| 【発明の名称】 |
合成樹脂製食器とその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】四ツ辻 晃
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、食器材料、特に苛酷な用い方をされる業務用食器用の最適プラスチックス材料を選択する事である。
【解決手段】オレフィン樹脂の基本骨格を持ち、且つ高耐熱性、高耐ストレスクラック性を有し、酸化チタンのような顔料にも分解せず猛毒成分が溶出しない耐有毒物質溶出性にも優れている環状オレフィン樹脂にて合成樹脂製食器(A)を形成した事を特徴とするもので、この材料を使用して形成した食器(A)は、前記特性を有する他、耐アルカリ耐久性、耐高温殺菌耐久性、表面汚染性、電子レンジ加熱耐久性等にも優れ、高い実用性と安全性を兼ね備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 環状オレフィン樹脂にて形成した事を特徴とする合成樹脂製食器。 【請求項2】 環状オレフイン樹脂フィルムが熱成形されてなる第1層と、環状オレフイン樹脂が射出成形されてなる第2層との二層構造を有し、前記第1層の前記第2層と接する側の表面に絵柄が印刷されており、第1層又は第2層の少なくともいずれか一方が透明であることを特徴とする合成樹脂製食器。 【請求項3】 環状オレフイン樹脂を射出成形にて形成されてなる第1層と、環状オレフイン樹脂が射出成形されてなる第2層との二層構造を有し、前記第1層の前記第2層と接する側の表面に絵柄が印刷されており、第1層又は第2層の少なくともいずれか一方が透明であることを特徴とする合成樹脂製食器。 【請求項4】 環状オレフイン樹脂が、下記の一般式;
R1は水素基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかであり、R2は水素基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかである、で示される環状オレフィン重合体である事を特徴とする合成樹脂製食器。 【請求項5】 環状オレフイン樹脂フィルムを熱成形法により成形して、或いは環状オレフイン樹脂を射出成形により成形して一次成形品を製造し、該一次成形品に形成された絵柄表示面が二次材料である環状オレフイン樹脂と接する側になるように二次成形用金型にインサートし、二次成形用金型に二次材料である環状オレフイン樹脂を射出して二次成形し、一次側又は二次材料側の少なくとも一方が透明である二次成形品を形成することを特徴とする合成樹脂製食器の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐ストレスクラック性、耐熱性、耐アルカリ性に極めて優れ且つ安全な合成樹脂製食器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から学校給食を初めとする業務用食器等として、落としても割れにくく、軽量な合成樹脂製の食器が用いられている。使用される樹脂は、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂など熱硬化型樹脂や、ポリプロピレンやポリカーボネートのような熱可塑性樹脂が広く用いられている。熱硬化性樹脂を原料として成形された食器は、ホルムアルデヒドを原料としているため、硬化が不十分である場合や原料が粗悪である場合、食器からホルムアルデヒドが溶出するため、人体への悪影響が取り沙汰されている。また、この種の樹脂は、後述する意味から耐アルカリ洗剤性が低く、業務用食器等の材料としては適しない材料でもある。 【0003】特に最近では、学校給食等の現場で0−157というような大腸菌による感染症を防止するため、使用した食器は強アルカリ性の洗剤で洗浄し、更に高温(120℃)といった温度で殺菌する事が義務付けられている。従って、このような用途には、熱硬化性樹脂は、長期耐久性(6年間の耐久性が要求されている)に欠けるといった観点から、現状ではほとんど使用されていない。 【0004】そこで、最近は熱可塑性樹脂が熱硬化性樹脂に代わって大量に使用されるようになって来ている。主なる材料はポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)が代表的な材料である。しかし、ポリプロピレンは耐熱性が悪く、熱消毒に耐え得ないとっいった欠点があり、いまだに学校給食用食器には殆ど使用されていない。 【0005】これに対して、ポリカーボネートは耐熱性が十分にあり、食器に要求される性能(厚生省告示第18号)には合格するが、実用性能面では2つの大きな問題点を抱えている。その1つは、耐ストレスクラック性である。