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【発明の名称】 カード型キーホルダーとその製造方法
【発明者】 【氏名】佐藤 俊介

【要約】 【課題】カード基材上に好みの画像が記録され、好みの形状に打ち抜かれたカード型キーホルダーとその製造方法を提供する。

【解決手段】本発明のカード型キーホルダーは、所定の形状に打ち抜いたカード基材のいずれか一方又は双方の表面に感熱昇華転写記録法により画像記録がされており、当該基材の一端に開口した穴部にキーホルダーチェーンを有することを特徴とする。カード基材上には昇華転写インキ受容層を設けてもよい。また、本発明のカード型キーホルダーは、カード基材のいずれかの表面に感熱昇華転写記録法により画像記録を行う工程と、画像記録後のカード基材を所定の形状に打ち抜くことにより製造することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の形状に打ち抜いたカード基材のいずれか一方又は双方の表面に感熱昇華転写記録法により画像記録がされており、当該カード基材の一端に開口した穴部にキーホルダーチェーンを有することを特徴とするカード型キーホルダー。
【請求項2】 所定の形状に打ち抜いたカード基材のいずれか一方又は双方の表面に昇華転写インキ受容層が形成されており、当該昇華転写インキ受容層に感熱昇華転写記録法により画像記録がされており、当該カード基材の一端に開口した穴部にキーホルダチェーンを有することを特徴とするカード型キーホルダー。
【請求項3】 画像記録面に保護層が形成されていることを特徴とする請求項1および請求項2記載のカード型キーホルダー。
【請求項4】 (1)カード基材のいずれかの表面に感熱昇華転写記録法により画像記録を行う工程、(2)画像記録後のカード基材を所定の形状に打ち抜く工程、を有することを特徴とするカード型キーホルダーの製造方法。
【請求項5】 (1)カード基材のいずれかの表面に形成された昇華転写インキ受容層に感熱昇華転写記録法により画像記録を行う工程、(2)画像記録後のカード基材を所定の形状に打ち抜く工程、を有することを特徴とするカード型キーホルダーの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカード型のキーホルダーとその製造方法に関する。特に、カード基材に対して感熱昇華転写プリンターを使用して画像記録がされたカード型キーホルダーとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来のキーホルダーの製造は、予め金型を作り、プラスチックを射出して成形するか金属を鋳造またはプレスする方法が一般的にされている。また、その他の方法としては、金属のメダル等に打刻機を使用することで、氏名等の個人情報が入ったキーホルダーを製造することもされてきた。しかし、射出成形によるキーホルダーの製造や金属の加工は、同一形状の大量作製には向いているが、少量の作製には金型を起こす費用がかかり不向きである。また、個人の嗜好に合わせたデザインをもたせることも困難であった。
【0003】一方、カード上に可変情報を画像記録する方法として、感熱転写プリンタによる熱転写記録方式が一般的に使用されており、好みの画像や個人の顔写真等のカラー情報を記録する際には、その優れた階調再現性から感熱昇華転写記録による記録が好まれている。感熱転写プリンタは、個別の画像を簡易に出力できるようにシステム化されており、個人の嗜好に合ったデザインをカードに出力することは困難ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、カード型のキーホルダーを着想し、これに感熱昇華転写プリンターを使用して個人の嗜好に合った様々なデザインを持たせようとするものである。カードには適度な強度のプラスチックカードを使用すればキーホルダーとして十分であり、打ち抜き等によりキーホルダーチェーンを取り付ける穴部を設けること、カードを任意の形状にすることもできる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明のカード型のキーホルダーの第1は、所定の形状に打ち抜いたカード基材のいずれか一方又は双方の表面に感熱昇華転写記録法により画像記録がされており、当該カード基材の一端に開口した穴部にキーホルダーチェーンを有することを特徴とするカード型キーホルダー、にある。かかるカード型キーホルダーであるため、個人の嗜好にあったデザインを形成できる。
【0006】上記課題を解決するための本発明のカード型のキーホルダーの第2は、所定の形状に打ち抜いたカード基材のいずれか一方又は双方の表面に昇華転写インキ受容層が形成されており、当該昇華転写インキ受容層に感熱昇華転写記録法により画像記録がされており、当該カード基材の一端に開口した穴部にキーホルダチェーンを有することを特徴とするカード型キーホルダー、にある。かかるカード型のキーホルダーであるため、個人の嗜好にあったデザインを形成できる。
【0007】上記課題を解決するための本発明のカード型キーホルダーの製造方法の第1は、(1)カード基材のいずれかの表面に感熱昇華転写記録法により画像記録を行う工程、(2)画像記録後のカード基材を所定の形状に打ち抜く工程、を有することを特徴とするカード型キーホルダーの製造方法、にある。かかるカード型キーホルダーの製造方法であるため、好みのカード型キーホルダーを容易に製造することができる。
