| 【発明の名称】 |
割箸およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】三浦 宏司
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| 【要約】 |
【課題】使用前に振動などによって各割箸部分が分離せず、かつ使用時において各割箸部分に適度な力を作用させて各割箸部分をほぼ均等に分離する。
【解決手段】割箸1は、熱可塑性を有する材料、たとえばポリプロピレンから成る一対の割箸部分2,3を有する。各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aは、各対向面4,5内の予め定める一定の領域で連結部分6によって一体的に連なる。前記予め定める一定の領域は各対向面4,5の幅方向両端部間の中央部付近で、かつ各対向面4,5の図心の位置よりも各割箸部分2,3の長手方向他端部2b,3bから離反する方向にずれた位置に選ばれる。各割箸部分2,3を相互に離反させる方向に力を作用させることによって連結部分6には、各割箸部分2,3に作用させた力よりも大きな割裂力が生じ、連結部分6を容易に分断することができ、各割箸部分2,3をほぼ均等に分離することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性を有する材料から成る一対の割箸部分を有し、各割箸部分の各長手方向一端部は、相互に対向する各対向面内の予め定める一定の領域で一体的に連なり、前記予め定める領域は、各対向面における各割箸部分の長手方向に垂直な幅方向両端部間の中央部付近で、かつ各対向面の図心よりも各割箸部分の長手方向他端部から離反する方向にずれた位置に選ばれることを特徴とする割箸。 【請求項2】 熱可塑性を有する材料は、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリスチレンのうちいずれか1つから成ることを特徴とする請求項1記載の割箸。 【請求項3】 熱可塑性を有する材料は、少なくとも天然高分子樹脂と天然高分子化合物と鉱物とを含む生分解性材料から成ることを特徴とする請求項1記載の割箸。 【請求項4】 熱可塑性を有する材料には、この熱可塑性を有する材料よりも融点が高い材料から成る粉粒体が混合されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の割箸。 【請求項5】 熱可塑性を有する材料には、抗菌剤が混合されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の割箸。 【請求項6】 略平行に延び、かつ長手方向一端部で相互に連通する一対の第1凹溝が隣接して形成される第1金型と、各第1凹溝に対向して略平行に延び、かつ長手方向一端部で相互に連通する一対の第2凹溝が隣接して形成されるとともに、各第2凹溝にその長手方向一端部側でそれぞれ連通するゲートに溶融した熱可塑性を有する材料を導くランナおよびランナに溶融した熱可塑性を有する材料を導くスプルーが形成される第2金型とを準備し、各第1凹溝と各第2凹溝とが対向した状態で、第1金型と第2金型とを型締めした後、溶融した熱可塑性を有する材料をスプルーからランナおよびゲートを介して第1および第2凹溝に射出して、溶融した熱可塑性を有する材料で第1および第2凹溝を満たし、第1および第2凹溝に満たされた溶融した熱可塑性を有する材料の硬化後、第1金型と第2金型との型締めを解除し、熱可塑性を有する材料から成る一対の割箸部分を有し、各割箸部分の各長手方向一端部において相互に対向する各対向面内の予め定める領域で一体的に連なる割箸を第1凹溝を形成する内面に係着した状態で第1金型を第2金型から離反する方向に移動させ、前記割箸を第1金型から押出して離脱させることを特徴とする割箸の製造方法。 【請求項7】 第1金型の各第1凹溝の長手方向に延びる内面の長手方向一端部の第1端面に外囲される領域には、前記第1端面を含む仮想平面から長手方向他端部に向かって突出する第1隆起部分が形成され、第2金型の各第2凹溝の長手方向に延びる内面の長手方向一端部の第2端面に外囲される領域には、前記第2端面を含む仮想平面から長手方向他端部に向かって突出する第2隆起部分が形成され、この第1および第2金型を用いて射出成形することを特徴とする請求項6記載の割箸の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、食事等の際に使用される割箸およびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】典型的な従来の技術は、特開平6−7236号公報および特開平6−169835号公報に開示されている。これらの従来の技術の割箸は、押出成形によって形成された合成樹脂製割箸であり、軸線方向一端部から軸線方向他端部に向かって先細状となる一対の割箸部分から成り、各割箸部分が相互に対向する各対向面の軸線方向一端部で一体的に連なった状態で製造されている。このような割箸は、使用時に使用者が各割箸部分の軸線方向両端部間の中央部と軸線方向他端部との間の任意の位置を手指で把持して、各割箸部分を相互に離反する方向へ引離すように力を加えることによって、各割箸部分の前記軸線方向一端部の連結部分を破断して各割箸部分を分離し、使用することができる。このような割箸は、一対の吐出孔が設けられたダイスから、溶融した合成樹脂を押出して製造される。このときダイスから押出された半溶融状態の合成樹脂は、各吐出孔を出た直後に押出圧力が解放されるために、合成樹脂の引取速度が低いとわずかに膨らみ、各吐出孔を出た半溶融状態の合成樹脂がそれぞれ接触して連結する。各吐出孔から押出された半溶融状態の合成樹脂の引取り速度を高くすることによって半溶融状態の合成樹脂の軸直角断面積を各吐出孔の開口面積よりも小さくすることができる。この引取り速度は、周期的に増減され、その周期は、割箸2膳分の長さに対応するように設定されている。このようにして長手方向に軸直角断面積が一定の周期で交互に増減されながら、合成樹脂が押出され、一対の割箸部分が連続した2本の棒状体が形成される。これら2本の棒状体は、軸直角断面積の最も大きな部分で連結される。これら2本の棒状体を、軸直角断面積の最も大きな部分と軸直角断面積の最も小さな部分とにおいて切断し、複数の合成樹脂製割箸を連続的に製造している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の割箸は、各割箸部分の長手方向一端部が、対向する各対向面全面で一体的に連なっているので、割箸を割るときに大きな力を各割箸部分に作用させる必要があるという問題を有する。また各割箸部分の連結部分の連結強度が過大であるときには、一方の割箸部分が軸線方向の途中部分で折れたり、各割箸部分が連結部分で、すなわちほぼ均等に割れない場合がある。このような場合には、各割箸部分が使いづらくなり、食品などの物品を挟持することが困難になってしまうという問題がある。