ポリカーボネートの射出成形品は、その材料特性から成形時の残留応力を製品中に残しやすい材料の代表例である。もし、残留応力の大きな成形品を実用に供すると、加熱消毒(120℃)時に変形が発生するか、或いは洗剤(強アルカリ性)で洗浄する作業工程で残留応力に基づくクラックが容易に発生するといった問題のある材料である。従って、ポリカーボネート食器は成形後、熱処理(120℃、1時間)によって残留応力を除去する工程を必須要件としている。しかしながら、その熱処理は、完全な解決方法ではないので、再々トラブルが発生しているのが現状である。 【0006】更なる問題点は、有毒物質の溶出が時に発生する事である。ポリカーボネートは、例えば白色の顔料である酸化チタンを添加すると著しく短時間で分解する。例えば、3%程度の酸化チタンを添加したポリカーボネートは、成形温度条件(280〜300℃)に5分間滞留させると、本来の物性が著しく低下し、更に悪いことには分解が起こる。原料であるビスフェノールAとジフェニルカーボネートといった猛毒モノマ成分が成形品中に残留し、結果として溶出してくるというような事態を招く事になる。そこで、今までは酸化チタンを特殊な材料でコーティングして実用に供してきた。しかしながらこの技術とて完全ではないといえる。 【0007】また、最近とみに注目を集めているものに『哺乳瓶』と電子レンジの「マイクロ波」との関係がある。主婦が子供のために哺乳瓶にミルクを入れ、電子レンジで加熱する事はよく見られる光景である。ポリカーボネート製の哺乳瓶にミルクを入れて電子レンジで加熱すると、原料であるビスフェノールAがミルクに溶出してくるという事が次第に明らかになって来るに連れて、哺乳瓶メーカでは原料樹脂の見直しがせまられて来た。 【0008】このような問題点に鑑み、本発明は基本的には耐ストレスクラック性に優れ、且つ前記の酸化チタンのような顔料或いは電子レンジのマイクロ波にも分解せず猛毒成分が溶出しないような、食器、特に業務用食器或いは哺乳瓶のような幼児用容器に適する材料を詳細に検討すると同時に厳密な科学分析や厳しい実用実験を長期に亙って行い、次の知見を得た。 【0009】プラスチックス材料の分子中に、エステル結合やエーテル結合或いはアミン結合を有している材料は、いかに耐熱性があろうとも、食器材料、特に業務用食器には適さないという結論に達した。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド(ナイロン)、飽和ポリエステル樹脂等はこの範疇に属するプラスチックス材料である。 【0010】これに対して、直鎖状オレフィン樹脂、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂はこのようになエステル結合やエーテル結合を含まない材料であるが、直鎖状ポリオレフィン樹脂はその分子構造から分解しても有毒物質を複製しない。しかし、耐熱性に乏しいという問題点を抱えている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、食器材料、特に苛酷な用い方をされる業務用食器或いは哺乳瓶のような幼児用容器、或いはレトルトパックやレトルトボトルに用いられる最適プラスチックス材料を選択する事である。 【0012】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の合成樹脂製食器(A)を『環状オレフィン樹脂にて形成した』事を特徴とする。本プラスチックス材料は、オレフィン樹脂の基本骨格を持ち、且つ高耐熱性、高耐ストレスクラック性(熱処理なしでも耐久性を示す)を有し、酸化チタンのような顔料にも分解せず、また電子レンジのマイクロ波に対しても耐性を持ち、猛毒成分が溶出しない耐有毒物質溶出性にも優れているので、この材料で作られた食器材料、特に苛酷な使い方がなされる業務用また幼児用食器材料としては優れた特性を発揮する事になる。同様に電子レンジで加熱されるレトルトパックやレトルトボトルの素材としても優れた特性を発揮する事になる。更に、アルカリ洗剤に対する耐久性、耐高温殺菌耐久性、表面汚染性、前述の電子レンジ加熱耐久性等にも優れているので、この材料を使用して形成した食器(A)は、高い実用性と安全性を兼ね備えている。 【0013】請求項2の合成樹脂製食器(A)は『環状オレフイン樹脂フィルム(10)が熱成形されてなる第1層(1)或いは環状オレフイン樹脂を射出成形にて形成されてなる第1層(1)と、環状オレフイン樹脂が射出成形されてなる第2層(2)との二層構造を有し、前記第1層(1)の前記第2層(2)と接する側の表面に絵柄(3)が印刷されており、第1層(1)又は第2層(2)の少なくともいずれか一方が透明である』ことを特徴とする。 