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【発明の名称】 ビール注ぎ用ホルダー
【発明者】 【氏名】六浦 良一

【要約】 【課題】少ない回数でかつ簡便な操作で、きめ細かな泡を形成しつつ泡分と液分とが理想の比率となるようにビールを注ぐことのできるビール注ぎ用ホルダーを提供することを目的とする。

【解決手段】ビールが貯留されている容器のビール注出部Cに装着されるホルダー取付部11と、このホルダー取付部に装着されて、前記ビール注出部へ連通させられる注出パイプ12と、前記ホルダー取付部に設けられて、前記注出パイプへビール注出用の空気を送り込む空気流入調整部材13と、前記注出パイプ内にその長さ方向ほぼ全長に亘って装着されて、注出パイプに流れ込むビールを旋回させつつ流下させる螺旋整流板14とを備え、前記注出パイプの先端部に、この注出パイプを流下させられたビールを注出パイプの外部へ排出する注出孔12aを形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ビールが貯留されている容器のビール注出部に装着されるホルダー取付部と、このホルダー取付部に装着されて、前記ビール注出部へ連通させられる注出パイプと、前記ホルダー取付部に設けられて、前記注出パイプへビール注出用の空気を送り込む空気流入調整部材と、前記注出パイプ内にその長さ方向ほぼ全長に亘って装着されて、注出パイプに流れ込むビールを旋回させつつ流下させる螺旋整流板とを備え、前記注出パイプの先端部に、この注出パイプを流下させられたビールを注出パイプの外部へ排出する注出孔を形成したことを特徴とするビール注ぎ用ホルダー。
【請求項2】 前記注出パイプの先端部に、前記注出孔から排出されるビールの流量を調整する流量調整部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のビール注ぎ用ホルダー。
【請求項3】 前記ホルダー取付部と注出パイプとを同軸上に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のビール注ぎ用ホルダー。
【請求項4】 前記注出パイプを、その軸線が、前記ホルダー取付部の軸線と直交する面に対し、10゜ないし20゜の角度の範囲内となるように形成したことを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のビール注ぎ用ホルダー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビール注出ノズルやビール缶あるいはビール瓶に装着されて、ビールをジョッキやグラス等へ注ぐようにしたビール注ぎ用ホルダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば、生ビールをジョッキに注ぐには、図11に示すように、ビール注出用コック1を開いて、ビールをジョッキ2内に落下させることによって注入しており、抽出用のコックで開閉の度合を調節しながら、流量を変化させて、泡の立ち具合およびビールの容量との比較を見ながら三回注ぎの抽出を行なうようにしている。また、瓶ビールや缶ビールの注出についても同様に、図12に示すように、瓶3の注ぎ口から、ビールをグラス4へ落下させる操作を三回行なっている。
【0003】このように、三回に分けてビールを注ぐのは、つぎのような理由による。すなわち、コップ内の泡は炭酸ガスを逃さず、空気とビールとが直接接触するをこと防止する役割りを果たすものであり、生クリームのような盛り上がったきめの細かい泡とビールとを、3:7の割合とすることが理想的な注ぎ方であるが、一回注ぎで3:7の割合となるように注いだ場合、適切な温度5℃〜8℃に冷却されたものでも、泡のきめがやゝ粗く口に含むと炭酸ガスが強調されたようでゴッゴッといったような感じが残ってしまうからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、三回注ぎによってきめ細かな泡を形成しつつ泡分と液分とが理想の比率となるように注ぐには、かなりの熟練を要し、かつ、熟練された者でも最低2〜3分程度かかり、混雑時に対応できないといった不具合がある。