【0008】上記課題を解決するための本発明のカード型キーホルダーの製造方法の第2は、(1)カード基材のいずれかの表面に形成された昇華転写インキ受容層に感熱昇華転写記録法により画像記録を行う工程、(2)画像記録後のカード基材を所定の形状に打ち抜く工程、を有することを特徴とするカード型キーホルダーの製造方法、にある。かかるカード型キーホルダーの製造方法であるため、好みのカード型キーホルダーを容易に製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明することとする。図1は、本発明のカード型キーホルダーの実施形態を説明する図である。図1のように、本発明のカード型キーホルダー1は、カード基材11上に使用者の嗜好に合った画像14が記録され、カードの外形15も適宜な形状に打ち抜かれ、カード型基材の一端には、キーホルダーチェーン用の穴16が形成されている。カード上には、キーホルダ所有者の個人名や住所、電話番号等の印字記録17がされていてもよい。図2は、カード型キーホルダーの断面を示す図である。カード基材11には、図2(A)のように直接昇華転写により画像14の記録が可能であるが、必要により図2(B)のようにインキ受容層12が設けられる。インキ受容層には感熱昇華転写記録法により好みの画像14が記録され、カード表面には必要により保護層13が形成される。画像14はカードの片面あるいは両面にあってもよい。後述のように保護層13も昇華転写プリンターで形成することができる。インキ受容層12は、カード基材自体が昇華転写インキの染料受容性を有する場合は特に設ける必要がない。通常、塩化ビニル、ポリエステル等のカード基材は染料受容性であるため、インキ受容層を設けない場合が多い。
【0010】本発明に使用するカード基材は、塩化ビニルシートやポリエステル等の任意の厚さのものを使用することができるが、一般的には、カード基材が、0.4〜1.0mm程度である場合は、硬質で曲げ難い基材となり、0.18〜0.4mm程度の場合は屈曲性のある基材となる。カード基材が1.0mm以上では、穴開けや打ち抜き工程が困難になり、専用の打ち抜き機を使用する必要がある。これら塩化ビニルシート、PET基材の他に、ABS、ポリカーボネート、アクリル、ナイロン、合成紙等を基材とすることができる。カードサイズは、54.0×85.6mm(JISX6301)から66.7×98.4mm程度が一般的である。
【0011】カード型キーホルダーの外形は所定の形状に打ち抜いて形成する。形状の打ち抜きは、打ち抜き刃型でなされるので任意の形状とすることはできないが、数種の刃型形状を準備して、その中から希望の形状に打ち抜くことが可能である。例えば、カードの矩形形状から大きく変形しないような人の顔とか、犬や猫等の動物の外形とか花や乗物の外形とかである。これらは記録する画像との関係で選択することになる。もっとも、この形状はキーホルダーを使用する人の好みに合わせるものであるから、カード形状そのままで良い場合は、敢えて他の形状にする必要はない。キーホルダーチェーンを通す穴16の部分も丸穴に限らず、星型やハート型等の任意の形状とすることが使用者の関心を高める効果を有する。
【0012】昇華性インキ受容層としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニルの共重合体樹脂等が挙げられる。通常、カード基材表面には硬質塩化ビニル重合体やポリエチレンテレフタレートからなる樹脂が使用されるのでカード基材自体が昇華転写インキ(昇華性染料)の受容層の機能を果たすことができる場合が多い。従ってこの場合には、インキ受容層を特に設ける必要はない。本発明請求項1および請求項4記載の発明はこのような場合に対応することになる。
【0013】次に本発明のカード型キーホルダーの製造方法について説明する。図3は、カード型キーホルダーの製造プロセスを示す図である。図3(A)のように、画像記録されていないカード基材(白カード)11が、まず準備される。次に、カードプリンタシステム4を使用して、カード基材11に使用者の嗜好に合った画像14を記録する(図3(B))。カードプリンタシステムは、カード1面の大きさのみならず、通常、2面ないし8面の大きさまでプリントすることができる。図3(C)は、単一のカード若しくは4面付けのカードに画像出力した状況を示している。図3(D)は、4面付けのカードをカード専用打ち抜き機5で好みの形状に打ち抜いている状況、図3(E)は、打ち抜いたカードにキーホルダチェーン18を取り付けて完成したカード型キーホルダー1を示している。
【0014】図4は、カードプリンタシステムの構成を示す図である。本発明のカード型キーホルダーは、図4のようなカードプリンタシステムを使用すると好適に行うことができる。好みのデザインや写真を貼った写真台紙を、平面走査型画像入力装置であるCCDスキャナ43、あるいはデジタルカメラ44等で撮影して画像情報を入力する。印字記録データを取り込む場合は、個人の名前、住所、電話番号等の属性データをキーボード42により入力する。画像情報の取り込みは、写真台紙に貼付されたものに限らず、直接人物や花、動物、その他のものを撮影したデータを取り込むようにすることも可能である。さらに写真画像撮影装置をシステムから切り離し、予め撮影した画像データを、磁気テープ45、光ディスク46、フロッピーディスク47等にイメージデータとして格納しておいて使用することも可能である。かかる入力手段から入力された画像データは画像処理制御装置41で画像処理されて駆動装置48を駆動してプリンタ装置49により画像記録される。
