| 【発明の名称】 |
小型墓およびその安置室構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】中田 繁
【氏名】十場 延喜
|
| 【要約】 |
【課題】墓地面積が小面積であったり、墓地以外の壁面等であっても、従来と変わらない納骨を可能にする小型墓およびその安置室構造を提供する。
【解決手段】台座部1又は竿部2に遺骨,経典等の葬祭物の収納室を設け、かつ台座部と竿部とを着脱可能に接合してなる小型墓10であり、台座部1と竿部2のそれぞれにおねじ又はめねじのいずれかを有する筒状部材を内挿固着し、台座部と竿部間にパッキン6を介在させて螺着してなる小型墓と、ベースと、天井、左右側面、背面等を形成する一体又は複数の部材を組付けて形成された安置室11に対して前記小型墓を設置することを特徴とする小型墓の安置室構造である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 台座部又は竿部に遺骨,経典等の葬祭物の収納室を設け、かつ台座部と竿部とを着脱可能に接合してなる小型墓。 【請求項2】 台座部と竿部のそれぞれにおねじ又はめねじのいずれかを有する筒状部材を内挿固着し、台座部と竿部間にパッキンを介在させて螺着してなる請求項1記載の小型墓。 【請求項3】 ベースと、天井、左右側面、背面等を形成する一体又は複数の部材を組付けて形成された安置室に対して請求項1又は2記載の小型墓を設置することを特徴とする小型墓の安置室構造。 【請求項4】 ベース板と、天井と左右側面を形成する上面部材と、背面部材とを1ユニットとして形成された安置室に対して請求項1又は2記載の小型墓を設置することを特徴とする小型墓の安置室構造。 【請求項5】 安置室前面に戸を設けたことを特徴とする請求項3又は4記載の小型墓の安置室構造。 【請求項6】 ベース板と、天井と左右側面を形成する上面部材と、背面部材とからなるユニットの複数個を用いて複数の安置室を形成するために、各部材はピン等の連結手段で一体化し、該安置室の複数個を連設するに際して各安置室に連設方向に共通の配筋を施してなり、複数個連設した安置室内に小型墓を設置することを特徴とする小型墓の安置室構造。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、墓地面積が小面積であったり、墓地以外の壁面等であっても、従来と変わらない納骨を可能にする小型墓およびその安置室構造に関する。 【0002】 【従来の技術】墓は個人や家族,夫婦単位で墓地の中に建てるものが一般的であったが、最近では一定の面積を必要とする墓地の入手が困難になっている。大都市では都市近郊に墓地を求めて、墓を建てているのが実情であるが、価格が高く、墓地の入手が無理な場合は寺院などが所有する納骨堂へ壺に入れた状態で預けている例も多い。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明者等は小さくても納骨ができて墓としての機能を備え、場合によっては骨壺の代用としても使用できる小型墓と、小面積の墓地或いは壁面等を利用しても充分に供養が可能で、しかも、多くの墓を設置可能、かつ耐久性のある、小型墓の安置室構造について検討した。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を検討した結果、台座部又は竿部に遺骨,経典等の葬祭物の収納室を設け、かつ台座部と竿部とを着脱可能に接合してなる小型墓を開発した。ここにいう接合の最も好ましいのは螺着であって、台座部又は竿部を回すことによって両者が一体化することをいい、台座部と竿部にそれぞれめねじ部又はおねじ部を設けて両者を螺合させる。台座部と竿部のそれぞれにおねじ又はめねじのいずれかを有する筒状部材を内挿固着するとよい。ねじ山数は多いほど、容易には開け難くなって好ましいが、半回転程度で螺着又は解体可能なものを排除するものではない。台座部と竿部間にはパッキンを介在させるのが望ましい。