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【発明の名称】 茣蓙敷物及びその製造方法
【発明者】 【氏名】中島 敏文

【要約】 【課題】従来は普及品としてしか利用できなかった長さが短い藺草を使用して形成しても長い藺草を使用したと同様な高級な外観を有すると共に、従来なかった斬新なデザインの茣蓙敷物を提供する。

【解決手段】全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物(S) は、四隅に配置された直角二等辺三角形状の隅部材(2) と、隅部材(2) の内側に配置されている五枚の内部材とを備えている。内部材は一枚の長方形状の内部材(8) と、45度と90度で形成された角部を有する二枚の台形状の内部材(9) と、45度で形成された二箇所の角部を有する二枚の台形状の内部材(10)により構成されている。隅部材(2) の長辺を底辺とする図形高さと内部材(8,9,10)の幅は規格畳の幅の1/21/2の幅(L0)に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、藺草を織成して形成された所要幅を有する織成部材の長さ方向の両端部を、幅方向の端辺と45度または90度の角度をもって切断して形成された敷物部材を備えており、上記敷物部材は幅方向の両端辺が茣蓙敷物の縁辺と45度を形成するように幅方向へ複数接合してあることを特徴とする、茣蓙敷物。
【請求項2】 全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、両側に配置されている直角二等辺三角形状の隅部材(2) と、上記隅部材(2) によって挟まれている内部材(1) と、を含んでおり、上記内部材(1) は鋭角側が45度に形成された平行四辺形状に形成されていることを特徴とする、茣蓙敷物。
【請求項3】 全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、四隅に配置されている直角二等辺三角形状の隅部材(2) と、上記隅部材(2) の内側に配置されている二枚の内部材(3) と、を含んでおり、上記内部材(3) は長方形状に形成されていることを特徴とする、茣蓙敷物。
【請求項4】 全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、四隅に配置された直角二等辺三角形状の隅部材(2) と、上記隅部材(2) の内側に配置されている三枚の内部材と、を含んでおり、上記内部材は一枚の長方形状の内部材(4) と、45度と90度で形成された角部を有する二枚の台形状の内部材(5) により構成されていることを特徴とする、茣蓙敷物。
【請求項5】 全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、四隅に配置された直角二等辺三角形状の隅部材(2) と、上記隅部材(2) の内側に配置されている四枚の内部材と、を含んでおり、上記内部材は二枚の長方形状の内部材(6) と、45度で形成された二箇所の角部を有する二枚の台形状の内部材(7) により構成されていることを特徴とする、茣蓙敷物。
【請求項6】 全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、四隅に配置された直角二等辺三角形状の隅部材(2) と、上記隅部材(2) の内側に配置されている五枚の内部材と、を含んでおり、上記内部材は一枚の長方形状の内部材(8) と、45度と90度で形成された角部を有する二枚の台形状の内部材(9) と、45度で形成された二箇所の角部を有する二枚の台形状の内部材(10)により構成されていることを特徴とする、茣蓙敷物。
【請求項7】 全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、四隅に配置された直角二等辺三角形状の隅部材(2) と、上記隅部材(2) の内側に配置されている六枚の内部材と、を含んでおり、上記内部材は二枚の長方形状の内部材(11)と、45度で形成された二箇所の角部を有する四枚の台形状の内部材(12,13) により構成されていることを特徴とする、茣蓙敷物。
【請求項8】 上記隅部材(2) の長辺を底辺とする図形高さと上記内部材(1,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13) の幅が規格畳の幅の1/21/2 の幅に形成されていることを特徴とする、請求項2、3、4、5、6または7記載の茣蓙敷物。
