| 【発明の名称】 |
絵画密封式額縁 |
| 【発明者】 |
【氏名】石丸 肇
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、額縁内に絵画密封空間を形成して、同空間内の酸素ガスを除去するとともに同空間内に適度の水分を与えることにより、絵画の長期保存を適切に行なえるようにした絵画密封式額縁を提供することを課題とする。
【解決手段】額縁本体としての枠体1の内側において、ガラス板2と裏蓋3との間に絵画11を密封する空間11aが形成され、同空間11a内には、空気と置換された不活性ガスと水蒸気とが封入される。これにより同空間11a内の絵画11は、酸化を防止されるとともに、適切な湿度で保存されるようになる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内周に沿いガラス板受け段部と裏蓋受け段部とをそなえた額縁本体としての枠体と、上記ガラス板受け段部に周縁部を密着させたガラス板と、上記裏蓋受け段部に周縁部を密着させた裏蓋とをそなえて、上記のガラス板と裏蓋との間に絵画密封空間が形成され、同空間内に、空気と置換された不活性ガスと水蒸気とが封入されていることを特徴とする、絵画密封式額縁。 【請求項2】 請求項1に記載の絵画密封式額縁において、上記裏蓋がシールを介し上記裏蓋受け段部に当接するとともに、同裏蓋を上記シールに締付ける留金具が上記枠体に枢着されていることを特徴とする、絵画密封式額縁。 【請求項3】 請求項2に記載の絵画密封式額縁において、上記ガラス板がシールを介し上記ガラス板受け段部に当接するとともに、上記留金具による上記裏蓋の締付けに伴い同裏蓋から上記絵画密封空間内の絵画を介して上記ガラス板を上記シールに締付ける手段が施されていることを特徴とする、絵画密封式額縁。 【請求項4】 請求項2に記載の絵画密封式額縁において、上記ガラス板が上記ガラス板受け段部に接着剤を介し気密に固着されていることを特徴とする、絵画密封式額縁。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の絵画密封式額縁において、上記絵画密封空間からの排気ならびに同空間内への不活性ガスおよび水蒸気の封入を行なうためのバルブ付き配管が施されていることを特徴とする、絵画密封式額縁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、油絵や水彩画,水墨画等の絵画を密封する額縁に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の額縁は、単に枠体の表側に嵌め込まれたガラス板と同枠体の裏側に嵌め込まれた裏蓋との間に絵画を装填した状態とされ、裏蓋は枠体に枢着された留金具で装着されるようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のような従来の額縁では、絵画が空気に包まれた状態となっているので、同絵画のキャンバスまたは紙からなる基板や同基板上の絵の具が、長い期間の経過に伴い空気中の酸素ガスで酸化されやすく、これに伴い腐食や変色を起こすようになる。そこで本発明は、額縁内に絵画密封空間を形成して、同空間内の酸素ガスを除去するとともに同空間内に適度の水分を与えることにより、絵画の長期保存を適切に行なえるようにした絵画密封式額縁を提供することを課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するため、本発明の絵画密封式額縁は、内周に沿いガラス板受け段部と裏蓋受け段部とをそなえた額縁本体としての枠体と、上記ガラス板受け段部に周縁部を密着させたガラス板と、上記裏蓋受け段部に周縁部を密着させた裏蓋とをそなえて、上記のガラス板と裏蓋との間に絵画密封空間が形成され、同空間内に、空気と置換された不活性ガスと水蒸気とが封入されていることを特徴としている。 【0005】上述の本発明の絵画密封式額縁では、枠体の内部でガラス板と裏蓋との間に外気から遮断された絵画密封空間が形成されて、同空間内に、空気と置換された不活性ガスと水蒸気とが封入されるので、同空間内の絵画の酸化が防止されるとともに、適切な湿度で絵画が保存されるようになり、これにより絵画の損傷が十分に防止されるようになる。