特に分離したときに各割箸部分の形状が極端に異なる場合には、新たな割箸を用いなければならず、多くの割箸を無駄に消費することになり、経済性が悪い上、ごみが増加して環境上にも問題がある。 【0004】さらに各割箸部分の連結部分の連結強度が過小である場合には、割箸の製造時、梱包時および運搬時などにおける振動によって各割箸部分が不所望に分離してしまい、割箸の生産性が低下するとともに、製品としての品位が低下してしまうという問題がある。 【0005】上記従来の技術の割箸は各割箸部分が、軸線方向に断面形状が変化しない簡単な形状であり、生産性がよく、かつ大量に生産することができる押出成形によって形成されているが、押出成形は、成形精度を向上するには限界があり、割箸の形状精度が悪くなる。すなわち、押出成形では前記2本の棒状体を切断するときに、切断位置が各割箸で異なり、各割箸の形状および各割箸部分の連結部分が形成される領域などが製品毎に異なるという不具合が生じ、高精度で形状が一様な多数の割箸を連続的に製造することができないという問題がある。この問題を解決するために他の成形方法、たとえば射出成形が容易に考えられるけれども、射出成形は押出成形よりも生産性が低いという問題がある。 【0006】さらに、上記従来の技術の割箸は、合成樹脂から成っており、ごみとして廃棄、たとえば埋立て処分されても、土壌中において土壌微生物によって分解されず、環境に悪影響を及ぼすという問題がある。 【0007】本発明の目的は、製造時、梱包時および運搬時などの使用前に各割箸部分に必然的に作用する力によって各割箸部分が分離せず、かつ使用時において各割箸部分に手指などによって作用させることのできる程度の適度な力を作用させることによって各割箸部分をほぼ均等に分離することができる割箸を提供することである。 【0008】本発明の他の目的は、使用後、環境に対する悪影響をより少なく、あるいは無くして処分することができる割箸を提供することである。 【0009】本発明のさらに他の目的は、製造時、梱包時および運搬時などの使用前に各割箸部分に必然的に作用する力によって各割箸部分が分離せず、かつ使用時において各割箸部分に手指などによって作用させることができる程度の適度な力を作用させることによって各割箸部分をほぼ均等に分離することができる割箸を、高精度で高い形状安定性で製造することができる割箸の製造方法を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性を有する材料から成る一対の割箸部分を有し、各割箸部分の各長手方向一端部は、相互に対向する各対向面内の予め定める一定の領域で一体的に連なり、前記予め定める領域は、各対向面における各割箸部分の長手方向に垂直な幅方向両端部間の中央部付近で、かつ各対向面の図心よりも各割箸部分の長手方向他端部から離反する方向にずれた位置に選ばれることを特徴とする割箸である。 【0011】本発明に従えば、一対の割箸部分は熱可塑性を有する材料から成り、各割箸部分の各長手方向一端部は、相互に対向する対向面内の予め定める領域で一体的に連なっている。この予め定める領域は、各割箸部分の長手方向に垂直な各対向面の幅方向両端部間の中央部付近で、かつ各対向面の図心よりも各割箸部分の長手方向他端部から離反する方向にずれた領域である。各割箸部分を相互に離反させる方向に力を作用させると、各割箸部分の各対向面とそれに交わる各割箸部分の各長手方向一端面との稜部付近がそれぞれ当接し、この稜部付近を支点として各割箸部分を角変位する。これによって、各割箸部分の各長手方向一端部に形成される各割箸部分が一体的に連なる部分には、各割箸部分に作用させた力よりも大きな割裂力が作用する。さらに各割箸部分が一体的に連なる部分は、各割箸部分の各長手方向一端部における各対向面全面ではなく、その一部の領域である。この領域では、各割箸部分を相互に離反させる方向に力を作用させるとき、その力が作用する方向に垂直な断面積が残余の部分よりも小さく、前記各割箸部分に作用させた力に対する応力が残余の部分よりも大きくなる。したがって割箸は、各割箸部分が一体的に連なる部分において各割箸部分に分離される。このようにして、各割箸部分が一体的に連なる部分で容易に分断することができ、各割箸部分をほぼ均等に分離することができる。さらに各割箸部分が一体的に連なる部分の各割箸部分の長手方向に沿う方向の長さを各割箸部分が一体的に連なる部分の厚みに対して充分大きくとることによって製造時、梱包時および運搬時の振動などによって、各割箸部分が一体的に連なる部分が破断することを防ぐことができる。さらに各割箸部分が一体的に連なる部分は前記各対向面の予め定める一定の領域に選ばれるので、割箸を大量生産しても、任意の割箸に対して、各割箸部分が一体的に連なる部分は予め定める一定の領域に形成されることになり、押出成形のように、各割箸部分の連結部分が形成される領域が製品毎に異なって、前記連結部分の連結強度が製品毎に異なるような不具合が生じない。 【0012】また本発明は、熱可塑性を有する材料は、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリスチレンのうちいずれか1つから成ることを特徴とする。 【0013】本発明に従えば、熱可塑性を有する材料はポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリスチレンのうちいずれか1つから成るので、成形性がよく、かつ箸として用いるために充分な機械的強度を有し、製品としての品位が安定した割箸を製造することができる。 【0014】上記ポリプロピレンとしてポリプロピレンのブロック共重合体を用い、ポリカーボネートとして非充填ポリカーボネートを用い、ポリスチレンとして耐衝撃用ポリスチレンを用いると、上記ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリスチレンのいずれについても共通して成形性がよく、機械的性質、熱的性質および化学的性質が安定している。上記ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリスチレンのうちいずれか1つを用いて割箸を製造した場合であっても、割箸の機械的性能、熱的性能、および化学的性能は安定している。したがって、割箸を大量生産しても、製品として品位が安定する。このように、上記ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリスチレンのうちいずれか1つから成る割箸は、製品として品位が安定しているので、(a)各割箸部分の連結部分の形状に応じた機械的性能、たとえば割箸をある高さから落下させても各割箸部分が分離しない性能、(b)各割箸部分の熱的性能、たとえば使用温度で各割箸部分が熱変形しない性能、および(c)各割箸部分の化学的性能、たとえば梅干しおよび酢漬けなどの食品を挟持するためなどに割箸を使用しても、各割箸部分が化学変化を起こさないという耐酸性および耐アルカリ性を達成する性能などの各種の性能を有する多数の割箸を製造することができる。 【0015】また本発明は、熱可塑性を有する材料は、少なくとも天然高分子樹脂と天然高分子化合物と鉱物とを含む生分解性材料から成ることを特徴とする。 