【請求項9】 藺草を織成して敷物状に形成されており規格畳の幅の1/21/2 の幅を有する織成部材の長さ方向の両端部を幅方向の両端辺と45度または90度の角度をもって切断して直角二等辺三角形状の隅部材と長方形または/及び台形状の内部材を設け、上記内部材を単独でまたは幅方向に接合して配置し、上記隅部材を上記内部材の幅方向の両端部または四隅部に接合することを特徴とする、茣蓙敷物の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は藺草を織成した茣蓙敷物及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、長さが短く安価な藺草を利用して形成しても高級な外観を持たせることができる茣蓙敷物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】藺草を織成した茣蓙敷物は、江戸間、本間等の規格の違いで多少広さの違いはあるが、折り畳みの便を図るために、通常は一畳を単位として形成されている。すなわち、長方形状の一畳単位を縦横に接続して、二畳、三畳、四畳半、六畳、八畳、あるいはそれ以上の広さの茣蓙敷物がつくられている。
【0003】ところで、上記したように、茣蓙敷物は藺草を織成して形成されている。この藺草には、約90cmの畳幅を基にした全体の長さによって等級が付けられている。つまり、藺草は一般に中間部分における太さがほぼ均一で直線度も高くなっており、長い藺草はこの中間部分も長いので、この部分だけを利用して目が揃った高級な茣蓙を形成することができる。従って、長い藺草は上級に分類され、価格も高い。
【0004】これに対し、短い藺草は中間部分だけでは長さが足りないので、両端側の太さが異なり色合いも異なる部分も含まないと茣蓙を形成することができない。このため、できた茣蓙は目が不揃いであったり色違いが目立つなどの問題があり、普及品(低級品)にしかなり得ない。従って、藺草の価格も長い藺草と比べるとごく安価である(通常、1/40程度)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の茣蓙敷物には、次のような課題があった。すなわち、目や色が揃って見映えがする高級な茣蓙敷物を形成するには、長い藺草を使用しなければならないが、長い藺草は価格が高いため、製造コストを安価に抑えることができなかった。また、茣蓙敷物は一畳単位を縦横に接続するだけなので、広げて使用する際は接合部分で形成される升目模様が基調となっており、多少違った絵模様が織成されていても、全体としては代わり映えしないデザインである。
【0006】本発明は、上記課題を解消するもので、従来は普及品としてしか利用できなかった長さが短い藺草を使用して形成しても長い藺草を使用したと同様な高級な外観を有する茣蓙敷物及びその製造方法を提供することを目的とする。また、従来なかった斬新なデザインの茣蓙敷物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明にあっては、全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、藺草を織成して形成された所要幅を有する織成部材の長さ方向の両端部を、幅方向の端辺と45度または90度の角度をもって切断して形成された敷物部材を備えており、上記敷物部材は幅方向の両端辺が茣蓙敷物の縁辺と45度を形成するように幅方向へ複数接合してあることを特徴とする、茣蓙敷物である。
【0008】第2の発明にあっては、全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、両側に配置されている直角二等辺三角形状の隅部材と、上記隅部材によって挟まれている内部材と、を含んでおり、上記内部材は鋭角側が45度に形成された平行四辺形状に形成されていることを特徴とする、茣蓙敷物である。
【0009】第3の発明にあっては、全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、四隅に配置されている直角二等辺三角形状の隅部材と、上記隅部材の内側に配置されている二枚の内部材と、を含んでおり、上記内部材は長方形状に形成されていることを特徴とする、茣蓙敷物である。