【0015】図5は、感熱昇華転写記録法によりカード上に画像記録している状況を示す図である。図5のように、昇華転写方式では、カード基材11表面に、インキ受容層形成層(Re)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)及び透明な保護層形成層(P)が順番に形成された昇華転写リボン3を用い、4色のインク色部分をカード基材に順次あてがい画像記録を行う。すなわち、1色記録後はカードが反転して最初の位置に戻り次の色の記録を行う操作を繰り返して行う。画像記録後は記録層を保護する目的で無色透明の保護層を設けるが、この透明保護層の形成も前記のインクリボンの保護層形成層(P)を使用してサーマルヘッド6によりなされる。また、図5では、昇華転写リボン3にインキ受容層形成層(Re)を設けてあるが、カード基材にインキ受容層を予め設けてある場合、あるいはカード基材自体が染料受容性の場合は当該層を転写する必要はない。この感熱昇華転写記録は、現在最大1677万色(YMC各色256階調)、300dpi以上の表現が可能であり、色彩豊かな画像を多階調で記録する手段としてカードへの記録に多用されている。
【0016】図6は、カードの画像記録に使用する感熱昇華転写リボンの一例を説明する図である。図6のように、昇華転写リボン3は、薄い帯状基材フィルム31上に、必要に応じて接着剤層35を介して、面順次に複数の昇華染料転写インキ層、例えば、33Y(イエロー)、33M(マゼンタ)、33C(シアン)、33Bk(ブラック)を順次形成するとともに、各色の前段に、受容層321、中間層322、接着剤層323からなるインキ受容層形成層32を設け、各色の後段に、保護層341、接着剤層342からなる保護層形成層34を設けてある。前記のように、個々のカードにインキ受容層が形成されている場合は、このインキ受容層形成層32のカード基材への転写は不要である。あるいはもともとインキ受容層形成層を備えない昇華転写リボンを使用することができる。
【0017】次に、カードのインキ受容層、保護層の材料について説明する。
(インキ受容層)上記基材フィルムの表面に形成する昇華染料インキ受容層は、カード基材に受容層を転写後に、熱転写シートから移行してくる昇華性染料を受容し、形成された画像を維持するためのものである。上記いんき受容層を形成するための樹脂としては、好ましくは重合度が400以下の塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を用いる。重合度が400を超えると、受容層の膜強度が大き過ぎて微細パターン状の受容層を転写しようとする場合、正確な転写が出来ない。特に好ましい重合度の範囲は150〜350であって、重合度が150未満である場合には、転写後に膜としての強度が不十分であり、また、被転写材に転写後、染料転写時に熱転写シートの染料層と粘着し、受容層が染料層に取られるという問題が発生する。
【0018】(保護層)保護層としては、アクリル樹脂やポリエステル樹脂が使用される。保護層用塗工液組成としては次のような例が挙げられる。
ポリエステル樹脂 20部 エポキシ変性シリコーン 0.5部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80部さらに上記の保護層の表面には、これらの層の転写性を良好にするために接着剤層を設ける。これらの接着剤層は、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂等の如く熱時接着性の良好な樹脂の溶液を塗布および乾燥することによって、好ましくは0.5〜10μm程度の厚みに形成する。
【0019】
【実施例】
(実施例)図1は、本発明のカード型キーホルダーの製造工程を説明する図である。図1のように、硬質塩化ビニルシートを積層した白色のカード基材(厚さ0.76mm)11に、カードプリンタシステム(大日本印刷株式会社製「CPカードシステム500」)と、図6に図示の昇華転写リボンを使用して、複数のデザインを昇華転写プリントした。4色の画像記録をする前にインキ受容層形成層32の転写を行い、画像記録後は保護層形成層34をサーマルヘッドにより転写した。カード基材は絵柄4面付けとし、4種の絵柄を同時に画像記録した。その後、カード専用打ち抜き機5で、キーホルダーチェーン用の通し穴とカードの外形を本の形状に打ち抜き、キーホルダー用チェーン18を取り付けた。
【0020】
【発明の効果】本発明のカード型キーホルダーは、顧客の嗜好に合わせて好みのデザインを感熱昇華転写プリンタで出力し、また、カードの外形やキーホルダーチェーン用の穴を好みの形状に打ち抜くことで製造できるので意匠性に富んだカード型キーホルダーとすることができる。また、使用者の、氏名や住所等を印字できるので紛失することが少なく、少数の製造でもコストを比較的安価にして製造することができる。
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小西 淳美
【公開番号】 特開平11−113729
【公開日】 平成11年(1999)4月27日
【出願番号】 特願平9−303341