【0014】これによれば、印刷部分が食器(A)の表面に露出しないので絵柄(3)が剥げることはないし、第1層(1)を透明にすれば、薄い第1層(1)から絵柄(3)がより透けて見え、絵柄(3)の鮮明な食器(A)になる。勿論、第2層(2)を透明にする事も出来るし、両者を透明にすることも出来る。換言すれば、少なくともいずれか一方を透明にする事になる。また、(例えばフィルム厚が300μmのというように)第1層(1)が極めて薄く形成できるため、食器(A)全体の肉厚は従来例よりも薄く出来るにも拘わらず、射出成形によって形成される環状オレフイン樹脂の第2層(2)の厚みを従来の二重成形の場合より大きくすることができる。そのため、二次成形時の材料充填が容易になる。 【0015】請求項3の合成樹脂製食器(A)は『環状オレフイン樹脂を射出成形にて形成されてなる第1層(1)と、環状オレフイン樹脂が射出成形されてなる第2層(2)との二層構造を有し、前記第1層(1)の前記第2層(2)と接する側の表面に絵柄(3)が印刷されており、第1層(1)又は第2層(2)の少なくともいずれか一方が透明である』ことを特徴とする。これによれば、前述の同様、印刷部分が食器(A)の表面に露出しないので絵柄(3)が剥げることはないし、第1層(1)を透明にすれば、薄い第1層(1)から絵柄(3)がより透けて見え、絵柄(3)の鮮明な食器(A)になる。ただし、第1層(1)が射出成形品であるので、食器(A)の全体的な厚みは請求項2の場合に比べて大きくなる。 【0016】請求項4は環状オレフィン樹脂を明確にしたもので、本発明の環状オレフィン樹脂が、下記の一般式で表される事を特徴とする。 【0017】 【化1】
R1は水素基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかであり、R2は水素基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかである。』 【0018】前記において、R1は水素基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかであり、R2は水素基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかであるが、これには、■R1、2が共に水素基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基同士の場合、■R1が水素基の場合、R2はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかである場合、■R1がメチル基の場合、R2は水素基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかである場合、■R1がエチル基の場合、R2は水素基、メチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかである場合、■R1がプロピル基の場合、R2は水素基、メチル基、エチル基、ブチル基のいずれかである場合、■R1ブチル基の場合、R2は水素基、メチル基、プロピル基、エチル基のいずれかである場合、がある。 【0019】請求項5は本発明の合成樹脂製食器(A)の製造方法に関し『環状オレフイン樹脂フィルム(10)を熱成形法により成形して、或いは環状オレフイン樹脂を射出成形により成形して一次成形品(1)を製造し、該一次成形品(1)に形成された絵柄表示面(3a)が二次材料である環状オレフイン樹脂と接する側になるように二次成形用金型(K)にインサートし、二次成形用金型(K)に二次材料である環状オレフイン樹脂を射出して二次成形して一次側又は二次材料側の少なくとも一方が透明である二次成形品、すなわち食器(A)を形成する』ことを特徴とするもので、この方法によれば、美しい絵柄(3)付きの食器(A)を簡単に大量生産する事ができる。 【0020】 【発明の実施の形態】[実施例1]以下、本発明を好適な実施例を用いて説明する。図1は本発明の合成樹脂食器(A)を製造するための一般的な射出成形装置で、雌金型(6)に射出筒部(7)のノズルが接続されている。射出筒部(7)内にはスクリュ(8)が回転・前後スライド自在に配設されている。前記スクリュ(8)には射出シリンダ(9)と駆動部(9a)とが接続していて、射出シリンダ(9)にてスクリュ(8)を前後にスライドさせ、ギア機構(11)を介して駆動部(9a)にてスクリュ(8)を回転させるようになっている。射出筒部(7)の後端にはホッパ(12)が設置されており、原料樹脂(13)を連続的に供給するようになっている。射出筒部(7)の周囲にはヒータ(14)が巻設されており、通過中の原料樹脂(13)を加熱溶融するようになっている。 