【0010】第4の発明にあっては全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、四隅に配置された直角二等辺三角形状の隅部材と、上記隅部材の内側に配置されている三枚の内部材と、を含んでおり、上記内部材は一枚の長方形状の内部材と、45度と90度で形成された角部を有する二枚の台形状の内部材により構成されていることを特徴とする、茣蓙敷物である。
【0011】第5の発明にあっては、全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、四隅に配置された直角二等辺三角形状の隅部材と、上記隅部材の内側に配置されている四枚の内部材と、を含んでおり、上記内部材は二枚の長方形状の内部材と、45度で形成された二箇所の角部を有する二枚の台形状の内部材により構成されていることを特徴とする、茣蓙敷物である。
【0012】第6の発明にあっては、全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、四隅に配置された直角二等辺三角形状の隅部材と、上記隅部材の内側に配置されている五枚の内部材と、を含んでおり、上記内部材は一枚の長方形状の内部材と、45度と90度で形成された角部を有する二枚の台形状の内部材と、45度で形成された二箇所の角部を有する二枚の台形状の内部材により構成されていることを特徴とする、茣蓙敷物である。
【0013】第7の発明にあっては、全体の形状が四角形状に形成されている茣蓙敷物であって、四隅に配置された直角二等辺三角形状の隅部材と、上記隅部材の内側に配置されている六枚の内部材と、を含んでおり、上記内部材は二枚の長方形状の内部材と、45度で形成された二箇所の角部を有する四枚の台形状の内部材により構成されていることを特徴とする、茣蓙敷物である。
【0014】第8の発明にあっては、上記隅部材の長辺を底辺とする図形高さと上記内部材の幅が規格畳の幅の1/21/2 の幅に形成されていることを特徴とする、第2、第3、第4、第5、第6または第7の発明に係る茣蓙敷物である。
【0015】第9の発明にあっては、藺草を織成して敷物状に形成されており規格畳の幅の1/21/2 の幅を有する織成部材の長さ方向の両端部を幅方向の両端辺と45度または90度の角度をもって切断して直角二等辺三角形状の隅部材と長方形または/及び台形状の内部材を設け、上記内部材を単独でまたは幅方向に接合して配置し、上記隅部材を上記内部材の両側または四隅部に接合することを特徴とする、茣蓙敷物の製造方法である。
【0016】本発明にいう規格畳とは、例えば、江戸間(87×174cm)、五八(88×176cm)、三六(91×182cm)、六一(92×184cm)、本間(95.5×191cm)などであり、このうちのどれを使用してもよい。また、「1/21/2 」の数値は、直角二等辺三角形の長辺と、この長辺と45度をなす短辺の長さの比を表している。なお、規格畳の幅より短い幅の織成部材のみを使用し、所定の形状に切断して内部材と隅部材を形成し、これらを適宜組み合わせることにより、一畳、二畳、三畳、四畳半、六畳、八畳等の茣蓙敷物を形成するためには、織成体の幅を規格畳の幅の1/21/2 の幅に設定し、更に内部材の幅方向の両端辺が茣蓙敷物の縁辺と45度を形成するよう接合して、茣蓙敷物の隅部となる位置に直角二等辺三角形状の隅部材を設ければよい。これについては、後の実施の形態の欄で詳述する。
【0017】織成体の切断形状には、■長さ方向の両端辺が幅方向の両端辺と直角に形成された内部材(長方形状)、■長さ方向の一端辺が幅方向の両端辺と直角に形成され、他端辺が45度の角度で切断された内部材(台形状)、■長さ方向の両端辺が幅方向の両端辺と45度の角度で切断され、かつその切断された両端辺が90度方向に設けてある内部材(台形状)、■長さ方向の両端辺が幅方向の両端辺と45度の角度で切断され、かつその切断された両端辺が平行な内部材(平行四辺形状)、■直角二等辺三角形状の隅部材の五種類がある。
【0018】(作用)本発明の茣蓙敷物は、藺草を織成して形成された所要幅を有する織成部材の長さ方向の両端部を、幅方向の端辺と45度または90度の角度をもって切断して形成された敷物部材を備えており、敷物部材は幅方向の両端辺が茣蓙敷物の縁辺と45度を形成するように幅方向へ複数接合してあるので、従来の茣蓙敷物のように一畳単位を縦横に接続しただけの升目を基調としたデザインと相違して、常識を打破するような斬新なデザインとなり、インテリアとしての利用価値も高い。
