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【発明の名称】 滑り止めの施されたカーペットの製造方法及び滑り止めの施されたカーペット
【発明者】 【氏名】湯原 直子

【氏名】光山 永澤

【氏名】光山 永忠

【要約】 【課題】既に床面に敷かれたカーペット上に、別のカーペットを敷いたとき、両カーペット間の摩擦を増加させ、滑りを抑止することである。

【解決手段】押出成形機1より押し出された熱可塑性樹脂シート3の圧延時にカーペット5の裏面を沿わせて一緒に圧延する熱可塑性樹脂製裏地を有するカーペットの製造方法において、上記圧延時、上記カーペット5を沿わせる面と反対側の熱可塑性樹脂シート3の面に、短い剛繊維を表面部に立ち上げたシート6の裏面を沿わせて一緒に圧延することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 押出成形機より押し出された熱可塑性樹脂シートの圧延時にカーペットの裏面を沿わせて一緒に圧延する熱可塑性樹脂製裏地を有するカーペットの製造方法において、上記圧延時、上記カーペットを沿わせる面と反対側の熱可塑性樹脂シートの面に、短い剛繊維を表面部に立ち上げたシートの裏面を沿わせて一緒に圧延することを特徴とする滑り止めの施されたカーペットの製造方法。
【請求項2】 上記剛繊維の先端は、フック状に湾曲したことを特徴とする請求項1に記載の滑り止めの施されたカーペットの製造方法。
【請求項3】 カーペット、熱可塑性樹脂シート及び滑り止め用シートの順で少なくとも三層構造を有し、上記滑り止め用シートは、短い剛繊維と生地部から構成され、上記剛繊維を上記生地部から立ち上げると共に、上記剛繊維を上記生地部に固着させたシートである滑り止めの施されたカーペット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、滑り止めが施されたカーペットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カーペットは、フェルト、織物、不織布等から構成された敷物であり、家屋やビル等の建物の床、自動車等の乗物等の床などに使用されている。
【0003】このカーペットの材質と、それが敷かれる床の材質との関連で、カーペットが床上を滑る場合が生じやすい。
【0004】これを防ぐため、カーペットに合成樹脂製の裏地を設け、その裏地に突起物を形成させることにより、床面との表面積を増加させて摩擦を増加させ、滑りを抑止する事が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の裏地に突起物を設けた場合、カーペットが滑りだすと、カーペットと床との接触部位が突起物の頂点のみとなりやすく、却って床との接触面積が減少するため、滑りが助長されることがある。
【0006】特に、自動車等、既にカーペットが敷かれた床の上に、補助的に合成樹脂製の裏地を有するカーペットを敷く場合、裏地の合成樹脂製の突起物は、ある程度の大きさを有するため、床に敷かれたカーペットのパイルやカットパイル等の立毛部に絡みにくい。このため、合成樹脂製の裏地を有するカーペットが滑りだすと、上記立毛部の先端と突起物の先端のみが接触することとなり、床との接触面積が減少し、滑りが助長される。
【0007】そこで、この発明の課題は、既に床面に敷かれたカーペット上に、別のカーペットを敷いたとき、両カーペット間の摩擦を増加させ、滑りを抑止することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明は、押出成形機より押し出された熱可塑性樹脂シートの圧延時にカーペットの裏面を沿わせて一緒に圧延する熱可塑性樹脂製裏地を有するカーペットの製造方法において、上記圧延時、上記カーペットを沿わせる面と反対側の熱可塑性樹脂シートの面に、短い剛繊維を表面部に立ち上げたシートの裏面を沿わせて一緒に圧延することを特徴とする。
【0009】また、上記剛繊維の先端を、フック状に湾曲させることができる。
【0010】熱可塑性樹脂製の裏地を有するカーペットの裏地に設けたシートの短い剛繊維が、既に床面に敷かれたカーペットに入り込み、また、剛繊維の先端を湾曲させた場合は、既に床面に敷かれたカーペットの立毛部のパイルやカットパイル等と絡み合うので両者間の摩擦抵抗が増大する。このため、両者間の滑りを抑えることができる。