【0021】図1の金型(K)の主要構成部材は雄金型(5)、雌金型(6)、エジェクタ(15)、、食器(A)の内面形状を形成するための雄金型(5)の凸部(5a)が突設されており、これに対応して雌金型(6)には食器(A)の外面を形成するための凹部(6a)が形成されている。 【0022】次に、合成樹脂食器(A)の素材に付いてであるが、本発明では環状オレフィン樹脂、特に、一般式が下記で表される環状オレフィン重合体を用いる。 【化1】R1は水素基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかであり、R2は水素基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかである。 【0023】次に、本発明の合成樹脂食器(A)の射出成形による通常の製造方法について説明する。まず、原料の環状オレフィン樹脂のペレット(13)をホッパ(12)に投入し、駆動部(9a)を作動させてスクリュ(8)を回転させる。スクリュ(8)の回転と共に環状オレフィン樹脂原料(13)がヒータ(14)にて例えば250〜300℃に加熱され、溶融・混練されて射出筒部(7)の先端部分に貯溜されていく。これと共にスクリュ(8)は次第に後退し、射出筒部(7)の先端に貯溜された環状オレフィン樹脂の計量が完了した処で射出シリンダ(9)を作動させてスクリュ(8)を前方に突出させ、射出筒部(7)の先端の計量樹脂を金型(K)に1,000〜3,000kgf/cm2で射出する(図1参照)。 【0024】射出された環状オレフィン樹脂(13)は、金型(K)のランナ、ゲートを通過して金型キャビティ内に高速高圧で圧入される。金型キャビティ内に圧入された環状オレフィン樹脂(13)は、瞬間的に金型キャビティを充填する。続いて保圧工程に移り、所定の圧力が加わ得られる。保圧工程が終わると、型開を行い、金型キャビティ内の成形品である食器(A)をエジェクタ(15)で突出して回収する。これにより、環状オレフィン樹脂の食器(A)が形成される。以上のような操作を繰り返して、本発明の合成樹脂食器(A)が大量生産されることとなる。 【0025】[実施例2]この場合は、0.3mmの透明な環状オレフィン樹脂フィルム(10)を真空成形用金型(4)を用いて成形する場合で、食器(A)の形に真空成形された環状オレフィン樹脂フィルム(10)の周囲の不要部分を取り除いて食器(A)の内側(内子)となる一次成形品(1)を製作する(図2の■の段階)。尚、実施例では熱成形として真空成形を行ったが、圧空成形してもよい。 【0026】次に一次成形品(1)に絵柄(3)を付すためにパット印刷やスクリーン印刷等の方法で一次成形品(1)の外側の希望する位置に印刷する(図2の■の段階)。ここで、一次成形品(1)の外側に印刷したのは、一次成形品(1)が食器(A)の内側となる(すなわち、透明な一次成形品(1)を通して食器(A)の内側から見えるように絵柄を付す)ようにしているためであり、一次成形品(1)が食器(A)の外側(外子)となる(すなわち、食器の外側から見えるように絵柄を付す)場合は、一次成形品(1)の内側に印刷することとなる。 【0027】次いで、絵柄(3)の付された一次成形品(1)を予熱することなく二次成形金型(K)《ここでは雄金型(5)の凸部(5a)》にインサートする。勿論、一次成形品(1)が外子である場合は、図示しないが、雌金型(6)の凹部(6a)にインサートする事になる。(図2の■の段階)。ここで、予熱をしないのは、一次成形品(1)は非常に薄いため、二次成形時の金型(5)(6)内での射出により充填された二次材料(2)からの熱の伝わりが早く、短時間で一次成形品(1)と二次材料(2)との温度差がなくなる事と、一次成形品(1)の熱容量が小さいので、二次材料(2)が一次成形品(1)によってほとんど熱が奪われない事による。 【0028】インサート後、一次成形品(A)の外側に二次材料(2)が二次成形されるように射出成形される(図2の■の段階)。射出成形に用いる樹脂材料(環状オレフィン樹脂)は、食器(A)全体の厚みは従来の二重成形の場合よりも薄くする事が出来るにも拘わらず、二次側(2)の厚みを大きくすることができ充填が容易となる。この時、2次側(2)の肉厚が大であるため熱容量が大であり、1次側熱成形品(1)側が樹脂フィルム(10)によるものであるから熱容量が小さい。従って、二次材料(2)によって一次側(1)は一瞬にして昇温して二次側(2)の温度に達する。 【0029】型開すると、内側に一次成形品による透明な第1層(1)を備え、外側に二次成形により生じた第2層(2)を備える二重構造で、両者の間に絵柄(3)が付された成形品、即ち食器(A)ができあがる(図2の■の段階)。 【0030】絵柄(3)は透明な第1層(A)を通して食器(A)の内側から見ることができるが、第1層(1)は極めて薄肉であるため、透明樹脂自身の色や濁りによる絵柄色への影響が小さく、絵柄を鮮明に見ることができる。 