【0019】内部材の両側または四隅に直角二等辺三角形状の隅部材が配置されているものは、隅部材の長辺が内部材の幅方向の両端辺の方向と90度で交差しており、茣蓙敷物を見たとき内部材の幅方向の両端辺に沿って流れる視線が止まるようになっている。これによって、使用者に、部屋の縁線と45度で傾斜する内部材の幅方向の両端辺に沿って視線が流れてしまうことによる視覚的な混乱が生じるのを抑制することができる。
【0020】隅部材の長辺を底辺とする図形高さと内部材の幅が規格畳の幅の1/21/2 の幅に形成されているものは、従来のものと同様の形状の茣蓙敷物を、規格畳の幅より短い幅の織成部材で形成された内部材と隅部材によって形成することができる。すなわち、隅部材の幅(図形高さ)と内部材の幅を規格畳の幅の1/21/2 の幅に設定し、内部材を幅方向の両端辺が茣蓙敷物の縁辺と45度をなすように単独でまたは幅方向へ複数並べて設け、更に、茣蓙敷物の隅部となる部分に直角二等辺三角形状の隅部材を設けることにより、茣蓙敷物の内部材の幅方向に位置する二つの頂点間の幅が内部材と隅部材の幅の整数倍となる。従って、上記幅で形成された織成部材の両端部を所定の長さで幅方向の両端辺と45度または90度の角度で切断して内部材と隅部材をつくることにより、従来と同様の形状の茣蓙敷物をつくることができる。また、上記利用では45度と90度での切断は端(はした)が出ない(45度の切断では、切断他方にも45度の角部が残り、同様に利用可能)ので、敷物部材を無駄なく有効に利用できる。
【0021】また、上記したように、本発明の茣蓙敷物は規格畳の幅の1/21/2 の幅、すなわち、約0.71倍の短い幅の織成部材を45度と90度で切断して形成された内部材と隅部材を使用して形成される。このため、従来は普及品としてしか利用できなかった長さが短い藺草を使用した場合でも、太さが均一で直線度が高い中間部分で織成部材をつくることができるようになり、製造コストが安価で高級な外観を有する茣蓙敷物を形成することが可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。図1は本発明に係る茣蓙敷物の実施の形態を示し、一畳敷の茣蓙敷物を示す平面図、図2は二畳敷の茣蓙敷物を示す平面図、図3は三畳敷の茣蓙敷物を示す平面図、図4は四畳半敷の茣蓙敷物を示す平面図、図5は六畳敷の茣蓙敷物を示す平面図、図6は八畳敷の茣蓙敷物を示す平面図である。
【0023】図1ないし図6において、同一または同等箇所には同一の符号を付して示している。なお、茣蓙敷物を構成する内部材及び隅部材の周縁部には、実際上は縁布14が設けられるが、縁布14は図1においてのみ表し、図2ないし図6においては便宜上図示を省略している。また、図2ないし図6においては、従来の茣蓙敷物の一畳の境界部分を点線で表して、本発明の茣蓙敷物と従来の茣蓙敷物の違いを比較しやすいようにしている。
【0024】図1を参照する。茣蓙敷物S1は一畳敷であり、一枚の内部材1と二枚の隅部材2により形成されている。内部材1と隅部材2は、幅が規格畳の幅Lの1/21/2 の幅L0を有する織成部材(図示省略)を切断して形成されている。内部材1は平行四辺形状であり、長さ方向の両端辺である短辺102が、幅方向の両端辺である両長辺101と45度を形成し、かつ互いに平行になるよう形成されている。
【0025】隅部材2は直角二等辺三角形状であり、短辺202の長さが規格畳の幅Lと同一になるよう形成されており、かつ図形高さが幅L0となっている。各隅部材2は、内部材1の両長辺101に、長辺201を縫着して折り曲げ可能に接合してある。茣蓙敷物S1は、図1に示すように、内部材1及び隅部材2の幅方向に位置する二つの頂点P1、P2間の幅L1が内部材1と隅部材2の幅L0の整数倍となっている。なお、茣蓙敷物S1の作用については、ここでは説明を省略し、後述する(作用)の欄において、後で説明する三畳敷の茣蓙敷物S3を例にとり説明する。
【0026】図2を参照する。茣蓙敷物S2は二畳敷であり、二枚の内部材3と四枚の隅部材2により形成されている。内部材3と隅部材2は、幅が規格畳の幅Lの1/21/2 の幅L0を有する織成部材を切断して形成されている。内部材3は長方形状であり、長さ方向の両端辺である短辺302が幅方向の両端辺である長辺301と90度になるよう形成されている。各内部材3は互いに長辺301を縫着して折り曲げ可能に接合してある。