したがって、絵画を額縁に入れて展示しながら、その永久保存が的確に行なわれるようになる。 【0006】また、上記裏蓋がシールを介し上記裏蓋受け段部に当接するとともに、同裏蓋を上記シールに締付ける留金具が上記枠体に枢着されていると、上記裏蓋受け段部への上記裏蓋の密接が、上記留金具の係合操作に伴い上記シールを介して容易に行なわれるとともに、絵画の交換時には、上記留金具の解放操作により上記裏蓋の取外しが容易に行なわれるようになる。 【0007】さらに、上記ガラス板がシールを介し上記ガラス板受け段部に当接するとともに、上記留金具による上記裏蓋の締付けに伴い同裏蓋から上記絵画密封空間内の絵画を介して上記ガラス板を上記シールに締付ける手段が施されていると、上記ガラス板の上記ガラス板受け段部へのシールによる密接処理が、上記留金具の操作に伴い、上記裏蓋の密接処理と同時に達成されるようになる。 【0008】また、上記ガラス板は上記ガラス板受け段部に接着剤を介し気密に固着されていてもよく、これにより絵画の封入時または交換時には上記裏蓋の密接操作だけで上記絵画密封空間の形成が容易に行なわれるようになる。 【0009】さらに、上記絵画密封空間からの排気ならびに同空間内への不活性ガスおよび水蒸気の封入を行なうためのバルブ付き配管が施されていると、同バルブ付き配管を、真空ポンプあるいは真空リザーバタンクに接続して、上記絵画密封空間からの排気を能率よく行なうことができるようになり、ついで同絵画密封空間内への不活性ガスおよび水蒸気の封入も上記バルブ付き配管を通じて容易に行なえるようになる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の一実施形態としての絵画密封式額縁について説明すると、図1はその正面図、図2は図1のA−A矢視拡大断面図である。 【0011】本実施形態の絵画密封式額縁では、図1および図2に示すように、額縁本体としての枠体1のガラス板受け段部1aにシール6を介してガラス板2が密接するようになっており、同ガラス板2の保持は枠体1の内周面に摩擦係合するガラス板押え12で行なわれる。 【0012】また、枠体1の裏側の裏蓋受け段部1bには裏蓋3がシール5を介して密接するようになっていて、同裏蓋3の保持は枠体1の裏面に枢着された留金具4で行なわれる。このようにして、枠体1の内側にはガラス板2と裏蓋3との間に絵画11を密封する空間11aが形成される。 【0013】さらに、本実施形態では、留金具4による裏蓋3の締付けに伴い、同裏蓋3から絵画密封空間11a内の絵画11を介してガラス板2をシール6に締付ける手段として、裏蓋3の内面にパッド13が設けられており、留金具4による裏蓋3の締付けに伴い、その締付け力は、パッド13,絵画11およびガラス板押え12を介して、ガラス板2をシール6に締付けるように働くことになる。なお、ガラス板2は、枠体1のガラス板受け段部1aに接着剤を介し気密に固着されるようにしてもよい。 【0014】本実施形態の絵画密封式額縁では、さらに、絵画密封空間11aからの排気と同空間11a内への不活性ガス(窒素ガス等)および水蒸気の封入とを行なうためのバルブ8付き配管7が、枠体1に穿設された通路10に接続されている。そして、配管7には、アダプター9を介し、真空ポンプあるいは真空リザーバタンクを接続したり、水蒸気を混合されて適度の湿度に保たれた不活性ガスの貯溜タンクを接続したりできるようになっている。なお、バルブ8付き配管7は、裏蓋3の貫通孔に接続されるようにしてもよい。 【0015】また、絵画密封空間11aを区画する各部材が木製の場合は、その内面に樹脂コーティングを施しておくことが望ましい。 【0016】上述の本実施形態の絵画密封式額縁では、枠体1の内部でガラス板2と裏蓋3との間に外気から遮断された絵画密封空間11aが形成されて、同空間11a内に、空気と置換された不活性ガスと水蒸気とが封入されるので、同空間11a内の絵画11の酸化が防止されるとともに、同空間11a内でのバクテリアなどの繁殖も抑制され、また適宜の湿度で絵画11が保存されるようになって、これにより絵画11の損傷が十分に防止されるようになる。 【0017】したがって、絵画11を額縁に入れて展示しながら、その永久保存が的確に行なわれるようになる。