【0005】また、三回注ぎによってビールを注ぐ際には、一回目や二回目に形成された泡が粗いことから、この粗い泡を除去して細かい泡を残すようにしていることから、除去される粗い泡の分が無駄になってしまうといった問題点も有している。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、少ない回数でかつ簡便な操作で、きめ細かな泡を形成しつつ泡分と液分とが理想の比率となるようにビールを注ぐことのできるビール注ぎ用ホルダーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載のビール注ぎ用ホルダーは、ビールが貯留されている容器のビール注出部に装着されるホルダー取付部と、このホルダー取付部に装着されて、前記ビール注出部へ連通させられる注出パイプと、前記ホルダー取付部に設けられて、前記注出パイプへビール注出用の空気を送り込む空気流入調整部材と、前記注出パイプ内にその長さ方向ほぼ全長に亘って装着されて、注出パイプに流れ込むビールを旋回させつつ流下させる螺旋整流板とを備え、前記注出パイプの先端部に、この注出パイプを流下させられたビールを注出パイプの外部へ排出する注出孔を形成したことを特徴とするものである。
【0008】請求項2に記載のビール注ぎ用ホルダーは、請求項1に記載の前記注出パイプの先端部に、前記注出孔から排出されるビールの流量を調整する流量調整部材を設けたことを特徴とするものである。
【0009】また、請求項3に記載のビール注ぎ用ホルダーは、請求項1または請求項2に記載の前記ホルダー取付部と注出パイプとを同軸上に設けたことを特徴とするものである。
【0010】さらに、請求項4に記載のビール注ぎ用ホルダーは、請求項1または請求項2に記載の前記注出パイプを、その軸線が、前記ホルダー取付部の軸線と直交する面に対し、10゜ないし20゜の角度の範囲内となるように形成したことを特徴とするものである。
【0011】本発明の請求項1〜請求項4の何れかに記載のビール注ぎ用ホルダーによれば、注出パイプの先端をジョッキやグラスの底部へ位置させておき、ビールが貯留されている容器のビール注出部から吐出されるビールを、前記注出パイプの先端から排出させることにより、ビールを注出パイプ内の旋回整流板によって旋回させながらグラスやジョッキの底部へ注ぐことができる。
【0012】このとき、ジョッキ内に注がれたビールは、グラスやジョッキの内部において外部の空気を巻き込むことがなく、静かに炭酸ガスを発生し、緩やかな回転に伴って泡とビールとが分離しつつ上方へ向かって注がれる。
【0013】したがって、泡の肥大化を極力抑えつつビールを注ぐことができ、短時間できめ細かな泡を形成しつつ泡分と液分とが理想の比率となるようにビールを注ぐことができる。
【0014】そして、請求項2に記載の発明のように、注出パイプの先端部に、注出されるビールの流量を調整する流量調整部材を設けることにより、ジョッキやグラス内でのビールの流速を調整することにより、炭酸ガスの発生量を調整して泡の生成形態を調整することができ、これによって、注ぎ具合を容易に調整することができる。
【0015】また、請求項3に記載の発明のように、ホルダー取付部と注出パイプとを同軸上に設けることにより、生ビールの注出ノズルに好適に装着され、また、請求項4に記載の発明のように、注出パイプを、その軸線が、前記ホルダー取付部の軸線と直交する面に対し、10゜ないし20゜の角度の範囲内となるように形成することにより、ビール缶やビール瓶に装着した状態において、理想の注ぎ角を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。図1において符号10は、本実施形態に係わるビール注ぎ用ホルダー(以下ホルダーと略称する)を示し、このホルダー10は、ビールが貯留されている容器のビール注出部Cに装着されるホルダー取付部11と、このホルダー取付部11に装着されて、前記ビール注出部Cへ連通させられる注出パイプ12と、前記ホルダー取付部11に設けられて、前記注出パイプ12へビール注出用の空気を送り込む空気流入調整部材13と、前記注出パイプ12内にその長さ方向ほぼ全長に亘って装着されて、注出パイプ12に流れ込むビールを旋回させつつ流下させる螺旋整流板14とを備え、前記注出パイプ12の先端部に、この注出パイプ12を流下させられたビールを注出パイプ12の外部へ排出する注出孔12aが形成された概略構成となっている。
【0017】このホルダー10は、その主要構成部材がステンレス鋼あるいは銅にクロームメッキを施した材料が用いられ、ホルダー取付部11は、円筒状に形成されているとともに、内部にはビール注出部Cの外周面に弾性的に圧接させられるシール材15が、長さ方向に間隔おいて2箇所に取り付けられている。
