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【発明の名称】 飲食物供給用循環搬送路
【発明者】 【氏名】高島 郁男

【氏名】中西 総雄

【要約】 【課題】飲食客の増減にも対して、効率的に対応することのできる飲食物供給用循環搬送路を提供する。

【解決手段】独立して稼働可能な無端状の循環型搬送部1a、1bが、それぞれの折り返し部が近接するように少なくとも2つ設けられ、前記折り返し部には、各循環型搬送部1a、1b上を搬送される飲食物または飲食物容器4を、互いに他の近接する循環型搬送部1b、1aに移送する移送手段5が設けられ、これら複数の循環型搬送部が1つの循環型搬送路1を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 独立して稼働可能な無端状の循環型搬送部が、それぞれの折り返し部が近接するように少なくとも2つ設けられ、前記折り返し部には、各循環型搬送部上を搬送される飲食物または飲食物容器を、互いに他の近接する循環型搬送部に移送する移送手段が設けられ、これら複数の循環型搬送部が1つの循環型搬送路を形成することを特徴とする飲食物供給用循環搬送路。
【請求項2】 前記各循環型搬送部の搬送速度が、ほぼ同一に設定されている請求項1に記載の飲食物供給用循環搬送路。
【請求項3】 前記移送手段が、他の近接する循環型搬送部へ移送される移送口に設けられた取り外しまたは収納可能とされた進路変更板を有している請求項1または2項に記載の飲食物供給用循環搬送路。
【請求項4】 前記移送手段が、一方の循環型搬送部の折り返し部と、他の循環型搬送部の折り返し部とを互いに繋ぐ複数のローラを有している請求項3に記載の飲食物供給用循環搬送路。
【請求項5】 前記複数のローラが、移送方向に同一回転するように駆動されている請求項4に記載の飲食物供給用循環搬送路。
【請求項6】 互いに反対方向に飲食物または飲食物容器を移送する前記ロ−ラが、反転歯車により1つの駆動モ−タにて反対方向に駆動回転されるようになっている請求項5項に記載の飲食物供給用循環搬送路。
【請求項7】 前記移送手段の移送速度が、循環型搬送部の搬送速度と同一または若干速くされている請求項1〜6項のいずれかに記載の飲食物供給用循環搬送路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は飲食物等、特には寿司等を搬送して飲食客に供給する循環型の搬送路において、飲食客の増減に対し、効率的に対応することのできる循環型搬送路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無端状に形成されている飲食物搬送用の循環型搬送路を、カウンタ−等の飲食台に沿って設け、この搬送路に飲食物、例えば寿司等を盛り付けた皿等の容器を載置して搬送、供給する循環搬送型の飲食カウンタ−は、飲食客や調理人が移動することなく飲食或いは調理することができ、更に飲食客は席にいながらにして自分の所望する商品を選びながら飲食できることから広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら循環型の搬送路においては、多くの飲食客が同時に飲食を実施するためには、多くの客席を有する長い飲食カウンタを設ける必要があり、これに伴って、前記循環搬送路の経路も長くする必要があるが、これら長い搬送路を用いた場合には、飲食客の数が少なくなった状況においては、必要以上に搬送路上を飲食物が搬送されるようになってしまい、飲食物が乾燥したりして鮮度が低下したり、異物等が付きやすくなるなどの問題があった。
【0004】このため、図5に示すように、これら搬送路1’の経路中にバイパス路5’を形成し、搬送路1の経路長を可変とする方法が提案されているが、これら従来の手法においては、飲食物を循環させない搬送路部分も常時稼働させておく必要があり、不経済であった。
【0005】よって、本発明は上記した問題点に着目してなされたもので、飲食客の増減にも対して、効率的に対応することのできる飲食物供給用循環搬送路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した問題を解決するために、本発明の飲食物供給用循環搬送路は、独立して稼働可能な無端状の循環型搬送部が、それぞれの折り返し部が近接するように少なくとも2つ設けられ、前記折り返し部には、各循環型搬送部上を搬送される飲食物または飲食物容器を、互いに他の近接する循環型搬送部に移送する移送手段が設けられ、これら複数の循環型搬送部が1つの循環型搬送路を形成することを特徴としている。この特徴によれば、個々に独立して稼働可能な複数の循環型搬送部により、1つの循環型の搬送路が形成されているために、飲食客が少なくなった場合等においては、適宜に循環型搬送部を休止することができ、効率的な運転が可能となり、経済的となる。
【0007】本発明の飲食物供給用循環搬送路は、前記各循環型搬送部の搬送速度が、ほぼ同一に設定されていることが好ましい。このようにすれば、搬送される飲食物または飲食物容器が、特定の循環型搬送部に集中することを防止できる。