パッキンを介在させることにより台座部と竿部の前面(表)を正確に合わせた状態で締結を完了させることができる。遺骨は台座部に上方から下方へ向けて設けられた穴の収納室を設けて収容するのが最も好ましい態様である。収納室が20〜200cm3程度と小さいので納骨量も同程度に少量である。葬祭物の中には、近年採用されつつあるテープレコーダ等の音声発生機能を備えたものとか、故人の経歴等を記載した銘板や書物等も含まれる。小型墓の小型とは、通常の墓とは格段に小さく、一人で手軽に持ち運べる程度に軽量かつ、全体の容積も同様に腕に抱えて運べる程度以下であることをいう。具体的には台座部の底面が10×10cm〜40×40cm、竿部を含めた全体の高さが15〜50cm程度である。 【0005】小型墓の安置室構造は、ベースと、天井、左右側面、背面等を形成する複数の部材を組付けて形成された安置室に対して上記小型墓を設置することとした。ベース板と、天井と左右側面を形成する上面部材と、背面部材とを1ユニットとして、これを用いて形成した安置室に対して設置する構造が合理的である。安置室は1ユニット内に4室程度までの複数個を設けてもよい。安置室を形成するこれら各部材は、石材,コンクリート,プラスチック,その他ステンレス等の金属素材を適宜選択して用いる。中でも耐久性があり高級な外観を呈する石材は最も好ましい素材である。安置室の大きさは、小型墓を設置するに十分な大きさであればよく、幅が25〜60cm、奥行25〜60cm、高さ25〜60cm程度である。安置室前面には戸を設けるとよい。小動物、小鳥、昆虫等の棲みかとなるのを防止すると共に、盗難、風化等を防止するためである。戸はガラス板,プラスチック板,金属板、木製板等の密封型のものの外、格子や金網、パンチングメタル等であっても構わない。これらは金属又はプラスチック、セラミック等による戸枠を設けてその内側に設けるのが好ましく、戸の構造も片開き、観音開き等要望される仕様に応じて最適な構造のものを設置できる。 【0006】また、ベース板と、天井と左右側面を形成する上面部材と、背面部材とからなるユニットは一体成形品でもよいが、これら部材の複数個を用いて複数の安置室を形成するために、各部材はピン等の連結手段で一体化し、該安置室の複数個を連設するに際して各安置室に連設方向に共通の配筋を施し、複数個連設した安置室内に小型墓を設置することとした。安置室は単独でも使用できるが、本発明の目的達成のためには複数個を連設するのが好ましい。したがって、複数個の一体成形品でもよい。個々のユニットや各部材の連結手段には、ピンとピン穴、だぼとだぼ穴や、ほぞとほぞ穴等各種の公知の継手を採用することができる。各安置室に連設方向へ共通の配筋を施す最も好ましい態様は、上面部材の上部へ安置室の幅方向(連設方向)に溝を設けて、複数個設けた安置室間に亘る鉄筋を配筋する。複数個設けた安置室の上下方向の連結は前記ピンとピン穴のような連結手段を用いる。左右の安置室間にも同様な連結手段を設けるとよい。 【0007】 【発明の実施の形態】図1は本発明の小型墓の要部破断正面図である。この小型墓10は台座部1と竿部2とからなり、台座部1には上方から下方に向けて穴を設けて遺骨,経典等の葬祭物の収納室3としている。台座部1と竿部2とを合わせた高さがこの例では23cmとしている。台座部1の底面は20cm×20cmである。台座部1に設けた収納室3は竿部2に設けることもできる。台座部1と竿部2は経派、宗派、好み等に応じて形状を自由に変えることができる。収納室3は石材の台座部1に穴を穿孔した後、上部がめねじ4aの金属製筒体4を挿入して、接着剤で台座の石材との間を接着している。竿部2の底面には下部がおねじ5aの金属製リング5を固着し、台座部と竿部とを螺着している。 【0008】台座部1と竿部2間とを螺着する場合、螺合の終了具合によっては台座部1と竿部2の正面同士(あるいは側面や裏面同士)が合わないことが生じる。そこで、台座部1と竿部2間にパッキン6を介在させている。このことによって台座部1と竿部2の正面同士等を正確な向きに合わせた状態で螺着させることができる。