【0016】本発明に従えば、熱可塑性を有する材料は、少なくとも天然高分子樹脂と天然高分子化合物と鉱物とを含む生分解性材料から成るので、天然高分子樹脂と天然高分子化合物とは土壌中において土壌微生物によって分解され、鉱物は元来、土壌中に含まれており、土壌中に散在しても無害である。したがって割箸の使用後、ごみとして廃棄、たとえば埋立て処分しても、環境に対する悪影響、たとえば土壌汚染および水質汚濁をより少なく、あるいは無くして処分することができる。 【0017】また本発明は、熱可塑性を有する材料には、この熱可塑性を有する材料よりも融点が高い材料から成る粉粒体が混合されることを特徴とする。 【0018】本発明に従えば、熱可塑性を有する材料には、この熱可塑性を有する材料よりも融点が高い材料から成る粉粒体が混合されるので、熱可塑性を有する材料を溶融させても粉粒体を溶融せずに、溶融した熱可塑性を有する材料に粉粒体を散在させることができる。したがってこの粉粒体が混合する熱可塑性を有する材料から成る割箸の表面には、粉粒体による凹凸が生じ、割箸に滑止めの効果を付与することができる。また、熱可塑性を有する材料に粉粒体が混合されることによって、粉粒体が混合されない同一寸法の割箸に対して、成形に必要な熱可塑性を有する材料の量を粉粒体の混合量分だけ減らすことができる。さらに粉粒体として不燃性物質たとえば炭酸カルシウム粉を用いたときには、粉粒体が混合された熱可塑性を有する材料から成る割箸を焼却したときに発生する熱量を、熱可塑性を有する材料だけから成る割箸を焼却したときに発生する熱量よりも小さくすることができる。 【0019】また本発明は、熱可塑性を有する材料には、抗菌剤が混合されることを特徴とする。 【0020】本発明に従えば、熱可塑性を有する材料には、抗菌剤が混合されるので、割箸に抗菌性を付与することができる。したがって長期間にわたって割箸が使用されずに放置されたとしても、かびおよび雑菌などの繁殖を防ぐことができ、衛生的である。 【0021】また本発明は、略平行に延び、かつ長手方向一端部で相互に連通する一対の第1凹溝が隣接して形成される第1金型と、各第1凹溝に対向して略平行に延び、かつ長手方向一端部で相互に連通する一対の第2凹溝が隣接して形成されるとともに、各第2凹溝にその長手方向一端部側でそれぞれ連通するゲートに溶融した熱可塑性を有する材料を導くランナおよびランナに溶融した熱可塑性を有する材料を導くスプルーが形成される第2金型とを準備し、各第1凹溝と各第2凹溝とが対向した状態で、第1金型と第2金型とを型締めした後、溶融した熱可塑性を有する材料をスプルーからランナおよびゲートを介して第1および第2凹溝に射出して、溶融した熱可塑性を有する材料で第1および第2凹溝を満たし、第1および第2凹溝に満たされた溶融した熱可塑性を有する材料の硬化後、第1金型と第2金型との型締めを解除し、熱可塑性を有する材料から成る一対の割箸部分を有し、各割箸部分の各長手方向一端部において相互に対向する各対向面内の予め定める領域で一体的に連なる割箸を第1凹溝を形成する内面に係着した状態で第1金型を第2金型から離反する方向に移動させ、前記割箸を第1金型から押出して離脱させることを特徴とする割箸の製造方法である。 【0022】本発明に従えば、一対の第1凹溝が形成される第1金型と、一対の第2凹溝、ゲート、ランナおよびスプルーが形成される第2金型とを準備し、各第1凹溝と各第2凹溝とが対向した状態で、第1金型と第2金型とを型締めする。その後、溶融した熱可塑性を有する材料で第1および第2凹溝を満たし、第1および第2凹溝に満たされた溶融した熱可塑性を有する材料を硬化させ、一対の割箸部分を有し、各割箸部分の各長手方向一端部において一体的に連なる割箸を製造する。割箸が第1凹溝を形成する内面に係着した状態で第1金型を第2金型から離反する方向に移動させ、割箸を第1金型から押出して離脱させるので、割箸の各割箸部分のいずれか一方が第1金型の第1凹溝を形成する内面に係着し、割箸の各割箸部分のいずれか他方が第2金型の第2凹溝を形成する内面に係着した状態で、第1金型を第2金型から離反する方向に移動させることによって各割箸部分が一体的に連なる部分で分断したり、各割箸部分が第2凹溝に係着して割箸を第2金型から取出す手間がかかるなどの不具合が生じず、割箸を確実に第1金型から押出して離脱させることができる。 【0023】また本発明は、第1金型の各第1凹溝の長手方向に延びる内面の長手方向一端部の第1端面に外囲される領域には、前記第1端面を含む仮想平面から長手方向他端部に向かって突出する第1隆起部分が形成され、第2金型の各第2凹溝の長手方向に延びる内面の長手方向一端部の第2端面に外囲される領域には、前記第2端面を含む仮想平面から長手方向他端部に向かって突出する第2隆起部分が形成され、この第1および第2金型を用いて射出成形することを特徴とする。 【0024】本発明に従えば、第1金型の各第1凹溝の長手方向に延びる内面の長手方向一端部の第1端面に外囲される領域には、前記第1端面を含む仮想平面から長手方向他端部に向かって突出する第1隆起部分が形成され、第2金型の各第2凹溝の長手方向に延びる内面の長手方向一端部の第2端面に外囲される領域には、前記第2端面を含む仮想平面から長手方向他端部に向かって突出する第2隆起部分が形成され、この第1および第2金型を用いて射出成形するので、第1および第2隆起部分に対応する割箸の各割箸部分の各長手方向一端部には凹所がそれぞれ形成され、この各凹所の底には各ゲートによって形成されるゲート片が一体的にそれぞれ連なる。割箸を第1金型から押出して離脱させると、各ゲート片には割箸の自重による曲げモーメントが作用し、この曲げモーメントによって曲げ応力が生じ、この曲げ応力がゲート片の各凹所の底に連なる各基端部分、すなわち各ゲート片の付根の部分で集中して各ゲート片が破断し、各ゲート片と各割箸部分とが分離される。 【0025】このようにして各割箸部分が第1金型から押出されて離脱するときにその自重によって各ゲート片から分離されるので、各割箸部分を各ゲート片から手作業などで分離する工程を省くことができ、生産性を向上することができる。また各ゲート片は、前記各ゲート片の各凹所の底に連なる基端部分で破断するので、各ゲート片の破断した部分が、前記各第1凹溝の第1端面および前記第2凹溝の第2端面に対応する各割箸部分の各長手方向一端部の端面を含む仮想一平面から外部へ突出せず、前記破断した部分が目立たない。 【0026】 【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態である割箸1の平面図であり、図2は図1のセクション2を拡大して示す断面図であり、図3は図2の切断面線III−IIIから見た断面図であり、図4は図2の切断面線IV−IVから見た断面図である。 【0027】割箸1は、熱可塑性を有する材料である熱可塑性合成樹脂、たとえばポリプロピレンから成る一対の割箸部分2,3を有する。