【0027】接合された内部材3の外周縁部の四辺(長辺301、短辺302)には、上記茣蓙敷物S1の隅部材2と同様の隅部材2がそれぞれ長辺201を縫着して折り曲げ可能に接合してある。なお、茣蓙敷物S2は、図2に示すように、内部材3及び隅部材2の幅方向に位置する二つの頂点P1、P2間の幅L2が内部材3と隅部材2の幅L0の整数倍となっている。
【0028】図3を参照する。茣蓙敷物S3は三畳敷であり、一枚の内部材4と二枚の内部材5及び四枚の隅部材2により形成されている。内部材4、5及び隅部材2は、規格畳の幅Lの1/21/2 の幅L0を有する織成部材を切断して形成してある。内部材4は長方形状で、長さ方向の両端辺である短辺402が幅方向の両端辺である長辺401と90度になるよう形成されている。
【0029】内部材5は台形状で、長さ方向の一方の端辺である短辺504が幅方向の両端辺である長辺501及び中辺502と90度になるよう形成され、他方の端辺である斜辺503が長辺501と45度になるよう形成されている。そして、各内部材5は長辺501を内部材4の長辺401に縫着して折り曲げ可能に接合してある。なお、各内部材5は互いに点対称の位置関係となるように接合してある。接合された内部材4、5の外周縁部の四辺(中辺502、短辺402、短辺504)には、上記茣蓙敷物S1の隅部材2と同様の隅部材2が長辺201を縫着して折り曲げ可能に接合してある。なお、茣蓙敷物S3は、図3に示すように、内部材4、5及び隅部材2の幅方向に位置する二つの頂点P1、P2間の幅L3が内部材4、5と隅部材2の幅L0の整数倍となっている。
【0030】図4を参照する。茣蓙敷物S4は四畳半敷であり、二枚の内部材6と二枚の内部材7及び四枚の隅部材2により形成されている。内部材6、7及び隅部材2は、規格畳の幅Lの1/21/2 の幅L0を有する織成部材を切断して形成してある。内部材6は長方形状で、長さ方向の両端辺である短辺602が幅方向の両端辺である長辺601と90度になるよう形成されている。内部材7は台形状で、長さ方向の両端辺である斜辺703が幅方向の両端辺である長辺701、中辺702のうち長辺701と45度になるように、かつ互いに90度を形成するように形成されている。
【0031】そして、各内部材6は互いに長辺601を縫着して折り曲げ可能に接合してある。各内部材7は接合された内部材6の外側の長辺601に長辺701を縫着して折り曲げ可能に接合してある。接合された内部材6、7の外周縁部の四辺(短辺602、中辺702)には、上記茣蓙敷物S1の隅部材2と同様の隅部材2が長辺201を縫着して折り曲げ可能に接合してある。なお、茣蓙敷物S4は、図4に示すように、内部材6、7の幅方向に位置する二つの頂点P1、P2間の幅L4が内部材6、7と隅部材2の幅L0の整数倍となっている。
【0032】図5を参照する。茣蓙敷物S5は六畳敷であり、一枚の内部材8と二枚の内部材9と二枚の内部材10及び四枚の隅部材2により形成されている。内部材8、9、10及び隅部材2は、規格畳の幅Lの1/21/2 の幅L0を有する織成部材を切断して形成してある。内部材8は長方形状で、長さ方向の両端辺である短辺802が幅方向の両端辺である長辺801と90度になるよう形成されている。
【0033】内部材9は台形状で、長さ方向の一方の端辺である短辺904が幅方向の両端辺である長辺901、中辺902と90度になるよう形成され、他方の端辺である斜辺903が長辺901と45度になるよう形成されている。内部材10は台形状で、長さ方向の両端辺である斜辺105が幅方向の両端辺である長辺103、中辺104のうち長辺103と45度になるように、かつ互いに90度を形成するように形成されている。
【0034】そして、内部材8の両長辺801には内部材9が長辺901を縫着して折り曲げ可能に接合してある。なお、各内部材9は互いに点対称の位置関係となるように接合してある。内部材10は接合された内部材9の外側の中辺902に長辺103を縫着して折り曲げ可能に接合してある。接合された内部材8、9、10の外周縁部の四辺(中辺104、短辺802、短辺904)には、上記茣蓙敷物S1の隅部材2と同様の隅部材2が長辺201を縫着して折り曲げ可能に接合してある。なお、茣蓙敷物S5は、図5に示すように、内部材8、9、10及び隅部材2の幅方向に位置する二つの頂点P1、P2間の幅L5が内部材8、9、10と隅部材2の幅L0の整数倍となっている。