【0008】本発明の飲食物供給用循環搬送路は、前記移送手段が、他の近接する循環型搬送部へ移送される移送口に設けられた取り外しまたは収納可能とされた進路変更板を有していることが好ましい。このようにすれば、必要に応じて進路変更板を移送口の所定位置に配置することにより、進路変更板に沿って飲食物または飲食物容器が移送されるようになり、簡単な機構にて移送部を形成することができる。
【0009】本発明の飲食物供給用循環搬送路は、前記移送手段が、一方の循環型搬送部の折り返し部と、他の循環型搬送部の折り返し部とを互いに繋ぐ複数のローラを有していることが好ましい。このようにすれば、前記各循環型搬送部の曲率を有する折り返し部に沿って、近接した状態にて複数のローラを配置することができるようになり、摩擦の少ないローラ上を飲食物または飲食物容器が移送されるようになり、スムーズな移送ができるようになる。
【0010】本発明の飲食物供給用循環搬送路は、前記複数のローラが、移送方向に同一回転するように駆動されていることが好ましい。このようにすれば、前記ローラが駆動されることで、移送速度を一定化することができ、安定した移送ができるようになる。
【0011】本発明の飲食物供給用循環搬送路は、互いに反対方向に飲食物または飲食物容器を移送する前記ロ−ラが、反転歯車により1つの駆動モ−タにて反対方向に駆動回転されるようになっていることが好ましい。このようにすれば、循環型搬送部間に設けられ、反対方向に飲食物または飲食物容器を移送する各ロ−ラを、1つの駆動モ−タにて駆動することができる。
【0012】本発明の飲食物供給用循環搬送路は、前記移送手段の移送速度が、循環型搬送部の搬送速度と同一または若干速くされていることが好ましい。このようにすれば、循環型搬送部の折り返し部間に設けられた移送部において、飲食物または飲食物容器が停滞してしまうことがない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0014】図1は、本実施例の飲食物供給用循環搬送路の形状を示す上面図であり、図2は、本実施例に用いた移送部の詳細を示す上面図であり、図3は、本実施例に用いた移送部の構成を示す側面模式図であり、図4は、本実施例に用いた移送部の駆動機構を示す上面図である。
【0015】まず、本実施例の飲食物供給用循環搬送路は、図1に示されるように、無端状に形成され、2つのL字状の循環搬送部1a、1bが、その1端の折り返し部が、近接して設けられ、全体がコ字状となるように配置されており、その一部は、厨房内を通過するようにされ、前記厨房以外の搬送路の周囲には、搬送路に沿って飲食台2と椅子3が設けられ、前記厨房において飲食物である各種の寿司が飲食物容器である寿司皿4に載置されて投入され、飲食客に搬送、供給されるようになっている。
【0016】前記したコ字状に配置された循環搬送路1の形状は、限られた店舗スペースにより多くの飲食客を収容できることから、近年多く使用されるようになってきている。
【0017】前記近接して設けられた折り返し部の間には、図2に示されるように、複数の同一方向に駆動回転するゴムローラ6a、6bとで構成される移送路5a、5bと、前記各循環搬送部1a、1b上を搬送される寿司皿4の進路を変更する取り外し可能とされた進路変更板7とから成る移送部5が設けられ、各循環搬送部1a、1bより他の搬送部1b、1aへ前記寿司皿4が移送されて、全体が1つの循環する搬送路となるようにされている。
【0018】これら前記各循環搬送部1a、1bは、独立に稼働可能とするために、独立した駆動装置(図示せず)により、駆動されて動作しているが、これら各循環搬送部1a、1bの搬送速度は、前記駆動装置が同一とされ、供給される電源が同一電源より供給されており、ほぼ同一の搬送速度となるようにされている。
【0019】本実施例において用いた前記移送部5の構成は、図3に示されるようになっており、前記ゴムローラ6a、6bは、異なる長さのものが各循環搬送部1a、1bの折り返し部の曲部に沿うように、前記各循環搬送部1a、1bの折り返し部に連接するように設けられ、各ゴムローラ6a、6bは、所定の間隙をもって水平に配置され、その一方の端部には、駆動ギア11が設けられており、各駆動ギア11の間には、これら各ゴムローラ6a、6bが同一回転をするように駆動力を伝達する伝達ギア8が設けられ、ほぼ中央部の駆動ゴムローラ6a’、6b’が駆動されることにより、その駆動力が他のゴムローラ6a、6bに伝達されて、各ゴムローラ6a、6bが一定方向に回転し、ゴムローラ6a、6b上を寿司皿4が搬送され、他の循環搬送部に移送されて、排出されるようになっている。
【0020】これら前記した駆動ゴムローラ6a’、6b’は、図4に示されるように、本実施例では、1つの共通する駆動モータ9にて、駆動ベルト10を介して駆動された駆動シャフト12により駆動されていて、この駆動シャフト12の一端には、反転ギア13が設けられ、この反転ギア13により回転駆動される連結ギア14を介して駆動ゴムローラ6b’が駆動されるようになっており、各移送路5a、5bの各ゴムローラ6a、6bが、逆方向に回転するようになっている。