各割箸部分2,3の各長手方向(図1の左右方向)一端部2a,3aは、大略的に直方体状に形成され、この各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aの略直方体状の部分を除く残余の部分は、大略的に円柱状に形成され、長手方向他端部2b,3bが先細状に形成される。各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aは、相互に対向する各対向面4,5の予め定める一定の領域で一体的に連結部分6によって連なる。 【0028】連結部分6は、大略的に長方形状のシート状に形成され、各割箸部分2,3と同一の材料から成る。前記予め定める一定領域は、各対向面4,5における各割箸部分2,3の長手方向に垂直な幅方向両端部4a,4b;5a,5b間の中央部4c,5c付近で、かつ各対向面4,5の図心よりも各割箸部分2,3の長手方向他端部2b,3bから離反する方向にずれた位置に選ばれる。すなわち連結部分6は、各対向面4,5の幅方向両端部4a,4b;5a,5b間の中央部4c,5c付近に設けられる。連結部分6の長手方向一端部6aは、各割箸部分2,3の長手方向一端部2a,3aよりも各割箸部分2,3の各長手方向他端部2b,3b側に間隔をあけて設けられる。連結部分6の長手方向他端部6bは各対向面4,5の図心よりも各割箸部分2,3の各長手方向他端部2b,3b側に設けられる。連結部分6の長手方向両端部6a,6bは、相対する長手方向端部6b,6a側に凹んで形成される。連結部分6の長手方向長さL3は、連結部分6の厚みtの70〜150倍、好ましくは100〜120倍程度に選ばれる。 【0029】ここで割箸1の寸法の一例を示すと、各割箸部分2,3の長手方向長さL1は、たとえば200mm程度であり、各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aの幅方向長さB1は、たとえば6mm程度である。各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aの高さH1は、たとえば5mm程度である。各割箸部分2,3の各長手方向両端部2a,2b;3a,3b間の中央部付近における直径D1は、たとえば5mm程度である。各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aの略直方体状に形成される部分の長手方向長さL2は、たとえば15mm程度である。連結部分6の長手方向長さL3は、たとえば5mm程度である。連結部分6の幅方向長さB2は、たとえば1mm程度である。連結部分6の厚みtは、たとえば0.05mm程度である。各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aの端面7,8と連結部分6の長手方向一端部6aとの間の距離L4は、たとえば4mm程度である。対向面4の幅方向(図3の上下方向)一端部4aと連結部分6の一表面6cとの間の距離L5は、たとえば2.7mm程度である。 【0030】割箸1を割るには、各割箸部分2,3の長手方向両端部2a,2b;3a,3b間の中央部と長手方向他端部2b,3bとの間の任意の位置を手指で把持した状態で、各割箸部分2,3を相互に離反させる方向に力を作用させる。これによって各割箸部分2,3の各対向面4,5とそれに交わる各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aの端面7,8との稜部9,10がそれぞれ当接する。各割箸部分2,3は、前記稜部9,10付近を支点として角変位する。てこの原理によって、各割箸部分2,3の連結部分6には各割箸部分2,3に作用させた力よりも大きな力が作用し、連結部分6の長手方向他端部6b側で最大の割裂力が作用する。各割箸部分2,3の連結部分6は、各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aにおける各対向面4,5全面ではなく、その一部の領域である。この領域では、各割箸部分2,3を相互に離反させる方向に力を作用させるとき、その力が作用する方向に垂直な断面積が残余の部分よりも小さく、前記各割箸部分2,3に作用させた力に対する応力が残余の部分よりも大きくなる。連結部分6の長手方向他端部6bは長手方向一端部6a側に凹んで形成されるので、この最大の割裂力によって、連結部分6の長手方向他端部6b側でかつ各割箸部分2,3間中央部m1に応力が集中して連結部分6の長手方向他端部6bの中央部m1近傍が破断し、亀裂が生じる。この亀裂には、亀裂面変位の基本モードで言うモードIのほぼ均等な割裂力が作用する。亀裂先端には、連結部分6の中央部m1を通る長手方向軸線に含む図4の紙面に平行な一平面に関して対称な塑性域が形成される。割裂力はその時間的変化が少ない状態で亀裂に作用するので、亀裂はこの塑性域の対称面に沿って進展する。したがって連結部分6はその中央部m1を含む前記一平面の両側に分断されるようにして破断する。 【0031】このように連結部分6は、ほぼ均等に分断されることになり、連結部分6の断片は各割箸部分2,3からわずかに突出する程度であり、この断片が目立たない。また連結部分6は、各対向面4,5の前記幅方向両端部4a,4b;5a,5b間の中央部4c,5c付近に設けられ、連結部分6の長手方向一端部6aは各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aよりも各割箸部分2,3の各長手方向他端部2b,3b側に間隔をあけて設けられるので、各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aのいずれか一方の一部が連結部分6に連なった状態で割箸1が割れることがない。さらに連結部分6には、製造時、梱包時および運搬時の振動などによって、各割箸部分2,3が連結部分6の長手方向両端部6a,6b間の中央部6cを通り、長手方向に垂直な方向に延びる軸線まわりに角変位して、連結部分6に捩りモーメントが作用する。このとき連結部分6の長手方向長さL3が大きいほど、連結部分6に発生するせん断応力は小さくなる。したがって連結部分6の長手方向長さL3が連結部分6の厚みtの100〜120倍程度に選ばれるので、捩りモーメントによって生じるせん断応力は小さくなり、製造時、梱包時および運搬時の振動などによって連結部分6が破断することを防ぐことができる。 【0032】このようにして各割箸部分2,3が一体的に連なる連結部分6を容易にかつ均等に分断することができ、各割箸部分2,3を均等に分離することができる。また連結部分6は前記各対向面4,5の予め定める一定の領域に選ばれるので、割箸1を大量生産しても、任意の割箸1に対して連結部分6は前記予め定める一定の領域に形成されることになる。したがって押出成形のように、各割箸部分2,3の連結部分が形成される領域が製品毎に異なって、前記連結部分6の連結強度から製品毎に異なるような不具合が生じない。 【0033】図5は割箸1の製造方法を説明するための図であり、図6は各割箸部分2,3が第1凹溝23に係着した状態を示す断面図であり、図7は第2金型22の一部を拡大して示す平面図であり、図8は第1金型21と第2金型22とが型締めされた状態における第1および第2凹溝23,24の長手方向一端部付近を拡大して示す断面図である。