実用性を満たす。真珠光沢顔料含有量が1%未満の場合、良好な真珠光沢色が得られ難く、又、40重量%を越える場合は、顔料分過多による像の白化が起こり、収容物による像の隠顕が視認できなくなる。前記含有量とは真珠光沢像を形成する樹脂、添加剤等と真珠光沢顔料の総量を100重量%とした時の真珠光沢顔料の占める割合を表し、溶剤等の揮発成分を除いたものである。
【0021】前記真珠光沢像は、文字、数字、記号、各種図柄が挙げられ、又、容器に部分的又は局所的に設けたり、点在して設けることができる。又、線形状の像であったり、或いは、容器全体を覆うベタ柄でもよい。又、前記像は、形状や大きさの異なる複数の像を設けたり、異なる真珠光沢顔料を含む像を設けたり、更には、可逆熱変色像や非熱変色像を併設して用いることもでき、容器の付加価値を高めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の収容物により真珠光沢像が現出する容器の具体的な実施形態としては、コップ等の形状の透明性容器表面に、真珠光沢顔料と透明性樹脂を含むインキを用いて適宜像を印刷、乾燥させ、真珠光沢像を形成して得られる。
【0023】
【実施例】実施例1(図1、2、3参照)
透明性容器2としてガラス製コップ表面に、天然雲母の表面を42重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが220nmの金色真珠光沢顔料12部を、エポキシ樹脂70部、シランカップリング剤8部、消泡剤2部中に均一に分散し、更に脂肪族ポリアミン系硬化剤28部を加えた真珠光沢インキを用いて、スクリーン印刷により線画の船の図柄の真珠光沢像3を形成した後、加熱硬化して収容物により真珠光沢像が現出する容器1を得た。前記透明性容器2の隠蔽率を測定すると2%であり、ほぼ無色透明であった。又、硬化後の真珠光沢像中の真珠光沢顔料の含有量は10重量%であった。前記容器1は、収容物を入れていない状態では微白色半透明の船の真珠光沢像3が視認されるが(図2)、容器にコーヒーを注ぐと船の真珠光沢像3が金色に視認されるようになった(図3)。この様相変化は、収容物を出し入れすることにより繰り返し行うことができた。
【0024】実施例2ポリカーボネート樹脂製のコップ表面に、天然雲母の表面を14重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが120nmの銀色真珠光沢顔料20部を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂80部、芳香族系溶剤200部、消泡剤0.5部中に、均一に分散した真珠光沢インキを用いて、ハケ塗りにより水玉の図柄の真珠光沢像を点在して形成した後、乾燥して収容物により真珠光沢像が現出する容器を得た。前記ポリカーボネート樹脂製コップは淡黄色半透明であり、その隠蔽率は15%であった。又、乾燥後の真珠光沢像中の真珠光沢顔料の含有量は20重量%であった。前記容器は、収容物を入れていない状態では微白色半透明の水玉の真珠光沢像が視認されるが、容器内に紅茶を注ぐと、水玉の真珠光沢像が銀色に視認されるようになった。この様相変化は、収容物を出し入れすることにより繰り返し行うことができた。
【0025】実施例3裏面に粘着剤が塗工された透明ポリエステル樹脂フィルム上に、天然雲母の表面を45重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが250nmのメタリックレッド色真珠光沢顔料25部を、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂(固形分50%)80部、水溶性アルキド樹脂(固形分30%)50部、粘度調整剤1部、消泡剤3部中に均一に分散した真珠光沢インキを用いて、スクリーン印刷にてハート模様の真珠光沢像を形成して乾燥した後、ガラス製ジョッキに前記フィルムを貼着して収容物により真珠光沢像が現出する容器を得た。前記ガラス製ジョッキにポリエステル樹脂フィルムを貼着した状態では、ほぼ無色透明であり、その隠蔽率は8%であった。又、乾燥後の真珠光沢像中の真珠光沢顔料の含有量は30重量%であった。前記容器は、収容物を入れていない状態では微白色半透明のハート模様の真珠光沢像が視認されるが、容器内に黒ビールを注ぐと、ハート模様の真珠光沢像がメタリックレッド色に視認されるようになった。この様相変化は、収容物を出し入れすることにより繰り返し行うことができた。
【0026】実施例4ポリカーボネート樹脂製コップ表面に、天然雲母の表面を42重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが220nmの金色真珠光沢顔料8部を、アクリル系樹脂溶液(固形分50%、芳香族系溶剤)40部、ポリイソシアネート系硬化剤6部、芳香族系溶剤40部中に均一に分散した真珠光沢インキ、及び、天然雲母の表面を14重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが120nmの銀色真珠光沢顔料4部を、アクリル系樹脂(固形分50%、芳香族系溶剤溶液)40部、ポリイソシアネート系硬化剤6部、芳香族系溶剤40部中に均一に分散した真珠光沢インキをそれぞれ用いて、スプレー塗装にて水玉の図柄の真珠光沢像を点在して形成した後、加熱硬化して収容物により真珠光沢像が現出する容器を得た。前記ポリカーボネート樹脂製コップは淡青色半透明であり、その隠蔽率は10%であった。又、硬化後の真珠光沢像中の真珠光沢顔料の含有量は、それぞれ24重量%、10重量%であった。前記容器は、収容物を入れていない状態では微白色半透明の水玉の真珠光沢像が視認されるが、容器内にコーヒーを注ぐと、金色と銀色の水玉の真珠光沢像が視認されるようになった。この様相変化は、収容物を出し入れすることにより繰り返し行うことができた。
