| 【発明の名称】 |
布張りの食器及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】浦谷 兵剛
【氏名】浦谷 富士男
|
| 【要約】 |
【課題】本体の表面部を滑りにくくすることができる、布張りの箸を提供する。
【解決手段】生地状態のガーゼ風の布目の粗い布を任意の色彩で着色した後、その裏面に剥離紙付きの両面粘着テープを取り付け、その後、型抜きにより、複数枚の布片6を、異なる大きさ、異なる色で製作する。そして、これら複数枚の布片6を、剥離紙を取り除いた両面粘着テープ7を用いて、箸本体5、5の表面部5a、5aに、たとえば散点状で張り付けるとともに、透明樹脂塗料を塗布して、表面処理を施す。表面処理が施された後でも、それらの布片6の表面部には、小さな凹凸部8があり、しかも、前記表面部5a、5aと前記布片6との段差により、大きめの凹凸ができる。よって、小さな凹凸8と大きめの凹凸とが滑り止めとなるため、持ち易く、使い易い箸となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体の表面部に布を張り付けて製造される布張りの食器において、前記布をガーゼまたはガーゼ風の布目の粗い布にしたことを特徴とする布張りの食器。 【請求項2】 前記ガーゼまたはガーゼ風の布目の粗い布は、その布が張り付けられていない部分が、その布とその布との間に形成されるように、前記本体の表面部に張り付けられることを特徴とする請求項1に記載の布張りの食器。 【請求項3】 ガーゼまたはガーゼ風の布目の粗い布を生地状態で着色等した後、その布を、型抜きにより任意形状に切断し、その後、両面粘着テープ等の固着手段を用いて、本体の表面部に張り付けることを特徴とする布張りの食器の製造方法。 【請求項4】 ガーゼまたはガーゼ風の布目の粗い布を、型抜きにより任意形状に切断するとともに着色等し、その後、両面粘着テープ等の固着手段を用いて、本体の表面部に張り付けることを特徴とする布張りの食器の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、本体の表面部に布を張り付けた食器及びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、たとえば、食器としての箸1の一対の箸本体2、2の表面部2a、2aには、外観を演出するという観点から、たとえば図6のような、布目の細かい布3をその箸本体2、2の表面部2a、2aに張り付けた布張りの箸が製造されていた。この布張りの箸1は、あらかじめ長方形に切断されたの布の裏面に、漆糊、木工用ボンドあるいは合成糊等を塗った後で、その箸本体の表面部全体に巻き付け、十分乾燥させてから漆または合成樹脂塗料で着色し、その後、一般的な表面処理(透明樹脂塗料を2〜3回塗り重ねる)が施されて、製造されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、前記箸本体2、2の表面部2a、2a全体に布を張り付けた後で、着色するのは、細かい作業となるため大変面倒であり、しかも箸1の柄が単調になるという問題があった。また、その箸本体2、2の表面部2a、2aに布を巻き付けるという方法では、その表面部2a、2a全体に布を巻き付けた後で前記表面処理を施すと、その布の表面は滑らかになり、箸1を持つときに滑り易いという問題があった。 【0004】この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、本体の表面部を滑りにくくすることができる布張りの食器を提供することにある。また、他の目的は、前記布張りの食器を、迅速に、かつ、効率的に製造できる製造方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明に係る布張りの食器及びその製造方法は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、請求項1に記載の発明に係る布張りの食器は、本体の表面部に布を張り付けて製造される布張りの食器において、前記布をガーゼまたはガーゼ風の布目の粗い布にしたことを特徴とする。 【0006】これにより、本体の表面部に張り付けられたガーゼまたはガーゼ風の布目の粗い布は、表面処理が施された後でも、その布の布目の粗さが残るため、その布の表面にはざらざらとした小さな凹凸ができる。 【0007】ここで「食器」とは、食事に使う器具および容器であり、たとえば、箸、椀、皿、重箱等である。また、ここで「ガーゼ風」とは、木綿、麻、絹あるいはその他の素材で製織または製編されたガーゼのような目の粗い布である。 【0008】また、請求項2に記載の発明に係る布張りの食器ように、前記ガーゼまたはガーゼ風の布目の粗い布は、その布が張り付けられていない部分が、その布とその布との間に形成されるように、前記本体の表面部に張り付けられるのが好ましい。 【0009】これにより、食器の本体の表面部には、大きめの凹凸もできる。 【0010】また、請求項3に記載の発明に係る布張りの食器の製造方法は、ガーゼまたはガーゼ風の布目の粗い布を生地状態で着色等した後、その布を、型抜きにより任意形状に切断し、その後、両面粘着テープ等の固着手段を用いて、本体の表面部に張り付けることを特徴とする。 【0011】これにより、ガーゼまたはガーゼ風の布目の粗い布は、着色等した後、たとえば、帯状あるいは三角形状等の任意形状に型抜きされる。