【0021】これら、各ゴムローラの回転速度は、搬送される寿司皿4が進路変更板7に当接して、その進路が変更され、この移送路5a、5bのゴムローラ6a、6b上に排出されるため、この排出時に若干搬送速度が落ちることから、これら各循環搬送部1a、1bから移送部5へ排出される部分において、寿司皿4が滞留しないように、前記各循環搬送部1a、1bの搬送速度よりも若干早いものとされるように、前記駆動モータ9の回転が設定されている。
【0022】以下に本実施例の飲食物供給用循環搬送路の動作について説明すると、繁忙時の飲食客が多い状況においては、これら前記した移送部5を稼働させて、各循環搬送部1a、1bを連結して使用する。
【0023】飲食客が少なくなった状況においては、前記取り外し可能とされた進路変更板を取り外すことで、寿司皿4は、一方の循環搬送部1aまたは1bにおいてのみ循環搬送されるようになり、他の循環搬送部1aまたは1bを休止することができ、その分の駆動電力を節約できるばかりか、このようにすることで、各循環搬送部1aまたは1bを交互に休止させて清掃等を実施できるようになり、メンテナンス性も向上する。
【0024】また、最繁忙時においては、前記移送部5を稼働させずに、各循環搬送部1a、1bを独立に稼働させ、前記厨房において各各循環搬送部1a、1bに寿司を投入して飲食客に提供することにより、飲食客により取られた寿司の載置されていた搬送路上の空きスペースが、いち早く厨房に戻ってくるようにすることができ、飲食客への寿司の供給量を向上させることができるとともに、寿司の投入部である厨房よりも遠い客席の飲食客にも、十分な寿司を供給することができるようになる。
【0025】以上、本実施例を図面に基づいて説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での変更や追加があっても、本発明に含まれることは、言うまでもない。
【0026】また、前記実施例では、移送部としてローラによる移送を実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の移送装置、例えばスライド板やゴムベルト、移送ロボット等を用いても良く、スライド板等を用いる場合には、前記移送口と排出口とに適宜な高低差を設けて、飲食物や飲食物容器が滑走するようにしても良い。
【0027】また、前記実施例では、2つの循環搬送部を連結しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら循環搬送部が3つ以上であっても良い。
【0028】また、本実施例では前記進路変更板7を、取り外し可能としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これが移送部5の稼働と連動して所定の位置に配置され、移送部5の休止と連動して格納されるようにしても良い。
【0029】また、本実施例では、飲食物および飲食物容器として寿司および寿司皿を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら飲食物がその他のもの、例えばケーキや飲茶等の食品であっても良い。
【0030】
【発明の効果】本発明は以下の効果を奏する。
【0031】(a)請求項1項の発明によれば、個々に独立して稼働可能な複数の循環型搬送部により、1つの循環型の搬送路が形成されているために、飲食客が少なくなった場合等においては、適宜に循環型搬送部を休止することができ、効率的な運転が可能となり、経済的となる。
【0032】(b)請求項2項の発明によれば、搬送される飲食物または飲食物容器が、特定の循環型搬送部に集中することを防止できる。
【0033】(c)請求項3項の発明によれば、必要に応じて進路変更板を移送口の所定位置に配置することにより、進路変更板に沿って飲食物または飲食物容器が移送されるようになり、簡単な機構にて移送部を形成することができる。
【0034】(d)請求項4項の発明によれば、前記各循環型搬送部の曲率を有する折り返し部に沿って、近接した状態にて複数のローラを配置することができるようになり、摩擦の少ないローラ上を飲食物または飲食物容器が移送されるようになり、スムーズな移送ができるようになる。
【0035】(e)請求項5項の発明によれば、前記ローラが駆動されることで、移送速度を一定化することができ、安定した移送ができるようになる。
【0036】(f)請求項6項の発明によれば、循環型搬送部間に設けられ、反対方向に飲食物または飲食物容器を移送する各ロ−ラを、1つの駆動モ−タにて駆動することができる。
【0037】(g)請求項7項の発明によれば、循環型搬送部の折り返し部間に設けられた移送部において、飲食物または飲食物容器が停滞してしまうことがない。
【0038】
【出願人】 【識別番号】390010319
【氏名又は名称】株式会社石野製作所
【出願日】 平成9年(1997)12月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】日高 一樹 (外1名)
【公開番号】 特開平11−169275
【公開日】 平成11年(1999)6月29日
【出願番号】 特願平9−363128