【0011】また、両カーペットは、シートの短い剛繊維が床側のカーペットの立毛部に入り込んでいる、又は、絡み合っているだけなので、熱可塑性樹脂製の裏地を有するカーペットを容易に引き剥がすことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0013】この発明にかかる滑り止めを施した熱可塑性樹脂製裏地を有するカーペット(以下、「この発明にかかるカーペット」と称する。)の製造方法は、図1又は図2に示すように、まず、押出成形機1の先端に取り付けたTダイ2より熱可塑性樹脂シート3を押し出す。押し出されたばかりの熱可塑性樹脂シート3は、その熱可塑性樹脂のガラス転移点より高温の状態にあり、これを圧延ローラ4間に通すことによって厚さが調節されると共に、冷却が行われる。上記の熱可塑性樹脂シート3を圧延ローラ4に通して圧延する時にカーペット5の裏面を沿わせて一緒に圧延する。
【0014】また、上記の圧延時、カーペット5を沿わせる面と反対側の熱可塑性樹脂シート3の面に、短い剛繊維を表面部に立ち上げたシート(以下、「剛繊維含有シート」と称する。)の裏面を沿わせて一緒に圧延する。すなわち、図1に示すように、Tダイ2から押し出された高温の熱可塑性樹脂シート3の各面それぞれに、カーペット5の裏面と、上記の剛繊維含有シート6の裏面を沿わせ、同時に圧延ローラ4にかけて圧延する。
【0015】この圧延時に熱可塑性樹脂シート3の樹脂がカーペット5の繊維間にしみ込み、カーペット5と熱可塑性樹脂シート3とが一体化される。これによって、カーペット5に、熱可塑性樹脂製裏地を取り付けることができる。
【0016】また、この圧延時に熱可塑性樹脂シート3の樹脂が上記の剛繊維含有シート6の生地の繊維間にしみ込み、剛繊維含有シート6と熱可塑性樹脂シート3とが一体化される。これによって、カーペット5の裏地に剛繊維含有シート6を取り付けることができる。
【0017】上記熱可塑性樹脂シート3に使用される熱可塑性樹脂は、熱可塑性を有すればいかなる樹脂でもよいが、シート状にしたときに可撓性を有する樹脂が好ましい。この発明にかかるカーペットは、既に床に敷かれたカーペットから着脱自在なので、取り外したときに丸めたりして収納することができるほうが好ましいからである。
【0018】上記剛繊維含有シート6は、図3に示すように、短い剛繊維7と生地部8から構成され、剛繊維7を上記生地部8から立ち上げると共に、剛繊維7を生地部8に固着させたシートである。この剛繊維7は、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の硬い繊維からなる。また、生地部8は、織物、不織布等、剛繊維7を固着させることができると同時に、熱可塑性樹脂シート3の樹脂がしみ込むことのできるものであればよい。剛繊維7を生地部8に固着させる方法としては、剛繊維7を生地部8に縫い込む方法、植え込む方法、熱融着させる方法等、各種の方法をとることができる。
【0019】この剛繊維7の形状は、真っ直ぐな直線状の形状であってもよく、曲線状であってもよい。また、その先端をフック状に湾曲させてもよい。上記剛繊維7が曲線状の場合、その剛繊維7の先端と上記生地部8との固着されている部分、すなわち、固着部との関係は、上記生地部8と垂直な方向を基準として、上記剛繊維7の先端と上記固着部を結ぶ線のなす角度が、0〜60°が好ましく、0〜30°がより好ましい。上記角度が0°のときは、剛繊維7が直線状となることを意味するので好ましい。また、上記角度が60°を超えると、既に床に敷かれたカーペットの繊維間に入り込みにくくなる場合が生じる。
【0020】剛繊維7が直線状又は曲線状である剛繊維含有シート6は、既に床に敷かれたカーペットの繊維間に入り込む。このため、既に床に敷かれたカーペット上にこの発明にかかるカーペットを敷くと、横滑りが防止できる。また、この発明にかかるカーペットを持ち上げることにより、既に床に敷かれたカーペットを傷つけることなく、容易に取り外すことができる。