そして、両面粘着テープ等の適宜固着手段を用いて、前記食器の本体の表面部に張り付けられる。剥離紙付きの両面粘着テープ等を、布に取り付けるタイミングは、着色等する前でも着色等した後でも、あるいは型抜き後のいずれの段階でも構わない。 【0012】また、請求項4に記載の発明に係る布張りの食器の製造方法のように、ガーゼまたはガーゼ風の布目の粗い布を、型抜きにより任意形状に切断した後に着色を施し、その後、両面粘着テープ等の固着手段を用いて、本体の表面部に張り付けるようにしてもよい。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明を、布張りの箸に具体化した第一の実施の形態について、図面に基づいて説明する。 【0014】布張りの箸4は、図1に示されるように、一対の箸本体5、5からなる。これらの箸本体5、5の表面部5a、5aには、複数枚の異なる大きさ、異なる色(模様も異なっていても構わない)の三角形状のガーゼ風の布目の粗い布である布片6が、たとえば散点状で模様を形成するように張り付けられている。 【0015】これらの布片6は、具体的には、木綿、麻、絹あるいはその他の自然素材の糸で製織されたガーゼ風の布目の粗い布であるのが望ましいが、それ以外の合成繊維からなっていてもよい。但し、それらの布片6の布目は、その表面部に表面処理(透明塗料の塗布)を施した後でも布目の粗さが残るように、できるだけ布目の粗い布であるのが望ましい。なお、ガーゼ風の布目の粗い布は、木綿を素材とするガーゼであってもよいことは勿論である。 【0016】次に、この布張りの箸4の製造方法について説明する。まず、生地状態のガーゼ風の布目の粗い布(図示なし)を、たとえば吹き付け等の方法で任意の色に着色したり、必要によっては模様等の装飾を加えた後、その生地状態の布の裏面に適宜固着手段、たとえば、剥離紙付きの両面粘着テープを取り付ける。そして、この剥離紙付きの両面粘着テープが取り付けられた前記生地状態の布を型抜きにより、任意の大きさで、たとえば三角形状等の適宜形状に切断して布片6を一枚製作する(もっとも、裏面にあらかじめ剥離紙付きの両面粘着テープを取り付けた生地状態の布を、着色等した後、型抜きにより切断する方法でも構わないし、着色等および型抜きした後に、剥離紙付きの両面粘着テープを布の裏面に取り付ける方法であっても構わない。)。同様に、複数枚の布片6を、異なる大きさ、異なる色等で製作する。そして、それらの複数枚の布片6を、剥離紙を取り除いた前記両面粘着テープ7を用いて、前記箸本体5、5の表面部5a、5aに、たとえば散点状に張り付ける。その後、たとえば、エポキシ樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料等の透明樹脂塗料を、前記表面部5a、5aと、前記布片6とに塗布して、表面処理を施す。このとき、その表面処理は、前記布片6の布目の粗さが残る程度に施されるのがよい。なお、前記表面部5a、5aに張り付けられる布片6は、全て同じ大きさ及び同じ色であってもよい。また、箸本体5、5の表面部5a、5aに、予め表面処理が施されている場合、張り付けられた布片6の表面処理を省略しても構わない。あるいは、前記表面部5a、5aと、前記布片6とに、全く表面処理を施さなくてもよい。この場合、その布片6に表面処理を施さないので一見して布であることを認識できるため、温もりや柔らかさを感じることができる。 【0017】次に、この第一の実施の形態に示す布張りの箸4及びその製造方法の作用効果について説明する。任意の色彩で着色を施した(必要によっては模様付けもした)、裏面に剥離紙付きの両面テープが付されたガーゼ風の布目の粗い布を、任意形状(図示実施の形態では三角形状)に、型抜きによって切断すると、小さくて細いものや、複雑な形状のものでも効率的よく製造することができる(型抜き後に、剥離紙付きの両面粘着テープを布に取り付けてもよい。)。また、前記布片6を、剥離紙を取り除いた両面粘着テープ7で、箸本体5、5の表面部5a、5aに迅速に張り付けることができる。また、様々な形状の布片や、異なった色の布片を、模様を形成するように張り付けることで、複雑な模様の布張りの箸にすることもできる。 【0018】また、箸本体5、5の表面部5a、5aに張り付けられた前記布片6は、布目が粗いので、表面処理が施された後でも布目の粗さが残る。このため、前記布片6の表面部には、ざらざらとした小さな凹凸8ができ、しかも、前記布片6は散点状に張り付けられているので、布片6と布片6との間には、布が張り付けられていない部分9が形成され、この布が張り付けられていない部分9と、前記布片6との段差により、前記表面部5a、5aには、大きめの凹凸ができる(図2参照)。また、布片6を複数枚重ね合わせるように張り付けることもでき、この重ね合わせの張り付けでデザインの修正も容易であるとともに、さらなる凹凸が生じる。 【0019】よって、前記布張りの箸4を用いて食事をするとき、前記小さな凹凸8と前記大きめの凹凸が、あるいは重ね張りによる凹凸が滑り止めとなるため、持ち易く、使い易い箸となる。 【0020】図3は、本発明に係る第二の実施の形態を、布張りの箸に具体化したものである。この第二の実施の形態の布張りの箸10は、第一の実施の形態と同様に、木製の一対の箸本体11、11の表面部11a、11aに、ガーゼ風の布目の粗い布を張り付けたものである。この第二の実施の形態と、第一の実施の形態との違いは、前記表面部11a、11aに張り付けられるガーゼ風の布目の粗い布の形状と、その表面部11a、11aに張り付けたときにできる模様の形態とが異なる点にある。