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【発明の名称】 掛吊具
【発明者】 【氏名】水野 裕道

【要約】 【課題】扉に掛着して使用する掛吊具の使い勝手を向上させる。

【解決手段】先端部分をコの字形に曲成して前脚片1aと後脚片1cを形成した鉤状引掛脚部1と、前記前脚片1aに摺動自在に装着され、頂面に鉤状体2cを備えた支持部2と、前記後脚片1cに装着され、前面に鉤状体3bを備えたフック部3とで掛吊具10を構成する。係る掛吊具10を扉に掛着すると、各鉤状体2c,3bが扉の裏側と表側の両面に懸装され、それぞれに被掛吊物を掛吊り・収納できるため、極めて使い勝手が良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端部分をコの字形に曲成して前脚片(1a)と後脚片(1c)を形成した鉤状引掛脚部(1)と、前記前脚片(1a)に装着され、頂面に鉤状体(2c)を備えた支持部(2)と、前記後脚片(1c)に装着され、前面に鉤状体(3b)を備えたフック部(3)とで構成される掛吊具。
【請求項2】 前記フック部(3)は、その側面に前記後脚片(1c)の欠切部(1e)に嵌着可能な溝部(3a)を複数個連続的に形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の掛吊具。
【請求項3】 前記支持部(2)は、前記前脚片(1a)に嵌合可能なコの字形状を成し、背面に該前脚片(1a)の縦方向に並設された複数個の凹部(1d)と嵌合可能な凸部(2b)を設けてラチェット機構を形成して成ることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の掛吊具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、扉とその枠部材との間に形成される隙間を利用し、扉の上面に引掛けて取り付くようにした掛吊具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような掛吊具は、上述の隙間に納まる板厚の鉤状引掛具で扉の上面に引掛け可能とすると共に、その引掛具の下端に被掛吊物を掛吊り・収納するためのフック金具等の掛具類を垂設して構成されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の掛吊具にあっては、引掛具の引掛け方向によって掛具類の懸装位置(すなわち、被掛吊物の掛吊り・収納場所)が一義的に決まってしまう。つまり、被掛吊物は扉の内側かあるいは外側の何れか一方にのみ掛吊り・収納される構造であった。
【0004】例えば、上記掛吊具を流し台等の扉に掛着する場合、所望の台所用品が流し台の内側に掛吊り・収納できる状態に設定するといった使い方が一般的であるが、特に、頻繁に使用する物、あるいは、調理中のゴミ捨て袋のように一時的に使用したい物等の掛吊り・収納にあっては、その都度、扉の開閉を必要としない表側に掛具類を持ってくることで非常に使い勝手が良いものにすることができる。ところが、従来品では、収納物に応じてその都度掛吊具の掛着方向を変えて使用するか、あるいは、扉の内側と表側にそれぞれ専用の掛吊具を掛着する等の工夫が必要であり、これでは使い勝手も悪く、また甚だ不経済であった。
【0005】本発明は、使用時にフック等の掛具類が扉の両面に懸装される構成として、使い勝手の向上を図った掛吊具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に記載の本発明では、先端部分をコの字形に曲成して前脚片(1a)と後脚片(1c)を形成した鉤状引掛脚部(1)と、前記前脚片(1a)に装着され、頂面に鉤状体(2c)を備えた支持部(2)と、前記後脚片(1c)に装着され、前面に鉤状体(3b)を備えたフック部(3)とで構成されるものである。
【0007】また、請求項2に記載の本発明では、前記フック部(3)は、その側面に前記後脚片(1c)の欠切部(1e)に嵌着可能な溝部(3a)を複数個連続的に形成して構成されるものである。
【0008】さらに、請求項3に記載の本発明では、前記支持部(2)は、前記前脚片(1a)に嵌合可能なコの字形状を成し、背面に該前脚片(1a)の縦方向に並設された複数個の凹部(1d)と嵌合可能な凸部(2b)を設けてラチェット機構を形成して構成されるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る掛吊具10の構成を示す分解斜視図である。
【0010】図中、1は合成樹脂製の鉤状引掛脚部であって、先端部をコの字形に曲成して前脚片1a、上脚片1b、および後脚片1cを形成すると共に、前脚片1aの中央縦方向に上辺を斜めに形成した矩形状の凹部1dが複数個並設されおり、また、上脚片1bから後脚片1cにわたって幅広の欠切部1eが形成されている。