図5(1)は第1金型21と第2金型22とを型締めした状態を示す図であり、図5(2)は第1金型21と第2金型22との型締めを解除した状態を示す図である。 【0034】割箸1は、射出成形によって形成される。割箸1を形成するには、スクリュー式射出成形機(以下、単に成形機と略称する場合がある)と第1金型21と第2金型22とを準備する。第1金型21には、略平行に延び、かつ長手方向一端部で相互に連通する一対の第1凹溝23が隣接して形成される。第2金型22には、各第1凹溝23に対向して略平行に延び、かつ長手方向一端部で相互に連通する一対の第2凹溝24が形成される。また第2金型22には、各第2凹溝24にその長手方向一端部側でそれぞれ連通するゲート25とランナ26とスプルー27とが形成される。ゲート25は、ゲート25に溶融したポリプロピレンを導くランナ26に連通する。ランナ26は、ランナ26に溶融したポリプロピレンを導くスプルー27に連通する。 【0035】第1金型21には、第1凹溝23の底面28と、第2金型22に対向する第1金型21の一表面29とは反対側の他表面30とにわたって挿通孔31が形成される。この挿通孔31には、成形物である割箸1を押出し、長手方向に延びる押出ピン32が挿通する。押出ピン32は、第1金型21から突出する側の長手方向一端部32aにおいて成形機に固定された押出ロッド33に当接可能な押出板34に一体的に固定される。第1金型21と押出板34との間には、押出ピン32の軸線と同軸になるように配置された圧縮コイルばね35が介在される。また第1および第2金型21,22には、第1および第2金型21,22を冷却する冷却水が供給される冷却水路36が形成される。 【0036】一対の第1凹溝23は、その長手方向一端部で第1連通溝37によって連通する。一対の第2凹溝24は、その長手方向一端部で第2連通溝38によって連通する。このようにして第1凹溝23および第1連通溝37ならびに第2凹溝24および第2連通溝38によってキャビティ39が形成される。キャビティ39のうち各第1凹溝23および第2凹溝24によって形成される空間は、その長手方向一端部において仮想略直方体面によって規定され、長手方向一端部の仮想略直方体部分を除く残余の部分は、仮想略円柱状に形成され、長手方向他端部が先細状に形成される仮想略円柱面によって規定される。第1凹溝23と第2凹溝24とは、キャビティ39を各第1凹溝23および各第2凹溝24によって形成される各仮想円柱の各軸線を含む仮想平面よりも第2金型22側にずれた位置で、たとえば前記仮想円柱の第1金型21側と第2金型22側との直径線方向の長さの比が5.5:4.5となるような位置で分断して形成される。ここで第1凹溝23の開口部の長手方向に垂直な開口幅B3は、たとえば4.97mm程度である。ここでキャビティ39の寸法は、割箸1の寸法に割箸1の熱収縮を考慮した量を加えた寸法に設定される。 【0037】図7および図8に示されるように、第1金型21の各第1凹溝23の長手方向に延びる内面41の長手方向一端部には、この内面41に垂直な第1端面42が形成される。前記第1端面42に外囲される領域には、前記第1端面42を含む仮想平面から長手方向他端部に向かって突出する球面の一部である第1球状隆起面43を有する第1隆起部分44が形成される。第2金型22の各第2凹溝24の長手方向に延びる内面46の長手方向一端部には、この内面46に垂直な第2端面47が形成される。前記第2端面47に外囲される領域には、前記第2端面47を含む仮想平面から長手方向他端部に向かって突出する球面の一部である第2球状隆起面48を有する第2隆起部分49が形成される。前記ゲート25は、前記第2隆起部分49に形成され、第2凹溝24とランナ26とを連通する。 【0038】第1金型21は、成形機の移動ダイプレートに取付けられ、第2金型22に近接する方向および離反する方向に移動可能に設けられる。第2金型22は、成形機の固定ダイプレートに固定される。第1金型21および第2金型22は、冷却水路36を流れる冷却水によって20〜100℃、好ましくは50℃に冷却される。成形機のノズルから射出される溶融したポリプロピレンの温度は、180〜260℃、好ましくは180℃程度に設定される。射出圧力は、500〜1500kg/cm2、好ましくは900kg/cm2程度に設定される。またポリプロピレンは、射出成形前に80℃程度で5時間程度、予備乾燥される。さらにポリプロピレンのメルトインデックスは、8程度である。 【0039】図5(1)において、第1金型21と第2金型22とは、各第1凹溝23と各第2凹溝24とが対向した状態で、キャビティ39に射出される溶融したポリプロピレンの射出圧力よりも大きな圧力で型締めされる。次に溶融したポリプロピレンをスプルー27からランナ26およびゲート25を介してキャビティ39に射出して、溶融したポリプロピレンでキャビティ39を満たす。このとき、溶融したポリプロピレンは流動性がよいので、第1および第2連通溝37,38によって形成される空間は非常に狭い空間であるけれども、その空間が溶融したポリプロピレンによって確実に満たされる。したがって第1および第2凹溝23,24は、前記割箸1の各割箸部分2,3を形成し、第1および第2連通溝37,38は、前記連結部分6を形成する。 【0040】次にキャビティ39に満たされた溶融したポリプロピレンを冷却して硬化した後、第1金型21と第2金型22との型締めを解除する。すなわち第1金型21が第2金型22から離反する方向に移動する。このとき、第1および第2凹溝23,24で成形されたポリプロピレンから成る一対の割箸部分2,3を有し、各割箸部分2,3の長手方向一端部2a,3aにおいて相互に対向する対向面4,5内の予め定める領域で連結部分6によって一体的に連なる割箸1は、第1凹溝23を形成する内面41に係着する。このことは、図6に示されるように、前記第1金型21の一表面29が各割箸部分2,3の軸線4aを含む仮想一平面よりも第2金型22側にずれて設けられることによって、第1凹溝23の開口部の長手方向に垂直な開口幅B3が各割箸部分2,3の直径D1よりも小さくなり、これによって各割箸部分2,3が各第1凹溝23を形成する内面41に係着することを示す。したがって割箸1の各割箸部分2,3のいずれか一方が第1金型21の第1凹溝23を形成する内面41に係着し、割箸1の各割箸部分2,3のいずれか他方が第2金型22の第2凹溝24を形成する内面46に係着した状態で、第1金型21を第2金型22から離反する方向に移動させることによって各割箸部分2,3が一体的に連なる連結部分6が分断したり、各割箸部分2,3が各第2凹溝24に係着して割箸1を第2金型22から取出す手間がかかるなどの不具合が生じず、割箸1を確実に第1金型21から押出して離脱させることができる。 【0041】次に前記割箸1を第1金型21から押出して離脱させる。図5(2)に示されるように、第1金型21が第2金型22から離反する方向に移動し、第1金型22がその後退限の付近まで移動すると、前記押出ロッド33に押出板34が当接して、押出板34だけが後退を阻止される。