すなわち、ガーゼ風の布目の粗い布としての帯形状の布帯12が用いられ、その布帯12は、ストライプ状の模様を描くように、表面部11a、11aに巻き付けられるようにして張り付けられるので、その巻き付けられた布帯12の布と布との間には、布が張り付けられていない部分9が形成され、この布が張り付けられていない部分9と、前記布帯12との段差により、前記表面部11a、11aには、大きめの凹凸ができる。 【0021】このように、前記表面部11a、11aに張り付けられるガーゼ風の布目の粗い布は、帯形状の布帯12であってもよいし、それ以外の形状、たとえば、リング形状、波形状等であってもよく、要するに、布目の粗い布が張り付けられていない部分が、その布とその布との間に形成されて、その張り付けられていない部分と、その布との段差によって、前記表面部11a(5a)に大きめの凹凸ができるのであれば、前記ガーゼ風の布目の粗い布の切断形状とかその張り付けの形態は、とくに限定されない。 【0022】この第二の実施の形態に示す布張りの箸10の製造方法は、第一の実施の形態とほぼ同様であって、好ましくは、箸本体11、11の表面部11a、11aに、布帯12、12を張り付けた後、その表面部11a、11aと前記布帯12、12とに、エポキシ樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料等の透明樹脂塗料を塗布して、表面処理を施す。 【0023】なお、箸本体11(5)の表面部11a(5a)のほぼ全体にもしくは全体に、ガーゼ風の布目の粗い布を張り付けた後、その布の上に、さらにたとえば部分的に別のガーゼ風の布目の粗い布を張り合わせて、大きめの凹凸を形成するようにしてもよい。 【0024】図4は、本発明に係る第三の実施の形態を、布張りの椀に具体化したものである。この第三の実施の形態の布張りの椀13は、椀本体14の表面部とくにその外表面部14aに、ガーゼ風の布目の粗い布である帯形状の布帯15を、ストライプ状に張り付けたものである。よって、布帯15の布と布との間には、布が張り付けられていない部分9が形成される。 【0025】なお、この第三の実施の形態に示す布張りの椀13の製造方法は、第一の実施の形態とほぼ同様であり、その作用効果も、ほぼ同様である。 【0026】図5は、本発明に係る第四の実施の形態を、布張りの重箱に具体化したものである。この第四の実施の形態の布張りの重箱16は、重箱本体17の表面部とくにその外表面部17aに、ガーゼ風の布目の粗い布である三角形状の布片18を、散点状で複数枚張り付け、蓋19の表面部19aに、ガーゼ風の布目の粗い布である四角形状の布片20を、散点状で複数枚張り付けたものである。よって、布片18と布片18との間には、布が張り付けられていない部分9が形成され、また、布片20と布片20との間には、布が張り付けられていない部分9が形成される。 【0027】なお、この第四の実施の形態に示す布張りの重箱16の製造方法は、第一の実施の形態とほぼ同様であり、その作用効果も、ほぼ同様である。 【0028】また、上述したように本発明が実施される布張りの食器としては、箸、椀、重箱に限定されることなく、たとえば、杯、弁当箱、菓子箱、箸箱等のその他の食器であってもよい。そして、これらの布張りの食器の素材は、木製の食器であるのが望ましいが、それ以外の材質、たとえば、竹製、紙製、合成樹脂製、金属製等の食器であってもよい。また、布張りの食器の表面部に張り付けられた布片、布帯等の模様の形態は、既述の通り、必ずしも散点状や、ストライプ状の形態に限定されるわけではなく、亀甲形状、星形状、千鳥形状、その他の種々の形態からなる模様であってもよく、とくに限定されない。 【0029】さらに、上述した実施の形態においては、布の着色については、型抜きにより任意形状に切断する前に行う形態について説明したが、型抜きにより任意形状に切断した後に、吹き付け等の方法で行うようにしてもよい。 【0030】 【発明の効果】以上、詳述したところから明らかなように、この発明に係る布張りの食器及びその製造方法によれば、次の効果がある。 【0031】請求項1に記載された布張りの食器によれば、たとえば、油あるいは食べ物の煮汁等が付いた手でその布張りの食器を使用したり、持ったりしても、その前記ガーゼまたはガーゼ風の布目の粗い布表面部のざらざらとした小さな凹凸が、食器本体の表面部の滑り止めになるため、使い易いあるいは持ち易い食器にすることができる。 【0032】また、請求項2に記載された布張りの食器によれば、前記本体の表面部を一層滑りにくくすることができる。 【0033】また、請求項3および4に記載された布張りの食器の製造方法によれば、複雑な色彩および模様からなる布張りの食器であっても、効率的に製造することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】593208935 【氏名又は名称】株式会社兵左衛門
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月2日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】廣瀬 光司
|
| 【公開番号】 |
特開平11−216057 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月10日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−36800 |
|