【0035】図6を参照する。茣蓙敷物S6は八畳敷であり、二枚の内部材11と二枚の内部材12と二枚の内部材13及び四枚の隅部材2により形成されている。内部材11、12、13及び隅部材2は、規格畳の幅Lの1/21/2 の幅L0を有する織成部材を切断して形成してある。内部材11は長方形状で、長さ方向の両端辺である短辺112が幅方向の両端辺である長辺111と90度になるよう形成されている。内部材12は台形状で、長さ方向の両端辺である斜辺123が幅方向の両端辺である長辺121、中辺122のうち長辺121と45度になるように、かつ互いに90度を形成するように形成されている。内部材13も同様に台形状で、長さ方向の両端辺である斜辺133が幅方向の両端辺である長辺131、中辺132のうち長辺131と45度になるように、かつ互いに90度を形成するように形成されている。
【0036】そして、各内部材11は互いに長辺111を縫着して折り曲げ可能に接合してある。接合された内部材11の外側の長辺111には内部材12が長辺121を縫着して折り曲げ可能に接合してある。更に、接合された内部材12の中辺122には、内部材13が長辺131を縫着して折り曲げ可能に接合してある。接合された内部材11、12、13の外周縁部の四辺(中辺132、短辺112)には、上記茣蓙敷物S1の隅部材2と同様の隅部材2が長辺21を縫着して折り曲げ可能に接合してある。なお、茣蓙敷物S6は、図6に示すように、内部材11、12、13の幅方向に位置する二つの頂点P1、P2間の幅L6が内部材11、12、13と隅部材2の幅L0の整数倍となっている。また、上記各実施の形態においては全体形状が四角形であるが、上記幅L0の幅を有する敷物部材を適宜切断して幅方向に接合し、例えば円形状、楕円形状、四角形以外の多角形状等、様々な外形を有する茣蓙敷物を形成することも可能である。
【0037】(作 用)図3を参照して本発明に係る茣蓙敷物S3の作用を説明する。なお、茣蓙敷物S3を説明するのは一例としてであって、他の茣蓙敷物S1、S2及びS4ないしS6もほぼ同様の作用を有する。茣蓙敷物S3は、内部材4、5と隅部材2の組合せにより、従来と同様の外形を有する茣蓙敷物S3を形成することができる。これらの内部材4、5と隅部材2は、規格畳の幅L(例えば、五八の規格では、88cm)より短い幅L0(五八の規格では、約62cm)を有する織成部材を長さ方向の両端部を幅方向の端辺と45度または90度の角度をもって直線的に切断するだけで端を生じることなく形成することができるので、無駄がない。
【0038】つまり、茣蓙敷物S3をつくる材料としては、幅L0を有する織成部材があればよく、後はこれを直線的に切断するだけでよいので、材料の管理も容易であり、内部材4、5と隅部材2も簡単につくることができる。なお、仮に内部材4、5のように茣蓙敷物S3の縁辺に対し斜めに配置せずに、幅L0を有する織成部材を長方形状に切断し、幅方向の両端辺が茣蓙敷物S3の縁辺と平行になるように幅方向に複数並べて接合したとすると、茣蓙敷物S3の幅が織成部材の幅L0の整数倍とならないので、幅L0より狭い織成体を別につくらないと、正規の広さの茣蓙敷物S3を形成することができない。これでは、それぞれ異なる幅を有する複数種類の織成部材を用意する必要があり、製造及び管理に無用な手間がかかる。
【0039】茣蓙敷物S3は、規格畳の幅Lの1/21/2 の幅L0、すなわち、具体的には従来の88cmに対して26cm短い62cmの織成部材を45度と90度で切断して形成された内部材4、5と隅部材2を使用して形成される。従って、従来は普及品としてしか利用できなかった、長さが短い藺草を使用した場合でも、太さが均一で直線度が高い中間部分を利用して織成部材をつくることができるようになり、製造コストが安価で高級な外観を有する茣蓙敷物を形成することが可能である。
【0040】また、茣蓙敷物S3は、織成部材で形成された内部材4、5が茣蓙敷物S3の縁辺と45度の角度をもって斜めに設けてあり、更に隅部には二等辺三角形状の隅部材2が設けてある構造である。これによって、従来の茣蓙敷物のように一畳単位を縦横に接続しただけの升目を基調としたデザインと相違して、常識を打破するような斬新なデザインとなっており、インテリアとしての利用価値も高い。
【0041】なお、茣蓙敷物S3は隅部に隅部材2が配置されており、その長辺201が内部材4、5の長辺401、501の方向と90度で交差しており、茣蓙敷物S3を見たとき内部材4、5の長辺401、501に沿って流れる視線が止まるようになっている。これによって、使用者に、部屋の縁線と45度で傾斜する内部材4、5の長辺401、501に沿って視線が流れてしまうことによる視覚的な混乱が生じるのを抑制することができる。