したがって、第1金型21が第2金型22からさらに離反する方向に移動することによって、押出板34が第1金型21に対して相対的に第2金型側に押出され、押出ピン32が第1凹溝23の底面28から突出する。各第1凹溝23の前記開口幅は、各割箸部分2,3の直径よりも小さく設けられている。各割箸部分2,3の直径D1と前記開口幅B3との差2dはポリプロピレンの弾性変形範囲内に設定されている。したがって押出ピン32の長手方向他端部32bが各第1凹溝23の底面28から突出すると、押出ピン32の長手方向他端部は各割箸部分2,3の外周面に当接し、さらに第1金型21が第2金型22から離反する方向に移動することによって各割箸部分2,3を各第1凹溝23から押出す。このとき前述のように、各割箸部分2,3の直径D1と前記開口幅B3との差2dはポリプロピレンの弾性変形範囲内に設定されるので、各割箸部分2,3は各第1凹溝23から押出される際に半径方向内方に弾性変形するが、第1凹溝23から押出された後、ポリプロピレンの弾発性によって復元し、これによって各割箸部分2,3が損傷することが防がれる。 【0042】次に第1金型21と第2金型22とを型締めするために、第1金型21が第2金型22に近接する方向に移動すると、押出板34は圧縮コイルばね35の弾性復元力によって押出ロッド33に付勢され、押出ピン32は第1金型21に対して相対的に後退する。圧縮コイルばね35が自然状態になると、押出板34は押出ロッド35から離脱する。このようにして押出ピン32は図5(1)に示される復帰位置に復帰する。 【0043】第1金型21の各第1凹溝23の長手方向に延びる内面41の長手方向一端部の第1端面42に外囲される領域には、前記第1端面42を含む仮想平面から長手方向他端部に向かって突出する第1隆起部分44が形成され、第2金型22の各第2凹溝24の長手方向に延びる内面46の長手方向一端部の第2端面47に外囲される領域には、前記第2端面47を含む仮想平面から長手方向他端部に向かって突出する第2隆起部分49が形成され、この第1および第2金型21,22を用いて射出成形するので、第1および第2隆起部分44,49に対応する割箸1の各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aには球面の一部を有する凹所50,51がそれぞれ形成され、この各凹所50,51の底52,53には各ゲート25によって形成されるゲート片54,55が一体的にそれぞれ連なる。割箸1を第1金型21から押出して離脱させると、各ゲート片54,55には割箸1の自重による曲げモーメントが作用し、この曲げモーメントによって曲げ応力が生じ、この曲げ応力が各ゲート片54,55の各凹所50,51の底52,53に連なる各基端部分56,57で集中して各ゲート片54,55が破断し、各ゲート片54,55と各割箸部分2,3とが分離される。 【0044】このようにして各割箸部分2,3が第1金型21から押出されて離脱するときにその自重によって各ゲート片54,55から分離されるので、各割箸部分2,3を各ゲート片54,55から手作業などで分離する工程を省くことができ、生産性を向上することができる。また各ゲート片54,55は前記各ゲート片の各凹所50,51の底52,53に連なる各基端部分56,57で破断するので、各ゲート片54,55の破断した部分が、前記各第1凹溝23の各第1端面42および前記各第2凹溝24の各第2端面47に対応する各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aの端面7,8を含む仮想一平面から外部に突出せず、前記破断した部分が目立たない。 【0045】熱可塑性を有する材料である熱可塑性合成樹脂はポリプロピレンから成るので、流動性がよく、第1および第2連通溝37,38に流入しやすく、各割箸部分2,3の連結部分6を確実に成形することができる。これによって射出成形によって製造される割箸1の成形不良が減少し、割箸1の生産性が向上する。またポリプロピレンは入手が容易で、かつ機械的強度が高いので、安価で、箸として用いるために充分な機械的強度を有する割箸1を製造することができる。 【0046】本発明の実施の形態において、熱可塑性を有する材料である熱可塑性合成樹脂はポリプロピレンから成っているが、本発明の実施の他の形態として、熱可塑性合成樹脂はポリカーボネートおよびポリスチレンのうちいずれか1つから成っていてもよい。熱可塑性合成樹脂がポリカーボネートから成るとき、射出成形条件として、成形機のノズルから射出される溶融したポリカーボネートの温度は、250〜300℃、好ましくは280℃程度に設定され、第1および第2金型21,22の温度は、80〜130℃、好ましくは90℃程度に設定され、射出圧力は、800〜2000kg/cm2 、好ましくは800kg/cm2 程度に設定される。またポリカーボネートは、射出成形前に120℃程度で5時間程度、予備乾燥される。熱可塑性合成樹脂はポリカーボネートから成るので、成形性がよく、耐熱性を有し、たとえば100℃以上の温度に耐えることができるとともに、箸として用いるために機械的強度の高い割箸を製造することができる。 【0047】また熱可塑性合成樹脂がポリスチレンから成るとき、射出成形条件として、成形機のノズルから射出される溶融したポリスチレンの温度は190〜260℃、好ましくは190℃程度に設定され、第1および第2金型21,22の温度は、30〜80℃、好ましくは55℃程度に設定され、射出圧力は、400〜1300kg/cm2、好ましくは900kg/cm2程度に設定される。またポリスチレンは、射出成形前に80℃程度で5時間程度、予備乾燥される。熱可塑性合成樹脂はポリスチレンから成るので、流動性がよく、第1および第2連通溝37,38に流入しやすく、各割箸部分2,3の連結部分6を確実に成形することができる。これによって射出成形によって製造される割箸の成形不良が減少し、割箸の生産性が向上する。またポリスチレンは入手が容易で、かつ機械的強度が高いので、安価で、箸として用いるために充分な機械的強度を有する割箸を製造することができる。さらにポリスチレンは伸びが小さいので、連結部分6に亀裂が形成されると亀裂の進展が容易であり、連結部分6を容易に分断することができる。 【0048】上記のポリプロピレンとしてポリプロピレンのブロック共重合体を用い、ポリカーボネートとして非充填ポリカーボネートを用い、ポリスチレンとして耐衝撃用ポリスチレンを用いるとき、ポリプロピレンのブロック共重合体、非充填ポリカーボネートおよび耐衝撃用ポリスチレンの成形性、機械的性質、熱的性質および化学的性質を示すと、表1のとおりである。 【0049】 【表1】