【0027】実施例5ガラス製コップ表面に、天然雲母の表面を51重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが320nmのメタリックブルー色の真珠光沢顔料27部を、エポキシ樹脂70部、シランカップリング剤8部、消泡剤2部中に均一に分散し、更に脂肪族ポリアミン系硬化剤を28部加えて混合した真珠光沢インキを用いて円形の真珠光沢像と、18℃以上で無色、15℃以下で桃色を呈する可逆熱変色性組成物60部を、エポキシ樹脂150部、シランカップリング剤17部、消泡剤1部中に均一に分散し、更に脂肪族ポリアミン系硬化剤を64部加えて混合した可逆熱変色性インキを用いて、ハート模様の可逆熱変色像をスクリーン印刷にてそれぞれ点在して形成した後、加熱硬化して収容物により真珠光沢像が現出する容器を得た。前記ガラス製コップの隠蔽率を測定すると2%であり、ほぼ無色透明であった。又、硬化後の真珠光沢像中の真珠光沢顔料の含有量は20重量%であった。前記容器は、25℃の室温下で収容物を入れていない状態では微白色半透明の円形の真珠光沢像、及び、微白色のハート模様の可逆熱変色像が視認されるが、容器内に10℃のアイスコーヒーを注ぐと、メタリックブルー色の円形の真珠光沢像、及び、桃色のハート模様の可逆熱変色像が視認されるようになった。前記様相は、環境温度によってアイスコーヒーの液温が上昇して18℃以上になると、可逆熱変色像が消色してハート模様は微白色になるが、円形ベタ柄はメタリックブルー色を維持していた。更に容器内のコーヒーを取り除くと、円形の図柄は微白色半透明に戻り、この様相変化は、収容物を出し入れすることにより繰り返し行うことができた。
【0028】実施例6アクリル樹脂製コップ表面に、天然雲母の表面を56重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが380nmのメタリックグリーン色真珠光沢顔料14部を、紫外線硬化型アクリル系樹脂50部、重合開始剤5部、消泡剤2部中に均一に分散した真珠光沢インキを用いて、スクリーン印刷にて水玉模様の真珠光沢像を形成した後、紫外線照射により硬化した。又、前記真珠光沢像を設けていない部分の全面を、酸化チタン20部を、紫外線硬化型アクリル系樹脂75部、重合開始剤10部、消泡剤3部中に均一に分散した白色インキを用いてスクリーン印刷にて非変色性白色像を形成した後、紫外線照射により硬化して、収容物により真珠光沢像が現出する容器を得た。前記アクリル樹脂製コップは、ほぼ無色透明であり、その隠蔽率は5%であった。又、硬化後の真珠光沢像中の真珠光沢顔料の含有量は20重量%であった。前記容器は、収容物を入れていない状態では全体が微白色に視認されるが、容器内にココアを注ぐことによって、微白色の背景に水玉模様のメタリックブルー色の真珠光沢像が視認されるようになった。この様相変化は、収容物を出し入れすることにより繰り返し行うことができた。
【0029】比較例1ポリカーボネート樹脂製のコップ表面に、実施例2と同様の真珠光沢インキを用いて、水玉の図柄の真珠光沢像を形成して容器を得た。前記ポリカーボネート樹脂製コップは黒色半透明であり、その隠蔽率は40%であった。前記容器は、収容物を入れていない状態で、既に水玉模様の銀色の真珠光沢像が視認されており、収容物を収容しても像の色調は変化することがなく、面白味に欠けるものであった。
【0030】比較例2ガラス製コップ表面に、実施例5と同様の可逆熱変色性インキを用いて水玉模様の可逆熱変色像を形成して容器を得た。前記容器は、25℃の室温下では微白色の水玉模様が視認されるが、容器内に液温10℃のアイスコーヒーを注ぐと、青色の水玉模様が視認された。しかし、室温下において容器内のアイスコーヒーの液温が上昇すると、可逆熱変色像が消色して微白色の水玉模様に戻るものの、再び15℃以下の収容物を収容しなければ変色しないため、色変化の楽しみに欠けるものであった。
【0031】
【発明の効果】本発明の収容物により真珠光沢像が現出する容器は、真珠光沢顔料を均一に分散させた樹脂による真珠光沢像を設けることによって、温度や使用場所に関係なく収容物によって簡易に真珠光沢像が現出する容器を提供できる。又、透明性容器の隠蔽率が0〜20%に特定することによって、収容物の有無によって視認される真珠光沢像のコントラストを高くすることができる。更に、真珠光沢像中の真珠光沢顔料含有量を1〜40重量%に特定することによって、より真珠光沢性に富む像を形成できる。
【出願人】 【識別番号】000111890
【氏名又は名称】パイロットインキ株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月17日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−262438
【公開日】 平成11年(1999)9月28日
【出願番号】 特願平10−89469