【0031】又、第1層(1)を薄くすることができたので、二次成形した後の最終成形品(A)も従来の二重成形の場合に比べて大幅に薄肉とすることができ、アルマイト食器(0.6〜0.7t)の肉厚により近づけることができた。したがって、食器(A)の収納設備もアルマイト食器と同じ収納設備を利用することができる。また、厚みが薄くなったことにより重量も従来のものより小さくなり、子供でも扱いやすくなった。 【0032】[実施例3]前述の場合は環状オレフィン樹脂フィルム(10)を使用して絵柄付食器(A)を製造した場合の例であるが、2段成形にて絵柄付食器(A)を成形する事も可能であり、この方法を簡単に説明する。まず、環状オレフィン樹脂を使用して、合成樹脂食器(A)の半分の内子(1)又は外子(1)を射出成形にて作成する。内子(1)又は外子(1)の2次側樹脂との接合面(3a)に前述同様の絵柄(3)を印刷し、然る後、この内子(1)又は外子(1)を合成樹脂食器成形用の金型(K)内に配設して、型締を行い、前述同様射出成形し、内子(1)又は外子(1)と二次側の溶融樹脂(2)を一体化させ、2重層の絵柄付合成樹脂食器(A)を形成する。 【0033】なお、本実施例では環状オレフィルム樹脂(10)を使用した場合で、このフィルム樹脂(10)を成形して1次側成形品(1)を形成した後、1次側成形品(1)の、二次側(2)との接合面(3a)に絵柄(3)を印刷する例を示したが、勿論これだけに限定されるものでなく、真空成形用の0.3mmの環状オレフィルム樹脂(10)に真空成形前に絵柄(3)を印刷してもよい。印刷時には真空成形後の絵柄の位置や真空成形による樹脂の伸びを考慮して印刷する。その後、印刷されたフィルム(10)を真空成形すれば絵柄付きの一次成形品(1)が製造できる。 【0034】後は実施例1と同様に金型(K)にインサートして二次成形を行う。本実施例では一次成形前の樹脂フィルム(10)に予め印刷するので、平面に印刷することができ、曲面印刷法により曲部に直接印刷する場合のような制約がなくなり印刷時間が短縮できる。又、工程間の移動や乾燥や保管の費用も少なくすることができ生産性の向上を図ることができ、デザインの自由度も大きくなる。 【0035】次に、本発明にかかる食器《アニールなし》のテスト結果を比較例と共に述べる。比較例は、メラミン樹脂食器やポリカーボネート食器である。 メラミン樹脂 ポリカーボネート 本発明品 ■50%アルカリ液 100時間で 24時間でクラック発生 1500時間 耐久性 光沢不良 1500時間で崩壊 で変化なし■高温殺菌耐久性 48時間でク 変形し実用性なし 600時間 ラック発生 で変化なし■溶出物(KMnO4)消費量 2〜3 0 0 ■表面汚染性 158時間で クラック発生 外観変化 (60℃のアルカリ洗 クラック発生 なし 剤に600時間浸漬) ■電子レンジ加熱耐久性 +50℃昇温 +20℃昇温 +2℃昇温 以上の各試験の条件は次の通り; ■耐アルカリ耐久性試験では、50%の濃度で60℃の強アルカリ水溶液に浸漬し、クラックや著しい曇りを発生する迄の時間を測定した。 ■高温殺菌耐久性では、125℃の加熱オーブン中で加熱殺菌し、変形及びクラック、変色が発生する迄の時間を測定した。 ■溶出物試験は、厚生省告示18号に準拠して試験した。 ■表面汚染性試験では、試験前の表面の反射光沢を100として示した。 ■電子レンジ加熱耐久性試験では、家庭用電子レンジに食器を入れ、5分間レンジをかけた時の食器の温度上昇を測定した。 試験結果を見ればいずれの試験でも本発明品は優れた性状を示している。 【0036】 【発明の効果】以上述べたように本発明品は、環状オレフィン樹脂によって形成されているので、耐熱性、耐アルカリ(洗剤)性、電子レンジ加熱耐久性その他の耐久性に優れ、食器や哺乳瓶或いはレトルトパックやレトルトボトルとして極めて優れたものである。また、本発明方法を採用すれば、絵柄付の食器の大量生産も可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591109751 【氏名又は名称】有限会社コーキ・エンジニアリング
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】森 義明
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| 【公開番号】 |
特開平11−178690 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−365338 |
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