加えて遺骨等の収納室3に水等が入らないように完全密封を可能にしている。 【0009】この小型墓10の台座部1には安置時の安定性を増すために、係合孔7を設けており、この係合孔7には後に説明する安置室のベース板から起立させる係合ピン8の上部が挿入され、振動等による移動を不可能にする。小型墓10の盗難を防止するために、係合ピン8をロック構造に置き換えることもできる。遺骨等の収納室3の底面には敷物9を敷くことによって、丁重な納骨を行なうことができ、また、底部に穿孔された係合孔7の上部を塞ぐことができる。なお、係合孔7は収納室3に連通すると、収納室内部の清掃時に排出孔として使用できないこともないが、その必要性があまりない場合には、係合孔を収納室3に連通しない位置まで台座部の底面から穿孔して設けてもよい。 【0010】図2は壁面へ多数個の安置室11を設けて本発明の小型墓10を安置している様子を示す。個々の安置室11は図3,4に示すようにユニット化された複数の部材の組付けによって形成することができる。すなわち、この例では安置室11は扁平な方形のベース板12と、天井と左右側面を形成するように断面コ字状で前面が開口した上面部材13と、背面部材14とによって形成している。各部材の材質は石材を始めとして、コンクリート、プラスチック,あるいはステンレススチール、アルミ合金等の金属その他、適度な強度を保持したセラミック等を使用できる。中でも高級な外観を呈する石材は最も好ましい素材である。各部材の連結手段はこの例ではベース板と上面部材と背面部材の各部材にピン挿通孔15を設けてピン16を挿入し、接着剤で固定することにより一体化している。上下又は左右に隣り合う安置室間11,11間も、図5に示すように、このピン16とピン挿通孔15等の連結手段によって連結することができる。 【0011】安置室間11の前面横方向を面一にするために上面部材13の上部へ安置室の幅方向(連設方向)に溝17を設けて、複数個設けた安置室間に亘る鉄筋18を配筋するとよい。その詳細を図6に示す。この例では安置室11の前面に戸19を設けた例も示している。戸19はこの例では透明なガラス製であり、戸枠13a,19aをステンレス製としている。戸19には鍵を設けることもできる。 【0012】以上のように、ベース板12と、天井と左右側面を形成する上面部材13と、背面部材14とによって安置室11を形成し、各部材をピン16等の連結手段で一体化し、その安置室11の複数個を連設方向に配筋を施して複数個連設した安置室に小型墓を設置するといった本発明の安置室構造は平面状の壁面のみならず、図7の平面図に示すように、出入口20を備えた矩形の閉鎖空間の集合墓所にすることもできる。この墓所は四方の隅に柱21を設け、内部に各安置室11を効率よく配置している。上下方向に多段積み構造とすることによって、多くの小型墓を安置することができるのである。安置室11内には照明を設けるとか、花立て、線香立て、読経テープ、戒名盤等の小型のものを設置するとか、組付け前に安置室11内壁面へ装飾画や経文を描いたり、彫刻を施すことも任意に実施できる。 【0013】 【発明の効果】本発明の小型墓は、小さいにもかかわらず納骨ができて墓としての機能を備えている。小面積の墓地或いは壁面等を利用して設置できるにもかかわらず充分に供養が可能で、しかも、多くの墓を設置できる。ユニット化された部材間を簡単なピン結合等で組付けても耐久性のある安置室とすることができる。以上のことから従来の墓地や墓を求めることが困難な人にも、容易に埋葬可能な墓地および墓の入手ができることとなった。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】397070565 【氏名又は名称】中田 繁
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】森 廣三郎
|
| 【公開番号】 |
特開平11−178709 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−350724 |
|