【0018】注出パイプ12は、ホルダー取付部11の下端部に螺着によって一体化されており、その開口された下端部には、開口を覆うようにして半球殻状のオリフィススリーブ16が装着され、このオリフィススリーブ16の側壁に一対の注出孔12aが形成され、さらに、このオリフィススリーブ16を覆うキャップ17が螺着されている。
【0019】このキャップ17の側壁には、オリフィススリーブ16に形成されている各注出孔12aにそれぞれ重畳させられる貫通孔17aが形成されており、このキャップ17とオリフィススリーブ16との周方向における相対位置関係を調整することにより、貫通孔17aと注出孔12aとの重畳量を調整して、注出パイプ12からのビールの流出量を調整するようになされ、これらのオリフィススリーブ16とキャップ17とによって、本実施形態に係わる流量調整部材が構成されている。
【0020】また、ホルダー取付部11の、注出パイプ12との連結部近傍には、ビールの注出に必要な最小限度の空気を供給するための前記空気流入調整部材13が設けられており、この空気流入調整部材13は、本実施形態においては、開度の調整可能なコックで構成されている。
【0021】ついで、このように構成された本実施形態に係わるホルダー10の作用について説明すれば、まず、ホルダー取付部11を、ビールが貯留されている容器のビール注出部Cに嵌合させて、ホルダー取付部11とビール注出部Cとを、シール材15によって気密に接触させるとともに、図4に示すように、このシール材15の弾性力を利用して両者を固定する。
【0022】この状態において、図4に示すように、ジョッキ2またはグラス4内の底部に注出パイプ12の先端を位置させた後に、コック1を開放することにより、ビール注出部Cからビールが注出パイプ12へ向けて流入するとともに、このビールが注出パイプ12内を流下させられる間に、その内部の螺旋整流板14によって緩やかな回転が与えられて、注出パイプ12の他端部の注出孔12aからジョッキ2の底部へ注がれ、注がれたビールを上方へ押し上げながらジョッキ2に満たされる。
【0023】このとき、ビールは、注出孔12aと貫通孔17aとの重畳量が調整されてその流出量が適切に調整されていることにより、ジョッキ2内に適度な速度で流入することから、その間において炭酸ガスの発生が緩やかに行なわれ、また、ジョッキ2内において緩やかに旋回しつつ上方へ押し上げられる間にビールと泡とが分離されるが、このようなビールの注出の過程で、ジョッキ2内でビールに外気が混入されることがなく、外気と接触するのはジョッキ2に注がれた泡の表面だけであり、この結果、泡の成長が最小限度に抑えられるとともに、炭酸ガスの蒸発も少なく、きめ細かな泡を生成しつつ理想的な泡分と液分との比率に注ぐことができる。
【0024】したがって、反復して注ぐ回数を少なくすることができ、試験例においては、従来の三回注ぎの1/3〜1/4の時間で、三回注ぎと同様の注ぎ具合を達成することができた。
【0025】ここで、前述した流量調整部材の構成としては、図2および図3に示すように、注出パイプ12の側部に注出孔12aを形成し、注出パイプ12の先端に、注出孔12aに重畳させられる切り欠き18aを備えたキャップ18を回動可能に装着しておき、このキャップ18の回転位置を調整することによって切り欠き18aと注出孔12aとの重畳量を調整して、ビールの流量を調整するようにしてもよい。
【0026】(第2の実施形態)ついで、本発明の体2の実施形態について図5に基づき説明する。本実施形態は、ビール瓶20に適用したホルダー20を示すもので、ホルダー取付部21を有底筒状に形成し、その側壁に空気流入調整部材としてのビス22を螺着するとともに、ホルダー取付部21の軸線と直交する面に対して、注出パイプ23の軸線が15゜の角度を有するように嵌合固定した構成としたものである。
【0027】そして、注出パイプ23の内部には、第1の実施形態と同様に螺旋整流板14が装着され、下端部には注出孔12aが形成されるとともに、この注出孔12aの開度を調整する切り欠き18aが形成されたキャップ18が回動可能に設け螺れている。
【0028】また、ホルダー取付部21の開口部には、ビール瓶の注ぎ口の端面に当接させられる円環状のシール材24と、ビール瓶の注ぎ口の外周面に設けられた王冠係止溝25と係合させられて、シール材24を注ぎ口の端面に圧接させた状態で、ホルダー取付部21をビール瓶に固定するOリング26が設けられている。
