| 【発明の名称】 |
脱臭機能付き鉢状体の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 一重
【氏名】鈴木 悦子
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| 【要約】 |
【課題】脱臭部材を鉢状本体の内壁面にしっかりと密着した状態で充填することができ、天然植物の生育に必要な水等を注入しておく部材を設けた脱臭機能付き鉢状体を容易に製造する方法を提供する。
【解決手段】高分子吸水樹脂からなる母材21に挿入部材3を配設するための凹部を設け、次いで、この母材21を鉢本体1へ収納し、その後、母材の上記凹部に挿入部材3を配設した。この段階では、母材21は鉢本体1の内壁面及び挿入部材3の外壁面にしっかりと密着してはいなかった。次いで、この母材21に液状の脱臭剤22を含浸させて膨張させることにより、母材21は鉢本体1の内壁面及び挿入部材3の外壁面にしっかりと密着させることができる。その結果、母材を鉢状本体に収納する前に予めその内面形状にあわせて賦形せずとも、母材と鉢状本体の内壁面とが良好に密着した鉢状体を容易に製造できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高吸水性樹脂からなり且つ挿入孔を有する母材を鉢状本体内に密着しないように収納し、該母材のこの収納の前後に該挿入孔に筒状の挿入部材を配設し、その後、該母材に水を含む脱臭剤を加えることにより、該母材を膨張させて、該母材を該鉢状本体の内面形状に適合した形状に賦形させつつ該鉢状本体の内壁面及び該挿入部材の外壁面に密着した状態にすることを特徴とする脱臭機能付き鉢状体の製造方法。 【請求項2】 上記鉢状本体は、中間部にくびれがある複雑形状である請求項1記載の脱臭機能付き鉢状体の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、脱臭機能付き鉢状体の製造方法に関する。本発明により製造された鉢状体は、主に、家屋、自動車の室内等に設置される天然植物(生け花、生木等)若しくは人工植物(イミテーション植物、花等)用の活け鉢、花瓶等として利用される。 【0002】 【従来の技術】従来より、脱臭剤、消臭剤或いは消臭芳香剤等(以下、「脱臭剤等」という。)は、家屋、自動車の室内等において、悪臭の除去、空気の清浄化、室内の香り付け等を目的に使用されている。この場合、脱臭剤等は、置物、人形等を形どった専用容器に収納して用いられる他、天然植物、人工植物の活け鉢内の土壌に混入したり、活け鉢に装着したり、所定の吸収材に含浸等させて鉢(鉢状本体)内に充填等して用いられることも多い。例えば、図3に示す様に、鉢状本体1bの内部に液体を吸収する性状の素材からなる吸収材(例えば、多孔質セラミックス、スポンジ、高分子吸収材等)21bを充填して、これに液体状の脱臭剤等(空気清浄化剤)22bを含浸させた鉢が知られている(実開平3−81318号公報)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記吸収材21bとして多孔質セラミックス、高分子吸収材等を用いる場合には、図3に示す様な単純な内面形状を有する鉢状本体1bであっても、同吸収剤21bを同本体1bの内壁面に、しっかりと密着させることは容易ではない。また、生活様式と価値感の多様化した今日においては、多種、多様な外観と内面形状を有する鉢が求められている。これに対処するため、図2に示す様な複雑な内面形状を有する鉢状本体1aにあわせて、予め、上記スポンジ等からなる吸収材21a等を賦形した後、同鉢状本体1aに収納することは実質上困難である。一方、吸収材21a等を幾つかに分割して作製しておいて、これらを順次、鉢状本体1a内に収納することも考えられるが、この方法では、工数が多くなり、製造コストが高くなる。更に、上記従来の鉢においては、吸収材21bに含浸させた脱臭剤等を空気中に飛散させながら脱臭を行うものであるため、即時的効果は得られるが、時間の経過と共に、その脱臭効果の低下が大きい。 【0004】本発明は、上記観点に鑑みてなされたものであり、脱臭部材を鉢状本体の内壁面に、しっかりと密着した状態で充填でき、且つ、脱臭効果が長続きする脱臭機能付き鉢状体を簡易に製造する方法を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本第1発明の脱臭機能付き鉢状体(以下、「鉢状体」という。)の製造方法は、高吸水性樹脂からなり且つ挿入孔を有する母材を鉢状本体内に密着しないように収納し、該母材のこの収納の前後に該挿入孔に筒状の挿入部材を配設し、その後、該母材に水を含む脱臭剤を加えることにより、該母材を膨張させて、該母材を該鉢状本体の内面形状に適合した形状に賦形させつつ該鉢状本体の内壁面及び該挿入部材の外壁面に密着した状態にすることを特徴とする。 【0006】上記「高吸水性樹脂」としては、水酸基やカルボキシル基等との親水性をもった水溶性樹脂の分子間を適度に架橋、不溶性にしたもの等が挙げられる。例えば、澱粉−アクリロニトリルグラフト系、澱粉−アクリル酸グラフト系、架橋ポリアクリル酸、PVA架橋物、酢酸ビニル−メタクリル酸メチルコポリマー系、架橋ポリエチレンオキサイド系、セルロース−アクリロニトリル共重合物等を例示することができる。 【0007】また、上記「鉢状体」とは、天然植物(生木等)、人工植物(イミテーション植物、花等)を植え込む鉢、生け花等に用いられる花瓶等に限らず、鉛筆立て、小物入れ等として用いられる鉢状体等も広く含む意である。更に、上記脱臭剤を、カルボキシベタイン型両性界面活性剤及びエーテル型ノニオン系界面活性剤により構成してもよい。 