【0050】ここで機械的性質について、引張強さはASTM D 633およびASTMD 651に基づき、圧縮強さはASTM D 695に基づき、曲げ強さはASTM D 790に基づき、ノッチ付のアイゾット衝撃強さはASTM D256に基づく。熱的性質について、熱変形温度はASTM D 648に基づく。化学的性質について、吸水率はASTM D 570に基づき、耐薬品性はASTM D 543に基づく。 【0051】上記ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリスチレンのいずれについても共通して成形性がよく、機械的性質、熱的性質および化学的性質が安定している。上記ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリスチレンのうちいずれか1つを用いて割箸を製造した場合であっても、割箸の機械的性能、熱的性能、および化学的性能は安定している。したがって、割箸を大量生産しても、製品として品位が安定する。このように、上記ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリスチレンのうちいずれか1つから成る割箸は、製品として品位が安定しているので、(a)各割箸部分の連結部分の形状に応じた機械的性能、たとえば割箸をある高さから落下させても各割箸部分が分離しない性能、(b)各割箸部分の熱的性能、たとえば使用温度で各割箸部分が熱変形しない性能、および(c)各割箸部分の化学的性能、たとえば梅干しおよび酢漬けなどの食品を挟持するためなどに割箸を使用しても、各割箸部分が化学変化を起こさないという耐酸性および耐アルカリ性を達成する性能などの各種の性能を有する多数の割箸を製造することができる。 【0052】割箸に酸化性酸を除く耐強酸性および強アルカリ性を付与するときには、ポリプロピレンおよびポリスチレンを用いるとよい。割箸を強アルカリ中で一時的に用いるときおよび強酸中で用いるときならびに割箸に耐熱性を付与するときには、ポリカーボネートを用いるとよい。割箸を洗浄して再利用するときには、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリスチレンのいずれを用いてもよい。 【0053】本発明の実施のさらに他の形態として、熱可塑性を有する材料は、天然高分子樹脂、たとえばアセテート樹脂と天然高分子化合物、たとえば澱粉と鉱物、たとえば炭酸カルシウムとを含む生分解性材料から成っていてもよい。ここでアセテート樹脂は、セルロースの水酸基を酢酸エチルでアセチル化して形成される樹脂である。熱可塑性を有する材料が前記生分解性材料から成るとき、射出成形条件として、成形機のノズルから射出される溶融した前記生分解性材料の温度は、160〜170℃程度に設定される。またこの生分解性材料は、吸水性が高いので、射出成形前に80℃程度で5時間程度、予備乾燥される。前記生分解性材料の機械的性質は、引張強さが2.44kg/mm2 程度、曲げ強さが4.40kg/mm2 程度、アイゾット衝撃強さが3.2kg・cm/cm程度である。また前記生分解性材料の熱的性質は、熱変形温度が61.9℃程度である。またメルトインデックスは、27.5程度である。したがって前記生分解性材料は成形性がよく、箸として用いるために充分な機械的強度を有する割箸を製造することができる。また天然高分子樹脂と天然高分子化合物は、土壌中において土壌微生物によって分解され、鉱物は元来、土壌中に含まれており、土壌中に散在しても無害である。したがって割箸の使用後、ごみとして廃棄、たとえば埋立て処分しても、環境に対する悪影響、たとえば土壌汚染および水質汚濁をより少なく、あるいは無くして処分することができる。このように生分解性材料から成る割箸を土壌中に埋めることによって、微生物による分解に加えて、土壌自体の化学変化によって、割箸の分解が促進される。本実施形態において、前記生分解性材料はアセテート樹脂および澱粉を含むので、焼却してもダイオキシンなどの有害物質が発生することがない。さらに燃焼時の発熱量は、ポリプロピレンなどと比べて半分程度となり、焼却炉の炉壁の損傷を防ぐことができる。 【0054】また前記生分解性材料には、竹、木材などの天然素材から成る繊維が混合されていてもよい。ここで、繊維は竹繊維が用いられてもよい。したがって割箸は繊維によって強化され、箸として用いるために充分な機械的強度を有することができる。また繊維は、竹繊維から成るので、土壌中において土壌微生物によって分解される。したがって割箸の使用後、ごみとして廃棄、たとえば埋立て処分しても、環境に対する悪影響、たとえば土壌汚染および水質汚濁をより少なく、あるいは無くして処分することができるとともに、焼却してもダイオキシンなどの有害物質が発生することがない。 【0055】本発明の実施のさらに他の形態として、熱可塑性を有する材料は、パルプを主体とする天然高分子樹脂から成っていてもよい。このように構成することによって、前記天然高分子樹脂から成る割箸は土壌中において土壌微生物によって分解され、割箸の使用後、ごみとして廃棄、たとえば埋立て処分しても、環境に対する悪影響、たとえば土壌汚染および水質汚濁をより少なく、あるいは無くして処分することができるとともに、焼却してもダイオキシンなどの有害物質が発生することがない。 【0056】上述の本発明の実施の形態において、熱可塑性を有する材料は生分解性材料から成っているが、これに限られるものではなく、光分解性材料から成っていてもよい。 【0057】本発明の実施のさらに他の形態として、熱可塑性を有する材料である熱可塑性合成樹脂には、この熱可塑性合成樹脂よりも融点が高い材料から成る粉粒体、たとえば炭酸カルシウム粉が混合されていてもよい。このとき炭酸カルシウム粉の割箸に混合される量は、割箸の体積の10〜30%程度である。このように構成することによって熱可塑性合成樹脂を溶融させても粉粒体を溶融せずに、溶融した熱可塑性合成樹脂に粉粒体を散在させることができる。したがってこの粉粒体が混合する熱可塑性合成樹脂から成る割箸の表面には粉粒体による凹凸が生じ、割箸に滑り止めの効果を付与することができる。ここで炭酸カルシウムの割箸に混合される量が割箸の体積の10%未満であるときには、割箸の表面に充分な凹凸ができず、割箸に滑り止めの効果を付与することができない。また炭酸カルシウムの割箸に混合される量が割箸の体積の30%を超えるときには、熱可塑性合成樹脂の分子間の結合力が弱くなり、割箸の強度が低下する。また、熱可塑性合成樹脂に粉粒体が混合されることによって、粉粒体が混合されない同一寸法の割箸に対して、成形に必要な熱可塑性合成樹脂の量を粉粒体の混合分だけ減らすことができる。また粉粒体である炭酸カルシウム粉は不燃性物質であるので、粉粒体が混合された熱可塑性合成樹脂から成る割箸を焼却したときに発生する熱量を熱可塑性合成樹脂だけから成る割箸を焼却したときに発生する熱量よりも小さくすることができる。 【0058】本発明の実施のさらに他の形態として、熱可塑性合成樹脂には、たとえばゼオライトの粉末などの抗菌剤が混合されていてもよい。このように構成することによって、割箸に抗菌性を付与することができる。したがって長期間にわたって割箸が使用されずに放置されたとしても、かびおよび雑菌などの繁殖を防ぐことができ、衛生的である。またこの割箸を病院および老人ホームなどで使用することによって、免疫力の低下した入院患者および老人に対して割箸を清潔に保つことができる。 