【0029】このように構成された本実施形態に係わるホルダー20は、図6に示すように、ビール瓶の注ぎ口に装着した状態において、抽出パイプ23の先端をグラス4の底部近傍まで挿入することにより、ビールをグラスに注ぐことができる。
【0030】グラス4内に注がれたビールの挙動や炭酸ガスの発生状況等は、第1の実施形態において示したのと同様であって、この第1の実施形態と同様に、きめ細かな泡を形成しつつ泡分と液分との比率を理想的な比率とする注入操作を、短時間で簡便に行なうことができる。
【0031】そして、本実施形態においては、ホルダー取付部21と抽出パイプ23とに所定の角度を設けたことにより、理想的な注ぎ角度が自然に得られる。
【0032】一方、図5において示したホルダー20では、ホルダー取付部21をビール瓶の注ぎ口に固定するために、Oリング26を設けた構成としたが、これに代えて、図7に示すように、ホルダー取付部21の開口端縁内周に、環状突条27を一体に設けるようにしてもよい。
【0033】また、図8に符号30で示すホルダーのように、有底筒状に形成されたホルダー取付部31の内部底面に、ビール瓶の注ぎ口の端面に当接してシールを行なう環状のシール突条32を一体に形成するとともに、内壁面に王冠係止溝25に係合させられてホルダー30をビール瓶に固定する環状突条33を形成し、開口部に、ビール瓶の首部に係合させられるシール片34を一体に設け、さらに、注出パイプ23および空気流入調整部材としてのビス22をホルダー取付部31の底部に装着した構成とすることも可能である。
【0034】さらに、図9および図10は、缶ビール用に構成した例であり、図9において符号40で示すホルダーは、ホルダー取付部41に、缶ビールの缶蓋を覆って嵌合固定される止着部41a連設し、ホルダー取付部41の側部に空気流入調整部材としてのビス22と注出パイプ23を取り付けた構成としたものであり、図10において符号50で示すホルダーは、円盤状のホルダー取付部51の平面部にビス22と注出パイプ23を装着し、かつ、この注出パイプ23をホルダー取付部51と別個に設けるとともに、ホルダー取付部51を複数種類用意しておき、缶ビールの缶の大きさに応じたホルダー取付部51に注出パイプ23を装着することにより、汎用性を持たせたものである。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1〜請求項4の何れかに記載のビール注ぎ用ホルダーによれば、注出パイプの先端をジョッキやグラスの底部へ位置させておき、ビールが貯留されている容器のビール注出部から吐出されるビールを、前記注出パイプの先端から排出させることにより、ビールを注出パイプ内の旋回整流板によって旋回させながらグラスやジョッキの底部へ注ぐことができる。
【0036】このとき、ジョッキ内に注がれたビールは、グラスやジョッキの内部において外部の空気を巻き込むことがなく、静かに炭酸ガスを発生し、緩やかな回転に伴って泡とビールとが分離しつつ上方へ向かって注ぎ、これによって、泡の肥大化を極力抑えつつビールを注ぐことができ、短時間できめ細かな泡を形成しつつ泡分と液分とが理想の比率となるようにビールを注ぐことができる。
【0037】そして、請求項2に記載の発明のように、注出パイプの先端部に、注出されるビールの流量を調整する流量調整部材を設けることにより、ジョッキやグラス内でのビールの流速を調整することにより、炭酸ガスの発生量を調整して泡の生成形態を調整することができ、これによって、注ぎ具合を容易に調整することができる。
【0038】また、請求項3に記載の発明のように、ホルダー取付部と注出パイプとを同軸上に設けることにより、生ビールの注出ノズルに好適に装着され、また、請求項4に記載の発明のように、注出パイプを、その軸線が、前記ホルダー取付部の軸線と直交する面に対し、10゜ないし20゜の角度の範囲内となるように形成することにより、ビール缶やビール瓶に装着した状態において、理想の注ぎ角を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】597165917
【氏名又は名称】六浦 良一
【出願日】 平成10年(1998)3月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
【公開番号】 特開平11−187962
【公開日】 平成11年(1999)7月13日
【出願番号】 特願平10−95178