なお、絵画密封区間11aの内圧は、大気圧よりもやや高めに設定されることが望ましい。 【0018】また、裏蓋受け段部1bへの裏蓋3の密接が、留金具4の係合操作に伴いシール5を介して容易に行なわれるとともに、絵画11の交換時には、留金具4の解放操作により裏蓋3の取外しが容易に行なわれるようになる。 【0019】さらに、留金具4による裏蓋3の締付けに伴い同裏蓋3から絵画11を介してガラス板2をシール6に締付ける手段としてパッド13やガラス板押え12が設けられていると、ガラス板2のガラス板受け段部1aへのシール6による密接処理が、留金具4の操作に伴い、裏蓋3の密接処理と同時に達成されるようになる。 また、ガラス板2がガラス板受け段部1aに接着剤を介し気密に固着されていている場合は、裏蓋3の密接操作だけで絵画密封空間11aの形成が容易に行なわれる利点が得られる。 【0020】さらに、前述のようにバルブ8付き配管7が設けられていると、同配管7を、真空ポンプあるいは真空リザーバタンクに接続して、絵画密封空間11aからの排気を能率よく行なうことができるようになり、ついで同絵画密封空間11a内への不活性ガスおよび水蒸気の封入も同バルブ8付き配管7を通じて容易に行なえるようになる。 【0021】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明の絵画密封式額縁によれば次のような効果が得られる。 (1) 枠体の内部でガラス板と裏蓋との間に外気から遮断された絵画密封空間が形成されて、同空間内に、空気と置換された不活性ガスと水蒸気とが封入されるので、同空間内の絵画の酸化が防止されるとともに、適切な湿度で絵画が保存されるようになり、これにより絵画の損傷が十分に防止されるようになる。したがって、絵画を額縁に入れて展示しながら、その永久保存が的確に行なわれるようになる。 (2) 上記裏蓋がシールを介し上記裏蓋受け段部に当接するとともに、同裏蓋を上記シールに締付ける留金具が上記枠体に枢着されていると、上記裏蓋受け段部への上記裏蓋の密接が、上記留金具の係合操作に伴い上記シールを介して容易に行なわれるとともに、絵画の交換時には、上記留金具の解放操作により上記裏蓋の取外しが容易に行なわれるようになる。 (3) 上記ガラス板がシールを介し上記ガラス板受け段部に当接するとともに、上記留金具による上記裏蓋の締付けに伴い同裏蓋から上記絵画密封空間内の絵画を介して上記ガラス板を上記シールに締付ける手段が施されていると、上記ガラス板の上記ガラス板受け段部へのシールによる密接処理が、上記留金具の操作に伴い、上記裏蓋の密接処理と同時に達成されるようになる。 (4) 上記ガラス板は上記ガラス板受け段部に接着剤を介し気密に固着されていてもよく、これにより絵画の封入時または交換時には上記裏蓋の密接操作だけで上記絵画密封空間の形成が容易に行なわれるようになる。 (5) 上記絵画密封空間からの排気ならびに同空間内への不活性ガスおよび水蒸気の封入を行なうためのバルブ付き配管が施されていると、同バルブ付き配管を、真空ポンプあるいは真空リザーバタンクに接続して、上記絵画密封空間からの排気を能率よく行なうことができるようになり、ついで同絵画密封空間内への不活性ガスおよび水蒸気の封入も上記バルブ付き配管を通じて容易に行なえるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592010058 【氏名又は名称】財団法人 総合科学研究機構
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月1日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】飯沼 義彦 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−103989 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月20日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−284442 |
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