【0059】本発明の実施の形態において、各割箸部分2,3の長手方向一端部2a,3aは直方体状に形成され、長手方向一端部2a,3aを除く部分は先細の略円柱状に形成されているが、これに限られるものではなく、各割箸部分2,3の長手方向全長にわたって先細の略直方体状、先細の略円柱状または先細の三角柱状などの他の形状に形成されていてもよい。 【0060】本発明の実施の形態において、第1隆起部分44および第2隆起部分49は球面の一部である第1球状隆起面43および第2球状隆起面48を有しているが、本発明の実施のさらに他の形態として、第1および第2隆起部分44,49は、円錐面の一部または角錐面の一部などを有していてもよい。このように構成することによって各割箸部分2,3の各長手方向一端部2a,3aの凹所50,51の底52,53と各ゲート片54,55との連結部分56,57における応力集中率が大きくなり、各ゲート片54,55と各凹所50,51の底52,53との部分56,57でさらに折れやすくなる。 【0061】本発明の実施のさらに他の形態として、各割箸部分2,3の長手方向他端部2b,3bに螺旋状または環状の凹溝を形成してもよい。このように構成することによって、各割箸部分2,3の長手方向他端部2b,3bは凹溝によって滑りにくくなり、食品などの物品を挟持することが容易になる。 【0062】本発明の実施の形態の割箸1は、食事用の箸として使用されるが、本発明の実施のさらに他の形態として、割箸1をさらに料理用の菜箸として用いるために長手に形成しててもよい。 【0063】 【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、一対の割箸部分は熱可塑性を有する材料から成り、各割箸部分の各長手方向一端部は、相互に対向する対向面内の予め定める領域で一体的に連なり、この予め定める領域は、各割箸部分の長手方向に垂直な各対向面の幅方向両端部間の中央部付近で、かつ各対向面の図心よりも各割箸部分の長手方向他端部から離反する方向にずれた領域であるので、各割箸部分が一体的に連なる部分で容易に分断することができ、各割箸部分をほぼ均等に分離することができる。また各割箸部分が一体的に連なる部分の各割箸部分の長手方向に沿う方向の長さを各割箸部分が一体的に連なる部分の厚みに対して充分大きくとることによって製造時、梱包時および運搬時の振動などによって、各割箸部分が一体的に連なる部分が破断することを防ぐことができる。さらに各割箸部分が一体的に連なる部分は前記各対向面の予め定める一定の領域に選ばれるので、割箸を大量生産しても、任意の割箸に対して、各割箸部分が一体的に連なる部分は予め定める一定の領域に形成されることになり、押出成形のように、各割箸部分の連結部分が形成される領域が製品毎に異なって、前記連結部分の連結強度が製品毎に異なるような不具合が生じない。 【0064】また請求項2記載の本発明によれば、熱可塑性を有する材料はポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリスチレンのうちいずれか1つから成るので、成形性がよく、かつ箸として用いるために充分な機械的強度を有し、製品としての品位が安定した割箸を製造することができる。 【0065】また請求項3記載の本発明によれば、熱可塑性を有する材料は、少なくとも天然高分子樹脂と天然高分子化合物と鉱物とを含む生分解性材料から成るので、天然高分子樹脂と天然高分子化合物とは土壌中において土壌微生物によって分解され、鉱物は元来、土壌中に含まれており、土壌中に散在しても無害である。したがって割箸の使用後、ごみとして廃棄、たとえば埋立て処分しても、環境に対する悪影響、たとえば土壌汚染および水質汚濁をより少なく、あるいは無くして処分することができる。 【0066】また請求項4記載の本発明によれば、熱可塑性を有する材料には、この熱可塑性を有する材料よりも融点が高い材料から成る粉粒体が混合されるので、熱可塑性を有する材料を溶融させても粉粒体を溶融せずに、溶融した熱可塑性を有する材料に粉粒体を散在させることができる。したがってこの粉粒体が混合する熱可塑性を有する材料から成る割箸の表面には、粉粒体による凹凸が生じ、割箸に滑止めの効果を付与することができる。また、熱可塑性を有する材料に粉粒体が混合されることによって、粉粒体が混合されない同一寸法の割箸に対して、成形に必要な熱可塑性を有する材料の量を粉粒体の混合量分だけ減らすことができる。 【0067】また請求項5記載の本発明によれば、熱可塑性を有する材料には、抗菌剤が混合されるので、割箸に抗菌性を付与することができる。したがって長期間にわたって割箸が使用されずに放置されたとしても、かびおよび雑菌などの繁殖を防ぐことができ、衛生的である。 【0068】また請求項6記載の本発明によれば、割箸が第1凹溝を形成する内面に係着した状態で第1金型を第2金型から離反する方向に移動させ、割箸を第1金型から押出して離脱させるので、割箸の各割箸部分のいずれか一方が第1金型の第1凹溝を形成する内面に係着し、割箸の各割箸部分のいずれか他方が第2金型の第2凹溝を形成する内面に係着した状態で、第1金型を第2金型から離反する方向に移動させることによって各割箸部分が一体的に連なる部分で分断したり、各割箸部分が第2凹溝に係着して割箸を第2金型から取出す手間がかかるなどの不具合が生じず、割箸を確実に第1金型から押出して離脱させることができる。 【0069】さらに請求項7記載の本発明によれば、第1金型の各第1凹溝の長手方向に延びる内面の長手方向一端部の第1端面に外囲される領域には、第1隆起部分が形成され、第2金型の各第2凹溝の長手方向に延びる内面の長手方向一端部の第2端面に外囲される領域には、第2隆起部分が形成され、この第1および第2金型を用いて射出成形するので、第1および第2隆起部分に対応する割箸の各割箸部分の各長手方向一端部には凹所がそれぞれ形成され、この各凹所の底には各ゲートによって形成されるゲート片が一体的にそれぞれ連なる。したがって各割箸部分が第1金型から押出されて離脱するときにその自重によって各ゲート片から分離されるので、各割箸部分を各ゲート片から手作業などで分離する工程を省くことができ、生産性を向上することができる。また各ゲート片は、前記各ゲート片の各凹所の底に連なる基端部分で破断するので、各ゲート片の破断した部分が、前記各第1凹溝の第1端面および前記第2凹溝の第2端面に対応する各割箸部分の各長手方向一端部の端面を含む仮想一平面から外部へ突出せず、前記破断した部分が目立たない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591049169 【氏名又は名称】松井化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】西教 圭一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−178693 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−355615 |
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