【0011】2は前記前脚片1aの両側縁に嵌合するようコの字形とされた合成樹脂製の支持部であって、頂面の下端中央に鉤状体2cを突設すると共に、裏面に前記前脚片1aの凹部1dと嵌合する凸部2bを設け、前記凹部1dとこの凸部2bとで前記支持部2(すなわち、鉤状体2c)を上下に摺動可能とするラチェット機構が形成されている。また、前記凸部2bはその両側に縦方向の割溝2a,2aを設け、前後方向に揺動性を持たせると共に、この凸部2bと対向する表側の面を手前に突き出して外レバー2dが形成されている。
【0012】3は前面に鉤状体3bが突設されて成る合成樹脂製のフック部である。このフック部3の側面に複数の溝部3aが連続形成されており、この溝部3aを前記後脚片1cの欠切部1eの縁部に嵌合・取り付けすることにより、フック部3が引掛具10を扉等に掛着する時のスペーサとして機能する。すなわち、扉の板厚に合った好適な位置の溝部3aを適宜選択することにより引掛具10の取り付けガタを無くすことができる。
【0013】図2は掛吊具10の使用態様を示す図である。
【0014】上記構成の掛吊具10を流し台等の扉Dに取り付けするには、先ず、鉤状引掛脚部1の前脚片1aの両側縁に下方より支持部2のコの字部分を嵌挿し、そのまま上方向に摺動させる。ラチェット機構により凸部2bは凹部1dの傾斜辺を乗り越え滑動するから、支持部2はスムースに上昇する。支持部2の装着後は凸部2bと凹部1dの垂直辺が嵌合し、ストッパとして作用するから、使用中に被掛物等の荷重で不本意に降下する心配はない。支持部2の外レバー2dを手前に引くと、凸部2bと凹部1dの嵌合が外れてラチェット機構はフリー状態となり、支持部2の下降や取り外しが可能となる。
【0015】次に、鉤状引掛脚部1を扉Dの上面に引掛け、後脚片1cと扉Dの隙間にフック部3を装着する。フック部3の装着は前記要領通り、扉Dの板厚に合わせフック部3の溝部3aを選択・差替えし、取り付けガタの生じないように隙間を調整しながら行う。
【0016】また、本実施形態では、掛吊具10の取り付けで扉面と圧接するフック部3の隔壁3cの下端に設けた受圧部分3dを凸面状とし、その弾性により遊び幅の調整(すなわち、溝部3aの選択)にある程度の自由度を持たせてあるので、掛吊具10は常に最適な押圧で扉面に取り付けできる。この時、フック部3の鉤状体3bが外向きに取り付くから、支持部2の鉤状体2cとこのフック部3の鉤状体3bは相対称する向きに設定されることになる。したがって、掛吊具10の取り付けが完了すると、各鉤状体2c,3bは被掛吊物(図示せず)をそれぞれ扉Dの表面および裏面に掛吊りできるように懸装される。なお、本図は、支持部2の鉤状体2cが流し台の内側に、フック部3の鉤状体3bが外側に懸装されるよう取り付けされた場合を示している。
【0017】また、掛吊具10を掛着する際、支持部2の鉤状体2cが流し台の側壁に当接して扉が閉まらない場合は、前記外レバー2dを手前に引きながら支持部2を下降させて支持部2を好適な位置に調整する。
【0018】このように、本発明の掛吊具10を使用することにより、1体の掛吊具10で台所用品を扉Dの裏側と表側にそれぞれ掛吊り・収納できるため、扉面を有効に活用できるようになる。特に、頻繁に使用する物や調理中のゴミ捨て袋のように一時的に使用する物等を扉Dの表側に掛吊り・収納することで、使用の度に流し台の扉Dを開閉する煩わしさが無くなり、使い勝手は極めて良い。
【0019】また、図2に示すように、支持部2の鉤状体2cにクリップ4を引掛けて使用することにより、例えば、鉤状体2cには掛け吊りできないゴム手袋等を挟んで収納することができる。このクリップ4は鉤状体2cと別体であって取り外しできるため、裏側、表側外何れの鉤状体にも掛け替えて使用できるものである。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の本発明によれば、鉤状引掛脚部の前脚片と後脚片にそれぞれ鉤状体を備えたので、1体の掛吊具で別々の鉤状体が扉の両面に懸装され、それぞれに被掛吊物を掛吊り・収納できるため、扉面を有効に活用できる。特に、頻繁に使用する物や一時的に使用する物等を表側の鉤状体に掛吊り・収納すると、使用の都度扉を開閉する煩わしさが無くなるので、使い勝手は極めて良い。
【0021】また、請求項2に記載の本発明によれば、フック部は扉と掛吊具を掛着する際のスペーサを兼ねる構成としたから、その隙間調節機能により扉の板厚に影響されない確実かつ安定した掛着が可能となる。
【0022】さらにまた、請求項3に記載の本発明によれば、支持部をラチェット機構により摺動自在に構成したので、被掛吊物に応じ支持部の位置を自由に調整できるため、被掛吊物の掛吊り・収納がし易くなる。
【出願人】 【識別番号】000115968
【氏名又は名称】レック株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】尾股 行雄
【公開番号】 特開平11−146828
【公開日】 平成11年(1999)6月2日
【出願番号】 特願平9−316708