【0008】本鉢状体は、鉢状本体とその内部に充填配置される脱臭部材とを備え、その脱臭部材は、高吸水性樹脂からなる母材とその中に分散、担持される脱臭剤とからなる。この母材は、鉢状本体内に収納された後に、脱臭剤の含水成分を吸収しながら膨張する。そして、母材は、その表面部分が鉢状本体の内壁面に当接して同本体の内面形状に適合した形状となりながら、同本体の内壁面と密着した状態となる。従って、本発明では、脱臭部材を鉢状本体に収納する前に、予めその内面形状にあわせて賦形する必要はない。また、鉢状本体の内面形状が、本第2発明のように、中間部にくびれがある複雑形状であっても、脱臭部材が同内面形状に対応して形状を変化させるため、同部材と同本体の内壁面との間に、しっかりとした密着状態を得ることが容易である。また、この母材は保水効果が優れるため、水分の飛散が少なく、且つ、消臭剤が母材中にしっかりと保持されるので、長時間使用しても消臭効果の低下は小さい。更に、水分の飛散に伴う形状変化(収縮)が少ないため、長時間使用しても上記脱臭部材と鉢状本体の内壁間の密着状態を損なうことは少ない。 【0009】また、本第1発明においては、上記脱臭剤等を、所定の界面活性剤等により構成する。この結果、活性炭等による脱臭(物理吸着)ではなく、化学反応による脱臭作用を有することとなり、広い空間での脱臭効果が得られる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本実施例の鉢状体Aは、図1に示す様に、鉢状本体(以下、「鉢本体」という。)1と、該鉢本体1内に充填される脱臭部材2と、該脱臭部材2の略中央に配置された挿入部材3とを備える。上記鉢本体1は、略台形の縦断面形状を有し、下端側に向かい横断面積が徐々に小さくなる上端開放の筒状体(上端部の内径;120mm、下端部の内径;105mm、高さ;130mm、材質;陶器製)である。 【0011】また、上記脱臭部材2は、高分子吸水樹脂からなる母材21と、該母材21中に分散、保持される脱臭剤22とからなる。また、この脱臭剤22は、カルボキシベタイン型両性界面活性剤及びエーテル型ノニオン系界面活性剤より構成されるものである。更に、上記挿入部材3は、上端開放の略筒状体(内径;30mm、外径;40mm、高さ;120mm、材質;ポリエチレン製)である。 【0012】そして、上記鉢本体1内への上記挿入部材3と母材21の収納を行った。この段階では、母材21は、鉢本体1の内壁面に、しっかりと密着してはいなかった。次いで、この母材21に、脱臭剤(液状)22を含浸させ、約30分間放置して膨張させた。この結果、母材21は、鉢本体1の内壁面(母材21と挿入部材3も)に、しっかりと密着した。 【0013】以上の様に構成される鉢状体Aの使用例を述べる。先ず、上記挿入部材3内に、その全容積の約1/5の量に相当する水を注入した。尚、この水は、水溶性肥料等を含有するものであってもよく、注入する水の量も特に問わない。また、水溶性肥料等を含有させる場合には、試験開始後に、植物の成育状況に応じて、適宜補給してもよい。 【0014】そして、上記挿入部材3内に、天然植物(例えば、カーネイション)の茎を3本差し込み、同天然植物の差し替え等を適宜行いながら、適宜な期間、鉢状体Aの使用を続けた。この間、脱臭部材2は、鉢本体1の内壁に、しっかりと密着しており、また消臭効果も維持し続けた。 【0015】また、本実施例の変形例として、図2に示す様な鉢状体Bを挙げることができる。この鉢状体Bの鉢本体1aは、複雑な内面形状を有しているが、上記の製造方法により、その内部に収納された母材21aが適宜、膨張して、その内面形状に沿った形状となるため、鉢本体1aの内壁面と母材21aは、しっかりと密着している。 【0016】尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、本実施例では、自然植物について試験を試みたが、人工植物(造花等)に対しても、上記鉢状体Aを使用することができる。また、本実施例の鉢状体Aは、植物育成用に用いられる場合に限らず、鉛筆立て、小物入れ等として用いることもできる。更に、鉢本体1、挿入部材3等の材質、内径、深さ、肉厚等は、本発明の目的が達成できる限りにおいて特に問わない。また、上記挿入部材3には、必ずしも水等を収納しなくてもよいし、根の付いた天然植物を対象とする場合には土壌(特に、水分の滲込んだ土壌等)を収納してもよい。 【0017】 【発明の効果】本発明の鉢状体の製造方法では、脱臭部材と鉢状本体の内壁面との間に良好な密着状態を得ることが容易である。また、使用する母材の保水効果が優れるため、長時間使用しても消臭効果の低下は小さい。更に、長時間使用しても形状変化が少ないため、この密着状態が損われることが少ない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000115083 【氏名又は名称】ユシロ化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成5年(1993)6月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小島 清路
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| 【公開番号】 |
特開平11−262436 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月28日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−314747 |
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