【0042】図7は図3に示す三畳敷の茣蓙敷物を折り畳む際の手順を示す説明図である。茣蓙敷物S3を折り畳む手順は次のとおりである。なお、この折り畳みの手順は他の茣蓙敷物S1、S2及びS4ないしS6にも応用できる。また、茣蓙敷物S3は、通常は裏面が上面側となるように置いて折り畳み、折り畳んだ状態においては外側に表面側が表れるようにするが、逆に表面が上面側となるように置いて折り畳み、外側に裏面が表れるようにしてもよい。
【0043】図7(a)は、茣蓙敷物S3を拡げた状態を示している。この状態から、図7(b)に示すように各隅部材2を接合線から矢印■、■、■、■方向へ重ねて折り曲げる。次に、図7(c)に示すように、一方側を矢印■のように重ねて折り曲げる。このとき、図において左側の隅部材2は中央部分から折れ曲ることになる。そして、図7(d)に示すように、もう一方側を矢印■のように更に重ねて折り曲げる。これによって、茣蓙敷物S3は長方形状に小さく折り畳むことができ、収納や移動の際に嵩張らず、取り扱いがしやすい。
【0044】なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示の実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明の茣蓙敷物は、藺草を織成して形成された所要幅を有する織成部材の長さ方向の両端部を、幅方向の端辺と45度または90度の角度をもって切断して形成された敷物部材を備えており、敷物部材は幅方向の両端辺が茣蓙敷物の縁辺と45度を形成するように幅方向へ複数接合してあるので、従来の茣蓙敷物のように一畳単位を縦横に接続しただけの升目を基調としたデザインと相違して、常識を打破するような斬新なデザインとなり、インテリアとしての利用価値も高い。
【0046】(b)内部材の両側または四隅に直角二等辺三角形状の隅部材が配置されているものは、隅部材の長辺が内部材の幅方向の両端辺の方向と90度で交差しており、茣蓙敷物を見たとき内部材の幅方向の両端辺に沿って流れる視線が止まるようになっている。これによって、使用者に、部屋の縁線と45度で傾斜する内部材の幅方向の両端辺に沿って視線が流れてしまうことによる視覚的な混乱が生じるのを抑制することができる。
【0047】(c)隅部材の長辺を底辺とする図形高さと内部材の幅が規格畳の幅の1/21/2 の幅に形成されているものは、従来のものと同様の形状の茣蓙敷物を、規格畳の幅より短い幅の織成部材で形成された内部材と隅部材によって形成することができる。すなわち、隅部材の幅(図形高さ)と内部材の幅を規格畳の幅の1/21/2 の幅に設定し、内部材を幅方向の両端辺が茣蓙敷物の縁辺と45度をなすように単独でまたは幅方向へ複数並べて設け、更に、茣蓙敷物の隅部となる部分に直角二等辺三角形状の隅部材を設けることにより、茣蓙敷物の内部材の幅方向に位置する二つの頂点間の幅が内部材と隅部材の幅の整数倍となる。従って、上記幅で形成された織成部材の両端部を所定の長さで幅方向の両端辺と45度または90度の角度で切断して内部材と隅部材をつくることにより、従来と同様の形状の茣蓙敷物をつくることができる。また、上記利用では45度と90度での切断は端(はした)が出ない(45度の切断では、切断他方にも45度の隅部が残り、同様に利用可能)ので、敷物部材を無駄なく有効に利用できる。
【0048】(d)本発明の茣蓙敷物は規格畳の幅の1/21/2 の幅、すなわち、約0.71倍の短い幅の織成部材を45度と90度で切断して形成された内部材と隅部材を使用して形成される。このため、従来は普及品としてしか利用できなかった長さが短い藺草を使用した場合でも、太さが均一で直線度が高い中間部分で織成部材をつくることができるようになり、製造コストが安価で高級な外観を有する茣蓙敷物を形成することが可能である。
【出願人】 【識別番号】590001049
【氏名又は名称】株式会社イケヒコ・コーポレーション
【出願日】 平成9年(1997)10月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 克彦
【公開番号】 特開平11−113719
【公開日】 平成11年(1999)4月27日
【出願番号】 特願平9−293371