【0021】剛繊維含有シート6として、剛繊維7の先端をフック状に湾曲させ、生地部8の表面にこれを密生させたシートを用いることもできる。このシートは、いわゆる、面ファスナ用に用いられるシートである。この面ファスナ用シートは、その表面のフック状の剛繊維により、既に床に敷かれたカーペットの立毛部と絡み合い、既に床に敷かれたカーペット上にこの発明にかかるカーペットを固定させることができる。また、取り外しは、この発明にかかるカーペットを引き剥がすことで容易に行うことができる。
【0022】上記剛繊維含有シート6は、この発明にかかるカーペットの裏面全面に設ける必要はなく、一部に設けられていればその目的を達成する。このため、一定の幅を有するテープ状の剛繊維含有シート6を用いればよい。図2に示すように、テープ状の剛繊維含有シート6を所定間隔を開けて並べ、圧延ロール4によって圧延にかければ、図4や図5に示すように、裏面の一部に剛繊維含有シート6を設けたこの発明にかかるカーペットを得ることができる。
【0023】さらに、剛繊維含有シート6として、上記面ファスナー用シート6’を用いる場合も上記と同様にすることにより、図6や図7に示すように、裏面の一部に面ファスナー用シート6’を設けたこの発明にかかるカーペットを得ることができる。
【0024】剛繊維含有シート6の間隔は、この発明にかかるカーペットの用途、使用場所等を考慮し、切断されて所定の形状に整えられたときに、必要な量の剛繊維含有シート6がその形状中に存在するように選択すればよい。
【0025】上記の剛繊維含有シート6を滑り止め用シートとして使用することにより、カーペット5、熱可塑性樹脂シート3及び剛繊維含有シート6からなる滑り止め用シートの順で少なくとも三層構造を有するこの発明にかかる滑り止めの施されたカーペットが得られる。
【0026】上記カーペット5とは、フェルト、織物、不織布等の布製の敷物の総称をいい、絨毯ともよばれ、それらの任意のものを用いるものができる。ただ、その本体は、織物、不織布、フェルト等、熱可塑性樹脂シート3の樹脂がしみ込むことのできるものであればよい。
【0027】得られたこの発明にかかるカーペットは、図5に示すように、熱可塑性樹脂シート3の樹脂をしみ込ませることにより、カーペット5と剛繊維含有シート6とが一体化するので、これらを結合するための縫い付けや、接着剤が不要となり、また、上記の方法により一度に製造されるので、製造工程が簡略化される。
【0028】この発明にかかるカーペットは、床上に既に敷かれたカーペットの上に敷かれる。この床上に既に敷かれたカーペットは、この発明にかかるカーペットの剛繊維含有シート6の剛繊維7が入り込むので、剛繊維7が入り込む余地のあるカーペットであることが必要である。また、剛繊維含有シート6として、面ファスナー用シート6’を用いる場合は、そのフックと絡み合うため、立毛部を有するカーペットであることが必要である。上記立毛部としては、パイルやカットパイル、カーペット本体がフェルトで構成される場合の立状の繊維等があげられる。
【0029】
【発明の効果】この発明によれば、縫い付けや、接着剤の塗布をすることなく、剛繊維含有シートをカーペットに設けることができ、簡易に製造することができる。
【0030】また、剛繊維含有シートを用いての固定となるので、この発明にかかるカーペットのずれが防止され、また、着脱が容易である。
【0031】特に、剛繊維含有シートの剛繊維が直線状である場合、床上に既に敷かれたカーペットの上に敷かれると、剛繊維が床上に既に敷かれたカーペットに入り込み、この発明にかかるカーペットのずれが防止される。また、床上に既に敷かれたカーペットを傷つけることなく容易に着脱できる。
【0032】さらに、剛繊維含有シートの剛繊維がフック状である場合、床上に既に敷かれたカーペットの上に敷かれると、剛繊維が床上に既に敷かれたカーペットの立毛部と絡み合い、この発明にかかるカーペットのずれが防止される。また、着脱することも容易である。
【0033】この発明にかかるカーペットは、自動車用カーペットマットとして使用した場合、カーペットのずれが防止できるので、車内の汚れを最小限に抑えることができ、また、運転中の安全性も向上する。
【出願人】 【識別番号】597110342
【氏名又は名称】株式会社興栄ケミカル工業所
【出願日】 平成10年(1998)6月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【公開番号】 特開平11−103998
【公開日】 平成11年(1999)4月20日
【出願番号】 特願平10−177207